西原町
テンプレート:Infobox 西原町(にしはらちょう)は沖縄本島の中部を占める中頭郡の町。那覇市の北東約10kmほどの位置にある。
目次
概要
沖縄方言でニシは「北」を意味する言葉であり、西原とは琉球王国の中心であった首里の北に位置することに由来する。西原間切と呼ばれていたときには、現在の那覇市泊、天久、末吉、石嶺も当間切に含まれており、かなり広い範囲を占めていたが、後に那覇市に編入され、1920年にはほぼ現在のような領域となった。
1944年5月より、日本軍によって湾岸の埋立地に「沖縄東飛行場(小那覇飛行場)」の建設が開始されたが、建設途中で放棄。その後米軍により接収され、西原飛行場として使用されたが後に返還され、現在は石油精製工場、住宅地、サトウキビ畑などになっている。そのため、町内には米軍施設は存在しない。 なお、沖縄戦では住民の半数が亡くなったと言われている。
戦前は稲作が中心だったが、戦後は、サトウキビ産業などが発達し、サトウキビの名産地となり、以前は新中糖産業が保有する県中南部で最大規模の製糖工場があった(現在は解体され跡地にサンエー西原シティが営業している)。
町内には県内唯一の国立大学である琉球大学を初め、私立である沖縄キリスト教学院大学、沖縄キリスト教短期大学の3つの大学が立地し、町では「文教のまち」としている。
また、与那原町との跨る部分においては中城湾港マリンタウンプロジェクトが実行されており、新たな土地開発が進んでいる。
かつて西原町、宜野湾市、中城村との合併計画があり協議会が設立されていたが、2003年に白紙となっている。
地理
沖縄本島中部の東海岸に位置する。
字一覧
- 東崎(あがりさき)
- 安室(あむろ)
- 池田(いけだ)
- 上原(うえはら) 琉球大学医学部附属病院の所在地。かつて松林であった
- 内間(うちま)
- 翁長(おなが) かつては間切番所がおかれていた。
- 小那覇(おなは)
- 掛保久(かけぼく)
- 我謝(がじゃ)
- 嘉手苅(かでかる)
- 兼久(かねく)
- 幸地(こうち)
- 小橋川(こばしがわ)
- 小波津(こはつ)
- 呉屋(ごや)
- 千原(せんばる) 1933年に棚原から分立
- 棚原(たなばる) 1737年に浦添間切(現:浦添市)より編入
- 津花波(つはなは)
- 桃原(とうばる)
- 徳佐田(とくさだ) 元々棚原の一部だったが1932年に分立
- 森川(もりかわ)
- 与那城(よなぐすく)
隣接する自治体
- 那覇市(1954年8月までは首里市)
- 浦添市(1970年6月までは浦添村)
- 宜野湾市(1962年6月までは宜野湾村)
- 南風原町(1980年3月まで南風原村)
- 与那原町(1949年3月まで大里村)
- 中城村
人口
歴史
17世紀初めの「琉球国高究帳」によると西原間切は津堅など、今より広い範囲に及んでいた。
- 1896年4月1日 郡区制により、西原間切は中頭方からそのまま中頭郡へ編入した(中頭郡はもともと中頭方)。
- 1906年10月1日 西原間切平良村・石嶺村の一部が首里区(現那覇市)に編入。
- 1908年4月1日 島嶼町村制により、西原間切は西原村となる。
- 1920年 石嶺・末吉の集落が首里区(現那覇市)に編入。ほぼ、現在のような領域となった。
- 1929年~1932年 9つの字が新設。
- 1944年5月10日 沖縄東飛行場の建設が開始(後に途中放棄)。
- 1945年6月 沖縄戦により住民の約半数が死亡。沖縄東飛行場用地が米軍により接収。西原飛行場として建設される。
- 1959年 米軍西原飛行場が返還される。
- 1975年4月1日 那覇市境に近い一部の区域が那覇市に編入。
- 1979年4月1日 町制施行、西原町となる。
- 1979年 琉球大学が那覇市首里から移転(後に附属病院が那覇市与儀から移転、また新たに附属小学校と中学校が新設される)。
- 1987年10月8日 沖縄自動車道(石川-那覇間)が開通。
- 1989年 沖縄キリスト教短期大学が那覇市首里から移転。
- 2000年6月28日 那覇空港自動車道(南風原道路)が開通、同自動車道と沖縄自動車道の許田方面を接続する西原JCTが新設された(沖縄県内で高速道路どうしのジャンクション(JCT)は初めて)。
- 2003年10月1日 町内では最大店舗となるサンエー西原シティが開店。
- 2007年4月28日 西原マリンパーク(海浜公園)が開園。
行政
全国規模で見ても珍しいすぐやる課を設置している。
西原町議会
経済
西原町に本社を置く企業
- 石川酒造場
- 金秀グループ
- 新中糖産業株式会社(かつての社名は中部製糖で製糖業務を行っていたが、現在は豊見城市の翔南製糖へ移譲)
- オキコ株式会社(沖縄最大手の製パン会社。麺類も製造している。)
- 南西石油株式会社(2005年~2008年度県内売上高1位。ブラジル国営企業・ペトロブラス社傘下)
教育
大学・短期大学
- 国立大学法人琉球大学
- 私立沖縄キリスト教学院大学・沖縄キリスト教短期大学
高等学校
中学校
- 西原町立西原中学校
- 西原町立西原東中学校
- 国立大学法人琉球大学教育学部附属中学校
小学校
特別支援学校
交通
鉄軌道
西原町内には鉄道路線は運行されておらず、本町への最寄り駅は隣の那覇市内にある沖縄都市モノレール線の首里駅(しゅりえき)である。この駅より、本町行きの路線バスに乗り換えることができる。以前は、県道29号線に沿って本町まで延長する案もあったが、現在はなくなっている。なお、現在の延長案である浦添ルートでは、終点駅よりさらに本町へ伸びる可能性もある。
戦前は、与那原と泡瀬を結ぶ馬車鉄道(沖縄軌道)が町内を経由していた。しかし、沖縄戦で破壊され、現在ではその面影を見ることはできない。
バス
西原町内を主に運行するバス会社は、那覇バスと東陽バスである。町内の起終点地としては那覇バス西原営業所と琉大駐車場(琉球大学北口)、西原マリンパーク前があり、そこを起終点とする路線がいくつか運行している。また、那覇市の那覇バスターミナル、南城市の東陽バス馬天営業所から泡瀬方面へ行く路線の経由地ともなっており、国道329号を運行している。沖縄自動車道を通る高速バスもあり、町内には「幸地」バス停が設けられている。
本町内には沖縄都市モノレール線は運行されていないため、町内へのアクセスは主に路線バスを使うことになる。路線バスは主に那覇バスターミナルを中心に運行されているが、沖縄都市モノレール線とバスとの乗り換えが可能な駅もある。最も本町に近い首里駅からは、46番が運行されている。
33番と46番はもともとは那覇バスターミナルを境に別路線(33番・糸満(豊見城)線、46番・西原(首里)線であったが、1988年に統合され33番・糸満西原線になった。当初は33番の一路線のみで首里(山川)経由と末吉経由の両方を運行していたが、路線を明確化するために首里経由が46番になり、さらに経由地も鳥堀経由に変更された。2004年に当時の那覇交通から那覇バスに営業譲渡する際には一時33番が廃止されたが、2ヵ月後に復活した。また一時期、102番・西原普天間線という路線があったが、こちらも2004年の那覇バスへの営業譲渡の際に廃止された(この路線はかつては空港子供の国線→空港普天間線だったが、最後は西原まで短縮され廃止となった)。
なお、2008年9月1日 - 11月29日の間、西原町乗合タクシー・バス実証実験が行われた。県内他市(那覇市、沖縄市など)で行われた実証実験とは異なり、一般の路線バス車両ではなくジャンボタクシーを使用していた。また、朝のラッシュ時は小型バスも運行していた。経路は、西原マリンパークを起点として、西原町役場、小波津団地、池田地区を経由し、首里駅に至るものとなっていた。現在は運行されていない。
- 那覇方面より、国道329号を経由し泡瀬方面に向かう路線
- 30番・泡瀬東線 (東陽バス)
- 西原営業所発着路線
- 33番・糸満西原(末吉)線 (那覇バス)
- 46番・糸満西原(鳥堀)線 (那覇バス) 首里駅で乗換えが可能
- 那覇方面より、琉大東口を経由し普天間方面に向かう路線
- 沖縄都市モノレール線と乗り換える場合は、儀保駅を利用。
- 25番・普天間空港(中城)線 (那覇バス) 本町内を経由するのは中城経由のみで本線は経由しない。平日1日1本のみ。
- 琉大駐車場発着路線
- 97番・琉大(首里)線 (那覇バス)
- 98番・琉大(バイパス)線 (琉球バス交通)
- 南城市方面より、国道329号、琉球大学を経由し泡瀬方面に向かう路線
- 58番・馬天琉大泡瀬線 (東陽バス)
- 那覇方面より、沖縄自動車道を経由し中・北部方面に向かう路線
- 111番・高速バス (琉球バス交通・沖縄バス・那覇バス・東陽バス)
- 113番・具志川空港線 (琉球バス交通)
- 123番・石川空港線 (琉球バス交通)
- 127番・屋慶名(高速)線 (沖縄バス)
- 西原マリンパーク前発着路線
- 59番・那覇マリンタウン線(東陽バス) 1日1本のみ。
道路
- (西原インターチェンジは町内ではなく、町に隣接している浦添市西原にある。接続する国道330号西原バイパスも町内を通らず浦添市西原を通っている)
- 那覇空港自動車道(国道506号・南風原道路)
- 国道329号
- 沖縄県道29号那覇北中城線(主要地方道)
- 沖縄県道38号浦添西原線(主要地方道)※床屋がおおいため、「サンパチ通り」の愛称でも親しまれている
- 沖縄県道77号糸満与那原線(主要地方道)
- 沖縄県道34号宜野湾西原線
- 沖縄県道155号線
- 沖縄県道241号宜野湾南風原線
郵便
郵便番号
かつて町内の郵便は西原郵便局が受け持っていたが、2006年9月より浦添市を管轄している浦添郵便局が受け持つようになった。郵便番号は以下の通りとなっている。
- 浦添郵便局:903-01xx(一般)、903-02xx(大口事業者用)
郵便局
- 西原我謝郵便局
- 西原坂田郵便局
- 西原郵便局
消防
南風原町にある東部消防署が西原町、南風原町、与那原町の3町を管轄している。西原町には東部消防署西原出張所(字翁長282)が設置されている。
警察
浦添市にある浦添警察署が管轄している。また、町内に2ヶ所交番が設置されている。
- 小那覇交番(西原町字嘉手苅)
- 坂田交番(西原町字棚原)