オオルリ
オオルリ(大瑠璃、学名Cyanoptila cyanomelana)は、スズメ目ヒタキ科オオルリ属に分類される鳥類の一種。
日本へは夏鳥として渡来・繁殖し、冬季は東南アジアで越冬する。高い木の上で朗らかにさえずる。姿も囀りも美しい。
形態
全長が約16 cm[1][2][3]、翼開長が約27 cm[2][4]。雄の背中は尾も含め光沢のある青で、尾の基部には左右に白斑がある。喉、顔は黒で腹は白い。雌は頭から尾にかけて背面が茶褐色で、喉と腹は白い。胸と脇が褐色。 また、雄が美しい色彩になるには2 - 3年を要すると考えられ、若鳥時代の雄の羽色は雌の羽色と似た茶褐色で、背面の一部と風切羽及び尾羽に青色が表れているだけである。雌はキビタキの雌やコサメビタキなどに似ている[3][4]。
コルリ、ルリビタキなど共に、「青い鳥」御三家の一つである[2]。
- Cyanoptila cyanomelana.jpg
雌
- Cyanoptila cyanomelana juveniles male.JPG
雄の幼鳥
鳴き声
地鳴きはクッ、クッ。さえずりは、美しい声でゆっくりとピリーリー、ポィヒーリー、ピールリ、ピールリ、ジィ、ジィと鳴く。雌もさえずることがある[2]。
分布
旧北区。中国東北部、ウスリー、朝鮮半島や日本で繁殖し、インドシナ半島から大スンダ列島、フィリピンなどに渡って越冬する。
日本には夏鳥として4月下旬ごろに渡来し、南西諸島を除く北海道から九州までの全国各地で繁殖する。10月ごろまで見られる。
生態
低山帯から亜高山帯にかけての山地や丘陵に生息し、とくに渓流沿いのよく茂った森林に多く、飛翔している昆虫を捕食する。クモ類なども捕食する[1]。渓流沿いの岩壁や土壁のくぼみなどにコケを用いて巣をつくる[2]。なわばりを持ち、林の中の湖のほとりや、牧場と林の境などでも見られる。繁殖期に雄は木の梢で豊富な声量でさえずる[3]。渡りの時期には市街地の公園でも観察される。
種の保全状況評価
国際自然保護連合(IUCN)により、レッドリストの軽度懸念(LC)の指定を受けている[5]。
日本の以下の都道府県でレッドリストの指定を受けている[6]。かつては姿かたちと鳴き声から飼い鳥として人気があり「和鳥四品」[7]のひとつであった[8]。現在は鳥獣保護法により愛玩飼養は禁止されているが、毎年違法な飼養が確認されている[8]。
- 重要保護生物(B) - 千葉県(環境省の絶滅危惧IB類相当)[9]
- 絶滅危惧II類 - 山形県、東京都北多摩(南多摩と西多摩は準滅危惧種)
- 準絶滅危惧種 - 神奈川県、大阪府[10]、和歌山県、山口県[11]、福岡県[12]
- 希少種 - 茨城県、滋賀県(環境省の準絶滅危惧種相当)
- 地帯別危惧 - 埼玉県[13]
- 要注目種 - 兵庫県
- 留意 - 岡山県[14]
豊橋総合動植物公園がオオルリの繁殖賞(自然、人工:1991年、2003年)を受賞した。
Sibley分類体系上の位置
亜種
以下の亜種に分類される。
自治体指定の鳥
日本の以下の自治体指定の鳥である。括弧表記はかつて存在していた自治体。
脚注
参考文献
関連項目
テンプレート:Sister テンプレート:Commons&cat
テンプレート:Bird-stub- ↑ 1.0 1.1 1.2 山溪ハンディ図鑑7 日本の野鳥 (2006)、512-513頁
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 ひと目でわかる野鳥 (2010)、187頁
- ↑ 3.0 3.1 3.2 野山の鳥 (2000)、100-101頁
- ↑ 4.0 4.1 絵解きで野鳥が識別できる本 (2000)、152-155頁
- ↑ 引用エラー: 無効な
<ref>
タグです。 「IUCN
」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません - ↑ テンプレート:Cite web - 「都道府県指定状況を一覧表で表示」をクリックすると、出典元の各都道府県のレッドデータブックのカテゴリー名が一覧表示される。
- ↑ 和鳥四品 - オオルリ、キビタキ、コマドリ、ミヤマホオジロ
- ↑ 8.0 8.1 8.2 8.3 テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web - 「ルリちゃん」はオオルリをモチーフにした栃木県民の日のマスコットキャラクターである。