ヒタキ科

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ヒタキ科(ヒタキか、学名 テンプレート:Sname)は、鳥類スズメ目の科である。

ヒタキ(鶲)と総称されてきたが[1]、100種以上がツグミ科から移され、その中にはコマドリ類・シキチョウ類・ルリチョウ類などもいる。英語では、従来ヒタキ科に含まれていた種を テンプレート:En、ツグミ科から移された種を テンプレート:En と区別するが、これらは自然分類ではない。

特徴

旧大陸オーストラリア区の中低緯度に生息する。

(くちばし)は横に扁平で、基部が太く剛毛が生えている。

森林に住む。枝の上に止まり、飛ぶ虫に向かって飛び上がり空中で捕食し、元の枝に戻る「ヒタキ型」給餌をする。

系統と分類

系統樹は Sangster et al. (2010)[2]; Zuccon & Ericson (2010)[3]より。1–12 は Zuccon & Ericson による仮の系統名である。

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ヒタキ科はツグミ科と姉妹群であり、これら2科でヒタキ上科の大半を占める。ヒタキ科の中での系統位置が不明なムラサキツグミ テンプレート:Snameiイワトビヒタキ テンプレート:Snamei はツグミ科だとする説もある。

ヒタキ科は従来はヒタキ亜科 テンプレート:Sname とノビタキ亜科 テンプレート:Sname に分けられ、英語ではそれぞれ テンプレート:Enテンプレート:En と総称されてきた(日本語では明確な呼び分けはない)。ヒタキ亜科は伝統的なヒタキ科で、ノビタキ亜科は Sibley & Ahlquist (1990) によりツグミ科から移された亜科だった。しかしそれらは多系統であり、Sangster et al. により4亜科に再編された。おおよそ、旧ヒタキ亜科は現在のヒタキ族・アオヒタキ亜科・ノビタキ亜科の一部 (テンプレート:En)、旧ノビタキ亜科は現在のシキチョウ族・ヨーロッパコマドリ亜科・ノビタキ亜科の大半 (テンプレート:En) にあたる。

ヒタキ亜科には2つの族が含まれる。Sangster et al.ムジヒタキ属 テンプレート:Snamei を仮にシキチョウ族に含めたが、Zuccon & Ericson はヒタキ亜科の基底で分岐したとしている。

ノビタキ亜科はヒタキ科最大の亜科で、族は設けられていないが、Zuccon & Ericson は7つの系統に分けている(Sangster et al. は部分的に異なる9つの系統に分けている)。

歴史

Hartert (1910) は拡大されたヒタキ科 テンプレート:Sname を提唱した。ヒタキ科にはヒタキ亜科・ツグミ亜科など10前後の亜科が置かれ、それらは Amadon (1957) や Wetmore (1960) により個別の科となった。ただし当時は、ヒタキ科には テンプレート:En のみがあり、テンプレート:En はツグミ科ノビタキ亜科 テンプレート:Sname とされていた。なお、ツグミ類 (テンプレート:En) はツグミ科ツグミ亜科 テンプレート:Sname とされていた。

Sibley & Ahlquist (1990) は、ノビタキ亜科はツグミ亜科よりもヒタキ科に近縁だと考え、それらをヒタキ亜科の族とした。ツグミ亜科もヒタキ科に含め、拡大したヒタキ科を次のように分類した。

のちに、彼らの亜科は科、族は亜科として扱われた。つまり結局、ノビタキ亜科がツグミ科からヒタキ科に移されたことになる。ただしムジヒタキ類 (テンプレート:En, 現在のムジヒタキ属 テンプレート:Snameiマミジロムジヒタキ属 テンプレート:Snamei)・コバネヒタキ類 (テンプレート:En, 現在のシロボシコバネヒタキ テンプレート:Snameiコバネヒタキ属 テンプレート:Snameiセレベスコバネヒタキ テンプレート:Snamei) は彼らによりノビタキ類からツグミ類に移され、ツグミ科にとどまった。

しかしこれらの亜科は多系統であり、Beresford (2003) や Voelker & Spellman (2004) により修正され、Sangster et al. (2010)[2]により4亜科に再編された。ヒタキ科の範囲も変更され、Sibley & Ahlquist (1990) がノビタキ類からツグミ類に移した属はヒタキ科に戻され、さらに、伝統的にツグミ亜科に含まれていたルリチョウ属 テンプレート:Snameiイソヒヨドリ属 テンプレート:Snamei もノビタキ亜科に移された。

属と種

種は国際鳥類学会議 (IOC)[4]による。属は Sangster et al. (2010)[2](一部は Zuccon & Ericson (2010)[3])に基づき以下の修正をした。

科の範囲と亜科分類は Sangster et al. によるが、部分的に Zuccon & Ericson の系統に基づいた修正がある。また近年ツグミヒタキ属 テンプレート:Snamei から分割された2つの単型属はツグミヒタキ属と同じヨーロッパコマドリ亜科に置いた。

46属317種。

ヒタキ亜科 テンプレート:Sname

8属65種。

アオヒタキ亜科 テンプレート:Sname

5属44種。

ヨーロッパコマドリ亜科 テンプレート:Sname

10属36種。

ノビタキ亜科 テンプレート:Sname

18属168種。

亜科不明

4属4種。

出典

テンプレート:Reflist
  1. テンプレート:Cite
  2. 2.0 2.1 2.2 テンプレート:Cite
  3. 3.0 3.1 テンプレート:Cite
  4. テンプレート:Cite