賢島駅

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ファイル:Kashikijima station old building.jpg
現存する旧駅舎(2012年8月)

賢島駅(かしこじまえき)は、三重県志摩市阿児町神明賢島)にある近畿日本鉄道(近鉄)志摩線である。志摩線の終着駅

駅構造

頭端式ホーム4面5線を持つ地上駅留置線はない。もともと特急車両の車内サービスなどでワゴンを出し入れするなど物の移動も考慮されており、プラットホームからバスタクシーのりば等のある北出口までほとんど階段などの段差がなく車いすなどでも容易に乗降できる構造になっている。[1][2]PiTaPaICOCAは簡易改札機による対応である。

かつて、普通列車は南東側の志摩電気鉄道時代からの、1フロア下にある(傾斜面にあるので両方とも地上)ホームより発着していたが、現在は北側に新設された特急用ホームと同じ高さのフロアのホームを使用している。

志摩電気鉄道時代からの駅舎が、南口駅舎の西隣に現存している。

のりば

1・2 テンプレート:Color特急用ホーム(8連長) 主として名古屋行き特急
  2・3番線降車ホーム
3・4 テンプレート:Color特急用ホーム(8連長) 主として大阪難波大阪上本町京都行き特急
5 テンプレート:Color普通用ホーム(2連長) 鳥羽宇治山田伊勢中川方面
  • 1・4・5番ホームには降車ホームがない。

利用状況

「三重県統計書」によると、1日の平均乗車人員は以下の通りである。

年度 一日平均
乗車人員
1997年 1,075
1998年 912
1999年 810
2000年 866
2001年 854
2002年 881
2003年 887
2004年 894
2005年 875
2006年 849
2007年 821
2008年 846
2009年 773
2010年 735
2011年 730
2012年 769
  • 賢島駅の利用状況の変遷を下表に示す。
    • 輸送実績(乗車人員)の単位は人であり、年度での総計値を示す。年度間の比較に適したデータである。
    • 乗降人員調査結果は任意の1日における値(単位:人)である。調査日の天候・行事等の要因によって変動が大きいので年度間の比較には注意を要する。
      • 2008年平成20年)11月18日の調査結果によると、1日の利用客は993人(前回2005年11月8日の調査では1,141人)。この数字は
        • 当時の近鉄の全調査対象駅(287駅)中、239位。
        • 山田線・鳥羽線・志摩線の駅(33駅、他線接続駅含む)の中では、16位。
        • 三重県内の近鉄の駅(116駅)の中では、65位。
    • 表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。

テンプレート:Hidden begin

年 度 当駅分輸送実績(乗車人員):人/年度 乗降人員調査結果
人/日
特 記 事 項
通勤定期 通学定期 定期外 合 計 調査日 調査結果
1958年(昭和33年) 152,126 ←←←← 176,018 328,144      
1959年(昭和34年)   ←←←←          
1960年(昭和35年)   ←←←←          
1961年(昭和36年)   ←←←←          
1962年(昭和37年)   ←←←←          
1963年(昭和38年)   ←←←←          
1964年(昭和39年)   ←←←←          
1965年(昭和40年) 110,730 ←←←← 213,892 324,622      
1966年(昭和41年) 90,930 ←←←← 112,754 203,684      
1967年(昭和42年) 90,480 ←←←← 102,527 193,007      
1968年(昭和43年) 66,870 ←←←← 103,145 170,015      
1969年(昭和44年) 48,540 ←←←← 140,592 189,132     改良工事のため営業休止(バス代行)
1970年(昭和45年) 87,090 ←←←← 423,758 510,848     標準軌化し営業再開
1971年(昭和46年) 95,820 ←←←← 382,296 478,116      
1972年(昭和47年) 94,410 ←←←← 407,046 501,456      
1973年(昭和48年) 89,370 ←←←← 492,588 581,958      
1974年(昭和49年) 89,190 ←←←← 503,170 592,360      
1975年(昭和50年) 82,620 ←←←← 453,413 536,033      
1976年(昭和51年) 80,820 ←←←← 444,527 525,347      
1977年(昭和52年) 70,680 ←←←← 446,169 516,849      
1978年(昭和53年) 71,910 ←←←← 426,714 498,624      
1979年(昭和54年) 72,450 ←←←← 450,010 522,460      
1980年(昭和55年) 71,880 ←←←← 427,928 499,808      
1981年(昭和56年) 73,170 ←←←← 415,313 488,483      
1982年(昭和57年) 67,080 ←←←← 395,937 463,017 11月16日 1,905  
1983年(昭和58年) 67,950 ←←←← 387,340 455,290 11月8日 2,123  
1984年(昭和59年) 63,660 ←←←← 373,759 437,419 11月6日 2,003  
1985年(昭和60年) 65,580 ←←←← 375,655 441,235 11月12日 1,540  
1986年(昭和61年) 65,550 ←←←← 372,658 438,208 11月11日 1,331
1987年(昭和62年) 59,100 ←←←← 353,129 412,229 11月10日 1,616  
1988年(昭和63年) 56,770 ←←←← 345,149 401,849 11月8日 1,559  
1989年(平成元年) 51,060 ←←←← 357,707 408,767 11月14日 1,659  
1990年(平成2年) 60,390 ←←←← 391,619 452,009 11月6日 1,817  
1991年(平成3年) 73,200 ←←←← 408,871 482,071      
1992年(平成4年) 79,260 ←←←← 387,492 466,752 11月10日 2,349  
1993年(平成5年) 73,950 ←←←← 367,971 441,921      
1994年(平成6年) 83,460 ←←←← 382,929 466,389      
1995年(平成7年) 94,290 ←←←← 342,065 436,355 12月5日 1,078  
1996年(平成8年) 92,820 ←←←← 325,425 418,245      
1997年(平成9年) 95,760 ←←←← 296,508 392,268      
1998年(平成10年) 84,180 ←←←← 248,601 332,781      
1999年(平成11年) 80,880 ←←←← 215,521 296,401      
2000年(平成12年) 97,290 ←←←← 218,869 316,159      
2001年(平成13年) 105,210 ←←←← 206,509 311,719      
2002年(平成14年) 121,560 ←←←← 200,158 321,718      
2003年(平成15年) 139,140 ←←←← 185,604 324,744      
2004年(平成16年) 164,010 ←←←← 162,203 326,213      
2005年(平成17年) 166,860 ←←←← 152,497 319,357 11月8日 1,141  
2006年(平成18年) 153,600 ←←←← 156,271 309,871      
2007年(平成19年) 137,820 ←←←← 162,672 300,492      
2008年(平成20年) 138,060 ←←←← 170,734 308,794 11月18日 993  
2009年(平成21年) 129,150 ←←←← 153,064 282,214      
2010年(平成22年) 130,890 ←←←← 137,555 268,445      
2011年(平成23年) 130,800 ←←←← 136,347 267,147      
2012年(平成24年) 128,610 ←←←← 151,999 280,609      

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駅周辺

バス路線

駅前にバス乗り場があり、以下の路線が乗り入れている。運行は、三重交通により行われている。

歴史

ファイル:Kintetu680-sayonara2.JPG
普通列車ホームに停車する680系さよなら列車

当駅は志摩電気鉄道の路線計画には入っていなかった。着工直前までは2つ手前の鵜方浜(鵜方駅)を終点とする計画であったが[3]目黒蒲田電鉄幹部に参宮客を英虞湾まで誘致しなければ利益が見込めないと指摘され、重役会議で英虞湾岸のかしこ島の真珠港駅まで延長することとなった。当時のかしこ島は真珠養殖場はあるものの無人島であったが、鉄道駅開設を祝し土地が寄付されたことから観光地としての開発が始まり、賢島と漢字表記されるようになった[4]

隣の駅

近畿日本鉄道
志摩線
テンプレート:Color普通
志摩神明駅 - 賢島駅

かつて存在した路線

近畿日本鉄道
志摩線(廃止区間)
賢島駅 - 真珠港駅

特別駅長「志摩ちゃん」

2009年(平成21年)11月に賢島駅の近くにある志摩マリンランドのメスフンボルトペンギン「志摩ちゃん」が特別駅長に就任した[7]。志摩ちゃんは、近鉄志摩線の活性化を目的に駅長となり、1年間で20日、帽子ネクタイ姿で改札に立った[8]2001年(平成13年)5月4日生まれである[8]

2010年(平成22年)11月21日には、就任1周年記念式典が賢島駅で開かれ、感謝状とアジ1年分(約220kg)が送られた[8]。同式典では、動物駅長の「先輩」である和歌山電鐵貴志駅たま駅長から祝電が届いた[8]。また、同日は、鳥羽 - 賢島間の「ペンギン列車」に乗務し、他のペンギン3匹とともに近鉄電車車内を行進した[8]。翌年の2011年(平成23年)の5月29日にはコンコースに「ペンギン駅長室」が設置され[9]、同年11月20日には志摩市の観光特使に就任した[7]

以上のように活躍を続けてきた志摩ちゃんであったが、2012年(平成24年)6月24日の「出勤」をもって任期満了により退任することが、同年7月30日に近鉄から発表された[5]。その後2014年(平成26年)3月22日に死亡した[10]

その他

  • 近鉄では最南端の駅である(最東端と最北端は近鉄名古屋駅、最西端は大阪難波駅)。
  • 1969年昭和44年)7月に廃止された真珠港貨物駅の跡は、その後も長い間留置線(賢島車庫)として使われ、かつての名残をとどめていた。上記の普通列車ホーム廃止に際して撤去され、その姿を消した。線路跡は長らく雑草が生い茂っていたが、現在は駐車場と化した。
  • 2007年(平成19年)4月1日から、PiTaPaICOCAといったICカードが使用が可能になり、簡易改札機が設置されている。
  • 2009年(平成21年)3月20日に阪神なんば線が開業したことで山陽網干駅もしくは山陽姫路駅から当駅まで標準軌私鉄の路線が繋がった。しかし、4社通しの切符は現在のところ発売されていない(ICOCA・PiTaPa利用なら4社通しで乗車可能[11])。2012年末、もしくは2013年春を目標に当駅から阪神三宮駅までの特急列車を運行する計画があると報道されたが、2014年3月22日にようやく実現に至った[6]

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ

  1. 同様の駅構造には西武鉄道西武球場前駅がある。
  2. ただし1フロア下の賢島港側南出口へは階段と上りエスカレータによって結ばれている。
  3. 『阿児町史』(阿児町史編纂委員会、2000年3月15日発行)285頁
  4. 『図説伊勢・志摩の歴史 下巻』(伊勢・志摩の歴史刊行会編、1992年8月15日郷土出版社発行、ISBN 4-87670-028-1)86頁
  5. 5.0 5.1 5.2 近畿日本鉄道株式会社秘書広報部"ペンギン駅長「志摩ちゃん」の退任について"<ウェブ魚拓>KINTETSU NEWS RELEASE平成24年7月30日(2012年8月29日閲覧。)
  6. 6.0 6.1 テンプレート:Cite web
  7. 7.0 7.1 朝日新聞社"志摩ちゃん大忙し 三重のペンギン駅長、観光大使就任 - 朝日新聞デジタル"<ウェブ魚拓>2011年11月21日(2012年8月29日閲覧。)
  8. 8.0 8.1 8.2 8.3 8.4 伊勢志摩経済新聞"ペンギン駅長就任1周年で感謝状とアジ1年分-「ペンギン列車」も大好評"<ウェブ魚拓>2010年11月22日(2012年8月29日閲覧。)
  9. 伊勢志摩経済新聞"近鉄賢島駅のペンギン駅長「志摩ちゃん」に駅長室、ペンギン列車も大人気"<ウェブ魚拓>2011年5月30日(2012年8月29日閲覧。)
  10. ペンギン駅長の志摩ちゃん死ぬ 近鉄賢島駅 - 京都新聞 2014年04月12日13時10分発信
  11. 因みに近鉄特急を利用せずに通勤型列車のみ利用でICOCA・PiTaPaなど交通系ICカード全国相互利用カードを利用した場合、賢島駅と山陽姫路駅の料金は3,680円かかる。

関連項目

外部リンク

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