動く歩道

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テンプレート:国際化

ファイル:Moving sidewalk.jpg
カナダモントリオール地下鉄ボードリー駅(en)の、斜行オートウォーク(動く歩道)
ファイル:PearsonMovingSidewalk.ogv
動く歩道による移動

動く歩道(うごくほどう、テンプレート:Lang-en-shortなど)とは、踏み面が階段状にならないエスカレーターの通称。オートウォークムービングウォークトラベレーターなどとも呼ばれる。

主として人間用の輸送機器で、水平またはスロープの形状になっている。ベルトコンベア方式のうち、スキー場の子供用ゲレンデで用いられるものは、「スノーエスカレーター」「ムービングベルト」「スノーウォーカー」などと呼ばれる。

種類

踏み面の角度は水平になっているものと、緩やかな坂状になっているものとがあり、日本では1970年昭和45年)の日本万国博覧会(大阪万博)以降、一般的に動く歩道と呼ばれる。坂状になっているものはエスカレーターと同様、主として建物の各階や比較的大きな段差の移動に利用される。三菱電機ではトラベーターと呼んでいる。また、傾斜しているタイプをオートスロープと呼ぶこともある。型式にも2通りがあり、エスカレーターの水平化であるパレット式ベルトコンベアゴムベルト式が存在する。

動く歩道の主要メーカーは以下の通り。

特徴

傾斜して動く歩道

踏み面が平らである事により、エスカレーターエレベーターにはない多くの利点を持っている。まず、エスカレーターと違いショッピングカートやベビーカー車椅子、大型のスーツケースなどを乗せて容易に移動できる。しかも、エレベーターのように待つ必要性がなく、より多くの利用者が同時に利用できる。踏み面に段差がないことから、乗り降りが容易でつまずく心配も少なく、高齢者や子供など、足元の不確かな利用者にとって親切である。角度が緩やかであるため恐怖感がなく、足を踏み外す危険性もない。

このように多くの利点を持つため、欧米では商業施設、空港や駅で広く普及している。近年テンプレート:いつ、日本でも大型の商業施設などでエスカレーターに替わって採用される例が増えているテンプレート:要出典。しかし、その性質上、傾斜を緩くしないと滑る恐れがあるために設置空間がエスカレーターやエレベーターの数倍も必要とされる欠点がある。結果的に施設の売り場面積などが犠牲になるので、導入される施設が郊外型の大型施設などに限定され、エスカレーターの代替としての導入例は少ない。ショッピングセンターに導入される場合は、ショッピングカートの車輪とステップの溝の幅を合わせ、カートが下へ逸走しない様な配慮がなされているテンプレート:要出典

傾斜を持たない動く歩道

ファイル:AUTO WALK in Umeda Station.jpg
傾斜を持たない動く歩道

傾斜を持たない動く歩道としての導入は、大型のスーツケースなど、大きな荷物を携帯して長距離を移動する必要のある空港内、大規模鉄道駅東京駅など)や大型施設(KINTEXなど)や郊外型店舗などの連絡通路などでの導入例が多い。ただし設備の終点では慣性により前に投げ出されることになり、なおかつ利用者の多くは通常の歩道のように歩いて使うので、高齢者や障害者には特に注意が必要とされる。そのため終点近くには間もなく終点となる旨の看板を出して(場所によっては音声ガイダンスを併用)注意を呼びかけているテンプレート:要出典

連動

エスカレーターとの連結

傾斜を持たない動く歩道とエスカレーターとを連続連結し、動く歩道がそのままエスカレーターに、又はエスカレーターがそのまま動く歩道になるものもある。初めて登場したのは静岡県三島市にあるJR東海三島駅構内の地下南北連絡通路内であるテンプレート:要出典。その他JR東日本秋葉原駅山手線京浜東北線ホームと地平通路を結ぶエスカレーター(上野寄り、上下)、都営大江戸線飯田橋駅と他路線を結ぶエスカレーター、京阪電気鉄道出町柳駅の下りエスカレーター、JR西日本大阪駅上野駅東京メトロ銀座線のコンコースと中央改札を結ぶエスカレーター(上下)、福岡空港駅地下コンコースに存在する(参考動画)。

動く歩道の連動

規格

規格としては、横幅は800mm、1,200mm、傾斜角度0〜3度のものが標準的である。エスカレーターと同様、省エネルギーに配慮して、常時稼働ではなく赤外線センサーによって人の接近を検知して、稼働するものも製造されている。

構造

  • ステップ
    • 踏み台:ステップのメインとなるところ
    • 駆動ローラ:駆動させるためのローラ
    • 駆動ユニット:動力の供給部
    • ライザ ステップの横の部分
  • 手すり
    • 手すり駆動ローラ:手すりを駆動させるためのローラ
    • ステップリンク:ステップとの速さを合わせるためのリンク

設置例

用途・設置場所別

国・地域別

フランス

ファイル:Parisian high-speed walkway.jpg
パリ・モンパルナス=ビヤンヴニュ駅にある世界最速の動く歩道

2002年7月1日にフランス首都パリにあるモンパルナス=ビヤンヴニュ駅に通常(約0.8m/s)の3倍の速さ(約2.5m/s)で動く歩道が設置され、世界的な話題となったが、あまりにも速いために乗降時に転倒する人が続出し、4日後の7月5日には一時使用停止に追い込まれた。これは先端および終端付近に独立して動くローラーがあり、先端ではだんだん早くなって高速コンベア部に接続し、終端ではだんだん遅くなって出口にたどり着くという構造である。

日本

日本では、1967年大阪市阪急梅田駅に最初に設置された(阪急電鉄はこの動く歩道をムービングウォークと呼んでいる)。駅設備移転に伴う他鉄道との乗換不便解消のためのもので、横一列に幾本もの動く歩道が並び、現在でも日本最大規模を誇る。

3年後の1970年大阪万博で日本において広く知られるようになり、関東地方では東京駅[1]渋谷駅[2]羽田空港成田空港の構内、新宿駅の西口から新都心方面への遊歩道、桜木町駅から横浜ランドマークタワーへの連絡橋などに設置されている。東海地方では名古屋市1989年に開催された世界デザイン博覧会に合わせて3会場のうちの白鳥会場に近い名古屋市営地下鉄名港線(当時は名城線)日比野駅に設置された(現存せず)。

日本では、高速を出せ、なおかつ安全に移動できるよう、加減速可能な動く歩道の研究が続けられている。これは、2重のコンベアを持つ複雑な構造で、IHIが開発している。

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

関連項目

テンプレート:Sister

  • 京葉線ホームへの連絡通路
  • 湘南新宿ラインへの連絡通路
  • 東埼玉道路上にある「kaze」「mori」を繋ぐセンターブリッジ内
  • 傾斜式。1Fと地下駐車場を結ぶエスカレーターの代替設備。他の階とはエスカレーターで結ばれている。
  • 傾斜式。ビバホームではオートスロープの名称で設置されている。1Fと2Fを結ぶエスカレーターの代替設備
  • 傾斜式。2階売り場と1階駐車場間のみのエスカレーターの代替設備。他の階とはエスカレーターで結ばれている
  • 傾斜式。エスカレーターの代替設備
  • 琴平線長尾線ホーム(1~3番線)と志度線ホーム(4・5番線)を結ぶ連絡通路
  • 前身の「いよてつそごう」時代に設置。同店の西方にある「伊予鉄市駅西駐車場」と、同店3階との間を連絡する。