スチームパンク
スチームパンク(英語: steampunk)とは、サイエンス・フィクションのサブジャンルの1つである。関連ジャンルとしてファンタジー、歴史改変もの、スペキュレイティブ・フィクションがある。1980年前後が勃興期であり、1980年代から1990年代初めごろまで特に人気を博した[1]が、その後もSFの1サブジャンルとして定着し現在に至る。蒸気機関が広く使われている設定で、ヴィクトリア朝のイギリスや西部開拓時代のアメリカを舞台とすることが多く、そのような中にSFやファンタジーの要素を組み込んでいる。ヴィクトリア朝の人々が思い描いていたであろうレトロフューチャーな時代錯誤的テクノロジーまたは未来的技術革新を登場させ、同時にヴィクトリア朝のファッション、文化、建築スタイル、芸術を描く。スチームパンク的テクノロジーとしては、H・G・ウェルズやジュール・ヴェルヌの作品にでてくるような架空の機械、最近の作家ではフィリップ・プルマン、スコット・ウエスターフェルド、チャイナ・ミエヴィルの作品にでてくるような架空の機械がある。
他のスチームパンクの例としては、飛行船、アナログコンピュータ、チャールズ・バベッジとエイダ・ラブレスの解析機関のような機械式計算機といったテクノロジーを歴史改変的に扱うものもある。
文学以外では、様々な現代の実用的オブジェクトが職人によって擬似ヴィクトリア朝風の「スチームパンク」スタイルに変換・装飾されており、スチームパンクと称される芸術家や音楽家もいる。
ただし、取り入れられているのはあくまでもヴィクトリア朝のファッションやスタイルのみであり、ヴィクトリア朝の原理主義に近いほどのキリスト教信仰や、人種差別・階級差別・男女差別や異民族・異文化全般に対する蔑視などを基調とする、当時のかなり偏狭な価値観や道徳律は取り入れられていない(スチームパンク世界の価値観や道徳律は、一般に20世紀アメリカのものに近い、リベラル色がかなり強いものである)。
目次
起源
今ではスチームパンクとされる作品が1960年代から1970年代にも出版されていたが、「スチームパンク」という用語は1980年代後半に「サイバーパンク」をもじって派生した。SF作家K・W・ジーターが、ティム・パワーズ(『アヌビスの門』、1983)、ジェイムズ・P・ブレイロック(『ホムンクルス』、1986)、そして自身(Morlock Night, 1979 と『悪魔の機械』、1987)の作品群を集合的に表す用語を探していて「スチームパンク」を思いついたと言われている[2]。これらの作品はいずれも19世紀を舞台としていて、実際のヴィクトリア朝のスペキュレイティブ・フィクション(例えばH・G・ウェルズの『タイム・マシン』)の雰囲気を真似ている。SF雑誌ローカス1987年4月号に掲載された手紙で、ジーターは次のように書いている。
歴史上の先例
スチームパンクは、ジュール・ヴェルヌやH・G・ウェルズやメアリー・シェリーといった19世紀のテンプレート:仮リンクに影響を受け、そのスタイルを踏襲していることが多い[3]。
このジャンルの発展を語る上で重要な作品がいくつか、ジャンル名が生まれる前に存在している。マーヴィン・ピークの『タイタス・アローン』(1959) は、スチームパンクの要素の多くを先取りしていた[4]。レメディオス・バロの絵画作品は、ヴィクトリア朝の服装や空想的イメージやテクノファンタジー的イメージを融合している[5]。スチームパンク的精神を広く示した最初期の作品として、CBSのテレビドラマ The Wild Wild West (1965–69) があり、後に設定を借りた映画『ワイルド・ワイルド・ウエスト』 (1999) も製作された[3][6]。映画『未来世紀ブラジル』(1985) もこのジャンルに影響を与えている[7][8]。
K・W・ジーターがジャンル名を考案したことから、その小説 Morlock Night (1979) がスチームパンクの原点とされることがある。キース・ローマーの『多元宇宙の帝国』(1962) もこのジャンル形成に寄与している。テンプレート:仮リンクの Queen Victoria's Bomb (1967)[9]とマイケル・ムアコックの Warlord of the Air (1971)[10] も影響を与えた初期の例として引用されている。ハリイ・ハリスンの『大西洋横断トンネル、万歳!』(1973) は異なる歴史の1973年の大英帝国を描いており、原子力機関車、石炭を燃料とする飛行艇、派手な潜水艦、ヴィクトリア朝風の会話が散りばめられている。 テンプレート:-
大衆的フィクションとしてのスチームパンク
1982年のアメリカのテレビドラマ Q.E.D. はエドワード朝のイングランドを舞台とし、サム・ウォーターストン演じる教授が主人公である。この教授は発明家で、科学を用いたシャーロック・ホームズのような探偵ものになっている。
1988年に初版が登場した歴史改変SFロールプレイングゲーム Space: 1889 ではヴィクトリア朝時代の後に否定された科学理論が真実となっている世界を舞台とし、現実世界とは異なる科学技術が発展したという設定である[11]。
ウィリアム・ギブスンとブルース・スターリングの1990年の小説『ディファレンス・エンジン』は、スチームパンクを広く知らしめた作品としてよく引き合いに出される[6][12]。この小説はギブスンとスターリングのサイバーパンクの作法を歴史改変的ヴィクトリア朝に適用したもので、エイダ・ラブレスとチャールズ・バベッジが考えた階差機関(ディファレンス・エンジン)と呼ぶ蒸気機関駆動のコンピュータ[13]が実際に作られ、現実よりも1世紀以上早く情報化時代が到来した世界を描いている。ただし多くのスチームパンク作品が楽天的でユートピア的なのに対して、この作品は暗く懐疑的である。邦訳書のアオリから引くならば「サイバーパンクの教祖と煽動者が紡ぐ記念碑的傑作」とされ、著者の一方であるスターリングは同作について「きわめてサイバーパンク的でもある」と明言している[14]。このため「サイバーパンク側からのスチームパンクに対する一種の返答(カウンター)的な作品」と位置づけられたりもしたが、現在では、現代科学を参照した蒸気ガジェットや世界観に溢れる、スチームパンクの主要な作品と扱われることもある[15]。SF評論家の巽孝之は同作に寄せた解説[16]で「サイバーパンク史上にもスチームパンク史上にも残る」としている。
フォックスが1993年から1994年に放送したテレビドラマ The Adventures of Brisco County, Jr は1890年代を舞台とし、登場人物であるウィックワイア教授が様々なものを発明する[17]。アラン・ムーアとケヴィン・オニールのグラフィックノベルシリーズ『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』(1999) (および2003年製作の映画版)もスチームパンクを広めることに大きく貢献した[18]。
Nick Gevers の2008年のアンソロジー Extraordinary Engines は、このジャンルの優秀な作家や他のSF作家、ファンタジー作家がネオ・ヴィクトリア朝を舞台として書いた新たなスチームパンク作品を集めている。その序文でスチームパンクの先駆けとして、マイケル・ムアコックの The Dancer at the End of Time と A Nomad of the Time Streems、ブライアン・オールディスの Frankenstein Unbound、ハワード・ウォルドロップとスティーヴン・アトリーによる Custer's Last Jump と Black as the Pitが挙げられている[19]。同年、テンプレート:仮リンクらによるその名もずばり Steampunk と題したアンソロジーも出版された。この両方に作品が収録されているテンプレート:仮リンクの代表作 Mainspring は「クロックパンク」と呼ばれることもある[20]。後者のアンソロジーには他に、スチームパンク作家とされているジェイムズ・P・ブレイロックの作品、先述したマイケル・ムアコックの作品、『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』への注釈で知られているテンプレート:仮リンクの作品なども収録されている。
初期のスチームパンクは歴史上の設定があることが多かったが、その後スチームパンクの要素をファンタジー世界に持ち込んだ、どの時代かも定かでない作品が見られるようになる。前者の歴史的スチームパンクは歴史改変SF的要素があり、歴史上の実在の場所や人物が登場しつつ、架空のテクノロジーが登場する。ファンタジー的スチームパンクとしては、チャイナ・ミエヴィルの『ペルディード・ストリート・ステーション』、テンプレート:仮リンクの Scar Night などがあり、さらに完全なファンタジー世界で伝説のモンスターなどと蒸気機関時代などの時代錯誤的テクノロジーが共存している作品もある。
自ら "far-fetched fiction"(ありそうもないフィクション)作家を名乗るテンプレート:仮リンクは、スチームパンク要素を作品に取り入れるようになっている。2009年にはヴィクトリアン・スチームパンク協会のフェローに選ばれた[21]。
歴史的スチームパンク
一般に、歴史上のある時代を舞台とする場合、このカテゴリに含まれる。主に、産業革命が既に始まっているが電力がまだ広く普及しておらず、蒸気機関やぜんまいばねなどを駆動力とするガジェットが多く見られる。最もよくある時代設定はヴィクトリア朝とエドワード朝だが、産業革命の始まったころまで「ヴィクトリアン・スチームパンク」に含むこともある。
例としては、小説『ディファレンス・エンジン』[22]、コミックの『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』、ディズニーアニメ『アトランティス 失われた帝国』、ロールプレイングゲームの Space: 1889 [3]、PCゲームの『スチームパンクシリーズ』などがある。漫画『鋼の錬金術師』やコミックシリーズの Girl Geniusもヴィクトリア朝風の時代設定が感じられるが、独自の時代と場所を設定している[3]。
カレル・ゼマンの映画『悪魔の発明』(1958) は最初期のスチームパンク映画と言われている。ジュール・ヴェルヌの小説に基づいており、小説に描かれた(真実ではない)過去の世界を描いている[23]。宮崎駿のアニメ映画、『天空の城ラピュタ』(1986)、『ハウルの動く城』(2004) や大友克洋の『スチームボーイ』(2004) などもスチームパンク映画とされることがある。どの作品もスチームパンクを構成する時代錯誤的ガジェットが登場する[24][25]。
歴史的スチームパンクは一般にファンタジーよりもSF的傾向が強いが、魔法などの要素を取り入れたものもある。例えばK・W・ジーターの Morlock Night では、未来からやってきたモーロックの侵略からイギリスを救うために魔法使いマーリンがアーサー王を蘇らせようとする[6]。ティム・パワーズの『アヌビスの門』には、19世紀初頭のロンドンの地下に住む乞食や盗人たちに混じっている魔法使いの一団が登場する。『鋼の錬金術師』では、使用者の意思通りに物質を変形生成させ得る錬金術が物語の中心として扱われている。『スチームパンク・シリーズ』では、クトゥルフ神話の神々や現実を自在に改竄する魔法めいた数式が登場する。
Paul Guinan は19世紀末に作られたという架空の設定のロボット Boilerplate を作り、ウェブサイトで公開していたが、それを実在のものだと勘違いする人が続出し、世界的に報道されるに至った[26]。このサイトの内容をまとめたハードカバー Boilerplate: History’s Mechanical Marvel が2009年10月に出版された[27]。ストーリーには歴史改変要素はなく、ヴィクトリア朝についての情報は正確である[28]。
ファンタジー的スチームパンク
1990年以降、スチームパンクという用語はより幅広く使われるようになり、蒸気機関やぜんまいばねなどのテクノロジーが登場するファンタジーもスチームパンクと呼ばれるようになった[6]。
ファンタジー的スチームパンクは特にロールプレイングゲームやコンピュータRPGによく見られる。例えば、「エターナルアルカディア」[29]、「ファイナルファンタジーVI」、「ファイナルファンタジーIX」、Rise of Nations: Rise of Legends、Arcanum: Of Steamworks and Magick Obscura などがある[3]。
MMORPGの World of Warcraft に登場するノームやゴブリンもスチームパンク的な技術社会をもっていて[30]、人類よりも科学技術が発展しているが、エルフのような魔術は使えない。
歴史的スチームパンクとファンタジー的スチームパンクの中間で、未来を舞台にしてスチームパンク的テクノロジーと美学が支配的な世界が描かれた作品もある。例えば、『スチームボーイ』(2004)、、『トライガン』、終末後を描いた宮崎駿の『未来少年コナン』(1978)、ディズニー映画『トレジャー・プラネット』(2002) などがある[3]。
その他のスチームパンク
テンプレート:See also John Clute と John Grant は、"gaslight romance" または "gaslamp fantasy" という分類を提案している。彼らによれば「Gaslight Romance と同様、スチームパンクは19世紀の霧の都ロンドンをロマンチックに描くことが多い。しかし、Gaslight Romance は19世紀末から20世紀初頭の様々なノスタルジックなもの(ドラキュラ、ジキルとハイド、切り裂きジャック、シャーロック・ホームズ、ターザン)に集中し、一般には超自然的フィクションとファンタジーについてのファンタジー (recursive fantasy) の融合と理解できるが、中には歴史ファンタジーとして読めるものもある」という[1]。
「西部劇」設定のスチームパンクもあり、Weird West や Science fiction Western と呼ばれるサブジャンルがある。他にも、ディーゼルパンクや、歯車とぜんまい仕掛けの前近代的な機械装置に傾倒したクロックパンク(日本の作品では『ぜんまいざむらい』や『がんばれゴエモン』などの作品がこれに当たる)といった分類もある。これらの用語の多くはロールプレイングゲームのガープスで考案されたもので、他ではあまり使われていない[31]。さらに日本では、鉄塔や電線、真空管などの電気工学的なガジェットに傾倒するエレクトリックパンクというマイナーなサブジャンルが存在する。
アートとデザイン
スチームパンクの視覚化の起源としては、1954年のディズニー映画の『海底二万哩』(潜水艦ノーチラス号のデザイン、その内装、乗組員の潜水服など)、1960年のジョージ・パルの映画『タイム・マシン 80万年後の世界へ』(タイムマシンのデザイン)などがある。また同様のデザインは東京ディズニーシーのミステリアスアイランドにも採用されている。
愛好家は、様々な現代の実用品を偽ヴィクトリア朝風のメカニカルな「スチームパンク」スタイルに改造している[8][32]。例えば、コンピュータ・キーボードやエレクトリック・ギターである[33]。そういった再デザインでは、ヴィクトリア朝時代に入手可能な材料(真鍮、鉄、木、皮革など)を使い、ヴィクトリア朝時代のデザイン要素と技能を使うことを目指す[10][34]。Kinetic Steam Worksというアーティスト・グループは、2006年と2007年のバーニングマン祭にて実動する蒸気機関を展示した[35]。そのグループの創設メンバーの1人 Sean Orlando は後に Five Ton Crane Arts Group を結成したグループと共同で Steampunk Tree House[36] を作り、いくつかの祭で展示し[37]、2010年7月以降はデラウェア州ミルトンにある Dogfish Head Brewery に永久展示されている[38][39]。
2008年5月から6月、マルチメディア・アーティストで彫刻家の Paul St George はロンドンとニューヨークのブルックリンをリンクした野外インタラクティブビデオのインスタレーション The telectroscope を開催した[40][41]。プロモーターの Evelyn Kriete は、両都市のスチームパンクファンに集まるよう呼びかけた[42]。
2009年、アーティストの Tim Wetherell は Clockwork Universe(時計仕掛けの宇宙)というコンセプトの巨大な壁掛け型作品を作り、オーストラリア国立科学技術センターに設置した。この鉄製の芸術作品には、動く歯車や動く時計、月の明暗界線の映画などが含まれている。3Dの月の映画は Antony Williams が製作した。
BBCのドラマ『ドクター・フー』に登場するタイムマシン「ターディス」も1996年版からスチームパンク的要素を備えている。
2009年10月から2010年2月まで、オックスフォード科学史博物館で世界初の大規模なスチームパンク・アート展が開催された[43]。実用品を再デザインしたものから空想的な仕掛けまで、18人の世界各地のアーティストの作品を展示した。同博物館の展覧会としては最大の成功を収め、8万人以上が訪れたという[44]。 テンプレート:-
文化
スチームパンクの人気の高まりと共に、それを文化やライフスタイルとして確立しようという運動が起きている[45]。中には、ファッションでスチームパンクの美学を実践するファン[46]や、自宅の装飾に凝るファン、音楽や映画に凝る者もいる。これは、ヴィクトリア朝の美学と現代の感覚やテクノロジーを融合させた neo-Victorianism とも称される[7]。
スチームパンク哲学を提唱するファンもおり、パンクに触発された反体制的意見を述べる場合もあるが、人間の可能性への楽観論に支えられた主張が典型的である[47]。
スチームパンク・ファッションには特に規定はないが、ヴィクトリア朝のそれと現代のそれを統合する傾向がある。ガウン、コルセット、ペティコート、バッスルなどを身につけたり、スーツにベスト、コート、シルクハット[48]、スパッツなどを合わせたり、軍人風の衣装を着たりする。そして、テクノロジーを表す小道具である、時計、パラソル、ゴーグル、光線銃などを身につけることでアクセントとする。スチームパンク風に改造された携帯電話や音楽プレーヤーをアクセサリーとすることもある。スチームパンク・ファッションは、ロリータ・ファッション、ゴシック・ファッションなどの流れを汲んでいる[7][18][49]。
手作りの商品の売買サイト Etsy では、"steampunk" というタグが一時期流行していたが、多くの商品は上述したようなスチームパンク・ファッションとはあまり関係がない。声優の April Winchell は Regretsy: Where DIY meets WTF という本を出版したこともあり、Etsy で見つけた「スチームパンク」とは言えない商品やユーモラスな商品を自身のウェブサイトで紹介している[50]。このブログはスチームパンク・ファンの間で大人気となり、それを題材としたミュージックビデオも作られた[51]。
スチームパンク音楽も定義が不確かで、ガーディアン紙で Caroline Sullivan は「スチームパンク・サウンドを構成するのは何かについて、インターネット上で大激論になっている」と述べている[41]。スチームパンクの音楽スタイルの範囲は、様々なスチームパンクのアーティストの作品で判断するしかない。インダストリアル/ワールドミュージックの Abney Park[49]、シンガーソングライターで楽器発明家の Thomas Truax[41][52]、テンプレート:仮リンクの影響を受けている Sunday Driver[53]、「インダストリアル・ヒップホップ・オペラ」の Doctor Steel[54][55]、テンプレート:仮リンクとプログレッシブ・ロックの Vernian Process[56][57]、Unextraordinary Gentlemen[58]、エレクトリック・サウンドの The Wet-Glass RO[59][60]、Darcy James Argue 率いるビッグバンド Secret Society、ミュージカル・ストーリーテリングの Escape the Clouds[61] などである。イギリス系アメリカ人の作曲家 David Bruce は、カーネギー・ホールからの依頼で2010年に八重奏曲 'Steampunk' を制作した[62][63]。
2006年、ネオ・ヴィクトリアン/スチームパンクのコンベンションである "SalonCon" が開催された。その後3年間開催され、アーティスト、ミュージシャン(Voltaire や Abney Park)、作家(Catherynne M. Valente、Ekaterina Sedia、G. D. Falksen)を主役としたサロン、スチームパンクのワークショップやパネル展示、会議、社交ダンス講習会、スチームパンク・ファッションのパレードなどが行われた。このイベントについてはMTV[64]とニューヨークタイムズ[7]が伝えている。
コミコン・インターナショナルでもスチームパンクは普通に見られるようになっており、4日間の会期内の土曜日が「スチームパンク・デー」と呼ばれ、地方新聞のための撮影会が行われる[65][66]。同日開催される「アフター・パーティ」もスチームパンクにとって重要なイベントとなっている。2010年のパーティでは Veronique Chevalier が司会を務め、The Slow Poisoner、Unextraordinary Gentlemen、Voltaire といったミュージシャンが出演、League of STEAM が特別ゲストとして登場した[67][68]。2011年には Unextraordinary Gentlemen が再び出演し、Abney Park も出演した[69]。
スチームパンクはより主流のソースも惹きつけ始めている。例えば、2010年10月11日に放送されたテレビドラマ『キャッスル 〜ミステリー作家は事件がお好き』のエピソード "Punked" は、スチームパンクのサブカルチャーを特に取り上げており、ロサンゼルス地域のスチームパンクスがエキストラ出演している[70]。ミュージックビデオでも、デヴィッド・ゲッタの 'Turn Me On' やパニック・アット・ザ・ディスコの「モナリザのバラード」はスチームパンクの影響を強く受けている。 テンプレート:-
ギャラリー
代表的なスチームパンク作品
各国の主な小説
- ジュール・ヴェルヌ『海底二万里』(1869年)
- H・G・ウェルズ『陸の甲鉄艦』(1903年) - ハヤカワ文庫から出ている『タイムマシン』に収録されている。
- K・W・ジーター『悪魔の機械』(1987年)
- ジェイムズ・P・ブレイロック『ホムンクルス』(1989年)
- ティム・パワーズ『アヌビスの門』
- ウィリアム・ギブスン/ブルース・スターリング『ディファレンス・エンジン』(1990年)
- ハリイ・ハリスン『大西洋横断トンネル、万歳!』
- ヴォルフガンク・ホールバイン『ノーチラス号の冒険』(1993年)
日本での小説
- 押川春浪『海底軍艦』(1900年)
- 押川春浪『空中大飛行艇』(1902年)
- 海野十三『大空魔艦』(1938年)
- 海野十三『怪鳥艇』(1941年)
- 南洋一郎『謎の空中戦艦』(1940年)
- 横田順彌『火星人類の逆襲』(1988年)
- 天沼春樹『飛行船帝国』(1993年)
- 吉岡平『スチームパンク!』(1999年)
- まさきひろ『幕末二万マイル』(2005年)
- 川崎康宏『ガジェット・ポップ』(2006年)
- 伊藤計劃・円城塔『屍者の帝国』(2012年)
- 桜井光『灰燼のカルシェール』(2013年)
漫画・アニメ・映画・ゲーム
- 『アイアン・スカイ』
- 『アトランティス 失われた帝国』(ディズニー映画)
- 『Arcanum: Of Steamworks and Magick Obscura』
- 『鋳薔薇』
- 『快傑蒸気探偵団』(麻宮騎亜)
- 『ガンバード』
- 『機巧奇傳ヒヲウ戦記』
- 『ギア・アンティーク』
- 『機神兵団』1993年製作 オリジナルアニメーションビデオ
- 『CASSHERN』(実写劇場版)
- 『キャッスル・ファルケンシュタイン』
- 『雲のグラデュアーレ』
- 『グランディア』
- 『鋼鉄帝国』
- 『鋼鉄の虹 パンツァーメルヒェンRPG』
- 『荒野の蒸気娘』(あさりよしとお)
- 『サクラ大戦シリーズ』
- 『サムライガン』
- 『新海底軍艦』(OVA)
- 『スカイガンナー』
- 『英雄伝説VI 空の軌跡』
- 『スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー』
- 『風を見た少年』(C・W・ニコル原作、大森一樹、監督第45回アジア太平洋映画祭、最優秀アニメーション賞受賞)
- 『スチームボーイ』(大友克洋監督)
- 『蒼天のセレナリア』(18禁)
- 『赫炎のインガノック』(18禁)
- 『漆黒のシャルノス』(18禁)
- 『白光のヴァルーシア』(18禁)
- 『紫影のソナーニル』(18禁)
- 『黄雷のガクトゥーン』(18禁)
- 『Dishonored』
- 『テラ:ザ・ガンスリンガー』
- 『天羅WAR』
- 『天外魔境 第四の黙示録』
- 『ネオスチーム』
- 『ノスタルジオの風』
- 『パタパタ飛行船の冒険』
- 『バッケンローダー』
- 『発明冒険大奇譚蒸気王』唐沢商会(唐沢俊一・唐沢なをき)- 蒸気と電気の争いがテーマになったギャグ漫画作品。厳密には第二部。
- 「ビジョナリアム』東京ディズニーランドのアトラクション
- 『ファイナルファンタジーVI』
- 『ファイナルファンタジーVII』
- 『ファイナルファンタジーIX』
- 『松本零士「オズマ」』
- 『らいむいろ戦奇譚』(18禁)
- 『LAST EXILE』
- 『ラストエグザイル-銀翼のファム- 』
- 『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』アラン・ムーア/ケビン・オニール
- 『リーグ・オブ・レジェンド』
- 『ワイルド・ワイルド・ウェスト』
- 『プロギアの嵐』
- 『ロストオデッセイ』
- 『倫敦精霊探偵団』
- 『ポンコツ浪漫大活劇バンピートロット』
- 『レイトン教授シリーズ』
- 『CLUSTER EDGE』
- 『EREMENTAR GERAD』
- 『K-20 怪人二十面相・伝』
- 『クーロンズゲート』
脚注
参考文献
- Nick Gevers、『Extraordinary Engines』、Solaris、2008年、ISBN 978-1844166008
- ジェフ・ヴァンダミア、『Steampunk bible』、Abrams Image、2011年、ISBN 978-0810989580
- ジェイムズ・P・ブレイロック、『ホムンクルス』、早川書房、1989年、ISBN 4-15-020123-4
- ウィリアム・ギブスン/ブルース・スターリング、『ディファレンス・エンジン(下)』、早川書房、2008年、ISBN 978-4-15-0116781
- テンプレート:Citation
- テンプレート:Citation
- テンプレート:Citation
- テンプレート:Citation
- テンプレート:Citation
- テンプレート:Citation
- テンプレート:Citation
- テンプレート:Citation
- テンプレート:Citation
関連文献
関連項目
外部リンク
テンプレート:サイエンス・フィクション- ↑ 1.0 1.1 テンプレート:Cite book
- ↑ ジェイムズ・P・ブレイロック、『ホムンクルス』、早川書房、387p〜396p(SF翻訳家山岸真の解説)
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite book
- ↑ テンプレート:Cite book
- ↑ 6.0 6.1 6.2 6.3 テンプレート:Cite news
- ↑ 7.0 7.1 7.2 7.3 テンプレート:Cite news
- ↑ 8.0 8.1 テンプレート:Cite news
- ↑ テンプレート:Cite book
- ↑ 10.0 10.1 テンプレート:Cite news
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite journal
- ↑ 階差機関は実際には蒸気機関駆動ではないし、コンピュータと呼べるほどの能力はない。より進化した設計の計算機械は解析機関である。
- ↑ ウィリアム・ギブスン/ブルース・スターリング、『ディファレンス・エンジン』、角川書店からの出版時に収録された巽孝之による解説。現在では早川書房から再版された下巻421p〜429pにて再録
- ↑ ジェフ・ヴァンダミア編著『Steampunk Bible』にファーストエイジ・スチームパンクの旗手として寄稿している
- ↑ ウィリアム・ギブスン/ブルース・スターリング、『ディファレンス・エンジン』、早川書房版の下巻、433p〜446p
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ 18.0 18.1 テンプレート:Cite news
- ↑ Nick Gevers『Extraordinary Engines』
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ Stoddard, William H., GURPS Steampunk (2000)
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite journal
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ 41.0 41.1 41.2 テンプレート:Cite news
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ Campbell, Jean (2009) Steampunk Style Jewelry: A Maker's Collection of Victorian, Fantasy, and Mechanical Designs. Creative Publishing International ISBN 978-1589234758, pp. 48.
- ↑ 49.0 49.1 テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web