オリックス・バファローズ (ファーム)
テンプレート:野球チーム オリックス・バファローズ(ORIX Buffaloes)のファームは、日本のプロ野球球団・オリックス・バファローズの下部組織として設置されているファームチームである。ウエスタン・リーグの球団のひとつ。
2000年から2005年まで「サーパス神戸(SURPASS KOBE)」、2006年から2008年までは「サーパス(SURPASS)」の名称であった。
概要
1949年に、当時の阪急ブレーブスは、読売ジャイアンツ(巨人)や南海ホークスとともに二軍を結成。1950年11月に開催されたプロ野球二軍選手権に参加している。
1952年より関西ファーム・リーグに参加、1955年より同リーグを改組したウエスタン・リーグに参加している。
2000年シーズン前、オリックス・ブルーウェーブが二軍本拠地を神戸総合運動公園サブ球場(グリーンスタジアム神戸サブ球場)から北神戸田園スポーツ公園野球場(あじさいスタジアム北神戸)に移転するのに合わせ、将来的なファーム組織の独立採算化を目指し、チーム名称にスポンサー名を冠することになった。
その結果、建設大手の穴吹工務店と3年間総額3億円(推定)で合意し契約。穴吹が建設・販売しているマンションのブランド名「サーパス」と本拠地名と組み合わせた名称、サーパス神戸(サーパスこうべ)に改称した。スポンサー契約を伴う二軍の呼称変更は、日本プロ野球に於いては初めての試みだった。なお、前年まで二軍本拠地だった神戸サブ球場は、現在も練習などで使用している。
2003年1月に穴吹との契約が満了し、代わって2月より物流関連企業のサイバーファームが新たなスポンサーとなったが、既に「サーパス」の名称が定着しつつあったことから、穴吹側の了承を得てその後も引き続き「サーパス」の名称を使用していた。2005年11月にサイバーファームとの契約が終了した後、穴吹はスポンサーに復帰し2008年まで契約は続いた。2002年より、福岡県のテレビ西日本にて福岡ダイエーホークス(現福岡ソフトバンクホークス)二軍とサーパスの福岡での二軍戦が断続的に放送されているが、穴吹工務店は大会の冠スポンサー及び番組の筆頭スポンサーを務めている。
2004年のシーズン終了後、一軍が大阪近鉄バファローズと合併したことに伴い近鉄二軍を実質的に吸収。2006年、都市名を除いたサーパスに改称。2007年、韓国・SKワイバーンズとの混同を避ける為、略号を「SK」から「SU」に変更した。
2009年、穴吹工務店が不況に伴う事業再編の一環として契約の打ち切りを表明し、名称が一軍と同じオリックス・バファローズに変更される。同年6月、ファームの鹿児島移転の誘致が計画されていることが発覚(詳しくは後述で)。
2008年 - 2010年にはフェニックスリーグで3連覇を達成した。2010年からは神戸サブ球場での試合開催を復活させている。
試合球場
- 本拠地となる、あじさいスタジアム北神戸、神戸総合運動公園サブ球場(グリーンスタジアムサブ球場 1991年-1999年に使われた後一時撤退。2010年再開)のほか、神戸総合運動公園野球場(神戸球場。現・ほっともっと神戸)、波賀町メイプルスタジアム、姫路球場、こうのとりスタジアムなど兵庫県での試合が多いが、年1試合程度舞洲ベースボールスタジアム(大阪市)でも試合が行われる。
- 2000-2009年までは神戸市内での開催は神戸球場での一部の試合を除き、基本的に北神戸のみで開催していたが、2010年から原則として4-6月は神戸サブ、7-9月は北神戸でのナイターをメインとした日程を組んだ。
- オリックス1軍が神戸球場を正本拠としていた時代(協約上は1991年から2007年。実質2004年まで)には、週末を中心に1軍のデーゲーム試合後に2軍の試合を薄暮開催する「親子ダブルヘッダー」をしたことが度々あった。
- またここ最近ではこれまでプロ野球の公式戦が実施されていない関西地方の中小規模の自治体でも公式戦を開催し、新規ファン開拓を目指している。主な開催実績のある(あるいは予定されている)自治体としては、東大阪市、豊中市、高槻市、富田林市、丹波市、京都市、淡路市、高知市などである。
- 過去の本拠地球場
- ブレーブス時代の1990年まで使用。当時の一軍本拠地であった阪急西宮球場の近くにあった。
チームの特徴
- 「ファームとは居てはならない場所」という方針の下で若手の奮起を促しており、MLBに於けるマイナーリーグのように待遇面でも一軍との差別化が行われている。本拠地のあじさいスタジアムや阪神鳴尾浜球場など近隣で試合を行う際は、選手には球場までの交通費を支給するだけにとどめており、遠征時も新幹線や空路は極力使用せず、チーム専用バスで長時間掛けて移動している。
- ユニフォームは、サーパス時代まで、1990年代半ば以降の日本プロ野球界では珍しく、ボタンなしのプルオーバー式であった。
- サーパスのユニフォームは、ファーム落ちの可能性が低い選手も含め全員分を作ったため(出典:綱島理友『プロ野球ユニフォーム物語』)、試合では着用しなかったが、イチローのユニフォームも存在し、オリックス退団・マリナーズ移籍時に当時の穴吹工務店社長との記念撮影で着用した。現在は、実家に隣接して開設されている記念館「イチロー展示ルーム I-fain」にて展示されている。また、中村紀洋や清原和博は試合で着用した事がある。
- サーパス時代、同じく一軍とは別名義の球団だった湘南シーレックス(現:横浜DeNAベイスターズ二軍)のグッズは販売されていたものの、インボイス及びグッドウィル(現:埼玉西武ライオンズ二軍)とともに、サーパスのグッズ、レプリカ帽子・ユニフォーム等は商標の関係上、発売されることは無かった(帽子は過去にファームの年間パス購入特典としてプレゼントされたことはあった。)。
- サーパス専用の球団歌として「明日を見せてやれ」(歌:渡邊正紀、作詞:岡康道、作曲:榊原大)という曲が存在していたが、チーム名変更で使用されなくなり、CDも商標・権利関係上発売されておらず、過去に球場で配布されたのみの非売品であるため、現在では入手困難の幻の曲となっている。
鹿児島移転誘致計画
2009年6月、鹿児島のNPO法人「薩摩ニューウェイヴ」がオリックス2軍を鹿児島県薩摩川内市に誘致する計画を進めていることが発覚。この件に対して、当時オリックス球団社長であった松岡良伯は「まったく聞いていない。驚いている」とコメント[1]。その後も計画は継続され、2011年4月薩摩ニューウェイヴとは別に新たなNPO法人「ゆくさ!Bs鹿児島誘致会」が発足。今後は両法人が連携を視野に人口60万都市鹿児島市を拠点として誘致活動を進めていく模様[2]。
過去のマスコット
- サマー - 背番号384。チーム名の「サーパス」から。
- シルキー
フェニックスがモチーフ。二軍に落ちた選手に不死鳥のごとく復活してほしいという願いが込められている。2007年4月1日に結婚。2009年よりチーム名称がオリックスに統一されたため、現在は登場していない。かつてのスポンサーが穴吹工務店であることから、bjリーグ・高松ファイブアローズのマスコットを兼任していたが、同社の倒産により2009-2010シーズンからは登場していない。
監督・コーチ
歴代監督
- 1963年 - 1971年 : 片岡博国
- 1972年 - 1973年 : 中田昌宏(第1次)
- 1974年 - 1980年 : 西村正夫
- 1981年 - 1988年 : 中田昌宏(第2次)
- 1989年 : 住友平(第1次)
- 1990年 - 1991年 : 福本豊
- 1992年 - 1997年 : 根来広光
- 1998年 - 1999年 : 弓岡敬二郎(第1次)
- 2000年 - 2001年 : 新井宏昌(第1次)
- 2002年 : 中尾孝義
- 2003年 : 中沢伸二
- 2003年 - 2005年 : 加藤英司
- 2006年 : 大石大二郎
- 2007年 - 2008年 : 住友平(第2次)
- 2008年 - 2009年 : 古屋英夫
- 2010年 - 2012年 : 新井宏昌(第2次)
- 2013年 : 弓岡敬二郎(第2次)
- 2014年 - : 岡本哲司
脚注
外部リンク
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