選手強化キャンペーン
選手強化キャンペーン(せんしゅきょうかキャンペーン)は、日本オリンピック委員会(JOC)が加盟団体の肖像権を一括して管理し、JOCが指定したオフィシャルスポンサー企業にだけ代理店(現状では電通)を介してコマーシャル出演を認め、スポンサー企業は協賛金をJOCに支払って選手の強化資金に活用するというシステムである。以前は「がんばれ!ニッポン!キャンペーン」といっていた(ただし、現在でも「がんばれ!ニッポン!」というフレーズ自体は使用している)。
経緯
1979年(モスクワオリンピックの前年)から4年ごとにスポンサー企業を更新して行っているが、それまではJOC協賛企業にだけしか出演できなかったスポーツ選手のCM出演が、その後、幾分改正され、「自社プログラム出演選手」(現在所属している企業へのCM出演)、及び「特別強化指定選手」(現在所属している企業、並びにJOCオフィシャルスポンサーとなっている企業が、所属している業種と重複しない範囲内でJOC協賛外の企業にも出演できる制度)のカテゴリーが設けられた。また、JOCの協賛企業の枠組みにとらわれず自由にCM出演することができる「強化指定対象除外選手」(事実上のプロ契約選手)も認められている。ただし、強化指定対象除外選手となる場合はJOCから加盟競技団体への強化費用の提供が幾分減額される。
これらの制度改革により、塚原直也(体操・朝日生命保険)、井上康生(柔道・綜合警備保障)らが「自社プログラム出演選手」、谷亮子(柔道)、北島康介(競泳)らが「特別強化指定選手」として、また、高橋尚子、有森裕子(いずれも陸上競技・マラソン)らも「強化指定対象除外選手」としてCMにほぼ自由な形で出演できるようになった。
JOCシンボルアスリート制度
2005年度から始まったCM出演制度。肖像権はJOCが管理した上で、JOCのスポンサー企業のCMに優先的に出演できるようにして(スポンサー企業以外のCM出演も可)、JOCから協力金(年間1000~2000万円程度)としてギャラを支払っている。
契約期間は原則1年間である。
シンボルアスリート制度を適用する選手
2013-2016年度
計9人1チーム [1]
- 伊藤みき(スキー/フリースタイル)
- 加藤条治(スケート/スピードスケート)
- 小平奈緒(スケート/スピードスケート)
- 高橋大輔(スケート/フィギュアスケート)
- 羽生結弦(スケート/フィギュアスケート)
- 入江陵介(水泳/競泳)
- 内村航平(体操/体操競技)
- 吉田沙保里(レスリング)
- 福原愛(卓球)
2012年度
計13人1チーム [2]
- 内村航平(体操競技)
- 田中理恵(体操競技)
- 吉田沙保里(レスリング)
- 浜口京子(レスリング)
- 福原愛(卓球)
- 太田雄貴(フェンシング)
- 入江陵介(競泳)
- 古賀淳也(競泳)
- 穴井隆将(柔道)
- 中村美里(柔道)
- 潮田玲子(バドミントン)
- 高橋大輔(フィギュアスケート)
- 浅田真央(フィギュアスケート)
- ホッケー女子日本代表(ホッケー)
2011年度
計12人1チーム
- 内村航平(体操競技)
- 吉田沙保里(レスリング)
- 浜口京子(レスリング)
- 福原愛(卓球)
- 太田雄貴(フェンシング)
- 入江陵介(競泳)
- 古賀淳也(競泳)
- 穴井隆将(柔道)
- 塚原直貴(陸上)
- 潮田玲子(バドミントン)
- 高橋大輔(フィギュアスケート)
- 浅田真央(フィギュアスケート)
- ホッケー女子日本代表(ホッケー)
2010年度
計10人
- 入江陵介(競泳)
- 古賀淳也(競泳)
- 内村航平(体操競技)
- 吉田沙保里(レスリング)
- 浜口京子(レスリング)
- 福原愛(卓球)
- 太田雄貴(フェンシング)
- 内柴正人(柔道)
- 高橋大輔(フィギュアスケート)
- 浅田真央(フィギュアスケート)
2009年度
計12人
- 上村愛子(フリースタイルスキー)
- 皆川賢太郎(アルペンスキー)
- 高橋大輔(フィギュアスケート)
- 浅田真央(フィギュアスケート)
- 加藤条治(スピードスケート)
- 長島圭一郎(スピードスケート)
- 内村航平(体操競技)
- 吉田沙保里(レスリング)
- 浜口京子(レスリング)
- 福原愛(卓球)
- 内柴正人(柔道)
- 太田雄貴(フェンシング)
2008年度
計12人
- 末續慎吾(陸上競技)
- 柴田亜衣(水泳)
- 冨田洋之(体操)
- 浜口京子(レスリング)
- 吉田沙保里(レスリング)
- 福原愛(卓球)
- 井上康生(柔道)
- 谷亮子(柔道)
- 小椋久美子(バドミントン)
- 潮田玲子(バドミントン)
- 岡崎朋美(スピードスケート)
- 高橋大輔(フィギュアスケート)
2007年度
計9人
- 井上康生(柔道 綜合警備保障)
- 谷亮子 (柔道 トヨタ自動車)
- 福原愛 (卓球 ANA)
- 浜口京子(アマチュアレスリング ジャパンビバレッジ)
- 末續慎吾(陸上競技 ミズノ)
- 冨田洋之 (体操)
- 柴田亜衣(競泳 チームアリーナ)
- 高橋大輔(フィギュアスケート)
- 岡崎朋美(スピードスケート 富士急行)
2005年度
計11人
- 室伏広治(陸上競技・ハンマー投 ミズノ)
- 末續慎吾(陸上競技・短距離 ミズノ)
- 井上康生(柔道 綜合警備保障)
- 谷亮子 (柔道 トヨタ自動車)
- 浜口京子(アマチュアレスリング ジャパンビバレッジ)
- 福原愛 (卓球 ミキハウス)
- 葛西紀明(スキージャンプ 土屋ホーム)
- 荒川静香(フィギュアスケート プリンスホテル)
- 村主章枝(フィギュアスケート avex)
- 安藤美姫(フィギュアスケート トヨタ自動車※中京大学在学中)
- 岡崎朋美(スピードスケート 富士急行)
メリットとデメリット
このシンボルアスリート制度は、今までマイナーと呼ばれていたスポーツの知名度が上がる反面、オリンピックの代表選考に大きな影響を及ぼすため、しばしば問題になっている。
JOCオフィシャルスポンサー(2013-2016)
ワールドワイドパートナー2013〜
- コカ・コーラ(日本コカ・コーラ)
- アトス(旧アトスオリジン)
- ダウ・ケミカル(ダウ・ケミカル日本)
- ゼネラル・エレクトリック(GE、日本ゼネラル・エレクトリック)
- マクドナルド(日本マクドナルド)
- オメガ(オメガ・ジャパン)
- Panasonic
- P&G(プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン) - 2012年度より新規参加。
- サムスン(日本サムスン)
- Visa((財)[partner 1]VISAジャパン協会)
JOCゴールドパートナー
- アサヒビール
- NTTドコモ
- 東京海上ホールディングス(2012年度まで)
- →東京海上日動(2013年度から)
- トヨタ自動車
- 日本生命保険
- 味の素KK
- GREE(グリー) - 2013年度から[partner 2]
JOCオフィシャルパートナー
- ミズノ(MIZUNO)
- デサント(DESCENTE)
- アシックス(asics)
- エクセルヒューマン (EH株式会社)[partner 3] 会社HP
- 丸大食品
- 日本航空(JAL/JAPAN AIRLINES)
- 全日本空輸(ANA)
- ロッテ(LOTTE)
- 日清オイリオグループ(日清オイリオ)
- ヤマトホールディングス(ヤマト運輸)
- 全農
- コナミスポーツ&ライフ(KONAMI)
- バスクリン(BATHCLIN)- 2011年度から
- meiji 明治 - 2012年ロンドン五輪後に一時撤退、翌年度より復帰。
- ドーム - 2013年度から
- ニューバランスジャパン - 2013年度から
- 味の素冷凍食品 - 2013年度から
- エアウィーヴ - 2013年度から
- デロイト トーマツ コンサルティング - 2013年度から
うち、ワールドワイドパートナー各社は国際パラリンピック委員会(IPC)の、トヨタ自動車と日本航空は日本パラリンピック委員会(JPC)のオフィシャルパートナーでもある。
JOC公式代理店
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脚注
- ↑ 現在は近年の制度改定により一般法人化した。
- ↑ 2020年五輪招致活動スポンサーからの選抜。
- ↑ 当該では和装着物部門での関与。主力事業である同部門では北島三郎など演歌・歌謡曲歌手等へ衣装提供の実績もある。
外部リンク