北近畿タンゴ鉄道KTR8000形気動車

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テンプレート:鉄道車両 北近畿タンゴ鉄道KTR8000形気動車(きたきんきタンゴてつどうケイティーアール8000がたきどうしゃ)とは、1996年平成8年)に富士重工業で製造された北近畿タンゴ鉄道に在籍する特急形気動車である。2両編成5本(計10両)が製造された。

概要

タンゴディスカバリー」の愛称があり、2011年3月までは主に同名の特急列車に充当されていた。

製造当初は、福知山線系統で使用されていたことから、「エーデル丹後」の後継車として西日本旅客鉄道(JR西日本)の183系電車との併結装備を持つ8000番台(2編成。8001 - 8004。併結時は被牽引でブレーキのみ協調)と併結装備を持たない8010番台(3編成。8011 - 8016)に大別される。電車との併結のため、連結器は電車と同様の密着連結器とされ、非併結仕様の8010番台も同じで、併結仕様車との連結も可能であるが、北近畿タンゴ鉄道に所属する他系列車との連結は不可能である。

また、奇数番号車(Mc1) と偶数番号車(Mc2) の2両でユニットを組み、Mc1には運転室直後に側面に大窓を持つ展望室、Mc2には後位にトイレと洗面所を持つ。座席はリクライニングシートで、定員はMc1が51人、Mc2が49人、1ユニットあたりの定員は100人で、シートピッチは1,050mmと広く取られている。複数ユニットを併結するため、前頭部は貫通構造となっているが、は通常両開き式のプラグドアによって隠されており、連結時のみ引き出して使用される。

駆動用ディーゼルエンジンは、KTR001形気動車と同様に、小松製作所製SA6D125系エンジン(330PS/2,000rpm)を各車に2基ずつ搭載しており、最高速度は120km/hである。

警笛はAW-2型空気笛が装備されている。車内チャイム北海道旅客鉄道(JR北海道)の特急列車と同様のものである。編成によっては東日本旅客鉄道(JR東日本)の特急列車と同様の春の歌が搭載されているものもあるが、鳴らされる機会は少ない。

転落防止幌順次設置工事行う。

運用

2014年3月15日のダイヤ改正からは、次の列車で運用されている。

1996年の登場時は、福知山線系統の特急「タンゴディスカバリー」として新大阪駅 - 久美浜駅間で運行され、新大阪駅 - 福知山駅間は特急「北近畿」の最後尾にニュートラルの状態で連結して牽引され、北近畿タンゴ鉄道線内は自走する、というパターンが続けられた。また、「タンゴレインボー」という社線内急行列車も運行が開始され、本形式の非併結仕様車が充当されたが、1999年10月2日のダイヤ改正をもって、同列車は廃止された。

1999年(平成11年)10月2日の舞鶴線電化開業にともなって実施されたダイヤ改正では、京都発着系統の「タンゴエクスプローラー」との間で運転系統と使用車両(列車愛称)が入れ換えられ、KTR001形気動車が福知山線経由となった特急「タンゴエクスプローラー」として新大阪駅 - 久美浜駅間を単独で走るようになり、「タンゴディスカバリー」は京都始発、山陰本線経由の列車になるとともに、本形式の前面貫通構造を活かして、東舞鶴駅発着系統との分割併合運用を行なうようになった。

2005年(平成17年)のJR福知山線脱線事故により、対策として設置されたATS-Pを、当時「タンゴエクスプローラー」で運用されていたKTR001形気動車は非搭載だったため、暫定的にATS-P・ATS-SW両方を搭載した本形式を使用して運行することになり、特急「タンゴエクスプローラー」(車輌側面に列車名をマグネットシール貼付にて表示)として再度福知山線経由の列車に使用されていたが、2007年(平成19年)3月18日に行われたダイヤ改正で所定の車種に戻された。またこの改正で、デッキに設置されていた灰皿が撤去され、全面禁煙となった。

2011年3月13日のダイヤ改正で、列車名としての「タンゴディスカバリー」の愛称は廃止され、同ダイヤ改正以降は車両はそのままに「まいづる」「はしだて」で運用されている[1]。同時に、2011年3月から北近畿タンゴ鉄道線内運転の連絡特急「たんごリレー」にも使用されている[2]

2012年10月20日 「ジオパークディスカバリー運行実行委員会」により企画された特別列車「ジオパークディスカバリー」として、天橋立駅 → 鳥取駅間(久美浜駅 → 城崎温泉駅は回送扱い)を運行。

脚注

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外部リンク

テンプレート:北近畿タンゴ鉄道の車両

  1. テンプレート:PDFlink - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2010年12月17日
  2. KTR線内特急列車の愛称名決定」 - 北近畿タンゴ鉄道公式サイト 2010年12月20日