新生フィナンシャル
新生フィナンシャル株式会社(しんせいフィナンシャル、Shinsei Financial Co., Ltd.)は、パーソナルローン「新生フィナンシャルカードローン」のサービスと、「新生銀行カードローン レイク」などの信用保証業務を行う株式会社新生銀行の子会社、貸金業者。
目次
概要
GEコンシューマー・ファイナンス株式会社(GECF)として、米GE (General Electric Company)の金融部門であるGEキャピタルを通じて日本に於ける信販・消費者金融事業を展開していたが、貸金業法改正に伴う金利引き下げや過払い金返還請求訴訟が相次ぐために収益性が悪化している同事業からの撤退を決め、規模を拡大し収益力向上を目指す新生銀行に同社を売却。2008年9月22日に新生銀行の子会社となり、2009年4月に新生フィナンシャル株式会社と商号変更している。
前身から引き継いだ「レイク」ブランド(2011年9月30日限りで終了)で、消費者金融(同社では「パーソナルローン」部門とする)の新規募集を行っていた。また、2005年からはGE Moneyという本家のブランドでローンカードの「GE Moneyのカードローン」等を展開したが、2年足らずの2006年12月25日を以て新規の申込受付を停止した。その他クレジットカードや住宅ローンの事業は、2009年2月に撤退した。
2011年10月1日に、「レイク」として行っている消費者金融事業の店舗・自動契約機などの営業資産を、親会社の新生銀行へ事業譲渡し、同日新規契約分から「新生銀行カードローン レイク」という同社カードローンの一商品として事業展開することとなった。消費者金融会社の商標・営業網を、銀行が直接譲り受けて直轄事業とするのは、楽天クレジットのローンカードをイーバンク銀行へ譲渡する例に次いで2例目であるが、店舗ごと譲渡する例は初となる。なお、新生銀行は、既にアプラスの信用保証による「新生銀行スマートカードローン」を同行パワーフレックス口座保有者向けに展開しているが、同年9月13日から新規契約を停止している。
新生フィナンシャルは、新規営業の譲渡以降、信用保証事業、及び既存債権に関する営業に特化した。2010年9月30日までに「レイク」ブランドで新生フィナンシャルと契約した者は新生銀行へは移管されず、「新生フィナンシャル カードローン」(レイクの商標が消滅)として、従来通り契約が継続する。また、保証事業として2011年からトマト銀行・東和銀行など地域金融機関の無担保カードローン商品の保証・審査業務の委託を受任し、次いで同年10月から「新生銀行カードローン レイク」の保証・審査業務を引き受けている。
2011年9月1日より、新生フィナンシャルのレイク公式サイト(shinseifinancial.co.jp)上では「レイク」のロゴマークが消滅し、レイクと同じ緑地にゴシック体の白色文字で「新生フィナンシャル カードローン」という表記のみとなり、2011年10月1日からは新規申込に係るページが消滅(新生銀行へ譲渡のため)した。
2011年11月からOpenOfficeの本格運用を開始した。[1]全社標準オフィス・ソフトとして利用されている。
沿革
- 1964年 - 浜田武雄により大阪で消費者金融業株式会社パーソナル・リース(旧レイクの前身)設立(1998年8月まではGEとは無関係)。
- 1975年 - パーソナル・リースはプロミス(現SMBCコンシューマーファイナンス)と同様に地域会社を擁していたが、融資会社を1社に集約し株式会社レイク(本社・大阪市)となる。
- 1991年6月 - ゼネラル・エレクトリック・キャピタル・コンシューマー・ファイナンス株式会社設立。
- 1992年 - レイク子会社が株投機に失敗したことで1200億円の損失が不良債権化、メインバンクである三井信託銀行の管理下に置かれる。
- 1994年 - ゲートファイナンス株式会社が事業開始。
- 1994年10月 - ゼネラル・エレクトリック・コンシューマーローン株式会社設立。
- 1994年12月 - ミネベア信販株式会社の個品割賦部門を営業譲受。協同組合連合会日本商店連盟系のカード会社 株式会社エヌシーカード仙台を買収。
- 1995年12月 - ゲートファイナンス株式会社がゼネラル・エレクトリック・キャピタル・コンシューマー・ファイナンス株式会社に社名変更
- 1996年2月 - 幸福銀行・京都共栄銀行(現関西アーバン銀行)の親密信販である新京都信販株式会社のクレジットカード部門・信販部門の営業譲受。新京都信販はバブル期の不動産投資が主因で経営破綻。
- 1998年1月 - 幸福銀行・旧京都共栄銀行系のコーエークレジット株式会社を買収。
- 1998年7月16日 - GEキャピタルがレイクの消費者金融部門を買収する方向であることが明らかとなる。
- 1998年8月27日 - ゼネラル・エレクトリック・コンシューマーローン株式会社が大阪市に本店を置き株式会社レイク(新)に社名変更(株式会社レイク2社併存)。
- 1998年11月2日 - 旧・レイク(株式会社エルへ社名変更)の消費者金融「ほのぼのレイク」事業を新・株式会社レイク(GE傘下)が営業譲受。旧・レイクの貸出残高のある顧客に対しては新・レイクが残債分を融資(総計6000億円)し、新社へ借り換えさせる手段が実施された。この買収によりエル創業者の浜田夫妻はのれん代など巨額の創業者利益を手に入れ、同年の高額納税者1・2位となった。
- 2000年9月 - レイク(GE系)がコーエークレジットを吸収合併。
- 2000年12月1日 - 株式会社レイク(GE系)がジー・イー・コンシューマー・クレジット株式会社と社名変更(ブランド名は「ほのぼのレイク」のまま)。
- 2002年2月 - 有限会社オー・シー設立。
- 2002年7月 - 株式会社カワイアシスト(河合楽器製作所子会社)の個品割賦斡旋部門の営業譲受。
- 2002年12月2日 - 有限会社オー・シーが株式会社ジー・イー・コンシューマー・クレジット株式会社を吸収合併して、GEコンシューマー・クレジット有限会社に社名変更。
- 2003年8月 - プロミス子会社のクレジットカード会社であるジーシー株式会社(旧:総合信販)を買収。
- 2003年10月 - ゼネラル・エレクトリック・キャピタル・コンシューマー・ファイナンス株式会社がGEコンシューマー・クレジット有限会社を吸収合併して、GEコンシューマー・ファイナンス株式会社(以下、GECF)に社名変更。本社を東京都目黒区に移転。
- 2004年6月 - ジーシー株式会社のクレジットカード事業(プロミスJCBカードを除く)、ローン事業、信販事業をGECFが営業譲受。GEカードブランドとして展開。
- 2004年12月30日 - ジーシー株式会社を有限会社化。
- 2005年4月 - GE Moneyブランドで住宅ローン・ローンカードの取扱いを開始。
- 2006年10月 - 東京スター銀行子会社のTSBキャピタルより、住宅ローン事業の営業資産譲受。
- 2006年10月21日 - パーソナルローン(レイク)部門で延滞者の勤務先に執拗に督促電話を架けていた事が貸金業の規制等に関する法律第21条第1項に接触するとして、金融庁から東京・大阪の両コールセンターを11月13日から5日間、業務停止処分が言い渡される。消費者金融専業大手での同処分はアイフルに次いで2例目。
- 2006年11月 - 本社を赤坂に移転。
- 2008年9月 - 株式会社新生銀行がGEから約5800億円で買収し、同社子会社となる。
- 2009年4月1日 - GECFが新生フィナンシャル株式会社に商号変更。同時にクレジットカード事業並びに信販事業を会社分割の方法により新生カード株式会社(旧GE Moneyファイナンス株式会社)へ包括承継。クレジットカード事業は譲渡後に撤退した。
- 2009年11月29日 - ジーシー有限会社の残置事業であったプロミスJCBカードの取扱が終了。
- 2010年1月1日 - ジーシー有限会社を新生カードの子会社(孫会社)である株式会社エヌシーカード仙台へ吸収合併し解散。
- 2010年3月 - NO LOANを展開する新生銀行系の消費者金融業 シンキ株式会社を完全子会社化。
- 2010年12月9日 - 本店を、東京都港区赤坂の赤坂パークビルから東京都千代田区鍛冶町(神田支店所在地)に移転。
- 2011年9月30日 - 新生フィナンシャルでの「レイク」の新規募集・契約を終了。
- 2011年10月1日 - 「レイク(パーソナルローン部門)」の新規募集・契約に関わる営業資産を新生銀行へ譲渡し、同社の「新生銀行カードローン レイク」の信用保証業務を引き受ける。前日までに「レイク(Lカード)」の契約がある者は「新生フィナンシャル カードローン」として引き続き新生フィナンシャルとの契約が継続される。
事業
消費者金融
1998年1月に買収したコーエークレジット、同年11月に営業譲受を受けた株式会社レイク(本社・大阪市)の事業を統合し、消費者金融としてのレイクを構成している。事業規模としては消費者金融連絡会メンバーで大手6社(武富士・アコム・プロミス・アイフル・レイク・三洋信販)の一角であったが、2003年に脱退している(消費者金融連絡会メンバーは残りの大手5社となり2009年に活動停止)。
なお、商標名としては株式会社レイク時代から「ほのぼのレイク」ブランドでCM・店舗展開を行っていたが、2006年秋(10月頃)からは「ほのぼの」(※心が和むさまを意味する)の文字が取り除かれた。同時期以降に展開した店舗およびそれ以前から営業している店舗の大半は、「レイク」となった。
2009年11月26日より子会社におくシンキのNO LOANカードの新規申込手続きを自動契約機で取扱開始し、2010年までにシンキの自動契約機とATMコーナーは撤廃された[2]。2011年10月1日に「レイク」の商標と自動契約コーナーの店舗網を親会社の新生銀行に譲渡。9月30日までに新生フィナンシャルの「レイク」として契約した者は「新生フィナンシャル カードローン」となり、既存契約の維持・管理を行っている。この施策により10月1日以降は新生フィナンシャルとしては新規募集・契約を中止することになった。
保証事業
東和銀行・トマト銀行など地域金融機関(現状、第二地方銀行)の無担保カードローンや、新生銀行カードローン レイクの信用保証事業を行っている。
その他
- CareCredit
- 健康保険の対象とならない医療費用の融資を行う。
- GE eカード
- イーバンク銀行顧客向けに、無担保で融資を行う。
過去
- GE Money
- GECF時代の2005年に「GE money」事業を立ち上げ、レイクやGEカード(旧GCカード)とは異なる別ブランドとして、無店舗(ダイレクトマーケティング)型の住宅ローン・利用枠が大型のローンカードと、住宅ローン契約者専用のクレジットカード「Home Oneカード」を展開した。日本GEの広告の中で金融部門として位置づけされた作品もあったが(週刊文春などの週刊誌を中心に広告を出稿)、新生銀行傘下入りすると同ブランドによる新規展開は終息した。
- GE Money クレジットカード
- アメリカン・エキスプレス(AMERICAN EXPRESS)とブランド開放提携した「GE Money ゴールド・アメリカン・エキスプレス・カード」及び「GE Money アメリカン・エキスプレス・カード」並びにジェーシービー(JCB)と提携した「GE Money アクティブ・カード」を発行している。
- HomeOne VISAカード
- 住宅ローンの利用者の内、申込を行った者に発行されるクレジットカードである。
- 住宅ローン
- 個々の顧客の状況に応じて異なる金利を提供する点が特徴である。従来の画一的な審査基準では融資の対象外となることが多かった自営業者、派遣社員、転職者、永住権を持たない在日外国人など幅広い顧客層に対して住宅ローンを提供している。また、顧客が持つ資格により、金利の優遇を行っている。(欧米のサブプライムローンの構造を日本で採り入れていた。)広島銀行、泉州銀行、荘内銀行などの地方銀行・信用金庫・モーゲージバンクなどと提携。顧客が銀行の住宅ローン審査が通らなかった場合、その銀行はGEMoneyの住宅ローンを紹介・販売を行っている。なお、住宅金融支援機構のフラット35は、子会社であるGE Moneyファイナンス株式会社(後に新生カード株式会社)が融資を行っていた。しかし、2010年6月4日に、同社が行っていた債権管理・回収業務を事業譲受している。
- GE Moneyのカードローン
- インターネットサイト上で募集されていたローンカード。レイクよりも融資利率が低く、融資枠が大型のため、レイクの顧客層よりも高属性者をターゲットとしていたと思われる。
- 旧GE・GCブランドのクレジットカード
- ゼネラル・エレクトリック・キャピタル・コンシューマー・ファイナンス株式会社(GECC(レイク)とは2003年12月に合併)が買収した新京都信販の資産を転用する形で1999年から「GEカード(GE CARD)」を展開し、デル、河合楽器製作所などの提携カードを発行していた。国際ブランドはVISAのみで、ライセンス供与は当初クレディセゾンであったが、後に三井住友カードへ変更された。
- 2004年に買収したジーシーの「GCカード」は、日本電気(NEC PCカード)、リアリットなどの提携カードやローンカードの発行をしていたが、2000年以降,「ガンダムオフィシャルカード」、「シャア専用カード」「スチームボーイカード」などサンライズ系のアニメキャラクターをカードフェイスに採用した提携カードを2005年頃まで募集・発行していた。国際ブランドは当初JCBのみ、後に国際カードビジネス協会のライセンス供与によりVISAが加わった。吸収後、順次GCブランドはGEへ変更されている。また、プロミスと提携した「プロミスJCBカード」も存在していた[3]が、GCブランドは表に出なかった。
- これらは新規募集を停止のうえ、2009年4月1日付けで子会社の新生カード(GE Moneyを展開した旧:GE Moneyファイナンス)へ移管し、2010年3月までに取扱を終了した。
CMキャラクター
レイク
起用期間 | メインキャラクター | サブキャラクター |
---|---|---|
1970年代後期 | アニメーションキャラクター | |
1980年代 | 原始家族フリントストーン | |
1990年 - 1992年頃 | ラントとレイ(キャラクター) | 坪倉伊織 |
1997年 - 2000年前半 | ジーコ | |
2000年夏頃 - 2001年春頃 | レイクエンジェル | ジーコ |
2001年 - 2002年頃 | 笹川功二ほか | |
2003年 - 2004年頃 | 曙太郎 | |
2005年 - 2006年3月 | 浅香友紀 | ふかわりょう |
2006年4月 - 2009年3月 | 夏川純 | 小木茂光 |
2009年4月 - 2011年9月 | 山田優 | 安斎肇、温水洋一 |
2012年11月 - | 菜々緒 |
- 1990年代から辻野芳輝による恐竜を擬人化したオリジナルキャラクター「ラント」(緑色、サラリーマン風)と「レイ」(ピンク色、OL風)がおり、2005年頃までレイク ロゴの上にスーツ姿の「ラント」がLカードを持つイラストが使われていた。
- 2006年4月からサウンドロゴがそれまでの「ほのぼのレイク」から「レ・レ・レイク」へ変更された(但し、ブランド名は同年9月頃まで「ほのぼのレイク」である)。
- 2011年10月以降、CMについても新生銀行カードローン レイクへ承継されている。
旧GCカード
過去の提供番組
- 全て「レイク」事業でのスポンサー
- しゃべくり007(日本テレビ系列)
- リンカーン(TBS系列)
- 新堂本兄弟(フジテレビ系列)
- 開運!なんでも鑑定団(テレビ高知)
- スーパーテレビ情報最前線(日本テレビ系列)
- エンタの神様(日本テレビ系列)
- 中居正広の金曜日のスマたちへ(TBS系列)
- 火曜ワイドスペシャル(フジテレビ系列)
- とんねるずのみなさんのおかげでした(フジテレビ系列)
- やべっちFC〜日本サッカー応援宣言〜(テレビ朝日系列、隔週)
- 爆笑レッドカーペット(フジテレビ系列)
- 人志松本の○○な話(フジテレビ系列)
- 爆笑レッドシアター(フジテレビ系列)
- 世界バリバリ★バリュー(TBS系列、MBS制作)
- 土ドラ(フジテレビ系列)
関連会社
- シンキ株式会社 - 2010年3月に完全子会社化。
- 新生カード株式会社 - 旧社名はGE Moneyファイナンス株式会社で、2009年4月に会社分割で新生フィナンシャル(GEコンシューマー・ファイナンス)からクレジットカード・信販事業を承継すると同時に、新生カードに商号変更した。2010年5月末にカード事業の全サービス終了。
- 株式会社エヌシーカード仙台(新生カードの完全子会社)
- 株式会社アプラスフィナンシャル - 2010年12月に新生銀行保有株を譲受し、筆頭株主(持株比率91.5%)となっている。
脚注
関連項目
- 消費者金融
- モバイル決済推進協議会
- 山川丈人 - 元CEO、コールバーグ・クラビス・ロバーツ日本法人代表