海南駅

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海南駅(かいなんえき)は、和歌山県海南市名高にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)紀勢本線(きのくに線)のである。

海南市の代表駅で、特急「くろしお」を含むすべての定期列車が停車する。また、朝ラッシュ時には、当駅始発の新大阪行き特急や、天王寺行き快速(和歌山駅までは各駅停車)が設定されている。

駅構造

島式ホーム2面4線の待避設備を有する高架駅である。1998年平成10年)10月10日に高架駅となった(平成10年10月10日で10並びの日)。駅舎は高架下に位置し近代的である。みどりの窓口が設置されている。駅構内はエスカレータ・エレベータが設置されている。和歌山方面からの折返し列車は配線の都合上1番のりばで折返す。コンコースにキヨスク売店およびコインロッカーがある。みどりの窓口の向かいに海南市物産センター(愛称かいぶつくん)がある。構内に食堂などの飲食設備はない。

直営駅であり、和歌山駅管理駅)傘下の地区駅として地区駅長が配置されている。かつては管理駅として広川ビーチ駅 - 黒江駅間の各駅を管理していた。

万一の急病人発生に備えて自動体外式除細動器(AED)が1台設置されており、全駅係員が迅速かつ適切に対応できるよう講習と訓練を受けている。近年、子供を狙った犯罪から守るため「こども110番の駅」にも指定されている。トイレは、設置されている。

海南駅プラットホーム
ホーム 路線 行先
1・2 テンプレート:Colorきのくに線 和歌山天王寺新大阪方面
3・4 テンプレート:Colorきのくに線 御坊白浜新宮方面
  • 上表の路線名は旅客案内上の名称(愛称)で表記している。
  • 内側の2線(2番・3番のりば)が本線、外側の2線(1番・4番のりば)が待避線であり、通常の停車には2番・3番のりばが使われる。
  • 2010年(平成22年)3月13日改正のダイヤでは御坊方面行きのみ特急待避の設定がある。和歌山方面行き待避線(1番のりば)には、折返し列車の他に、線路保守目的を兼ねて御坊方面からの普通列車も一部停車する。

利用状況

海南市中心部のやや東側にあり利用者が多い。JR紀勢本線の和歌山県内の駅としては、和歌山駅に次いで利用者が多い。

1日の平均乗車人員は以下の通りである。[1]

乗車人員推移
年度 1日平均人数
1998 3,591
1999 3,459
2000 3,345
2001 3,278
2002 3,239
2003 3,155
2004 3,101
2005 3,023
2006 3,053
2007 3,047
2008 3,042
2009 2,938
2010 2,894
2011 2,938
2012 3,042

駅周辺

ファイル:Kainan shuyu bus1024.jpg
2007年まで運行されていた定期観光周遊バス

海南市中心部のやや東側にある。出入口は東西にあり、中心部に近い西口側には駅前広場が整備されるなど発展している。これは地上駅時代にはこちら側にのみ駅舎が有ったことによる。一方、東口は宅地や小規模農地などが雑然と入り混じり駅前の整備が遅れていたが、近年整備事業が開始され、2012年3月からは駅前広場及び同広場内の市営駐車場の供用が開始されている。また、駅の高架下南側にはJR系列の有料駐輪場が、同高架下部には月極駐車場が営業中。

東口

  • 松代王子跡
  • 菩提房王子跡
  • 祓戸王子跡
  • 藤白王子社(藤白神社
  • 藤白坂

但し一旦西口を出て観光案内板に従うのが観光上での順路となる。

西口

バス路線

歴史

日方地域に最初に出来た駅はこの駅ではなく野上軽便鉄道(後の野上電気鉄道)の「日方駅」(ひかたえき)である。「日方駅」は野上軽便鉄道の日方駅から野上駅(後に紀伊野上駅に改称)までの開通と共に1916年大正5年)に開業した。日方地域に次にできた駅がこの駅で、旧来からの「日方駅」とは場所が違う。

当駅は1924年(大正13年)2月、国鉄・紀勢西線の最初の開通区間として和歌山駅(現在の紀和駅)から東和歌山駅(現在の和歌山駅)を経て箕島駅までが開通したと同時に、紀勢西線の日方町駅(ひかたまちえき)として開業した。「日方駅」は当駅の北東に位置していた。国鉄側からの要請で「日方駅」の構内に当駅への「連絡口」専用のホームが設けられた時期は後のことである。「日方駅」のホームに入る手前で列車はこのホームに停車、国鉄線に乗り換える人が下車した。

「日方町駅」はその後1934年昭和9年)に海南市が誕生したことを受け、1936年(昭和11年)に「海南駅」(かいなんえき)に改称、1959年(昭和34年)には今の紀勢本線が全通し亀山駅と和歌山駅(現在の紀和駅)の間が紀勢本線とされている。「日方駅」は野上電気鉄道が1994年平成6年)に全線廃止となり姿を消した。野上電鉄が存続していれば「日方駅」を当駅に統合し高架化される予定であったが、実現しなかった。

沿革

  • 1916年大正5年)2月4日 - 野上軽便鉄道(後の野上電気鉄道)が日方駅から野上駅(後に紀伊野上駅に改称)まで開通し「日方駅」(ひかたえき)が開業する。
  • 1924年(大正13年)2月28日 - 国鉄紀勢西線の「日方町駅」(ひかたまちえき)が日方駅の南西に開業する。
  • 1928年昭和3年)9月10日 - 野上軽便鉄道が野上電気鉄道に社名を変更する。
  • 1929年(昭和4年)6月1日 - 京阪電気鉄道和歌山線(後の南海和歌山軌道線)内海駅(後の海南駅前駅)が開業する。
  • 1936年(昭和11年)7月1日 - 「日方町駅」が海南駅(かいなんえき)に改称となる。
  • 1959年(昭和34年)7月15日 - 亀山駅と和歌山駅(現在の紀和駅)の間が紀勢本線とされる。
  • 1971年(昭和46年)1月10日 - 南海和歌山軌道線海南駅前駅 - 和歌浦口駅間廃止。
  • 1985年(昭和60年)3月14日 - ダイヤ改正により特急「くろしお」の一部の列車の停車駅となる。
  • 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道の駅となる。
  • 1994年平成6年)4月1日 - 野上電気鉄道の全線(日方駅から登山口駅)が廃止となり「日方駅」も廃止される。
  • 1998年(平成10年)10月10日 - 高架化。
  • 1999年(平成11年)3月31日 - 駅レンタカー営業所営業終了[2]
  • 2005年(平成17年)3月1日 - この日行われたダイヤ改正によって海南駅に「くろしお」系統(「オーシャンアロー」2往復を除く)の全列車が停車。
  • 2011年(平成23年)3月12日 - この日行われたダイヤ改正によって「オーシャンアロー」と「スーパーくろしお」の運用差し替えにより、速達タイプのオーシャンアローの一部が停車するとともに一部の「スーパーくろしお」が通過となる。
  • 2012年(平成24年)
    • 3月17日 - この日行われたダイヤ改正によって「くろしお」系統の列車名が「くろしお」に統一され、すべての「くろしお」が停車するようになる。
    • 6月1日 - 地区駅長制度導入により管理駅から外れ、地区駅長が配置される[3]

その他

ファイル:海南駅の大雛壇.png
駅改札外に設置される雛人形と大雛壇
  • 御坊方面に限り、特急列車と普通列車の相互接続が設定されている。
  • 紀三井寺の観桜など行楽期を中心に紀州路快速が「ぶらり海南」や「紀三井寺桜まいり号」として当駅まで延長運転されることがあった。
  • 第1回近畿の駅百選に選定されている。
  • 往復特急利用すると(ただし、海南駅にて購入に限る)48時間の駐車料金が無料になるパーク&ライドを実施中(限定15台)。
  • 毎年、2月中旬から3月にかけて、雛人形の大雛壇がおかれる。

隣の駅

西日本旅客鉄道
テンプレート:Colorきのくに線(紀勢本線)
テンプレート:Color快速
加茂郷駅 - 海南駅 - 黒江駅
テンプレート:Color普通(阪和線内で快速または直通快速となる列車を含む)
冷水浦駅 - 海南駅 - 黒江駅

かつて存在した路線

南海電気鉄道
和歌山軌道線
野上電車前駅 - 海南駅前駅

かつて接続した路線バス・その他

  • 有田鉄道バス
    旧花園村行和歌山線(旧花園村へは金屋口での乗り継ぎとなる)
  • 定期観光周遊バス(2007年以降運行されず2013年8月3日現在運行再開の予定は発表されていない。)

脚注

テンプレート:Reflist テンプレート:脚注ヘルプ

関連項目

外部リンク

テンプレート:Sister

テンプレート:Navbox

テンプレート:近畿の駅百選
  1. 『和歌山県統計年鑑』及び『和歌山県公共交通機関等資料集』
  2. 『JR時刻表』1999年4月号
  3. 地区駅長制度:JR西が導入、来月から4駅 自治体、住民と連携 /和歌山 2012年5月22日配信