北極星

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ファイル:Ursa Minor constellation map.png
こぐま座とポラリス 中央上端にポラリス(図中ではPolarisと表記)が位置する
ファイル:Sterneamwalberla2.jpg
地球からは、北極星はほとんど動かないように見える
ファイル:Diurnal motion of polaris and northern starts over half a day.jpg
半周以上の日周運動を記録することでポラリスも天の北極を中心とした日周運動を描いていることが分かる

北極星(ほっきょくせい、Pole star )は、天の北極に最も近い輝星を意味する。

21世紀現在の地球の北極星は、こぐま座α星のポラリスである。テンプレート:Main

概説

北極星は地球の自転軸を北極側に延長した線上(天の北極)近くに位置しているため、地球上から見るとほとんど動かず、北の空の星は北極星の周りを回転しているように見える。そのため、北極星は天測航行を行う際に正確な測定をするための固定点となり得る。この事実は古くから知られており、アッシリアで発見された後期バビロニア時代の星座絵図にはポラリスが描かれていた。ポラリスは21世紀初頭では天の北極から1度弱離れたところに位置し、直径1.5度程度(満月3個分程の大きさ)の円を描いている。

北極星は春分点歳差のために、何千年か毎に別の星に移り変わる。紀元前2000年代にはりゅう座α星天の北極近くにあり、エジプトクフ王のピラミッドに北向きに作られた通路は当初、この星を向いていた。1万3千年代には、こと座α星(ベガ)が北極星になる(紀元前1万1千年代においても、やはりベガが北極星であった)。

各時代の北極星

北極星は歳差運動のため、約2万5千年周期で移行し、後述の行程をほぼ同様に繰り返す。ただし、各恒星の固有運動があるために正確な繰り返しではなく、例えば紀元前58,000年頃にはうしかい座α星のアークトゥルスが北極星であった。

後述の「過去・現在・未来の北極星」のうち赤緯89度以上に達するのはポラリスとりゅう座α星であり、最も天の北極に近づくのはりゅう座α星である。

ファイル:Precession N.gif
歳差による北極星の変遷
過去の北極星
現在の北極星
  • ポラリス(こぐま座α星):西暦2100年頃、もっとも天の北極に近づく。
未来の北極星
天の北極の目印となるには暗すぎるが、天の北極に近づく恒星

関連項目

外部リンク