佐渡酒造
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テンプレート:Pathnav 佐渡 酒造(さど さけぞう)は、アニメ『宇宙戦艦ヤマトシリーズ』に登場する架空の人物。声優は永井一郎。『2199』では千葉繁。
実写版である『SPACE BATTLESHIP ヤマト』では姓のみの女性に設定変更され、高島礼子が演じた。
概要
宇宙戦艦ヤマトの軍医。2152年生まれ。居室はヤマト唯一の畳敷き和室で、卓袱台もしつらえてある。無類の酒好きで、戦闘中や治療中の飲酒も平然と行ううえ、薬品棚から持ち出したエタノールに水を加えて酒を造り、ヤマトカクテルと称していた。『完結編』以前のシリーズ作品で愛飲している酒の銘柄は「大酒」。基本的には左胸と背中に赤十字の入った半袖のユニフォームを着用し、手術時にはその上に白衣を着用しているが、パート1の第13話では戦闘班のユニフォームで半袖型の物を着用していた。
なお、パイロットフイルムでは「さどさかぞう」とナレーションされていた。
劇中での活躍
- 宇宙戦艦ヤマト
- 主な医療業務は獣医で、医師免許も獣医師免許も所持している。
- 古代進や島大介と地下都市の中央病院で初対面の際、手術中のブタを死なせてアナライザーに「今日5つ目の仏さん」とからかわれるほど普段は腕の方はあまり良くないが、本人曰く「名医」らしい。
- ガミラス偵察機を無断で迎撃しようとして負傷して治療を受けていた古代や島らと共にヤマトへ招集され、14万8千光年という決死の航海に艦医として同乗する。
- 酒造の名前どおり常時酒瓶を手放さないほど日本酒に依存しているが、本人曰く「浴びるくらい酔ってはいても、目は曇ってはいない」。
- 航海の最中、宇宙放射線病が悪化する一方にある艦長の沖田十三の体調を支える。
- 宇宙空間で酒を飲もうとしたり、アナライザーに酒をあびせて酔っ払わせたりと天衣無縫に振る舞う一方、イスカンダル到着直前には古代に「百里の道を行くときは、九十九里をもって半ばとせよ」[1]と気を引き締めさせるなど、若者の多いヤマトクルーの中にあって徳川彦左衛門と共に年配者として気を配っていた。
- 地球に残してきた愛猫のミーくん以外に、家族はいない模様。
- さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち
- 亡き沖田を偲び、古代たちと共に旅立つ (今回はミーくんも随伴)。海底ドックからヤマトが発進する際、アナライザーと共に沖田のレリーフ[2]を艦長席後方上部に設置する。
- 司令長官に頼まれて空間騎兵隊の斉藤始を一緒に同乗させたり、危険を理由として一緒に旅立つことを古代から反対されていた森雪を秘かに同乗させる。
- 彗星都市との最後の攻防で医務室が被弾した際、ミーくんと共に殉職。
- 宇宙戦艦ヤマト2
- ヤマト乗組員と空間騎兵隊のいさかいを事あるごとに諌めていた。特に斉藤と古代の喧嘩では2人を強く叱責し、古代には「お前、それでも栄光あるヤマトの艦長代理か?」と厳しい一言を発している。
- アナライザーが鉄を喰うバクテリアである宇宙ホタルに浸食された時は「これは真田君の担当じゃ」として、さじを投げている[3]。
- テレザート星で島がテレサに会いに行こうとする際、佐渡がヤマト艦内の理容室らしき部屋で島の頭髪を整えている。
- 超巨大戦艦に砲撃されたヤマトから退艦する際には、どんなことがあっても生き延びるようにと古代を励ました。ただし、古代は佐渡たちが乗る最後の救命艇がヤマトを離艦する直前、艇から飛び降りてヤマトに残る。
- 宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち
- 真田志郎や島、相原をはじめ、ヤマトの生存者たちを退院まで世話している。
- 物語終盤でサーシャをカプセルから取り出したのも佐渡である。
- ヤマトよ永遠に
- 重核子爆弾が地球の表面に軟着陸する様子を、自分の病院である「佐渡犬猫病院」の窓から眺めているシーンがある。
- 地球脱出の際には黒色艦隊の追撃から逃れるために全員を仮死状態にして生命反応を消したが、このシーンは本編ではカットされ、小説やコミック版でのみ描かれている。
- 宇宙戦艦ヤマトIII
- シャルバート星で、ボラー連邦との戦闘で負傷した乗組員や住民をテントで治療していた。酒は「わしの気付け薬」とのこと。
- 飲酒しながら射撃練習に参加しているが、他の乗組員以上に命中率が高く、「目が曇っていない」のは医療だけではないところを見せている。
- 宇宙戦艦ヤマト 完結編
- 古代と雪に沖田の生存の秘密を語る、重要な役回りとなっている。
- 本編ではカットされているが、ヤマトが地球にいる間、ディンギルの少年を自宅である佐渡犬猫病院に保護している。
- ひおあきらのコミック版では、ヤマトを退艦する際に言われずとも沖田艦長が残るであろうことを察し、酒瓶を手に艦長室へ出向いて別れの杯を交わしている。
- 宇宙戦艦ヤマト 復活篇
- アナライザーやミーくんと共に旧作からのデザインの変化が少ない。フィールドパークで獣医をしており、古代と雪の愛娘である古代美雪の世話もしている。
- 地球を脱出せず、説得しに来た美雪に父親の思いなどを説いた後、アナライザーに命じて無理やり飛行機に乗せた。その後、古代と初めて会った時のことを思い出しながら、最後まで自室でアナライザーやミーくんと酒を飲んでいた。
- 愛飲している酒の銘柄は「唯我独尊」。
- SPACE BATTLESHIP ヤマト
- 本作では航海班の通信探知担当の相原と同様、性別が女性に変更されて女医となっている。ただし、大の酒好きであることや猫のミーくんを可愛がっているという設定は原作と同じ。最終決戦時には雪や島たちとともに生存者をカーゴに載せ、ミーくんを連れて皆で地球へ帰還している。
- 宇宙戦艦ヤマト2199
- 本作では、黒目や鼻の穴が描かれているなどの顔立ちの変更がある。また、獣医ではなく沖田の主治医であり、彼の旧友である土方竜から頼まれてヤマトに乗艦したという設定になった。大酒のみの設定はそのままだが、型破りな言動はやや抑え気味になっている。
- メカニックの設定が見直されたことに伴い、メスや包帯だけでなくドローンやナノマシンを駆使する姿も見られるようになった。
- 当初、沖田本人を除いて艦内で唯一彼の病状を把握しており、無茶な行動を度々諌めている。ビーメラ4宙域で発生したイズモ計画派による反乱の際は、保安部の星名透と協力して往診と偽りながら艦長室に入室し、反乱に加担した保安部員たちを拘束した。沖田と真田がユリーシャ・イスカンダルの意識を戻すために自動航法室へ入室させた際には、他のクルーよりいち早く自動航法室の真実を知ることになり、沖田に何故公表しないのかを問うた。
- 愛飲している酒の銘柄は「美伊」。他の酒を「そこらのカストリ酒」と称するほどこだわりを持っている。
類似のキャラクターが登場する作品
松本作品において佐渡酒造という人物は作中で医者の役回りを担当したりミーくんという猫と一緒に登場することが多いキャラクターであり、スター・システム化している。似た名前として「佐渡魔造」というキャラクターも他に多くの作品に出演している。松本本人も「佐渡魔造」の変名で『魔境の欲求不満隊』という4Pの絵物語を「別冊SMファン」'72年10月号に描いている。
- ワダチ
- 練馬美術大学研究所第一美術科教授として、佐渡酒造(-さかぞう)という人物が登場する。腐敗した人類を滅ぼそうと地球破壊装置を作成。地球からの脱出後に地球を破壊しようとしたが、失敗に終わり拳銃自殺した。
- トラジマのミーめ
- 佐渡魚造(-さかぞう)という、主役ネコ・ミーくんの家に酒と魚を届けに来る魚屋のおじさんが登場している。
- 惑星ロボ ダンガードA
- 物語としての関連性は少ないが、ほぼ同じ容姿で大酒呑みの医者として同名の佐渡酒造がレギュラーで登場する。声優は八奈見乗児で、後述のドクター・ゼロも担当。八奈見いわくゼロは『ダンガード』の佐渡酒造の続きという感じだったとのこと。
- 宇宙海賊キャプテンハーロック
- アルカディア号の船医としてドクター・ゼロが登場。『ハーロック』原作の劇中でヤッタランがゼロのことを「佐渡先生」と呼んでおり、後述する『新宇宙戦艦ヤマト』では、作中で佐渡酒造の子孫であることが公言されている。また、後述するゲーム『松本零士999』では、ハーロックと共に生き、いつ地球に帰れぬか分らぬ自分よりはと、弟に佐渡酒造の名を譲ったことが明かされた。
- 新宇宙戦艦ヤマト
- グレートヤマトの乗組員として集まるヤマトの乗組員の子孫として佐渡酒造が登場。
- 銀河鉄道999
- 劇中には登場しないが、劇場映画が公開された日(1979年8月4日)に発売された『銀河鉄道大時刻表』において、大銀河本線の男おいどん駅(明日の星のことだと思われる)の大駅長として、佐渡酒造が登場している。また、ラーメン屋「紅楽園」を経営しており、この店は劇中でも登場している。しかし、劇中ではラーメン屋の主人が佐渡酒造とは語られていないが、容姿は瓜二つである。
- 松本零士999 〜Story of Galaxy Express 999〜
- プレイステーション用ゲーム。似た容姿の人物でタイタンの駅員が登場し、彼は医者ではない。直接的な競演はないものの、この作品にはドクター・ゼロも登場し、彼の台詞から地球に何代目かの佐渡酒造がいることも明かされている。
- 松本零士「オズマ」
- ルナ・ノグチというバルダノスの船医が登場。女性である事などから『SPACE BATTLESHIP ヤマト』で高島礼子が演じた佐渡先生に近いキャラクター像である。
- 男おいどん
- ラーメン屋「紅楽園」のオヤジ。容姿および主人公を見守る役柄という点では共通。