国際自然保護連合
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国際自然保護連合(こくさいしぜんほごれんごう、英:International Union for Conservation of Nature and Natural Resources、IUCN)は、1948年に創設された、国際的な自然保護団体である。国家、政府機関、NGOなどを会員とする。本部はスイスのグランにある。日本は1978年に環境庁が日本の政府機関として初めて加盟、1995年に国家会員として加盟した。また、日本国内の18団体(NGOなど)が加盟している。1993年には、旭硝子財団よりブループラネット賞が贈られた。
IUCNによる自然保護地域カテゴリー
テンプレート:Conservation status 国際自然保護連合は、世界各国の政府・法人・個人が保護している地域に対して、以下のようなカテゴリー化を行っている。これらのカテゴリーは、保護された自然区域の管理の度合いを示すものである。
- 厳正保護地域(Ia)
- 特出したもしくは代表的な生態系や、地理的なもしくは生理学的な特徴あるいは種を有し、原則として科学的研究あるいは環境観察のために開かれている土地あるいは海域。
- 原生自然地域(Ib)
- 手つかずもしくはそれに近い状態で保たれていて、その自然の性格と作用を保ち、恒久的あるいは重要な棲息を持たず、その自然状態を保つために保護され運営されている広大な土地あるいは海域。
- 国立公園(II)
- 以下を意図した土地あるいは海域の自然地域。
- 現在のそして未来の世代のために一つあるいはそれ以上の生態系の完全環境を保護すること
- 私的利用もしくは地域の保護目的に反目する土地所有を排除すること
- 精神的な、学術的な、教育的な、レクリエーション的なそして訪問などの機会ための土台が提供されていて、それが環境的にそして文化的に矛盾していないこと。
- 天然記念物(III)
- その独自の希少性、代表的なもしくは美的な特性、もしくは文化的重要性によって、一つあるいはそれ以上の特出したもしくは独特の価値を持つ、明確な自然のもしくは自然文化の特徴を含む地域。
- 種と生息地管理地域(IV)
- 生息動物の保持を確認するためあるいは特定の種の要求を満たすため、運営目的のために精力的な介在に属する土地もしくは海域。
- 景観保護地域(V)
- 人間と自然の何代にもわたる交流が、重要で美的な、環境的な、文化的な価値を伴いそして多くは高度に生物学的な多様性を伴った、他では見られないような特徴を持った地域を作り出した海岸や海域を伴った土地。この伝統的交流の完全保護がかかる地域の保護、維持、発展に非常に重要であること。
- 資源保護地域(VI)
- 自然生産の持続的流れとコミュニティーの要求を満たすをことを同時に提供している一方で、長期の保護を確保し、生物学的多様性を維持することで運営している、主に手つかずの自然形態を含む地域。
以上のようなカテゴリー区分は、日本においても行われている。ユネスコの世界遺産に登録された白神山地は、「(Ib)原生自然地域」として分類されている。
関連項目
- レッドリスト
- 絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約):アメリカ政府と IUCN が中心となって作成。
- 世界遺産:自然遺産の候補は、IUCN が現地調査を担当。
- 移動性野生動物種の保全に関する条約
- 環境教育:IUCNによって初めて用いられた用語とされている。
外部リンク
- 世界の外来侵入種ワースト100 - IUCNの種の保全委員会が作成。