札幌飛行場

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札幌飛行場(さっぽろひこうじょう)とは、以下の空港のことを指す。


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札幌飛行場(さっぽろひこうじょう、テンプレート:Lang-en-short)は、北海道札幌市東区丘珠町の陸上自衛隊丘珠駐屯地の飛行場であり、共用する民間施設や通称は丘珠空港(おかだまくうこう、テンプレート:Lang-en-short)と呼ばれる。

概要

札幌飛行場は、陸上自衛隊の専用飛行場であったが、1961年に公共用飛行場として指定と民間機の乗り入れが開始され、空港施設の名称から「丘珠空港」と通称されている。設置管理者は防衛省となっており、陸上自衛隊丘珠駐屯地との共用飛行場となっている。

札幌市中心部より直線距離6 kmと至近にあるが、直接の鉄道アクセスがないため札幌駅から約20分 - 約25分を要する[1](新千歳は電車で36分)。

幹線を担う新千歳空港を補完し、道内各都市への定期便の発着のほか、札幌観光の遊覧飛行、ビジネスジェット北海道警察札幌市消防局・北海道防災ヘリコプターの防災基地、国土測量、報道取材としても使用されており、大都市札幌市の空の玄関口および北海道内の拠点空港として、重要な役割を担っている。2013年7月より就航した三沢線を除き、定期便は道内路線のみである。ジェット旅客機の発着は行われていない(プライベートジェットは飛んでおり、道外からも飛来する)。

太平洋に近い新千歳空港と比べて、日本海に近く冬季に北西の風が海から吹きつけるため、比較的降雪量や吹雪の日が多く、欠航となることも多い。

年間利用客数は、テンプレート:いつ範囲約36万人を前後しているが、全日本空輸グループが本空港より撤退(後述)したことにより、利用客の減少が危惧されている。

滑走路は14/32方向に1500 mであり、平行誘導路は無い。滑走路とエプロンの間には距離があり、2本の取付誘導路がエプロンと滑走路両端を結んでいる。着陸帯の幅は300 mであるが、計器着陸には対応していない。

滑走路南端のほど近くには、国土交通省札幌航空交通管制部があり、ICAOが定める福岡FIR管制空域のうち、北海道全域および北東北航空路管制を行っている。

滑走路を除雪した際に集積した雪は、一般道路の除雪で発生した雪と違って泥などで汚れていないため、さっぽろ雪まつりの採雪地のひとつとなっている[2]テンプレート:出典無効

歴史

かつては北海道航空協会主催の航空ショーである航空ページェントが隔年開催されており、陸海空自衛隊機や公官庁保有機、個人オーナー含む民間機、米軍機も参加する盛大なものであったが2008年の第25回をもって終了した。しかし再開を望む声が多かったため、2012年には再び開催される予定である。

定期便については「ジェット機は千歳」、「プロペラ機は札幌」という棲み分けができていたものの、1980年代後半に入るとエアーニッポンが使用していた日本航空機製造YS-11が老朽化し、使用機材をジェット機に切り替え、発着空港を新千歳空港へ移転する公算が大きくなった。北海道および札幌市は、空港を引き続き活用させるべく滑走路を従来の1,400 mから延長し1,800 mとする計画を進めたが、騒音増大を危惧する住民運動が活発になったこと、それに加えて自衛隊による活用の幅が広がることを危惧する左派が強く反対したこと、一都市圏にジェット機が離着陸する空港を二つも抱えることの是非なども問題となり1997年にジェット機化を断念するに至った。

最終的に滑走路の延長計画は当初より縮小され、1,500 mとなった。一方、エアーニッポンがYS-11の後継機種として騒音の少ないターボプロップ機のDHC-8を導入し、さらには地域住民合意のもと、当時日本航空グループであった北海道エアシステムがターボプロップ機のサーブ 340を用いて参入した。結果、ダブルトラック化によって増便されたことで利便性が向上したことから、全国的にも都市型コミューター空港として注目されていた。

2012年9月11日に「丘珠研究会」等主催の「丘珠空港活性化シンポジウム」において、フジドリームエアラインズの鈴木与平社長の「新千歳と丘珠も役割分担で発展の余地がある」[3]「短期的にはFDAの国内チャーター便を夏には何回か離着陸させることは不可能ではない」との発言から、丘珠空港が再度注目され、2013年7月7日にテストフライトを実施した。離着陸試験および航空機騒音の環境基準検査として、百合が原公園、滑走路南東緑地、空港ターミナルビル送迎デッキに騒音測定箇所を設置し騒音を測定している。

日本近距離航空(エアーニッポンの旧社名)が路線開設以来、北海道内路線に就航し続けていたエアーニッポンネットワーク(現:ANAウイングス)であるが、運用している飛行機が既に製造中止となったこと、冬期降雪による影響が多いこと、乗客が減少傾向である等を受け、運航を委託している親会社である全日本空輸の決定により、2010年6月末をもって当飛行場から撤退し、現在就航中の路線は新千歳空港に集約することとなった[4][5]。全日空は、整備拠点の一本化や乗継需要を見込むことにより収支改善を図りたいとしている[6]

2009年3月下旬に全日空役員から撤退の打診を受けた北海道や札幌市は、空港の整備を続けてきたことや、観光・経済で大打撃を受けるとして断固反対する意向を示していたが[7]、叶わなかった。札幌市は空港の存続に向けて、残る北海道エアシステム便の維持に全力を挙げる予定である[8]。なおエアーニッポンネットワークは全日空の100%孫会社であったのに対して、北海道エアシステムは第三セクターであり地元の意向に反する経営判断はできない。

沿革

  • 1942年昭和17年) - 旧陸軍により飛行場設置。資料により「丘珠飛行場」「札幌第一飛行場」「札幌新飛行場」などの名称あり。
  • 1944年(昭和19年) - 飛行場完成。滑走路長1,000 m(1,200 mとする説もあり)。
  • 1945年 - 1952年(昭和20年 - 27年) - 連合国軍(アメリカ軍)により接収。
  • 1954年(昭和29年) - 陸上自衛隊丘珠分屯地発足。
  • 1956年(昭和31年) - 旅客機の運航を開始。
  • 1958年(昭和33年) - 「札幌飛行場」となる。
  • 1961年(昭和36年) - 共用飛行場となる。
  • 1967年(昭和42年) - 滑走路を1,400 mに延伸。
  • 1974年(昭和49年) - 機材のジェット機化により、東亜国内航空が撤退。
  • 1992年(平成4年) - 新ターミナルビル完成。
  • 1998年(平成10年) - 北海道エアシステムが運航開始。
  • 2001年(平成13年) - 丘珠空港周辺のまちづくり構想に基づく丘珠空港緑地整備が始まる[9]
  • 2004年(平成16年) - 滑走路を1,500 mに延伸。
  • 2008年(平成20年) - 進入・ターミナルレーダー管制が開始される。陸上自衛隊員による初のターミナルレーダー管制である。
  • 2010年(平成22年)6月30日 - この日の運航をもって全日本空輸(エアーニッポンネットワーク)が撤退、新千歳空港に一本化。
  • 2011年(平成23年)6月1日 - 北海道エアシステムが就航路線を丘珠空港に一本化。本社を空港ビル内に移転。
  • 2013年(平成25年)7月7日 - フジドリームエアラインズが同社のエンブラエル 170を用いてテストフライトを実施、同空港に民間のジェット旅客機(ビジネスジェット機は除く)が離着陸したのは初である。
  • 2013年(平成25年)9月30日 - フジドリームエアラインズが名古屋・小牧空港と丘珠空港(札幌市東区)を小型ジェット旅客機で往復するチャーター便を11月16日より運航する方針を決める。
  • 2013年(平成25年)11月16日 - フジドリームエアラインズが同社のエンブラエル 170を用い、乗客を乗せ1往復のチャーター便を運航。
  • 2014年(平成26年)6月28日 - フジドリームエアラインズが乗客を乗せ、毎週土曜日に1日1往復、9月20日までの計26便のチャーター便を運航予定。

施設

空港ターミナルビルは、滑走路南側に1棟あり、地上3階、地下1階建て。国内線で使用している。ボーディングブリッジは設置されていない。札幌市、全日本空輸、北海道、日本政策投資銀行などを主要株主とする第三セクター札幌丘珠空港ビル株式会社が運営している。

ターミナルビルから飛行機までの間は屋外を徒歩により通行することになるが、冬は路面凍結により歩きにくく転倒の危険性があった。このため2005年に、空港の駐機場としては全国初の歩行者用ロードヒーティングが整備された。

  • 1階 - 航空会社カウンター、到着ロビー
  • 2階 - 出発ロビー、搭乗待合室
  • 3階 - 送迎デッキ(無料)、見学者ホール、会議室

有料駐車場 - 360台

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その他

ファイル:Bell412EP hokkaido police Daisetsu 3.JPG
ベル412EP「だいせつ3号」 (JA01HP)
ファイル:Sapporo-SuzuranHelicopter(closeup).png
ベル412SP「すずらん」 (JA9686)

飛行場に隣接する札幌市スポーツ施設(札幌コミュニティドーム)横に北海道警察のヘリポートや格納庫が誘導路に面して設けられている。

就航路線

以下は丘珠空港便は休廃止となったが、新千歳空港には就航している路線

アクセス

本数・運賃等の詳細は、該当項目や公式サイトにて最新情報を確認されたい。

バス

  • 北都交通空港連絡バス
    • 大通6丁目(北都交通本社前)・大通3丁目(大通ビッセ前)・札幌駅南口(全日空札幌支店前)・栄町駅 - 丘珠空港(12月1日から3月31日までは栄町駅 - 丘珠空港間のみ運行)
      • 大通や札幌駅などの札幌都心間との運行は2011年(平成23年)11月1日に休止され、同日より栄町駅間との運行に短縮された[11]。2013年(平成25年)は夏期の利用客増加を見込み、6月1日から8月31日(延長により11月30日)まで都心間との運行を再開[12][13]。2014年(平成26年)度は4月1日から11月30日までの予定で都心との運行となる[14]

鉄道

新千歳空港発着便との乗り継ぎ

  • 新千歳空港発着便との乗り継ぎに必要な時間は150分以上。新千歳空港への交通機関がある麻生駅や札幌都心にて乗り継ぐことになる。

陸上自衛隊(丘珠駐屯地)

※駐屯地開放行事の際には、当駐屯地所属のOH-6Dヘリによるアクロバットチーム「ノーザンレディバード(北のテントウ虫)」が臨時編成され、アクロバット飛行を披露する。

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

関連項目

外部リンク

テンプレート:Sister テンプレート:Airport-info

テンプレート:日本の空港
  1. テンプレート:Cite web
  2. さっぽろ雪まつり公式サイト|SAPPORO SNOW FESTIVAL
  3. http://hre-net.com/keizai/kotu/5375/
  4. 「A-net 丘珠撤退が確定」 『北海道新聞』、2009年10月16日付朝刊、1面。
  5. 「A-net 7月新千歳移転 航路維持に不透明感」 『北海道新聞』、2009年11月5日付朝刊、3面。
  6. A-net 丘珠撤退、新千歳に移転 函館、釧路など5路線北海道新聞 2009年4月13日付朝刊1面。
  7. 「A-net丘珠撤退検討 観光、経済に打撃」 北海道新聞、2009年4月13日付朝刊、3面。
  8. 「空港存続へ札幌市窮地 A-net丘珠撤退」北海道新聞 2009年10月16日付朝刊2面。
  9. 丘珠空港周辺の環境整備(札幌市ホームページ2011年2月22日)2012年1月2日閲覧
  10. 【7/1〜】三沢(八戸)線就航決定!! 5/1ご予約開始
  11. テンプレート:Cite web
  12. テンプレート:Cite web
  13. テンプレート:Cite web
  14. テンプレート:Cite web