角行(かくぎょう)は、将棋の駒の種類の一つ。本将棋・小将棋・中将棋・大将棋・天竺大将棋・大大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋・大局将棋に存在する。
概要
鎌倉期に大将棋において考案された駒で、角行が成ると(一部の古将棋を除き)竜馬となる。
本将棋では飛車と並ぶ広い利きを持つ大駒であり、攻撃、防御の両面で力を発揮する。それだけ個性的な駒であるため、角に対する格言は多い。主なものとして以下の格言がある。
- 遠見の角に好手あり(遠見とは離して打つことで、そういう角の打ち方や動かし方に好手が多いという格言。同時に、飛車と比較して、相手の筋を見落としやすいという特徴も表している)
- 序盤は飛車より角(序盤は飛車を動かすより、角を操る方が戦局を優位に進められるという格言)
- 角筋受けにくし(飛車筋は歩を打つなどして簡単に止められる一方、角筋は守りの駒の連携が薄いため、止めにくいという格言)
- 龍は敵陣に馬は自陣に(馬は自陣に置いた方が守りの力を発揮するという意味のほか、敵陣からも自陣の守りに利くようにするのが良いという意味も持っている)
本将棋
角と略す。成駒の竜馬は飛車の成駒の竜王と区別するため馬と略す。
俗に、斜め後ろに動ける共通点から、角行と銀将を総称して「斜め駒」と呼ばれる。
元の駒
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動き
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成駒
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動き
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角行(かくぎょう)
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斜めに何マスでも動ける。飛び越えては行けない。
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竜馬(りゅうま、りゅうめ)
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斜めに何マスでも動け、縦横に1マス動ける。飛び越えては行けない。
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小将棋・中将棋・大将棋・天竺大将棋・大局将棋
中将棋では角と略す。猛豹の成駒。成ると龍馬。猛豹の成駒としての角行は小角(ちょろかく)とも呼ばれる。
元の駒
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動き
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成駒
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動き
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角行(かくぎょう)
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斜めに何マスでも動ける。飛び越えては行けない。
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龍馬(りゅうま、りゅうめ)
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斜めに何マスでも動け、縦横に1マス動ける。飛び越えては行けない。
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大大将棋
成ることはできない。
元の駒
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動き
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成駒
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動き
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角行(かくぎょう)
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斜めに何マスでも動ける。飛び越えては行けない。
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摩訶大大将棋・泰将棋
平安大将棋の飛龍と同じ性質の駒である。成ると金将になるのも同じである。
元の駒
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動き
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成駒
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動き
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角行(かくぎょう)
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斜めに何マスでも動ける。飛び越えては行けない。
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金将(きんしょう)
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縦横と斜め前に1マス動ける。
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関連項目
参考文献
テンプレート:本将棋の駒
テンプレート:中将棋の駒
テンプレート:大将棋の駒
テンプレート:大局将棋の駒
テンプレート:将棋