名古屋港
名古屋港(なごやこう)は、愛知県名古屋市、東海市、知多市、弥富市、海部郡飛島村にまたがる港湾である。地元では名港(めいこう)の略称でも呼ばれる。日本の主要な国際貿易港(五大港)のひとつ。
日本の主要な貿易港の一つであり、平成20年度までのデータによれば、その貿易額と貨物取扱量は日本最大を維持し続けている。 第二次産業の集積した中部経済圏の窓口として、輸出入における黒字率が極めて高いのが特徴であり、日本の全港湾の貿易黒字の約6割を名古屋港単港で担っている。
港湾法上の国際拠点港湾、港則法上の特定港、また四日市港と共に政令上の指定港湾(旧スーパー中枢港湾)に指定されている。
目次
港概要
2010年現在、横浜港に次ぐ日本最大級の貿易港である。ただし、神戸港や横浜港、東京港などがそれぞれ単独の行政区域内で構成されるのに対し、名古屋港は複数の自治体に跨る。
愛知県内にトヨタ自動車などの輸出企業を多く擁し、自動車関連の輸出が半数以上を占める貿易港である。輸出入総額、外貿貨物取扱量ともに日本最高クラス(2009年)、外貿コンテナ取扱個数国内第3位(年度不詳)。
港湾管理者は愛知県、名古屋市が設立する特別地方公共団体(一部事務組合)の名古屋港管理組合。管理組合管理者は愛知県知事と名古屋市長が2年交代で就く。2011年4月現在の管理者は名古屋市長。2011年4月現在の専任副管理者は、国土交通省OB。他の2名の副管理者は愛知県副知事と名古屋市副市長。
面積
- 港湾区域 83平方キロメートル
- 臨港地区 41平方キロメートル
入港船舶数
- 約4万5千隻(内航船舶含む)
貿易額
貨物取扱量
- 2003年度
- 16,836万トン(国内貿易港1位)
主な輸出入品種
歴史
1896年に工事が始まり、愛知県技師奥田助七郎らが建設に尽力。1907年10月に熱田港が名古屋港に名称変更、翌月に開港した。1946年に国際港、1951年に特定重要港湾に指定された。1959年に伊勢湾台風の直撃により大きな被害を受けた。
2004年7月にスーパー中枢港湾である伊勢湾の港のひとつとして指定された。
1997年、開港90周年を記念して日本丸と海王丸が同時に寄港。この2船は、さらに2001年の名古屋港管理組合創立50周年、および2007年の開港100周年を記念して寄港。2011年にも2船同時の寄港を果たしている。また、2007年、開港100周年を迎えて11月3日より11日まで開港祭ウィークが開かれ、11月24日には青雲丸と大成丸が同時寄港した。
港内の主な施設
- 名古屋港水族館
- 名古屋港ポートビル
- 名古屋海洋博物館
- 南極観測船ふじ
- JETTY
- 名古屋港シートレインランド
- 名古屋港遊覧船
- 名古屋港ゴルフ倶楽部
- 名古屋港海洋トレーニングセンター
- 大洋薬品オーシャンアリーナ
- 名古屋港跳上橋
- 新名古屋火力発電所(潮見埠頭)
- 高潮防潮堤(知多堤、中央堤、鍋田堤)
- ポートアイランド
- 名古屋北信号所(名古屋港ポートビル内)、金城信号所(海上交通センター)、高潮防潮堤西信号所、東信号所
フェリー航路
埠頭
- 名古屋地区
- ガーデン埠頭、大江埠頭、大手埠頭、稲永埠頭、空見埠頭、金城埠頭、昭和埠頭、潮見埠頭、汐止埠頭、船見埠頭、築地埠頭、築地東埠頭、フェリーターミナル
- 東海地区
- 東海元浜埠頭、新宝埠頭、横須賀埠頭
- 飛島地区
- 飛島埠頭、コンテナ埠頭(2005年12月1日、16 mの大深度バースを備えたコンテナターミナルが操業開始)、木場金岡埠頭
- 弥富地区
- 弥富埠頭、鍋田埠頭(2001年完成)
- 知多地区
- 北浜埠頭、南浜埠頭、緑浜埠頭
ガーデン埠頭
旧2号地三埠頭、かつての物流の中心。付近は1992年完成の名古屋港水族館など娯楽・商業施設が揃った観光地ともなっており、地元ではこの界隈を指して名古屋港(名港)と呼ぶ場合もある。
ガーデン埠頭は、鯱の外観の遊覧船「金鯱」で知られるようになった名古屋港遊覧船の乗り場もある。
その他、ガーデン埠頭の1号岸壁から4号岸壁は、日本丸・海王丸を初めとするイベント誘致船や飛鳥II・ぱしふぃっくびいなすなどの大型旅客船が停泊する。1985年からは南極観測船・ふじが永久係留されている。2009年1月7日にふじの係留設備に損傷が見つかり同船の一般公開を休止したが、24日に復旧し公開を再開した。
海の日(ハッピーマンデーが施行されてからは、それに準ずる前今後週の土曜日または日曜日)に行われる「海の日名古屋みなと祭」、クリスマスの時期に行われる「スターライト・レビュー」もある。1946年に第1回が開催された「名古屋みなと祭り花火大会」もここが会場である。
1989年の世界デザイン博覧会、2007年の名古屋港開港100周年記念祭には中心地となってイベントを開催している。また2005年の新世紀・名古屋城世紀博の開催中には愛知万博の開会式典で展示された金鯱(の雌1体)をガーデン埠頭内の臨海緑園で一般公開を行なっている。
2012年に名古屋市が主催した、第1回名古屋まちなみデザインセレクションにおいて、名古屋港ガーデンふ頭のイルミネーションが市民投票により、まちなみデザイン20選(第1回)に選定された。
金城埠頭
1990年完成。周辺が現在の物流の中心地であり、埠頭中心部には名古屋市国際展示場(ポートメッセなごや)がある。2011年3月14日にJR東海の運営するリニア・鉄道館がオープンした。 テンプレート:-
マスコットキャラクター
名古屋港開港100周年記念事業のPRキャラクターとして、ポータン (PORTAN) とミータンがいる。デザインは長崎市のデザイナー草野敬一によるもの。
ポータン
船止めのボラードを擬人化し、今後の名古屋港の発展と安全を願う明るくほのぼのとした笑顔を表現している。
名前「ポー」はポート(港)を意味し、「タン」は語呂がよく、親しみやすさを表現している。名古屋港が誰からも愛され、さらに発展することを願って命名された。2006年11月15日に名古屋市港区で特別住民票登録をし、マスコットキャラクターとしては初の名古屋市民となった。
「美しいさんご礁に囲まれた名もない南の不思議の島」が出身地。生年月日は1907年11月10日。10年に一度1歳ずつ年を取るという設定で、2007年11月10日の開港100周年記念日で10歳となった。住所は名古屋市港区入船一丁目8番21号。
ミータン
ポータン同様、ボラードがモチーフになっている。名前の由来は「海」「港」、また「美」の音読み「ミ」からきている。
各種イベントなどで多忙な日々を送っているポータンの手伝いにやって来た。性別・年齢とも不詳。美しいさんご礁に囲まれた名もない南の不思議の島が出身地。ポータンのことを「お兄ちゃん」と呼ぶ。
交通
鉄道
- 旅客
- ガーデン埠頭側
- 金城埠頭側
- 名古屋臨海高速鉄道西名古屋港線(あおなみ線) - 金城ふ頭駅、野跡駅、稲永駅
- 貨物・旅客
- 貨物
バス
高速道路
一般道
- 国道23号(名四国道)
- 国道247号(西知多産業道路)
- 国道302号(名港トリトン)
- 国道154号
- 愛知県道59号名古屋中環状線
- 愛知県道225号名古屋東港線
- 愛知県道55号名古屋半田線
- 愛知県道36号諸輪名古屋線
- 愛知県道71号名古屋西港線
- 愛知県道227号港中川線
- 名古屋市道江川線
- 名古屋市道名古屋環状線
- 名古屋市道金城埠頭線
金城埠頭の道路通称名
- 南京大路
- メキシコ大通
- ロサンゼルス大通
友好姉妹港・友好港・友好交流港
- 友好姉妹港
- テンプレート:Flagicon ロサンゼルス港(アメリカ) - 1959年3月31日提携
- テンプレート:Flagicon フリーマントル港(オーストラリア) - 1983年4月19日提携
- テンプレート:Flagicon ボルチモア港(アメリカ) - 1985年10月24日提携
- テンプレート:Flagicon シドニー港(オーストラリア) - 2010年11月4日提携
- 友好港
- テンプレート:Flagicon アントウェルペン港(ベルギー) - 1988年11月16日提携
- 友好交流港
- テンプレート:Flagicon 上海(中華人民共和国) - 2003年2月25日提携
関連項目
- メガターミナルオペレーター
- 安場保和 - 愛知県令の時に築港や定期航路の存続に尽力した。
- 江木千之 - 築港工事や計画に工夫をこらす
脚注