熊本交通センター

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熊本交通センター正面

熊本交通センター(くまもとこうつうセンター)は、熊本県熊本市中央区桜町にあるバスターミナル都市計画法に基づく都市施設名称は、「熊本都市計画自動車ターミナル熊本交通センターバスターミナル」(1967年4月18日都市計画決定)。熊本市内の中心部に位置する日本最大級のバスターミナルである。九州産交ランドマークが運営する。

概要

JR九州熊本駅と異なり中心部に位置し、同駅より利用者が多く、熊本の公共交通の要となっている。熊本市電辛島町電停が近くにある。

九州産交バスとその子会社である産交バスをはじめ、熊本市営バス(熊本市交通局)熊本電鉄バス(熊本電気鉄道)熊本バス熊本都市バス、さらに他県の高速バスが乗り入れている。高速バスや路線バスの拠点となっており、熊本都市圏のバス路線網はこの交通センターを中心として放射状に広がっている。

1967年3月に市内水前寺地区に移転した熊本県庁の跡地を利用して、1969年3月5日に開業した。当初、九州産業交通(現 九州産業交通ホールディングス)が主に出資する「株式会社熊本交通センター」が運営していた。

1973年1月20日から同年10月19日まで大幅リニューアル工事が行なわれ、同年10月20日の岩田屋伊勢丹(現 県民百貨店)開業とあわせてリニューアルオープンした(プラットホームは現在の形になった)。またこの時、ホームにカラーペイントが施された(1番乗り場:オレンジ、2番乗り場:ブルー、3番乗り場:ブルー、4番乗り場:イエロー、5番乗り場:グリーン、6番乗り場:グリーン)。

2000年3月に九州産交の経営再建のため、熊本交通センター株式のうち熊本市西日本鉄道などの保有株分を九州産交がすべて買い取り吸収合併した。現在は、エイチ・アイ・エス傘下となった九州産業交通ホールディングスの子会社「九州産交ランドマーク」により運営されている。

ターミナルビル

ターミナルビル正面玄関の県民百貨店側には、高い屋根を備えた「センターコート」と呼ばれるイベントスペースがある。広さ44m2で、天候に関係なくさまざまなイベントが行える。

ビル1階には、切符売り場、待合室、売店、喫茶店、ファミリーマートがある。2階はダイソー(かつては、全日本空輸熊本支店や旅行代理店が入居していた)、3階以上は「熊本交通センターホテル」となっている。 ターミナルビル及びバスターミナルの地下はバスターミナルのホーム間を移動するための通路を兼ねた「熊本交通センタープラザ」と呼ばれる地下街がある。ターミナルビル内にあるエレベーターは、これらの施設に直結しており、一般客とホテルの宿泊客が共用している。また地階から2階までを結ぶエスカレーターがターミナルビル内とセンターコート側に設置されている。

バスターミナル構内

4つのプラットホームに36のバースを持ち(乗車28・降車8)、規模は日本最大、開業当初は「東洋一」だった。1日の発着便数は約5,700便で九州一である。発着枠はすでに限界に近づきつつあると言われており、特に高速バスなどにおいて、複数のバスがひとつのバースで重なるようにして停車して客待ちする光景が見られる。

かつては、当センター開設当初から各プラットホーム毎において事業者別にのりばを設けていたが、1994年に施設大規模改修工事がおこなわれ、これを機に事業者関係なく行き先別にのりばを変更された(後述)。

のりば

テンプレート:Ambox-mini ホーム欄の背景色は、実際に交通センターのホームにの色に準じる。

運行会社の表記は下記の通り。

なお、20番乗り場は上記5社が共同で使用する。

ホーム のりば 方面 行き先・経由 運行会社
A 1 植木
  • 池田、富尾団地(京町本丁・NTT研修センター)
  • 木留(田原坂ニュータウン)
産交・都市
2 産交
3 南熊本 都市、熊バ
4 熊バ
5 都市間
(高速)
バスなど
産交、都市ほか
6
7 川尻 産交
8 産交・熊バ
9 段山 都市
10 到着
  • 快速、特急(高速)
 
11
B 12 子飼・渡鹿 都市
13 産交・電鉄
14 産交
15 到着専用    
16 北熊本清水
  • 武蔵ヶ丘、泉ヶ丘・下群、杉並台、光の森駅、合志市役所(堀川・新地団地)
電鉄
17
  • 武蔵ヶ丘、泉ヶ丘・下群、杉並台、光の森駅(清水ヶ丘・楠団地)
18
19 熊本駅 産交
20 5社共同
21 産交
22 川口
  • 春日校・アクアドーム
  • 川口二丁、畠口(並建)、白藤
  • 土河原、海路口、JA飽田支所
産交
23 新町 産交・都市
24 到着    
25
C 26 水前寺健軍 市営
27 都市
28 産交
29
  • 佐土原・沼山津・木山(県庁・自衛隊)、テクノポリス(阿蘇くまもと空港)
30
31
  • 秋津小楠記念館(動植物園)、東町団地・小峯営業所(東区役所入口)
  • イオンモール熊本クレア・城南(県庁・健軍・東区役所・秋津レークタウン)
  • 玉虫・甲佐・砥用(県庁・健軍・秋津レークタウン)
都市・熊バ
32
  • 八王寺環状(水前寺)
  • 松橋(県庁・済生会病院)
  • イオンモール熊本クレア(江津団地・セイラタウン)、江津団地
  • イオンモール熊本クレア・城南・甲佐・中の瀬車庫(県庁・画図)
都市・産交・熊バ
33 壺井橋
  • 花園・柿原(柿原公民館)、上熊本営業所(壺井橋)
  • 高平団地(高平南公園)
都市・電鉄
34 到着専用    
D 35
36

都市間(高速)バス

「ひのくに号(スーパーノンストップ便以外の系統)」「ぎんなん号」「さいかい号」「きりしま号」「あまくさ号」は、熊本交通センターが始発・終着となる(他は西部車庫または熊本駅が起終点)。

5番乗り場(福岡・本州方面)
「不知火号」「サンライズ号」「あそ☆くま号」は夜行便。
6番乗り場(福岡を除く九州内方面)
すべて昼行便。
「やまびこ号」「たかちほ号」は一般道経由の特急便、「たかもり号」は一般道経由の快速便。
7番乗り場(宇土・天草方面)
一般道経由の快速・超快速便

利用状況

  • 1日の乗降客数は約4万人

併設施設

  • 県民百貨店2003年に「くまもと阪神」の名称で阪神百貨店との提携で開店。1993年までは岩田屋伊勢丹、2003年までは熊本岩田屋
  • 熊本交通センタープラザ(ターミナルビル地下ショッピングモール。県民百貨店の地下とも直結)
  • 熊本交通センターホテル(ターミナルビル3-6階)※ホテルの運営は九州産交ツーリズムがおこなっている。
  • サンコービル(旧産交本社、現在はテナントビル)
  • センター駐車場
  • マスターズボウル(熊本県内では最大級の38レーンのボウリング場。2004年2月までは「センターボウル」という名称で産交の直営であったが、他社へテナント貸ししていた。しかし、諸事情により2014年2月16日に急遽閉店した。建物内に九州産交HD本社がある)
  • 熊本県バス協会事務所(2階)

周辺施設

熊本交通センター開設以前のターミナル

  • 熊本交通センター開設以前は、それぞれのバス会社で発着場所が異なっていた。
    • 九州産交は辛島町(現 日生ビル付近)にバスターミナルを持っており、辛島町中央停留所と名乗っていた。26番までの改札口があり、バスは改札口前の発着場所に2列に停車、乗客は改札口を通って目的のバスに乗車していた。定刻になると係員が発着所前に張られたチェーンをおろして、バスが発車していた。また、電車通りに面したところに第二乗り場があり自衛隊行きと高橋経由小島行きはここに停車していた。到着バスの降車場は、乗り場の北側(現、熊本市営辛島公園地下駐車場入口付近)にロータリーがあり、ここで乗客を降ろしていた。
    • 熊本電鉄バスと熊本市営バスは、旧県庁前の通り(現 交通センター、県民百貨店と熊本市産業文化会館、花畑公園の間の通り)の両側にバス停を設けて発着していた。
    • 熊本バスは、新市街(現 新市街(下り)バス停の前)にバスターミナルを持っており、ここからすべて発着していた。熊本バスは、交通センター開設当初、一部のバス路線しか交通センターに乗り入れず、また、交通センター発の路線も新市街バスセンターを経由して発車していた。後に、すべての便を交通センター発着にする。
    • バス発着所の場所による違いで、当時、産交バスは「辛島町行き」、市営、電鉄バスは「花畑町行き」、熊本バスは「新市街行き」と行先を表示していた。

再開発計画

熊本交通センターを含む桜町一帯の再開発構想が持ち上がっており、2011年度までに開発事業に着手、201415年の全面開業を目指すとしている。

  • 事業費は約450億円を見込んでおり、2010年度の九州新幹線全線開業の関係上前倒しする可能性もあるという。規模は、地上10階、地下1階(予定)。現在のすべての建物の総面積のほぼ2倍にあたる約20万平方メートルを予定しており、既存の建物はすべて取り壊し、商業施設・専門店・シティホテル(約150室)、賃貸・分譲マンション(約200戸)・医療施設などからなる複合高層ビルに建て替えるとしている。さらに現在36の発着所があるバスターミナルは、バス5事業者による路線再編をにらみ、規模の縮小を予定している。2008年6月16日には、九州産交HDと九州産交ランドマークの両社が出資して、再開発事業を行う熊本桜町再開発準備株式会社が設立された[1]。 

その後、経済情勢などから開発計画は停滞していたが、2018年完成予定として2012年10月31日に再開発計画が再度発表された[2][3][4]

  • 事業費は約500億円を予定し、都市再開発法に基づく公的補助も得る予定。伝統と歴史を継承する新たな交流拠点「熊本・新城下まち」をコンセプトに、延べ床面積は13ないし14万平方メートルの規模となる。バスターミナルは従来通り地平部に設置されるがコンパクト化され、乗換の際の移動距離を短くし、バリアフリーにも対応した設備となる。バスの進入路は南北に設け、現在の東側(花畑公園側)は廃止される。現在ある建物は2015年より解体し、東側に商業施設(約5万平方メートル)とホテル(200室程度)を建設、西側に3000人規模のコンベンション施設や100戸程度の都市型マンションの建設を予定する。商業施設に県民百貨店が再入居するかどうかは未定としている。
  • 周辺ではNHK熊本放送局の花畑公園北側への移転や、熊本市産業文化会館跡地の再開発も予定されている[4]。熊本市も交通センター東側の道路をシンボルプロムナードとして遊歩道化するなどの計画を発表している[4][5]

その他

関連項目

脚注・出典

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外部リンク

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  1. 九州産交HD、熊本市中心部の再開発へ新会社(日本経済新聞九州経済面 2008/6/17)
  2. 桜町再開発、18年春完成 九産交HD計画 - 熊本日日新聞2012年10月31日
  3. 再開発実現に意欲 九産交HD、イメージ図公表 - 熊本日日新聞2012年11月1日
  4. 4.0 4.1 4.2 桜町再開発の素案発表 事業費500億円 - 読売新聞(熊本版) 2012年11月1日
  5. 桜町・花畑周辺地区まちづくりマネジメント基本構想 - 熊本市 2012年4月12日