恵比寿ガーデンプレイス
恵比寿ガーデンプレイス(えびすガーデンプレイス、Yebisu Garden Place)は、東京都渋谷区にある複合施設である。サッポロビール工場跡地の再開発事業として、1994年(平成6年)に開業した。
目次
概要
「恵比寿ガーデンプレイス」は1994年(平成6年)10月8日に開業し、オフィスビル、デパートを含む商業施設、レストラン、集合住宅、美術館などで構成されており、事業主であるサッポロビールの本社も所在する。
施設の入口は東日本旅客鉄道(JR東日本)恵比寿駅からおよそ400メートル南にあり、駅とは動く歩道「スカイウォーク[1]」によって結ばれている。施設所在地は、北側半分が渋谷区恵比寿4丁目、南半分が目黒区三田1丁目である。
歴史
1887年(明治20年)9月6日、日本麦酒醸造(のちの日本麦酒→サッポロビール、現・サッポロホールディングス)が目黒村三田(現在の目黒区)、渋谷村(現在の渋谷区)にまたがる地帯に設立した工場で「ヱビスビール」を製造し始めたのが始まり。日本鉄道[2]がヱビスビール輸送用の駅「恵比寿駅」を設立し、その後、正式に「恵比寿」が町丁名となり、地名としての「恵比寿」が定着した。
1988年(昭和63年)7月20日、渋谷区近辺の都市化や、郊外への工場移転が進んだことに伴い工場は閉鎖。土地の再開発事業が1991年(平成3年)8月26日に開始され、1994年(平成6年)10月に竣工した。
不動産の共有持ち分15%を、2008年(平成20年)にモルガン・スタンレーに売却したが、2012年(平成24年)に再取得して単独所有となった [3]。
構成施設
サッポロ本社
恵比寿ガーデンプレイス入口正面に位置するビルであり、サッポロホールディングスやサッポロビール本社などが所在する。ビルには、ヱビスビール記念館が併設されている。
恵比寿ガーデンプレイスタワー
恵比寿ガーデンプレイスタワーは、高さ167メートルの高層オフィスビルであり、恵比寿ガーデンプレイスにおける最も大規模な建物となっている。エレベーターには、オフィス12階までと39階までがオーチス製、オフィス21階までと非常用(2基)と38・39階レストラン直通が日立製、オフィス31階までが東芝製である。12・21・31階には乗継階がある。
- 1バンク(オーチス製、7基)
- 地下1階 - 12階(2階は通過)
- 2バンク(日立製、8基)
- 地下1階・1階・12階 - 21階
- 3バンク(東芝製、8基)
- 地下1階・1階・21階 - 31階
- 4バンク(オーチス製、6基)
- 地下1階・1階・31階 - 39階
- レストラン直通(日立製、2基)
- 1階・38階・39階
内部には三越が運営する専門店街『グラススクエア』、エスパシオ、恵比寿ガーデンプレイス郵便局などが入居している。
ウェスティンホテル東京
東京都写真美術館
恵比寿三越
三越の恵比寿店である。
集合住宅
恵比寿ガーデンテラス壱番館
分譲マンション 1994年築、地上32階建・総戸数290戸の大規模マンション[4]。
恵比寿ガーデンテラス弐番館
賃貸マンション
恵比寿ビュータワー
ビヤステーション恵比寿
かつて、敷地内に工場の建物(倉庫)の一部と、敷地内で使用していた線路の一部に設置した客車とEF58形電気機関車を利用したビアガーデンやレストラン「ビヤステーション恵比寿」が存在していた[5]。入り口は現在のエントランスパビリオン[6]の辺りにあり、施設の位置は入り口右手の坂を下った周辺[7]に位置していた。客車や機関車を設置した線路は山手線の線路に面していた。営業終了後は保存されることなく解体された。この当時の「ビヤステーション恵比寿」は工場閉鎖後も再開発事業開始の前まで営業していた[8][9]。
恵比寿ガーデンシネマ
恵比寿ガーデンシネマ(えびすガーデンシネマ・Yebisu Garden Cinema)は、かつて恵比寿ガーデンテラス弐番館にあった映画館である。ミニシアターとして角川シネプレックス(現:シネプレックス)によって運営されていたが、2011年(平成23年)1月をもって閉館した。
開業は1994年(平成6年)10月8日。開業時から2007年(平成19年)2月28日まではヘラルド・エンタープライズによって運営されていたが、日本ヘラルド映画(当時[10])が角川映画に吸収合併されたことに伴い、角川シネプレックスの運営に代わった。
映画館は2011年(平成23年)1月28日の上映をもって休館し、建物は同年5月、K-POP専用劇場「K THEATER TOKYO」として再開業した[11]。
- 座席数 (営業当時)
- シネマ1:232席
- シネマ2:116席
角川シネプレックス系列の映画館としてはほかに、「梅田ガーデンシネマ」(大阪府大阪市北区・梅田スカイビル内)と「新宿ガーデンシネマ」(東京都新宿区・旧「新宿文化シネマ」跡地)があった。後者については2008年(平成20年)6月14日より『角川シネマ新宿』に館名変更していたが、角川シネプレックスの譲渡により、角川書店直営となっている。
新設道路
ガーデンプレイス北側前[12]の道路は、ガーデンプレイスが完成するまではなかった道路で、交通の利便性を上げるために敷設された。この道路のある場所はもともとはビール工場の敷地内だった場所で、以前からあった道路は、その少し北側にあるマンション等と面している方の道路であった。また、スカイウォーク出入口にある横断歩道や信号も道路敷設に伴い設置されたものである。 テンプレート:-
クリスマスイルミネーション
毎年クリスマス前後の11月から翌年1月にかけて、約10万灯の電飾を用いたクリスマスイルミネーションが実施される。これにあわせてフランス・バカラ製、8,000ピース以上のクリスタルパーツ・電飾250灯からなる世界最大級のシャンデリアが設置される。実施時期はおおむね11月上旬から翌年1月中旬までであるが、年によっては2月中旬まで行われることもある。2006年(平成18年)度は、11月3日から2007年(平成19年)1月14日まで実施された。 テンプレート:-
サッポロ不動産開発
サッポロ不動産開発株式会社は、サッポロファクトリーと恵比寿ガーデンプレイス(サッポロビールのビール工場跡地再開発)のデペロッパーである。サッポロファクトリーが先行して1993年(平成5年)に開業している。2012年(平成24年)1月1日付で商号を恵比寿ガーデンプレイス株式会社から変更した[13]。
沿革
- 1986年(昭和61年)7月 - 恵比寿開発株式会社が設立される。
- 1988年(昭和63年)6月28日 - 星和不動産管理株式会社が設立される。
- 1991年(平成3年) - 恵比寿開発株式会社が、恵比寿ガーデンプレイス株式会社へ商号変更。
- 1998年(平成10年) - 星和不動産管理株式会社を存続会社として、(旧)恵比寿ガーデンプレイス株式会社を吸収合併。合併後、星和不動産管理株式会社から(新)恵比寿ガーデンプレイス株式会社に商号変更した。
- 2007年(平成19年)12月 - サッポロホールディングスやガーデンプレイス社の方針により、サッポロファクトリーなど北海道での事業は一部を除き新設子会社の「サッポロ都市開発株式会社」(札幌都市開発公社とは無関係)へ分割譲渡する。
- 2012年(平成24年)1月1日 - 恵比寿ガーデンプレイス株式会社からサッポロ不動産開発株式会社に商号変更。
- 2014年(平成26年)4月1日 - サッポロ都市開発株式会社を吸収合併(予定)[14]。
脚注
外部リンク
- 恵比寿ガーデンプレイス
- サッポロホールディングス
- 恵比寿ガーデンシネマ
- 恵比寿ガーデンシネマ - 「港町キネマ通り」サイト内の記事(2000年8月取材)
- ↑ スカイウォーク部の空調装置は旧・日本国有鉄道(国鉄)の鉄道車両に用いられていたAU75型(集中式)である
- ↑ 1906年(明治39年)に国有化。
- ↑ サッポロ、恵比寿ガーデンプレイス完全取得 モルガン・スタンレーが売却 日本経済新聞電子版・2011年12月26日
- ↑ 恵比寿ガーデンテラス壱番館恵比寿ガーデンテラス壱番館 賃貸情報サイト。2014年2月26日閲覧
- ↑ 1985年(昭和60年)3月30日開設。株式会社新星苑により開店され、営業をしていた。
- ↑ ガーデンプレイスサイト内マップによる。
- ↑ 現在のグラススクエアの場所。地下1階の高さである。
- ↑ ガーデンプレイス開業後の「ビアステーション恵比寿」は、ニユートーキヨーにより時計広場前の独立した建物内で営業している。
- ↑ ビヤステーション恵比寿公式サイト
- ↑ 後の角川ヘラルド・ピクチャーズ
- ↑ 「K-POP専用劇場」5月オープン Sanspo.com・2011年3月23日
- ↑ スカイウォーク出入口から加計塚小学校の方向へ伸びている道路。
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web