逓信総合博物館

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逓信総合博物館(ていしんそうごうはくぶつかん)は、東京都千代田区大手町にあった企業博物館である。愛称は「ていぱーく」。

沿革

1902年明治35年)に万国郵便連合加盟25周年を記念して開館した郵便博物館が前身である。1910年(明治43年)、京橋区木挽町に逓信省庁舎が完成した[1]ことに伴い庁舎内部に移転するも、収蔵物の増加に伴い庁舎内では手狭になったため1922年(大正11年)、元は病院だった麹町区富士見町二丁目の建物に移転[2]、「逓信博物館」と改称。1964年昭和39年)に逓信ビルに移転、郵政省日本電信電話公社(電電公社)、国際電信電話株式会社(KDD)および、日本放送協会(NHK)による共同運営の博物館「逓信総合博物館」となり、閉館に至るまでこの名称であった。

政府の「行政改革」と「通信市場の自由化」に伴い、運営組織も変遷をたどる。2001年平成13年)にKDDI株式会社(旧KDD)が、2011年(平成23年)3月31日(実質的には同年3月11日)をもってNHKが[3]運営から離脱し、日本郵政東日本電信電話(NTT東日本)の二者による共同運営となり、2012年4月1日からは公益財団法人通信文化協会とNTT東日本の2機関で共同運営していた。

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震東日本大震災)では窓ガラスの亀裂等の被害を受け、同年3月12日から8月2日まで臨時閉館を余儀なくされた。2011年8月中の開館時間は、水曜日から日曜日の10時 - 15時となったが、同年9月より通常の開館時間に戻った。

都市再生機構が進める「大手町連鎖型都市再生プロジェクト」に伴い、2013年8月31日をもって閉館した。このうち、通信文化協会が運営する部分については2014年3月1日に東京スカイツリータウンに移転の上、「郵政博物館」の名称で再開館した。NTT東日本が運営する部分についてはNTT技術史料館に継承された[4]

概要

日本で唯一の情報通信関係の総合博物館だった当館は、郵便郵貯簡保の「郵政三事業」、電話インターネット等の「電気通信事業」について、資料の収集・保存、展示、調査研究等を行っていた(NHK離脱以前にはラジオテレビ等の「放送事業」についての展示も行われていた)。

常設展示は、通信文化協会が運営する「郵政資料館」とNTT東日本が運営する「NTT情報通信館」の二つから構成されていた(2012年当時)。また、春休み夏休み大型連休などを利用して期間限定で、1階ホールにおいて特別展示が開催された。近隣の、旧電電公社の運営していた「電気通信科学館」が公社民営化に伴い閉館(1989年6月30日)した際には、その所蔵品を引き受けた。電気通信科学館の建物は、現在NTTデータ大手町ビルとなっている。

なお、当館(展示場フロアは3階まで)が入居していた逓信ビルには、日本電信電話持株会社)の本社がある。同一敷地内には近年まで旧東京郵政局ビルがあり、日本郵政公社東京支社、総務省関東総合通信局が入居していたが、再開発のため取り壊された。設計者は、逓信ビル設計者と同じく小坂秀雄である。これらの組織はすべて、旧逓信省を前身としており、往時の逓信省及び郵政省の所管していた業務の幅広さを偲ばせる。

日本アマチュア無線連盟の管理する中央アマチュア無線局の一つ「JA1YAA」は、元は当館の社団局だった。

旧蔵品の指定文化財

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ペリー提督江戸幕府に献上したエンボッシングモールス電信機(展示はレプリカ)。重要文化財

所蔵品のうち、以下のものが国の重要文化財に指定されていた。

展示

郵政資料館

NTT情報通信館

利用案内(閉館時点)

  • 開館時間:9:00 - 16:30(入館は16:00まで)
  • 休館日:月曜日(祝日・振替休日の時は翌火曜日が休館日)
  • 入館料:大人110円、小・中・高校生50円(小中高校生は日・祝日無料)

交通アクセス

脚注

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外部リンク

逓信総合博物館

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郵政博物館
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  1. 現在当地には銀座郵便局がある。
  2. この直後、1923年に関東大震災があり、逓信省は焼け落ちてしまった
  3. 逓信総合博物館記念メダル初日押印奮戦記(鳴美) 2011年2月27日
  4. [1] NTT技術史料館の2階で、特別企画展「ていぱーく寄贈展」を開催中! 2014年4月2日