週刊誌
歴史・特徴
書店、コンビニエンスストア、キヨスクなどの駅売店で販売される。
1877年3月、日本初とされる週刊誌『團團珍聞』(まるまるちんぶん)[1]が創刊された。
1922年、朝日新聞社から『旬刊朝日』、毎日新聞社から『サンデー毎日』が創刊され、今日の週刊誌のさきがけとなった。
1955年、ダイヤモンド社が出版社で初めて『週刊ダイヤモンド』を創刊し、新潮社が『週刊新潮』で、文藝春秋が『週刊文春』で追随するなど、他の大手出版社も週刊誌を創刊した。
単に「週刊誌」という場合、『週刊新潮』や『週刊現代』などの報道・ジャーナリズムを記事の主体とする総合週刊誌を指すことが多い。女性読者向けの「女性週刊誌」、写真記事中心の「写真週刊誌」、経済・ビジネス情報中心の「経済週刊誌」、スポーツ情報の「スポーツ週刊誌」などがある。
総合週刊誌の多くはB5版かA4版の大きさで、グラビアページと文章記事ページで構成される。内容は、政治・経済・芸能・スポーツ、社会事件を題材にした批判記事、ルポルタージュが中心である。著名な作家の連載小説、エッセイ、漫画(時代小説原案のものや劇画が多い)、ゴルフ技術情報なども掲載される。女性週刊誌は、芸能人のスキャンダル報道が中心で、ダイエットやグルメ情報なども盛り込まれる。
出版社系週刊誌の記事を執筆する記者は出版社の正社員ではないフリーライターやフリージャーナリストである。フリーライターの無署名記事による週刊誌報道を確立したのは『週刊文春』で記者を務めた梶山季之である。多く週刊誌では取材専門の多数のデータマンが現場取材し取材データに基づいてアンカーマンが原稿を執筆する仕組みになっている。
国会議員や官僚が辞任・辞職に追い込まれる女性スキャンダルや新聞社・テレビ局の不正行為は週刊誌の報道を契機に表面化することが少なくないが、質の悪い見出しや著名人の私生活を暴く報道や不安を煽る報道などが多いため、「イエロー・ジャーナリズム」と非難されることもある。
「週刊誌的」「週刊誌のような」と表現する場合、「センセーショナリズム」「スキャンダリズム」「覗き見趣味」「いい加減な情報」などのネガティブなイメージを伴うことが多い。正社員ではない契約記者、嘱託記者、新聞記者のアルバイト原稿などの無署名記事や匿名証言が多いため「記事の信憑性が低い」「責任の所在があいまい」と批判されることがある。
1980年代に100万部を発行する週刊誌もあったが、現在ではフリーペーパーやインターネットの普及に加え、読者の多くを占めていた団塊世代の大量退職もあり、多くが発行部数を大きく落として採算割れをする週刊誌も出ている。2008年12月には読売新聞社の『読売ウィークリー』(旧『週刊読売』)が休刊になった。かつて「独占スクープ」「独占告白」「ヘアヌード」「少年犯の顔写真公開」「法廷内写真公開」などで注目を集めた週刊誌だが、現在存亡の危機に瀕している。
日本の週刊誌一覧
- 週刊東洋経済 - 東洋経済新報社、1895年創刊
- 週刊朝日 - 朝日新聞社、1922年創刊
- サンデー毎日 - 毎日新聞社、1922年創刊
- 週刊エコノミスト - 毎日新聞社、1923年創刊
- 週刊サンケイ→SPA! - 扶桑社、1952年創刊
- 週刊ダイヤモンド - ダイヤモンド社、1955年創刊
- 週刊新潮 - 新潮社、1956年創刊
- 週刊アサヒ芸能 - 徳間書店、1956年創刊
- 週刊女性 - 主婦と生活社、1957年創刊
- 週刊実話 - 日本ジャーナル出版、1957年創刊
- 週刊大衆 - 双葉社、1958年創刊
- 女性自身 - 光文社、1958年創刊
- 週刊現代 - 講談社、1959年創刊
- 週刊文春 - 文藝春秋、1959年創刊
- 女性セブン - 小学館、1963年創刊
- 週刊プレイボーイ - 集英社、1966年創刊
- 週刊ポスト - 小学館、1969年創刊
- 日経ビジネス - 日経BP社、1969年創刊(1991年から週刊化)
- フライデー - 講談社、1984年創刊
- FLASH、光文社、1986年創刊
- ニューズウィーク日本版 - 阪急コミュニケーションズ、1986年創刊
- AERA - 朝日新聞社、1988年創刊
- 週刊金曜日 - 金曜日、1993年創刊
- 週刊アスキー - アスキー・メディアワークス、1997年創刊
廃刊・休刊になった週刊誌
- 週刊明星 - 集英社(1958年 - 1991年)
- 週刊平凡 - 平凡出版(1959年 - 1987年)
- 朝日ジャーナル - 朝日新聞社(1959年 - 1992年)
- 平凡パンチ - 平凡出版(1964年 - 1988年)
- 週刊宝石 - 光文社(1981年 - 2001年)
- フォーカス - 新潮社(1981年 - 2001年)
- Emma - 文藝春秋(1985年 - 1987年)
- TOUCH - 小学館(1986年 - 1989年)
- 週刊テーミス - 学習研究社(1989年 - 1991年)
- 「テーミス」の題名は伊藤寿男の興した株式会社テーミスに継がれ、現在は「月刊テーミス」になっている。内容は別の雑誌。
週刊誌記者出身の作家・ジャーナリスト
- 北浜流一郎(女性週刊誌とのみ分かっており誌名は未詳)
- 足立倫行(平凡パンチ)
- 佐藤雅美(週刊ポスト、週刊サンケイ)
- 森村桂(女性週刊誌とのみ分かっており誌名は未詳)
- 溝口敦(週刊アサヒ芸能)
- 石川敏男(週刊女性)
- 小峯隆生(週刊プレイボーイ)
- 児玉隆也(女性自身)
- 須藤甚一郎(女性自身、微笑)
- 志茂田景樹(週刊TVガイド、女性自身)
- 清水潔(フォーカス)
- 一橋文哉(サンデー毎日)
- 安田浩一(週刊宝石)
- 亀井淳(週刊新潮)
以下は週刊文春
脚注
- ↑ 阿部猛『起源の日本史 近現代篇』同成社