草津 (列車)
草津(くさつ)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)が主に上野駅 - 万座・鹿沢口駅間を東北本線・高崎線・上越線・吾妻線経由で運行する特急列車である。
本項では、吾妻線で運転されていた優等列車の沿革についても記述する。
概要
東京都から、群馬県吾妻郡草津町にある草津温泉へのアクセスとして、1960年6月に臨時準急列車として、上野駅 - 長野原駅(現在の長野原草津口駅)間で運転を開始。
1962年6月に定期列車となり、1966年に急行列車になった。1985年3月に特急列車化されている。列車名は、草津温泉が由来となっている。
運行概況
現在は全区間・全列車7両編成で運転している。
土休日の31号・32号を除く列車は2010年12月4日のダイヤ改正で「水上」の定期運転が廃止されるまでは上野駅 - 新前橋駅間で特急「水上」と併結した14両編成で運転されており、その後も上野駅 - 新前橋駅間で14両編成による運行が行われ、いずれの場合も新前橋駅で増解結が行われていた。2012年3月17日のダイヤ改正で「草津」の14両編成の運用が廃止された。
なお、分岐点である渋川駅ではなく新前橋駅で「水上」号との増解結を実施する理由は、作業要員の合理的な配置を行うためである[1]。(新前橋駅には高崎車両センターが併設されている為、作業員が常駐している。)
過去には全車指定席の臨時列車「草津白根」が運転されたことがあった。末期には年間を通じて土曜休日のみ定期的に運行していた(最繁忙期には、これに平日の運転を追加する形態であった)。
停車駅
上野駅 - 赤羽駅 - 浦和駅 - 大宮駅 - (上尾駅) - 熊谷駅 - 〔深谷駅〕 - 〔本庄駅〕 - 高崎駅 - 新前橋駅 - 渋川駅 - 中之条駅 - 〔群馬原町駅〕 - 川原湯温泉駅 - 長野原草津口駅 - 万座・鹿沢口駅
- ( )は毎日運転の1 - 4号は通過[2]、〔〕は毎日運転の1 - 4号は停車するが土休日運転の31,32号は通過
- かつては、桶川駅、鴻巣駅、新町駅、小野上温泉駅に停車していた列車があったが、現在は全列車が通過となる。ただし、臨時列車の一部は桶川駅に停車するものもある。
使用車両・編成
「草津」
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定期列車では651系1000番台が使用されている。2014年3月15日のダイヤ改正前は185系200番台が使用されていた。このほか臨時列車は、183系1000番台を使用し、普通車のみの6両編成で運転されている。なお、185系を使用していた2013年3月16日のダイヤ改正により、グリーン車の位置が6号車から4号車に変更されていた。
担当車掌区
競合交通機関
草津温泉にはJRバスの草津温泉駅があり、列車到着後にJRバス関東志賀草津高原線のバスが草津温泉まで運転されている。国鉄バス時代から「草津温泉ゆき」の鉄道・バス通し乗車券を持って、この列車に多くの乗客が利用していたが、現在連絡運輸は廃止されている。JRバス関東も現在では、新宿 - 草津温泉駅間に「上州ゆめぐり号」の高速バスを運行している。 テンプレート:-
沿革
- 1960年(昭和35年)6月1日:臨時準急列車として「草津」が上野駅 - 長野原駅(現在の長野原草津口駅)間で運転開始。
- 1961年(昭和36年)10月1日:名称をひらがな書きの「くさつ」に変更し、毎日運転になる。また、臨時列車として気動車準急列車の「上越いで湯」「草津いで湯」が運行される。
- 1962年(昭和37年)
- 6月10日:「くさつ」が定期列車化され、「草津」に名称を変更。気動車で運転されるようになる。
- 7月:ダイヤ改正により2往復は「草津」、1往復は「草津いでゆ」の3往復体制になる。
- 1966年:「草津」が急行列車化。
- 1967年:長野原線の電化により「草津」「草津いで湯」を電車化し、長野原線の急行列車を「草津」に統一。この改正から165系電車に車種変更。定期・不定期列車を含めて6往復で、定期列車の1往復は長野原線内は普通列車として運転。
- 1971年(昭和46年)
- 3月7日:長野原 - 大前間の延伸開業により、路線名を「吾妻線」に改称。「草津」の運行区間を万座・鹿沢口駅まで延長。毎日運転の定期列車は1日5往復、うち1往復(上り一番列車と下り最終列車)は吾妻線内を快速列車とした。
- 4月20日:吾妻線初の特急列車として、臨時特急「白根」が157系電車により運転開始。
- 1975年(昭和50年)12月:「白根」の使用車種を183系電車に変更。
- 1982年(昭和57年)3月:新前橋電車区に新製配置された185系電車が「草津」の一部で運用を開始する。
- 1982年(昭和57年)11月15日:ダイヤ改正により「白根」が「草津」の一部を吸収し定期列車化。「急行草津」1往復、「特急白根」4往復体制となる(朝の上り「白根2号」と夜の下り「白根7号」は吾妻線内快速列車)。「急行草津」は165系電車、「特急白根」は185系電車での運行となった。
- 1985年(昭和60年)3月14日:「急行草津」、「特急白根」をエル特急「新特急草津」に統一され、草津号の定期列車の車種も185系電車に統一された。
- 「新特急草津」は4往復体制、上り2号と下り7号は吾妻線内快速列車。
- 1988年(昭和63年):草津7号、吾妻線内が普通列車化される。
- 1989年(平成元年):「新特急草津」7号が長野原草津口駅止まりとなる(吾妻線内は普通列車とし、行楽シーズンや年末年始などの多客期は、長野原草津口駅 - 万座・鹿沢口駅間を臨時普通列車として延長運転)。
- 1992年(平成4年):小野上温泉駅開業により、同年以降は温泉・イベントシーズン時に小野上温泉駅に臨時停車するようになる。
- 1997年(平成9年):万座・鹿沢口駅までの臨時普通列車運用が消滅。
- 1998年(平成10年):臨時列車の一部に183・189系電車による列車が運行される。名称として、「リゾート草津」などが挙げられる。
- 2002年(平成14年):エル特急、新特急の名称廃止。特急「草津」となる。
- 2005年(平成17年)10月 - 11月:新宿駅発着の「四万草津号」が運転される。
- 2005年(平成17年)12月10日:「草津白根」が土曜・休日運転の定期列車になる。
- 2006年(平成18年):草津7号が全区間特急扱いとなり、長野原草津口止まりとなる。
- 2007年(平成19年)3月18日:ダイヤ改正により、次のように変更。
- 早朝上りの2号(万座・鹿沢口発6:59、吾妻線内快速列車)と夜の最終下り7号(上野発17:00)の廃止により3往復体制となる。これにより「あかぎ」との併結が解消。
- また、「草津白根」が「草津」に統合されて廃止。
- 全車両禁煙化
- 2007年(平成19年)11月:新宿駅発着の「あがつま草津」が運転される。
- 2010年(平成20年) 9月、吾妻線の優等列車名「草津」が登場以来50周年を迎えた。
- 大宮総合車両センター所属の185系電車OM03編成が80系電車を模した黄かん色と緑2号を使った「湘南色」に塗り替えられ、運用に就いた(車両は「あかぎ号」「水上号」と共通運用のため、両列車でも見られた)。
- 2011年(平成23年)7月-9月:リゾートやまどり使用による新宿駅発着の「リゾート草津」が運転される。
- 2012年(平成24年)3月17日:ダイヤ改正で下り1号(上野発7:20)、上り6号(万座・鹿沢口発16:24)が廃止となり、毎日運転の列車は2往復(土休日のみ3往復)となる。また、新前橋駅以南での14両編成による運行が廃止となり、全列車・全区間7両編成での運行となる。
- 2014年(平成26年)3月15日:ダイヤ改正で使用車種が651系に置き換えられる。
- 列車名の由来
- 「白根」:草津温泉が麓にあたる草津白根山に由来する。