四人将棋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
(4人将棋から転送)
四人将棋(よにんしょうぎ)とは、将棋盤と将棋の駒を使って四人で遊ぶボードゲームの一種である。
ルール
- 盤は将棋と同じ、縦横9マス、計81マスを使う。
- 最初にある1人分の駒は玉将(玉、王)1枚、飛車(飛)1枚、金将(金)2枚、銀将(銀)2枚、歩兵(歩)3枚の五種類、計9枚で、本将棋で使われる桂馬、香車、角行が省かれる。駒の動かし方は本将棋と同じで、王と金以外は対面の陣地三段目以内(敵陣)に進むと「成駒」にできる。
- 初期状態では図1のように駒を配置する。玉将と飛車が4枚、金将と銀将が8枚ずつ必要なため、一般の将棋の駒を利用する場合は2セット必要となる。
- 手番は時計回りに移る。ただし、王手がかかった場合は、王手をかけられた人に手番が移る。
- 一回の指し手で複数の相手に同時に王手をかけることが出来る。2人に同時に王手をかけることを双王手、3人に同時に王手をかけることを三王手という。双王手・三王手の場合は、王手された対局者の中で指し手から時計回りに見て近い人から指す。
- 自分の駒を動かすとき、移動先に他の人の駒があればその駒を捕獲し、自らの持ち駒にできる。持ち駒は自分の手番に、一つ盤上に置ける。
- 詰みになったら負けとなり、玉将を裏返す。この裏返しの玉将を裏王といい、誰も動かせない障害物として盤上に残る。他の駒は、これを避けて動かなければならない。また、詰まされた対局者の持ち駒は詰ました者の持ち駒となる。
- 将棋と同様、二歩、打ち歩詰め、行き所のない駒(例えば、歩を敵陣の最後列に打つこと)は禁止。
- ゲームはシングルとダブルスがあり、シングルは4人全員が敵同士で最後まで詰まされなかった対局者が優勝となる。ダブルスの場合は向かい合った人同士でペアを組み、どちらか一人が詰まされた時点で試合終了。ダブルスの場合はペアの相手に王手をすることはできない。
歴史
四人将棋は1993年に島根県平田市(現出雲市)の太田満保市長(当時)が考案した。
現在は四人将棋のルール、戦法などをまとめた本である『四人将棋入門』が発売され、将棋会館の売店でも四人将棋セットが発売された。
また、スーパーファミコンソフト『四人将棋』も発売されている。 このゲームソフトのルールでは、前記のルール“シングルは4人全員が敵で最後まで詰まされなかった人が勝ち。”ではなく、2人が詰まされた時点で終了となる。
- この場合、最初に詰まされた人が最下位、2番目に詰まされた人が3位、など下位2人は極めて単純に決定される。 残った2人の内、1人が下位2人を詰ませていれば1位、2人が それぞれ1人ずつ詰ませていれば盤上および駒台の持ち駒(大駒・小駒に関係なく)全ての枚数が多い方が上位(:1位)となる。(必ずしも、1番最初に誰かを詰ませた人が1位になるとは限らない。) 詰まされた1人とタイム・アップで1人(別々に)敗退した2人が出た場合は、詰ませた1人が上位となる。 また、2人がタイム・アップで敗退したり、詰ませた1人がタイム・アップで自滅(詰まされた人=最下位、タイム・アップの人=3位)、などの場合は前述“残った2人の総持ち駒”のルールに準ずる。
- 最近では、試合の高速化をはかるため、このルールも採用される事がある。
その他
なお、これとは別に1991年の週刊少年ジャンプに掲載された漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(コミックス第73巻収録第6話)に、四人将棋をするシーンが出てくる。指しているのは、両津、中川、麗子、寺井である。駒の初期配置は通常の四人将棋とは異なり、図2のようになっていた。この初期配置では、2八銀(角取り)などのように初手から駒を取ることができるし、7七角と初手から王手をかけることもできる。