北近畿タンゴ鉄道KTR700形気動車

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KTR800形気動車(西舞鶴)
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KTR700形気動車の車内
ファイル:KTR 802 W12kai.JPG
座席のテーブルと灰皿(禁煙)

北近畿タンゴ鉄道KTR700形気動車(きたきんきタンゴてつどうKTR700がたきどうしゃ)及びKTR800形気動車(KTR800がたきどうしゃ)は、北近畿タンゴ鉄道が保有する普通列車用の気動車ディーゼル動車)である。

概要

北近畿タンゴ鉄道が、特定地方交通線であった西日本旅客鉄道宮津線の転換を受けるにあたり、1989年(平成元年)12月と1990年(平成2年)3月に、富士重工業で製造した軽快気動車である。富士重工業が地方交通線向けに開発した軽快気動車・LE-DCの流れを汲む車両であるが、車体長は20m級に延伸されるなど、この系統の気動車では最大級のものである。製造数は、トイレ付きのKTR700形が9両 (701 - 709) 、トイレのないKTR800形が3両 (801 - 803) である。

両形式の主要諸元はトイレの有無以外基本的に同一で、最大長20,500mm、最大高4,053mm、最大幅3,190mm、自重33.9t(KTR800形は33.5t)である。前面形状は、先行のMF100形・MF200形とほぼ同一の意匠であるが、本形式では前面窓が車体側面に回り込んだパノラミック・ウィンドウとなっている。側面には、2連式の一段下降式窓が並び、片開き扉が両端にあることから、外観はかつての急行形車両グリーン車を彷彿とさせる。座席は新幹線0系電車の普通車で使われた国鉄の「W-12」に、暖房用温風出口と足置きを追加した上、中間の肘掛けを除いた形状の2人掛け転換クロスシートが並び[1]、定員はKTR700形が115人(うち座席52人)、KTR800形が114人(うち座席56人)である。車体色は水色(タンゴブルー)に千歳緑鳶赤の帯が窓下に巻かれており、客用扉と前面貫通扉はステンレス無塗装でアクセントとしている。全車が新製時からワンマン運転対応設備を装備している。

機関は新潟鐵工所製の6H13AZ(330PS)で、MF100形・MF200形の250PSより強力な機関を装備している。台車はボルスタレス式のFU38D/FU38Tである。

運用

主に宮津線の西舞鶴 - 豊岡間で使用され、全線を通して運転されることが多いが、区間運行列車もある。また宮福線にも乗り入れ、宮津線内から福知山駅まで直通する。かつては一部列車が豊岡からJR山陰本線に乗り入れ、城崎(現・城崎温泉)まで運転されていた時期があったが、1999年10月2日のダイヤ改正で廃止された。

通常は単行でワンマン運転を行うが、通勤・通学時には2両編成、お盆やカニシーズンなどの多客期には車掌が乗務する3両編成で運行する場合もある。また、列車によってはMF100形・MF200形と連結して運転される。

所属

ラッピング車両

2008年4月1日から701号車が「乗ってみたくなるKTRトレイン・デザイン」コンペ最優秀作品に選ばれた[2]デザインをそのままラッピングされた「丹後ゆめ列車」として運行されている[3]

2010年3月19日から705号車が「丹後ゆめ列車II」として極彩色のラッピングが施された[4]

2011年12月3日から705号車のラッピングが変更され、映画『けいおん!』とのコラボレーションによる「けいおん!」ラッピング車両となった[5][6]。このラッピングは地元ボランティアの手で行われた[7]。運行区間は通常のKTR700・800と同じ(ただし、ダイヤは固定)。

2012年10月2日から2013年3月31日(後に9月28日まで延長に変更)の期間で、『宇宙戦艦ヤマト2199』とのコラボレーションによるラッピング列車が運行された[8]。KTRサポーターズクラブ及びKYOTO CMEX2012オフィシャル事業「GO-TAN」との共同企画により、株式会社プロダクション・アイジーの協力により、制作委員会とのタイアップ企画。KTR705に施された。(運行計画は事前にホームページで案内されていた)。 テンプレート:Multiple image テンプレート:-

あかまつ・あおまつ・くろまつ

2013年4月14日から運行が開始された座席定員制列車「丹後あかまつ号・丹後あおまつ号」用にKTR700形2両が内外装の改装を受けた[9](施工は大阪車輌工業)。該当車両は指定席車「あかまつ」が702、自由席車「あおまつ」が708である。デザインは九州旅客鉄道(JR九州)の観光列車などで知られる水戸岡鋭治が担当し、木材を多用した内装やサービスカウンターを設置した。両車は3月29日に搬入され[10]、4月7日に京都駅での展示を行った後、運用に就いている。

その後、2014年5月25日に運行を開始した「丹後くろまつ号」用にKTR700形1両(KTR707)が改装を受けた。デザインやモチーフは上記2車両と統一したものとなっているが、「『海の京都』の走るダイニングルーム」をコンセプトに、車内にキッチンを備え、食事の提供を前提とした車両となっている[11]

なお、「あかまつ」「くろまつ」は完全な観光型車両であるのに対し、「あおまつ」は在来車両と同様に普通列車としての運用が存在する[12]

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脚注

  1. 肘掛に引き出し式のテーブルや灰皿(固定はされていないが、喫煙は禁止)が備わるなど、外観や形状に共通点が多い。なおモケットは独自色で、カバーも新たにデザインされている。
  2. 「KTRトレイン・デザイン」コンペ最優秀作品(広報誌みやづ(平成20年4月号記載))
  3. KTR 北近畿タンゴ鉄道株式会社|『丹後ゆめ列車』 が走る! 4月1日 発車~。
  4. 北近畿タンゴ鉄道 丹後ゆめ列車Ⅱ 出発式 - 鉄道コム(2010年3月19日付)
  5. ~運行計画を掲載しました~KTR映画「けいおん!」ラッピング車両 登場! 12/3より 北近畿タンゴ鉄道 2011年11月29日
  6. 北近畿タンゴ鉄道KTR705に映画「けいおん!」ラッピング railf.jp 2011年12月13日閲覧。
  7. 「けいおん!」列車でGO KTRがラッピング 京都新聞2011年12月7日、同日閲覧。
  8. 宇宙戦艦ヤマト2199ラッピング列車北近畿タンゴ鉄道2012年10月3日、2012年11月1日閲覧。
  9. 北近畿タンゴ鉄道観光型リニューアル列車 「丹後あかまつ号・丹後あおまつ号」の運行開始等について 2012年3月22日、北近畿タンゴ鉄道公式サイトより
  10. KTR「あかまつ」・「あおまつ」が搬入される|鉄道ニュース|2013年3月30日掲載|鉄道ファン・railf.jp
  11. テンプレート:Cite web
  12. 西舞鶴‐豊岡間1本・豊岡‐宮津間1本は毎日。野田川‐西舞鶴間は丹後あおまつ号運行日(奇数日)のみ運行

外部リンク

テンプレート:北近畿タンゴ鉄道の車両