日産・セドリック営業車

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セドリック営業車(セドリックえいぎょうしゃ)は、日産自動車が製造・発売するセダンセドリック」のタクシー専用モデルである。現在は日産車体が製造している。一般、官公庁向けの自家用も存在する。日産・セドリックセダンを参照。

概要

2004年で生産終了したハードトップの最終型がY34型なのに対し、セダンは1987年6月のY31型以来、マイナーチェンジを重ねながら現在も継続生産されている。登場当初は「セドリック」「グロリア」として発売された。内装は高級車であるセドリックの一種としては最低限(特にスーパーカスタムタクシータイプ以下のグレード)ではあるものの、運転席シートは乗務員が長時間乗務することを考慮して、上級のものを設置している。また、インパネタクシーメーター無線機タコグラフなどの搭載を考慮して、これらの収納スペースを多くとっている。グレードは現在オリジナル、カスタム、スーパーカスタム、クラシックSVがあり、オリジナルとカスタムが法人向けでスーパーカスタムとクラシックSVが個人向けである。ただし、スーパーカスタムとクラシックSVを使用している法人タクシーも一部存在する。過去には、個人向けにブロアム、クラシックもあった。またこのほかに1990年代前半までは、Y30型・Y31型の自家用モデル(4ドアセダン、ハードトップ共)のガソリン車 (VG30E, VG20E, NA) を整備工場でLPGに改造するケースも都内のハイヤー個人タクシーで見られた。

輸出

130型以来日本国外向けも生産されており、左側通行(右ハンドル)を採用する香港マカオシンガポールなどへの輸出もされていた。現地では日本と同じくタクシーなどとして数多く使用されている。2013年より香港での輸入が再開された。

歴史

130型系(1965年 - 1971年)

  • 1965年10月 - 発売。
  • 1966年10月 - 一部改良。
  • 1967年10月 - 一部改良。
  • 1968年9月 - マイナーチェンジで後期型となる。
  • 1969年10月 - 一部改良。

230型系(1971年 - 1975年)

  • 1971年2月 - 発売。
  • 1972年7月 - マイナーチェンジで後期型となる。

330型系(1975年 - 1979年)

  • 1975年6月 - 発売。
  • 1976年6月 - ガソリン車は51年排出ガス規制適合で331型になる。
  • 1977年6月 - マイナーチェンジで後期型となる。

430型系(1979年 - 1983年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表

  • 1979年6月 - フルモデルチェンジ。スタイリングは330型から一転した6ライトウインド(スタンダードの後部ドア後ろの窓は嵌め殺し)の直線基調のボクシーなデザインになった。エンジンは4気筒車はそれまでのH20型に代わって登場したZ20型LPG仕様と6気筒LPGのL20型の2種類。グレードはSTD/DX/カスタムDXの3種類。自家用セダンとの違いにリアサスペンションリーフ式、コラムシフト車のみの設定、フロントルームランプ(日報灯)が標準。インストはインパネを改造することなく大型料金メーターとタコグラフを装着対応のタクシー仕様(全車設定。DX/カスタムDXはアナログ時計が標準装備)と自家用セダンと同じデジタル時計装備のハイヤー仕様(6気筒エンジン車のみ。DX/カスタムDX)が設定されていた。6気筒車では3速AT車(ニッサンマチック)も選べた。フロントシートはベンチ/運転席がリクライニングするスプリットが標準仕様だが、5人乗りセパレートシートも選べた。日本国外輸出は、前述の通り香港・マカオ・マレーシア・シンガポールがありスタンダードのベースに、DX以上の後部ドアのフレームガラスが組まれているのが特徴(日本国内仕様ではそれがFRPで塞がれている)。エンジンはLPGスタンドがないためディーゼルエンジンが装備された。
  • 1981年4月 - スタンダード以外のモデルはマイナーチェンジでフロントグリル・テールランプのデザインを変更。スタンダードには間欠ワイパーを標準装備。

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Y30型系(1983年 - 1987年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表

  • 1983年6月 - Y30型にフルモデルチェンジ。スタイリングは430型のキープコンセプトであり、グレードはSTD/DX/カスタムDX/GLの4種類。エンジンは当初は4気筒・CA20型LPGと6気筒ディーゼルのLD28型のみ。アジア向けには4気筒ディーゼルエンジンSD23型。スタンダード車は430型と同様に丸目4灯式ヘッドライトでリアサイドのオペラウインド部分は嵌め殺しのガーニッシュ。DX以上は6ライトウインドの外観と異型2灯式ヘッドライト。インストも従来通りタクシー仕様(STD~カスタムDXのLPG仕様に設定)とハイヤー仕様(自家用モデルと同じインストでカスタムDXとGLに設定)の2種類。海外輸出は、永らくダットサン220C(Cはセドリックを意味していた)から正式に「日産セドリック」(中国名:日産賓力的士)と改められ、ライバルのトヨタ・クラウンとともに日本仕様車と同様とした。先代の430型同様、STDベースにDX以上の最後部のガラスフレーム(リアオペラウインドウ)が組まれていた。日本仕様ではそれが塞がれている。
  • 1984年1月 - カスタムDXとGLに6気筒LPG仕様追加。エンジンはL20型のLPG仕様で型式はE-MY30。
  • 1985年6月 - マイナーチェンジでSTD以外はフェイスリフト(STDはNISSANロゴのエンブレムがトランクリッドの左から右に移動)/6気筒LPGエンジン搭載車にSGL(ハイヤー仕様)を追加。6気筒ディーゼル車がLD28からRD28に換装。輸出用ディーゼル車はSD23型からTD25型へ変更。

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Y31型系(1987年 - )

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表

  • 1987年6月 - Y31型発売。営業車仕様はリアサスペンションを荷重と耐久性を考慮した5リンク式(Y30と同じ)でエンジンは直列6気筒LPG仕様のRB20P型と4気筒LPG仕様のCA20Pと6気筒ディーゼル仕様のRD28の3種類。6気筒LPGはフルレンジ電子制御4速オートマチックを採用。アジア向けにはディーゼルエンジン4気筒TD27型を搭載。インスト(ダッシュボード)はそれまで通りハイヤー仕様とタクシー仕様が設定された。前期型(1991年6月まで)は、フェンダーミラーの死角を減らして視界を向上させるため形状を左右で違えた「アンシンメトリーミラー」や、トランクに入らないようなスーツケースなどを考慮して助手席シートのクッション部分を折りたたみ式として固定用ベルトを装備した「ポーターシート」といったアイデア装備もあった。また430/Y30型のスタンダード仕様では、6ライトウィンドウを形成するCピラーのクォーターウインドウ(小窓)部分が窓ではなくガーニッシュ(パネル埋め込み)であったが、Y31型ではオリジナルと呼ばれるスタンダード仕様でもクォーターウインドウが装着された(ちなみにヘッドライトは丸目4灯のまま)。海外輸出では、丸灯にしてフロントグリルがグロリア用となった。
  • 1989年6月 - マイナーチェンジ。オリジナル以外のグレードは、セダン自家用車仕様と同様にフロントグリルとテールランプのデザインが変更された。また、ブロアムには、3ナンバー仕様の大型バンパーと5ナンバー仕様の標準バンパーの2種類がガソリン車同様に設定された。
  • 1991年6月 - 4ドアハードトップがY32型へフルモデルチェンジされたことに伴い、従来のY31型セダンはビッグマイナーチェンジが施され、4気筒エンジンはCA20PからNA20Pに変更と同時にOD付き4速コラムAT車も設定。ブロアム、クラシックSV、クラシック、スーパーカスタム(ハイヤーインスト)車にタコメーターを装備した。エクステリアではCピラー部分のクォーターウインドウが無くなり太いCピラーとなり、430以来の伝統である6ライトウィンドウスタイルは廃止された。またオリジナルを含めて全グレードのヘッドライトがフォグランプ内蔵の異型ヘッドライトになった。
  • 1992年6月 - NA20P搭載車にOD付き4速フロアATを追加。 
  • 1993年6月 - 一部変更/エアコンは代替フロン化/カスタム・オリジナルにも電子チューナーラジオを装着。 
  • 1995年8月 - マイナーチェンジ。運転席エアバッグのオプション設定、テールランプのデザイン変更、3ナンバー車のフロント部分を大幅変更(5ナンバーはグリルのみ変更)。「V20EクラシックSV」、「V20EスーパーカスタムG」を追加。
  • 1996年9月 - 4輪独立懸架サスペンション搭載のV6LPG車を改造扱いで設定。VG20型V6エンジンのLPGはトランクリッド左側にV6エンブレムが付く。ゾーンボディコンセプトの安全ボディ化される。
  • 1998年6月15日 - 一部改良。ラジオアンテナを全車ガラスアンテナに変更、上級グレードに新設計のオーナーインストの設定がされた。RB20P型6気筒LPGエンジンのATをE-ATから4ATに変更し、スーパーカスタムは4気筒LPGのみに。NA20P型4気筒LPGエンジン車に4輪ABSをオプション化した。同時に出力を82ps→85psに向上。
  • 1999年8月23日 - 一部改良。安全性能および仕様装備の向上を図る。RB20P型6気筒LPGエンジン車にも4輪ABSをオプション化した。また、直列6気筒SOHCディーゼル RD28型に替わりRD28E型を設定。MTを4速から5速に変更。あわせてグロリアセダンが廃止され、セドリックセダンに統合された。アジア向け車に搭載していたTD27型が廃止され、日本仕様と同じくCA20Pへと変更された。これは京都議定書に基づき現地でのLPGスタンド施設が完成したのを受けたことによるもの。
  • 2002年6月26日 - 一部改良。法人タクシー向けに4気筒「クラシックSV」を設定。オリジナルに全席パワーウィンドウと電動リモコンメッキフェンダーミラーのオプション設定、自家用モデル及びガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、直列6気筒LPGエンジン搭載車を廃止。直列4気筒NA20P型LPGエンジン搭載のタクシー仕様のみとなる。「ブロアム」は一時廃止。
  • 2004年1月13日 - V型6気筒SOHC VG20E型エンジンをベースとするVG20P型LPGエンジン搭載して「ブロアム」が復活。運転席エアバッグを標準装備。
  • 2005年11月30日 - 一部改良。内装がブルーからグリニッシュグレイへ内装色変更、上級グレードの木目調パネルの明るさ変更、パワーウィンドウ標準装備(それまでの非装着車は運転席・後席左のみ)、前部ウインカーがクリアレンズ化され、車体前方に寄せて付けられていた側面ウィンカーは車体中央近くへ移設された。ヘッドライトレベライザー、LEDハイマウントストップランプの装備がされた。
  • 2007年7月 - 直列4気筒SOHC NA20P型エンジン搭載車が平成17年排出ガス規制適合と平成22年燃費基準を達成。規制に適合しないV型6気筒SOHC VG20P型LPGエンジンが廃止された。これにより2002年6月のグレード構成に戻ったのと同時に1977年より続いたセドリックのブロアムグレードもここで廃止された。
  • 2009年9月 - 一部改良。実用燃費の向上を図るため、専用設計のアイドリングストップ&スタートシステムを追加。また、運転席SRSエアバッグを標準装備するとともに、改正保安基準である「衝突時の歩行者頭部への衝撃緩和」に対応するため、ボンネットやフロントフェンダーなどの形状を変更し、安全性を向上させた(この変更により全車ドアミラーのみとなる)。タクシーインストが廃止となりインパネがクラシックSV仕様へ統一された。これにより、全車にタコメーターが標準装備となる。また、全グレードがセパレートシートに統一され、ベンチシートの設定がなくなる。また、パーキングブレーキもハンドル横のステッキ式からオーソドックスな手引きタイプに変更された。マニュアル車は廃止となり、OD付4速オートマチック・コラムタイプのみとなった。また、日産フリート限定で、クラシックSVプレミアム(クラシックSVをベースに廃止されたブロアムに標準装備のインパネとオートエアコンとブロアムにメーカーオプションだったアルミホイールを装着させたもの)が販売されている。
  • 2010年9月 - 一部改良。燃費・排ガス性能、レスポンスを向上するため、エンジンの燃料供給方式を液噴式に変更(直列4気筒LPG SOHC NA20PE型)。また、オートマチックトランスミッションを電子制御化し、ロックアップ領域を追加したことで燃費を約12%向上した。仕様・装備面ではタイヤを低燃費タイヤにするとと共にサイズを15インチにアップ。同時に、樹脂フルホイールカバーのデザインを変更(セレナラフェスタジョイNV350キャラバンと同一品)。UV断熱グリーンガラス(フロントドア、リアドア、バックガラス)とABSを全車に標準装備化。後席のシートベルトタングとバックルは中央席と外側席で色分けされ、オーディオ下部には蓋付きのコンソールボックスを設定した。
  • 2012年6月25日 - 一部仕様向上。全グレードで後席中央3点式シートベルトと後席左右ISO-FIX対応チャイルドシート用アンカーを採用し、フォグランプの配光変更も行った。同時に全グレードのシートデザインをクラシックSVと同一の「バケットタイプ・大型ヘッドレスト」に統一した。
  • 2014年7月4日 - 読売新聞電子版にて、同年秋を目途に生産終了することが報道された[1]

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エンジン

  • CA20P 2000cc 直列4気筒LPG(NJY31、Y31前期型まで)
  • NA20P 2000cc 直列4気筒LPG(QJY31、Y31中期型以降輸出用にも搭載)
  • NA20PE 2000cc 直列4気筒LPG(QJY31、2010年9月以降)
  • RB20P 2000cc 直列6気筒LPG(MJY31・CMJY31、2002年廃止)
  • VG20P 2000cc V型6気筒LPG(BJY31・CBJY31、2007年廃止)
  • SD23 2300cc 直列4気筒ディーゼル(輸出専用Y30まで)
  • RD28 2800cc 直列6気筒ディーゼル(1999年廃止)
  • RD28E 2800cc 直列6気筒ディーゼル(2002年廃止)
  • TD27 2700cc 直列4気筒ディーゼル(輸出専用1999年廃止以降LPG車へ適用)

※3ナンバー車には形式名の最初にCが付く

特装車

ブライダルセダン
後席左側の屋根が開く。和装花嫁が乗降する際、角隠しが当たらないようにするための機構。
介護タクシー
助手席回転シートと後席回転シートがある。

輸出仕様車

ファイル:セドリック営業車香港的士.jpg
香港でタクシーとして使用されるセドリック営業車

以前より香港とシンガポールへのタクシー市場向けに競合関係のトヨタ・クラウンとともに輸出してきた。当初はLPGではなくディーゼルエンジンTD25/27型搭載車のみを輸出してきたが、排ガス規制の波は日本に限らず日本国外でも及んでいるため、ディーゼルに代わりクリーンで経済的なLPG車を導入している。これまで、日産車によるタクシー車の輸入は休止状態であったが香港特別行政区向けのみの輸入が2013年より再開された。

中国・北京市的士など
以前は230からY30にかけてタクシー車として使用していたが、輸入車ということから高価でなかなか増強できなかった。上海汽車で生産されているフォルクスワーゲン上海サンタナの方が安価で増強できる理由で姿を消した。
香港的士 (HONG KONG TAXI)
九龍・新界などの地区によって色は異なる。上部はともにシルバーだが、九龍・香港島エリアは赤。新界エリアはライトグリーン。空港があるランタオ島エリアはスカイブルーと空港から行先別にも異なる。2005年以降は、タクシー系の輸入が休止されている関係で新車投入はトヨタ車に限られておりクラウンコンフォート、アルファード、ノア、プリウスといった車種が使用されている。2013年輸入再開。
シンガポール・シティタクシー (SINGAPORE TAXI)
都市国家シンガポールにはシティキャブ、TIBS, SMRT, Comfortが存在し、シンガポール人の足として活躍している。このセドリックの他にロンドンタクシーメルセデス・ベンツ、トヨタ・クラウンも存在している。過去にはトヨタ・コロナタクシーも存在していた。陸路で隣国マレーシア・ジョホールバルへ乗り入れできるタクシーもあるが、許可を受けた一部のタクシーのみで、指定のタクシー乗り場からのみ乗車できる。
マレーシアスランゴール州ジョホール州タクシーなど
首都・クアラルンプールと共に多数活躍している。新車導入のものとシンガポールで使用されていた中古車も存在。ジョホール州の会社でも、シンガポールへ向かうタクシーが多数ある。また、現在では一部プロトン車やヒュンダイ車に置き換えられている。

特例

ミャンマーヤンゴン市タクシー
日本全国で活躍していたタクシー車で、前所有者である日本交通・チェッカー無線・中央無線・東京無線・都市交通・金港タクシーなどといった塗装のまま活躍している。個人タクシーからでも例外ではなくそのまま活躍しており、ミャンマーではLPG施設がない関係上ディーゼルエンジンへ換装(NA20PからキャラバンのTD27へ)の上使用している。

脚注

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関連項目

外部リンク

テンプレート:NISSAN テンプレート:1980-1999 NISSAN Timeline テンプレート:NISSAN Timeline

テンプレート:自動車
  1. タクシー、ミニバン化…高齢化・外国人に対応 - 読売新聞(2014年7月4日)