北近畿タンゴ鉄道
テンプレート:Infobox 北近畿タンゴ鉄道株式会社(きたきんきタンゴてつどう、英文社名:Kitakinki Tango Railway Corporation、略称:KTR)は、京都府・兵庫県で鉄道2路線を経営する第三セクター鉄道会社である。本社、運行本部は京都府宮津市字鶴賀2065番地の4(宮津駅2階)にある。
日本鉄道建設公団が建設した宮福線と旧国鉄特定地方交通線の鉄道路線宮津線を経営している。
社名の「タンゴ」は、路線の所在する地域の旧国名である丹後国に由来し、音楽のタンゴにも掛けたものである。
2009年度現在日本の第三セクター鉄道の中で一番赤字額が大きい[1]。20期以上連続で赤字を計上しており、京都府や沿線市町、兵庫県から毎年4 - 5億円の経営対策補助金の拠出を受けて経営を維持している。京都府と兵庫県の間で経営対策補助金の負担割合について折り合いがつかず、兵庫県が京都府の請求より800万円少ない額しか負担しないなどの不協和音が生じている[2][3]。
目次
歴史
- 1982年(昭和57年)9月22日:宮福鉄道株式会社として設立。
- 1988年(昭和63年)7月16日:宮福線開業。
- 1989年(平成元年)8月1日:JR宮津線の引き継ぎに備え北近畿タンゴ鉄道株式会社に社名変更。
- 1990年(平成2年)4月1日:JR宮津線を引き継ぎ宮津線開業。特急「タンゴエクスプローラー」運転開始。
- 1996年(平成8年)3月16日:宮福線、宮津線宮津 - 天橋立間が電化開業。特急「タンゴディスカバリー」運転開始。特急「はしだて」「文殊」の直通運転開始。
- 1999年(平成11年)10月2日:JR舞鶴線の電化開業にともない、「タンゴエクスプローラー」と「タンゴディスカバリー」の系統振替え。
- 2007年(平成19年)
- 9月1日:本社を京都市上京区の京都府庁西別館から福知山市天田のJR西日本ビル(JR西日本福知山支社内)に移転。
- 10月1日:トレイン・アテンダントを初めて採用。
- 2013年(平成25年)
- 2014年(平成25年)
- 5月8日:収益改善のため施設保有と鉄道運行を分離し、鉄道運行を日本全国で高速路線バス事業を行っているWILLER ALLIANCEに移行すると発表[4]。
- 5月25日:水戸岡鋭治デザインによるリニューアル車両「丹後くろまつ号」の運行を開始。
将来の課題
京都府は2011年春から、北近畿タンゴ鉄道等の今後を考える検討委員会「北部地域総合公共交通検討会」を設置した[5]。利用促進策のほか運行本数の見直し等のコスト削減策や一部路線を廃止し路線バスで代替する場合のコストや利便性、影響が調べられた[2]。
路線
車両
自社保有車両はすべて気動車で富士重工業製である。宮福線全線と宮津線の天橋立駅 - 宮津駅間が電化されているが、電車は保有していない。電化されている区間には287系電車などの西日本旅客鉄道(JR西日本)保有車両が乗り入れている。
現有車両
- KTR001形(車両愛称:タンゴエクスプローラー) - 臨時列車用。
- KTR8000形(車両愛称:タンゴディスカバリー) - 特急「たんごリレー」「はしだて」「まいづる」や臨時列車「タンゴ悠遊号」に使用。
- KTR700形・KTR800形 - 宮津線を中心に使用。一部は観光型車両「あかまつ」「あおまつ」「くろまつ」となっている。
- MF100形・MF200形 - 主に宮福線に使用。
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KTR001形(西舞鶴駅)
- Ktr3.jpg
KTR8000形(新大阪駅)
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KTR800形(西舞鶴運転区)
- Kitakinki Tango Railway 702 AKA-MATSU 20130414.jpg
KTR700形「あかまつ」
- Kitakinki Tango Railway 708 AO-MATSU 20130414.jpg
KTR700形「あおまつ」
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MF100形(宮村駅)
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MF200形(宮村駅)
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臨時列車「タンゴ悠遊号」(栗田駅)
過去の車両
- KTR1000形・KTR2000形(レインボーリゾート) - 旧国鉄清算事業団・JR西日本キハ28形・キハ58形
車両基地
運賃・料金
大人普通旅客運賃(小児半額・10円未満切り上げ)。2014年4月1日改定[6]。
キロ程 | 運賃(円) | キロ程 | 運賃(円) |
---|---|---|---|
初乗り3km | 170 | 40 - 42 | 900 |
4 - 6 | 210 | 43 - 46 | 980 |
7 - 9 | 250 | 47 - 50 | 1,050 |
10 - 12 | 290 | 51 - 54 | 1,120 |
13 - 15 | 320 | 55 - 58 | 1,190 |
16 - 18 | 380 | 59 - 62 | 1,270 |
19 - 21 | 440 | 63 - 66 | 1,360 |
22 - 24 | 500 | 67 - 70 | 1,430 |
25 - 27 | 570 | 71 - 74 | 1,510 |
28 - 30 | 640 | 75 - 78 | 1,580 |
31 - 33 | 700 | 79 - 82 | 1,660 |
34 - 36 | 770 | 83 - 86 | 1,730 |
37 - 39 | 840 | 87 - 90 | 1,800 |
大人特急料金(小児半額・10円未満切り上げ)。2014年4月1日改定。特急列車の普通車を利用の場合は乗車券・特急券が必要。
キロ程 | 指定席(円) | 自由席(円) |
---|---|---|
初乗り20km | 430 | 330 |
21 - 50 | 750 | 650 |
51 - 90 | 1,070 | 970 |
大人グリーン料金(小児同額)。2014年4月1日改定。特急列車のグリーン車を利用の場合は乗車券・指定席特急券(この場合の料金は自由席特急券と同額)・グリーン券が必要。
キロ程 | 料金(円) |
---|---|
初乗り20km | 730 |
21 - 90 | 1,470 |
乗車整理料金(小児同額)。2014年4月1日改定。丹後あかまつ号の定員制車両に乗車する場合は乗車整理券が必要。
- 310円
企画乗車券など
- KTR無記名全線パス(持参式エコ定期券)
- 2007年10月20日から発売されている、所持している者なら全線誰でも利用できるタイプの定期乗車券。
- 硬券・軟券
- 企画乗車券ではないが、マルス端末が置かれておらず、駅員がいる駅の窓口では、乗車券・特急券は硬券で、新幹線特急券(自由席)は軟券で発売されている[7]。硬券・軟券が発売されている駅は次の通り。
KTRブログ駅長
沿線地域の振興に想いを持つ人が、北近畿タンゴ鉄道公式サイトに設けられたブログ上の駅長として、駅やその地域での体験や魅力情報を発信することで、地域のPRや話題づくりなど地域振興を担っていた。2007年9月14日より2011年3月31日まで掲載された。
野田川駅のブログ駅長は、2008年に関西テレビ☆京都チャンネル制作の『電車女☆春の旅』に出演している。また、KTR700・800形の愛称を募集し、『あおタン』という愛称に決まり、ブログ内で愛称の使用が開始されたが、正式な愛称ではない。
作品における描写
国鉄/JR宮津線時代に描かれたものは除く。
- 『けいおん!』 - アニメ版で登場。KTR700形気動車と丹後由良駅周辺がモデルになっていることがKTR荒河かしの木台駅ブログ駅長によって紹介されている。後にKTR700形気動車を使用したラッピング列車を2011年12月3日から運行することを発表している[8]。
- 『AIR』 - アニメ版の最終回で福知山駅と東舞鶴駅、KTR700形気動車がそれぞれ登場。また、丹後由良駅周辺がモデルになっていることがKTR荒河かしの木台駅ブログ駅長によって紹介されている。
脚注
外部リンク
- 北近畿タンゴ鉄道株式会社 - 公式サイト
- 北近畿タンゴ鉄道(KTR)の頑張る取組 - 京都府公式サイト
- テンプレート:Facebook