シリウス号 (高速バス)
シリウス号(シリウスごう)は、東京都と青森県八戸市・十和田市・上北郡七戸町を結ぶ夜行高速バスである。
なお全ての座席が指定のため、乗車には事前の予約が必要で、十和田観光電鉄・国際興業の窓口販売のほかに、ローソン・ミニストップのLoppi、ファミリーマートのFamiポート、サークルK・サンクスのカルワザステーション、セブン-イレブンのマルチコピー機からでも購入が可能。2009年7月31日出発分まではJRのみどりの窓口でも購入が可能だった。
概要
夜行高速バスブームに乗って、JRバス関東と南部バスが「八戸小中野バスセンター - 東京駅」間、国際興業と十和田観光電鉄が「八戸 - 池袋駅」間を計画したため運輸省(当時)が調停に入り、最終的に4社共同運行という形で1989年7月21日に運行を開始した。そのため、国際興業の拠点である池袋を経由し、JRバスのハイウェイバスターミナルである東京駅発着となった(「東京 - 盛岡線(現在の「ドリーム盛岡 (らくちん)号」)」と同様)。
運行開始からしばらくは1往復に2台運行の形態で運行されていた(これも東京 - 盛岡線と同様)が、2005年6月1日に2往復に改められ、JRバス関東と南部バス、国際興業と十和田観光電鉄がそれぞれペアを組む形となった。なお、その後国際興業と十和田観光電鉄は、十鉄三本木営業所(十和田市)への出入庫を活用し、八戸ラピアバスターミナル~三本木営業所(のちに十和田市駅まで延長)間の連絡バスを運行[1]するようになったが、後に定期便化され、国際・十鉄便は東京・池袋 - 八戸・十和田市間の運行となった。
当初より「シリウス号」の愛称で運行されてきたが、2008年7月1日の出発便より系統分割・副名称化され「ドリーム八戸・十和田 (シリウス)号」と改称された。しかし2009年8月1日の出発便よりJRバス関東が撤退し、名称が再び「シリウス号」に戻された(JRバス関東の担当分は国際興業が運行)。その後、ETC休日上限1,000円割引制度で打撃を受け、2010年6月30日出発便をもって南部バスも撤退した[2]。南部バスの撤退により、翌7月1日より運行回数も1日1往復に減便され、現在は国際興業と十和田観光電鉄の2社により運行されている。
2010年12月4日より、東北新幹線の八戸 - 新青森間の全線開業に合わせ、新駅「七戸十和田駅南口」まで延伸されるとともに、同日よりJR東北本線から移行される青い森鉄道線への乗り継ぎに対応させるため「八戸駅東口」への乗り入れを開始した(同時に、「七戸案内所」・「十和田富士屋ホテル」(七戸行のみ)・「北里大学前」も新たに停車)。これに伴い運行経路も見直されたため、「馬場」・「本八戸駅」・「百石案内所」の各停留所に停車しなくなった。また、運行経路変更に合わせ、片道運賃が2割引になる学生割引運賃(学割)を新たに設定した[3]。
2011年9月1日より、早期購入割引「早売1」を同年12月21日までの月曜~木曜の出発便(休日及び休前日を除く。ただし、同割引運賃は座席数限定・購入箇所限定)にて設定し、通常片道運賃から約37%割引された。同時に、八戸駅にて三沢方面からの青い森鉄道との接続改善に反映させるため、同日出発便より七戸十和田駅発池袋・東京行きの出発時刻を15分繰り下げるダイヤ改正を実施した[4]。
2013年7月1日からのダイヤ改正で十和田観光電鉄の岩手営業所の近くにある「軽米インター」への停車を行い、岩手県北地域からの利用もできるようになったが、利用の少ない「七戸案内所」と、再開発に伴い敷地内への乗り入れができなくなった「十和田市駅」の各停留所を廃止し、十和田市中心街の「十和田市中央」バス停と、十和田観光電鉄の車庫がある「十鉄三本木営業所」(十鉄側では「三本木営業所」と案内されている)バス停に新たに停車するようになった[5]。
運行会社
- 国際興業(志村営業所:練馬ナンバー)
- 国際興業において予約を行った場合に限り、関東バス新宿駅西口案内所でも発券可能。
- ※:多客期における増発便車両(貸切車タイプ)運用については国際興業観光バスが担当。
なお、予約・発券業務に関しては上記共同運行会社2社一括で行う。
過去の運行会社
- ジェイアールバス関東 - 2009年7月31日の運行をもって撤退。
- 南部バス - 2010年6月30日出発便をもって撤退(翌7月1日以降出発便の予約・発券業務は取り扱いせず)。
- 八戸営業所(八戸ナンバー)が担当していた。
- 撤退の翌日から、高速ツアーバス『WILLER EXPRESS』の三沢・八戸・盛岡 - 新宿・東京駅・東京ディズニーリゾート間に参画した[6][7]。2013年7月の「新高速バス制度」施行に伴い高速乗合バスに移行。
運行経路
※東京都内および岩手・青森県内のみの利用はできない。
- 八戸・十和田市・七戸行(1号)
- 東京駅八重洲南口 → 池袋駅東口(9番のりば) → (首都高速道路 → 東北自動車道 → 八戸自動車道) → 軽米インター → 八戸インター → 八戸駅東口 → 八戸中心街ターミナル(三日町(1番のりば)) → 八戸ラピアバスターミナル → イオンモール下田前 → 六戸役場通り → 十鉄三本木営業所 → 北里大学前 → 十和田富士屋ホテル → 十和田市中央 → 七戸十和田駅南口
- 池袋・東京行(2号)
- 七戸十和田駅南口 → 十和田市中央 → 北里大学前 → 十鉄三本木営業所 → 六戸役場通り → イオンモール下田前 → 八戸ラピアバスターミナル(3番のりば) → 八戸中心街ターミナル(六日町(5番のりば)) → 八戸駅東口(5番のりば) → 八戸インター → 軽米インター→(八戸自動車道 → 東北自動車道 → 首都高速道路) → 池袋駅東口降車場 → 東京駅日本橋口
歴史
- 1989年(平成元年)
- 2001年(平成13年)8月1日 - 八戸側の発着地が小中野バスセンターから八戸ラピアバスターミナルに変更となる。
- 2005年(平成17年)6月1日 - 1日2往復に増便。
- 2006年(平成18年)10月1日 - 馬場 - 八戸ラピアバスターミナル間の運行経路を本八戸駅経由に変更(これに伴い、八戸市中心部における停留所位置が、十一日町を「八日町(中央通り)」<池袋・東京駅行のみ>に、八日町(三八五観光前降車専用ポール)を「三日町(さくら野前)」<八戸行のみ>に、それぞれ変更となる)。また、池袋での降車場所の停留所名称が「池袋駅東口」に改称(名称変更のみで降車位置はこれまで通り)。
- 2007年(平成19年)11月30日 - 同日の八戸発車便より、東京駅の到着地が「日本橋口」に変更(発車は従来通り「八重洲南口」から)。
- 2008年(平成20年)7月1日 - 「シリウス号」が副名称化され、名称を「ドリーム八戸・十和田 (シリウス)号」に改称し、運賃が東京・池袋ともに一本化。同時に、十和田市 - 八戸間のシリウス号連絡バスを統合・直通化し、うち1往復を東京 - 八戸 - 十和田市間として運行。
- 2009年(平成21年)
- 2010年(平成22年)
- 2011年(平成23年)
- 2013年(平成25年)7月1日 - この日の出発便より軽米インター・三本木営業所・十和田市中央に停車。七戸案内所・十和田市駅への停車を廃止[5]。
使用車両
通常は独立3列シートWC付のスーパーハイデッカー車が使用される。なお、繁忙期に運行される臨時便には4列シートWC無しの車両が使用される。
主な使用車両は以下の通り。
- いすゞ・ガーラ
- いすゞ・スーパークルーザー(十和田観光電鉄)
- ただし、多客期における貸切車両運用時の車種については、上記のものとは限らない。
- 現在使用されている車両
- Towada-kanko-bus-693.jpg
十和田観光電鉄担当便の車両(いすゞ・ガーラ)
- KokusaiKogyoBus 821 Shirius inLapia.jpg
国際興業担当便の車両(いすゞ・ガーラ)
- 過去に使用された車両
- JR-bus-Kanto-S674-88485.jpg
JRバス関東担当便の車両
(三菱ふそう・エアロクィーンM) - JR-bus-Kanto-S671-99404.jpg
JRバス関東担当便の車両
(いすゞ・ガーラ) - JR-bus-Kanto-Dream-Hachinohe-Towada-Asterope.jpg
JRバス関東担当便の車両
(ボルボ・アステローペ) - Nanbu-bus-308.jpg
南部バスの運行開始当時の専用車両(いすゞ・スーパークルーザー)
- Nanbubus-Dream Hachinohe towada 308.jpg
南部バス担当便の車両(いすゞ・ガーラ)
- NanbuBus KC-RU4FSCB No.448.jpg
南部バス担当便の車両(日野・セレガGD)
- Towada-kanko-bus-311.jpg
十和田観光電鉄の運行開始当時の専用車両(いすゞ・スーパークルーザー)
- Nanbu-bus-517.jpg
多客期における貸切車による応援運用(南部バス、いすゞ・スーパークルーザー)
- NanbuBus KL-LV774R2 No.302.jpg
多客期における貸切車による応援運用(南部バス、いすゞ・ガーラ)
撤退したJRバス関東は、三菱ふそう・エアロクィーン、いすゞ・ガーラ、ボルボ・アステローペを主に充当していた。南部バスは、いすゞ・ガーラ、日野・セレガGDを主に充当していた(なお、南部バス撤退後の同社各使用車両については、その翌日から運行されている高速ツアーバス「スターエクスプレス フロンティア」号の車両として使われていたが[6]、事故廃車により2012年1月頃に引退している。)
利用状況
年度 | 運行日数 | 運行便数 | 年間輸送人員 | 1日平均人員 | 1便平均人員 |
2002(平成14)年度 | 365 | 2,801 | 58,246 | 159.6 | 20.8 |
2003(平成15)年度 | 365 | 2,029 | 41,699 | 114.2 | 20.6 |
2004(平成16)年度 | 365 | 1,924 | 40,165 | 110.0 | 20.9 |
2005(平成17)年度 | 365 | 2,043 | 40,001 | 109.6 | 19.6 |
2006(平成18)年度 | 365 | 1,947 | 37,239 | 102.0 | 19.1 |
2007(平成19)年度 | 366 | 1,923 | 35,710 | 97.6 | 18.6 |
その他
- 「ドリーム八戸・十和田 (シリウス) 号」時代には「ドリーム八戸・十和田号」で案内される場合があった。
- 軽米インター・十鉄三本木営業所で乗降の場合、停留所の近隣にある専用駐車場を無料で利用することができる。
- 十和田観光電鉄が運営する十和田富士屋ホテルでは、2012年12月4日からバス利用者向けに宿泊や休憩などの優待サービスを行っている[12]。
- 2012年12月28日から東京行きの池袋駅東口バス停利用者に、池袋駅東口の入浴施設「タイムズ スパ・レスタ」の優待割引券を配布している[13]。
- 2013年7月1日から七戸十和田駅方面を利用すると、東北地区のニッポンレンタカーが最大2割引で利用できるサービスを実施している。利用の際は事前に電話でのレンタカー予約が必要で、降車の際に割引クーポンを受け取らなければならない[14]。
脚注
外部リンク
テンプレート:Sister 運行時刻・運賃・乗車券販売箇所などの詳細については以下のサイトを参照。
- ↑ 事実上の延長運行であったが、乗車券は八戸~東京間とは別に発行され、連絡バスを利用してJRバス関東・南部バス運行便に乗り継いでの利用も可能だった。
- ↑ 2.0 2.1 八戸 - 東京間高速バス 南部バスが来月末撤退デーリー東北 2010年5月29日(2010年5月31日閲覧)
- ↑ 3.0 3.1 高速バス「東京・池袋~八戸・十和田線」(シリウス号)運行経路変更及び学割運賃の設定について(十和田観光電鉄ニュースリリース:2010年11月上旬発表)
- ↑ 4.0 4.1 テンプレート:PDFlink
- ↑ 5.0 5.1 「シリウス号」2013年7月1日からの時刻国際興業バス
- ↑ 6.0 6.1 テンプレート:PDFlink
- ↑ 南部バスと提携 7月1日より東京〜八戸路線運行開始 - ウィラー・トラベル 2010年5月28日
- ↑ テンプレート:PDFlink
- ↑ テンプレート:PDFlink
- ↑ テンプレート:PDFlink
- ↑ 11.0 11.1 テンプレート:PDFlink
- ↑ テンプレート:PDFlink
- ↑ 【お知らせ】池袋着の夜行高速バスで入浴施設「タイムズ スパ・レスタ」が割引に! - 国際興業バス 2012年12月28日
- ↑ 【PR】夜行高速バスに乗ると東北地方のニッポンレンタカーが最高20%OFFに! - 国際興業バス 2013年7月1日