国際自動車
テンプレート:Infobox 国際自動車(こくさいじどうしゃ)は、東京を拠点にタクシー、ハイヤー、バスなどの運営を行うkmグループ(中核となるのは持株会社、kmホールディングス株式会社[1])の旧称であり、一部のグループ会社に冠されている名称である[2]。
タクシー事業においてkmホールディングスは約3,050台の車両を有し、東京地区においては日本交通(同3,170台)と並ぶ最大手の事業者となっている[3]。
目次
概要
東京都を中心にハイヤー・タクシーを運行する事業者であり、東京と京都市に拠点を置いて観光バスを運行する事業者でもある。タクシー・ハイヤー事業の通称は、Km(けいえむ)。観光バス事業の通称は「ケイエム観光」で、「km」のマークが目印である。
営業車両数は、2007年3月時点で関連提携会社を含み、タクシー2,448台、ハイヤー680台、バス102台[4]。タクシー内禁煙化の法令化以前から、乗客も含めた禁煙タクシーの運行を積極的に展開していた。ICカード『QUICPay(クイックペイ)、iD(アイディー)』、PiTaPaを除く主要IC乗車カードによるタクシー運賃支払が可能。また、タクシープリペイドカードによる支払いも可能。
現在不動産部門を手放し、外資系ファンドによる経営再建中。関連会社に同名の会社もある。
歴史
- 1920年 - 国際自動車株式会社、ハイヤー業として麹町区(現:千代田区)内幸町に創業。
- 1945年 - ハイヤー12社を合併し創立[5]。
- 1953年 - 中野営業所[6]でタクシー営業開始。
- 1960年 - 株式会社赤坂自動車練習所を設立(後の国際自動車教習所)。
- 1980年代前半(詳細な時期不明) - それまで独自路線で営業を展開していた品川自動車タクシー・新和自動車・豊玉タクシー・マコト交通・弥生交通と、チェッカーキャブ無線所属の大丸交通が、業務提携を結びグループ入りする。同時に標準色の帯部分を青色に変更した「kmグループ」車色を制定し、提携事業者はこの車色を使用する事となる[7]。
- 1995年 - 藤田観光自動車株式会社を吸収合併し、同社事業をケイエム国際とする。国際ハイヤー株式会社が、チェッカーキャブ無線所属の株式会社白樺自動車[8]を子会社化。
- 1998年 - ケイエム赤坂・ケイエムタクシーが創業。株式会社ケイエム観光が、国際ハイヤー株式会社に営業譲渡。
- 1999年 - 国際ハイヤー株式会社と国際タクシー株式会社が合併して、ケイエム国際株式会社となる。
- 2001年 - 国際自動車株式会社が、ケイエム国際株式会社を合併。
- 2003年 - 大丸交通との契約を終了[9]。北千住営業所を千住営業所と同一住所へ移転[10]。目黒営業所・祐天寺営業所を品川区西品川(ケイエムタクシー・国際自動車教習所と同一住所)へ移転。青戸営業所・立花営業所を廃止。
- 2004年 - シナジー・キャピタル傘下になる[11]。ケイエム赤坂を廃止。所有ビルの大部分を米ローンスターグループへ売却し不動産事業から事実上撤退。
- 2005年 - 本社を港区赤坂の自社ビルから同町内の賃貸ビル(森ビルグループの赤坂ツインタワー)に移転。チェッカーキャブ無線所属だった国際株式会社運営の国際交通が、グループに復帰。
- 2006年 - 中央無線所属の東京ラッキー自動車がグループに加盟。国際株式会社と資本提携。
- 2007年 - 埼玉県のタクシー事業者である織田興業(現:織田)と提携、同社東京営業所がグループに加盟。また、西肥自動車の子会社で東京無線所属だったシルバータクシーの株式を取得・買収。12月1日よりグループとしてのタクシー営業を開始した。ハイヤー霞ヶ関支店が丸の内に移転。
- 2008年 - タクシー三鷹営業所を開設。シルバータクシーが国際自動車練馬に社名を変更。埼玉県八潮市の織田本社もグループに加入。ケイエムタクシー・目黒営業所・祐天寺営業所を大田区平和島に移転しそれぞれ羽田営業所・羽田第一営業所・羽田第二営業所へ改称。12月28日で、教習所事業を廃業。
- 2009年 - 浅草営業所・大森営業所を後述の問題により閉鎖、他のタクシー営業所を分社化。これに伴い、国際自動車練馬は国際自動車城西練馬営業所となる。江東区東雲に新営業所を設置し、ハイヤー有楽町支店・白樺自動車も移転。ハイヤー赤坂支店・品川支店を品川区西品川へ移転。チェッカーキャブ無線所属の大丸交通・森永タクシーと独立系の東京ナイトタクシー[12]がグループに加盟。
- 2010年 - 白樺自動車が国際ハイヤーに改称。ハイヤー赤坂支店を品川支店へ統合。中央無線所属の山手交通・新進タクシー[13]・埼玉県川口市のハッピータクシーがグループ加盟。ケイエム国際タクシーみなとみらい営業所が開設。
- 2010年11月 - 1日付けでkmホールディングス株式会社、国際自動車株式会社、国際ハイヤー株式会社、ケイエムホールディングス株式会社の4社の本社を港区赤坂2丁目8番6号のkm赤坂ビルに移転。15日付けで城西東雲営業所を廃止。37台あった車両は世田谷15台、吉祥寺14台、三鷹8台に配置転換された。城南営業所の車両13台も16日付けで五反田営業所に配置転換された。箱崎のロイヤルパークホテルが日本交通専用乗り場からkm専用乗り場に変更された。
- 2010年12月 - 城南の五反田営業所を2011年の3月に閉鎖し、羽田センターに統合することが班会議で乗務員に正式に通達された。それに伴って現在のLPガススタンドも閉鎖される(最低でも3月末日までは営業する)。この統廃合で羽田センター(城南営業所)の保有台数は約300台となる。 これで、かつての目黒営業所・祐天寺営業所・ケイエムタクシー並びに五反田営業所が羽田センター一箇所に集結することになる。なお、銀座地区のkm自主規制は12月10日現在も継続中であり、12月の繁忙期をむかえてマイタクシーカードの登録者を中心に不満の声があがっている。※現時点では自主規制解除については未定(晴海通り、外堀通り、日比谷通り、昭和通りに囲まれた範囲内には21時 - 25時まで迎車車両と乗り場に並ぶ以外には空車進入禁止という社内規定)。
- 2010年12月 - kmホールディングスは、ANZENグループ(本社・板橋)を2011年1月末に買収、完全子会社化すると発表した。約9割の株式を実質的に保有する投資ファンドのヴァリアント・パートナーズ(東京・千代田)などから全株式を取得する。すでに12月13日付けで株式譲渡契約は締結されている。山梨県笛吹市の栄和交通と業務提携。
- 2011年 - 城東東雲営業所と城北東雲営業所を統合し国際自動車東雲とし、城東の千住・北千住営業所を台東区橋場(旧:浅草営業所)に移転し台東本社営業所に改称、城南の羽田第一・羽田第二営業所を羽田営業所へ統合。
- 2012年 - 吉祥寺営業所が建て替えのためANZEN品川世田谷営業所内に移転。
- 2013年 - ANZEN品川を国際自動車世田谷に改称。チェッカーキャブ所属の冨士自動車がグループに加盟。吉祥寺営業所が吉祥寺に再移転。東京無線に所属していた親和交通が国際株式会社国際交通に買収され、同社杉並営業所に改称。
- 2014年 - 非無線で営業していた江戸川総業がグループ加盟。国際交通杉並営業所が親切タクシーに改称。
ハイヤー・タクシー事業
ハイヤーは都内2支店。タクシーは2009年4月の分社化により、グループ会社が5つの分社(城南・城西・城東・城北・東雲に9営業所が所属)と子会社が2社(23区武三地区1社・横浜市1社)。提携会社が16社18営業所(23区武三地区18営業所・埼玉県2営業所・山梨県1営業所)で営業を行っており、総車両数は約2,540台。また、新宿伊勢丹・恵比寿ガーデンプレイス・聖路加国際病院他数か所に専用乗り場が設置されている。
車両
タクシー車両は黄色の東京4社色と黒色と濃紺色があり、黄色の車両の帯は国際自動車本体[14]直系会社およびANZENグループがボディ側面とボンネットからトランクにかけての赤帯、他の提携会社はボディ側面のみの赤帯となっている。また、フロントとリヤのバンパーにハイヤーと同じ角型のKmマークが直系会社のみ貼られている(以前は城南羽田営業所がケイエムタクシー時代より貼っていたが、それを踏襲した形になっている)。
23区武三地区での営業車両は、グループ・提携会社を含めて全車デジタルGPS無線配車システムに対応しており、カーナビゲーションと連動させた迅速な迎配車に対応するほか、会員番号や行き先コードが記載されたICチップ内蔵の「km My Taxiカード」と連動させ目的地までの最短ルート案内(現時点では車載によるカーナビによるルート検索)もできる。現在無線システムの更新が行われており、車載側のシステムが全車入れ替わった時点で基地局側で渋滞情報を加味した最適ルートで決定された情報が移動局側に送信される予定である。また、「km My Taxiカード」を利用した顧客がいつも使うルートも基地局側で記憶し、次回以降は同じルートが再現される予定である。また、城南羽田営業所は独自に2本目の無線を運用している(音声による配車で基地局は営業所内で運用)。
また、ハイヤーで使用されていたクラウンマジェスタやシーマをタクシーに流用したプレミアムタクシーを導入しているほか(現在はプレミアム車両は廃止、その後試験的に導入したプリウスも顧客からの評価が悪かったとして現在は廃止)、一般車もクラウンセダンスーパーデラックスGパッケージやセドリッククラシックSVといったハイグレード車導入に積極的で、2009年現在では、東京4社色を含めて神奈川地区のケイエム国際タクシーと一部提携会社を除いて、ハイグレード化が完了している。また、2007年ころより、本体と一部提携会社は、ナンバープレートをコールサインに合わせた希望ナンバーで取得するようになった。 また、今後新規に導入される車両は濃紺色から単色の黒に変更されると言われている。これは下取り車輛の価格差が大きい(中古車を購入する地方では黒の要求が高いため)ので下取り価格が高い黒を導入すると言われている。しかし、多くのタクシー会社が減車し、タクシーの中古価格が大幅に下がっているので黒の採用が開始になる時期は未定である。
本社事業許可取り消し
2009年に、いくつかの営業所に対する監査が行われたところ、従業員の超過勤務が認められ、道路運送法の累積違反点数が取消基準に達することとなった。これを受けて、国土交通省関東運輸局が、同社の一般乗用旅客事業許可取消を検討開始し、7月に取消のための聴聞手続きが開かれた[15]。その結果、国土交通省関東運輸局は、9月12日付で、タクシーの大手事業者としては初めて、大手一般乗用旅客自動車運送事業者としての許可取消を行った[16]。この結果、少なくとも2年間の営業を行うことができなくなった。
もっとも、国際自動車は4月に分社化を行って、約1600台については子会社に移管しており、監査の結果が本社に対しての処分とされている関係から、事業許可取消の対象となったのは、本社管轄の浅草営業所と大森営業所、それとハイヤーの900台ほどに限定され、グループ企業や提携先など多くのタクシー営業所などの2,000台は今回の取消処分の対象外とされている[17]。
ハイヤーグループ会社
- 国際ハイヤー株式会社
- ケイエム国際株式会社(旧 白樺自動車)
タクシーグループ会社
分社
- 国際自動車城東
- 台東本社(台東区橋場)
- 国際自動車城南
- 羽田(大田区平和島)
- 国際自動車城西
- 国際自動車城北
- 赤羽(北区浮間)
- 国際自動車東雲
- 東雲(江東区東雲)
- 国際自動車世田谷
- 世田谷(世田谷区弦巻)
- 玉川(世田谷区玉堤)
- ケイエム国際タクシー
- タクシー営業所(神奈川県横浜市南区六ツ川)※旧:藤田観光タクシー
- ANZENグループ
業務提携会社
- 栄和交通(山梨県笛吹市)
- 江戸川総業(江戸川区東小松川)
- 織田本社(埼玉県八潮市木曽根)
- 織田タクシー(足立区竹ノ塚)
- ケイエム大箱根自動車(神奈川県小田原市寿町)
- 国際株式会社国際交通城北営業所(北区志茂)
- 品川自動車タクシー(板橋区向原)
- 新進タクシー(板橋区蓮根)山手交通グループ
- 親切タクシー(旧親和交通→国際交通杉並営業所)(杉並区堀之内)
- 新和自動車(江東区亀戸)
- 大丸交通(葛飾区奥戸)
- 東京ナイトタクシー(葛飾区青戸)
- 東京ラッキー自動車[18](板橋区上板橋)
- 豊玉タクシー(練馬区豊玉南)
- ハッピータクシー(埼玉県川口市並木)山手交通グループ
- 冨士自動車(墨田区墨田)
- マコト交通(墨田区堤通)
- 森永タクシー(葛飾区東立石)
- 山手交通本社営業所(板橋区熊野町)山手交通グループ
- 山手交通赤羽営業所(北区浮間)山手交通グループ
- 弥生交通(中野区弥生町)
※これまでと呼称が変わり「業務提携会社」に統一された。
バス事業
2009年の持株会社化に伴い、従来国際自動車で営んでいたバス事業は株式会社ケイエム観光に分社、2013年にケイエム観光バス株式会社に改称された。 テンプレート:Main
タクシー・バス事業以外の関連会社
- 赤坂パーキングセンター株式会社
- ケイエムリーシング株式会社
- ニュー東京観光自動車株式会社
関連項目
- 東京四社営業委員会
- 国際興業 - 戦前の統合期に国際自動車(Km)に関与していた小佐野賢治が「国際」の響きが気に入って自分の会社名にも採用した。現在は国際興業及び、小佐野一族とは全く関係がない。ただし東京四社が発行するタクシーチケットを子会社のタクシー会社である国際興業大阪で利用することが出来る。
- なんたって18歳! - TBS・大映テレビが1971年10月 - 1972年9月に制作した岡崎友紀主演のドラマで、国際自動車が舞台となった。主役の岡崎の役は国際自動車社長の娘という設定。
- 伊勢丹
- トヨタ・ノア - 2代目モデルのCMに国際自動車の貸切バスが数秒出演している。車種はトヨタグループということで日野・セレガSHD。
脚注
外部リンク
テンプレート:Suica- ↑ 会社概要 kmグループのウェブサイト、平成23年6月19日閲覧
- ↑ グループには国際自動車株式会社(城東)、国際自動車株式会社(城西)、国際自動車株式会社(城南)、国際自動車株式会社(城北)、国際自動車株式会社(東雲)などがある
- ↑ タクシーの再編が加速 『日本経済新聞』 平成23年6月17日東京夕刊
- ↑ 本体のみでは、タクシーは1,530台、ハイヤーは639台となる。
- ↑ 戦時統合が行われた折、第二次統合では「東亜自動車」に、第三次統合では「東京自動車」にそれぞれ改称しているが、短期間で創業当初からの商号である「国際自動車」に戻している。
- ↑ 現在は赤羽営業所に移転。
- ↑ この塗色の車両は、グループ事業者の塗色規定変更に伴い2005年頃から車両代替によって徐々に減数し、2009年頃まで現存していた
- ↑ 以前は高島屋グループでハイヤー主体、タクシーはチェッカーキャブ無線所属の非無線営業。
- ↑ 同社は独自営業を経て2005年にチェッカーキャブ無線に復帰。
- ↑ 跡地は現在のすばる交通北千住営業所。
- ↑ 戦時統合期より2004年までは波多野一族のオーナー経営であった。中興の祖である波多野元二は元来一介の運転手であったが、自動車数台を持つオーナー兼運転手として成長し、名義貸しとして国際自動車に入社しそのまま経営に参画。株式を買い増し、当時の経営者(奇しくも同じ波多野姓であった)より経営を譲られ、戦時統合期には後藤圀彦の誘いに乗り帝都タクシーへの統合を一度決めたが取りやめ、山崎種二のちに小佐野賢治と組んで自力で戦時統合を成し遂げている。
- ↑ ただし、大丸森永グループに所属する。
- ↑ ただし車両切替え期間である9月ごろまでは中央無線カラーの車両も運行する。
- ↑ 国際自動車城西練馬営業所と城南羽田営業所は全車濃紺色のハイグレード車。
- ↑ 国際自動車 タクシーの事業許可取り消しへ 920台走れぬ可能性 MSN産経ニュース・2009年6月30日
- ↑ 大手で初、「国際自動車」事業許可取り消し Yomiuri Online・2009年9月2日
- ↑ 国際自動車が大手初の“免停”へ 2年間、約900台が事業停止 MSN産経ニュース・2009年8月26日
- ↑ 長崎ラッキー自動車グループ。