福崎町
テンプレート:Infobox 福崎町(ふくさきちょう)は、兵庫県の南西部、播磨(中播磨)に位置する町である。面積は45.82km²で、東西は10.1km、南北は11.5km。町章は、カタカナの「ク」を二つ組み合わせて「フク」とし図案化したもの(1957年7月制定)。町花はサルビア、町木はクロガネモチ(共に1972年12月に制定)。
目次
概要
兵庫県神崎郡の南側に位置する町であり、1956年5月3日に田原村・八千種村・旧福崎町の1町2村の合併により成立し、中国自動車道・播但連絡道路・国道312号・JR播但線福崎駅が通っており、交通の要衝となっている。また、柳田國男の出身地であり、町の中央部に市川が流れている。由来は「福崎新」と「福田」と「山崎」から一文字を取っているため、合成地名でもある。[1] [2]
地理
姫路市の北(中播磨北部)に位置する内陸の町である。
市川の中流部とその支流である七種川流域を占めている。周囲を低山と丘陵に囲まれた小盆地。北西端にある七種山(683m)は七種の滝、つなぎ岩などの奇勝がある。町の東部には溜池が多く見られる。最も大きいものは姫路市にまたがる西光寺長池で面積26.0ha。
国土地理院地理情報によると福崎町の東西南北それぞれの端は以下の位置で、東西の長さは10.1km、南北の長さは11.5kmである。
姫路市への通勤率は25.6%である(平成22年国勢調査)。
北端 テンプレート:Coord ↑ |
||
西端 テンプレート:Coord← |
中心点 テンプレート:Coord |
東端 →テンプレート:Coord |
↓ 南端 テンプレート:Coord |
テンプレート:Col-begin テンプレート:Col-break テンプレート:座標一覧 テンプレート:Col-end
人口
19,709人(平成23年(2011年)9月30日現在)
- 男:9,378
- 女:10,331
- 世帯数:7,220
- 平成22年国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、4.06%減の19,829人であり、増減率は県下41市町中26位、49行政区域中34位。
気候
歴史
- 720年頃に編纂された『播磨国風土記』で、播磨の国・神前郡(かむさきのごおり)と記された当時の神崎郡には5つの里があったと記録されており、北から、埴岡の里(現 神河町・朝来市生野町)、川辺の里(現 市川町の川東)、高岡の里(現 福崎町の川西)、的部(いくはべ)の里(現 姫路市香寺町)、多駝(ただ)の里(現 姫路市に合併された船津町・山田町、及び福崎町の川東)、陰山の里(現 姫路市豊富町)があった。
- 播磨国に属する。
- 中世 荘園田原荘が置かれた。町域内の荘園のうち代表的な田原荘は、皇室領から九条家領へと移るが、のち播磨全域を席巻した赤松氏らに押領された。高岡荘は国衙領から摂関家・九条家の所領となった。
- 991年 一条天皇の勅願寺として神積寺開創。
- 羽柴秀吉の播磨平定の際、福崎にあった堤防が破壊された。平定後は秀吉の蔵入地となった。
- 関ヶ原の戦いの後、池田輝政の姫路藩の一部となり、明治にいたる。
- 明治維新の後、廃藩置県に伴って播磨国は1872年(明治4年)に姫路県から飾磨県に、更に1877年(明治9年)には兵庫県に組み入れられた。
- 1877年(明治9年) 生野銀山への馬車道が敷設され、西田原村(当時)辻川を通る。
旧・福崎町制
- 1889年(明治22年) 4月1日 - 市制町村制施行で、福崎新・山崎・福田・馬田・高岡・田口・西治・高橋の8箇村が合併して神西郡福崎村、西田原・東田原・南田原の3箇村が合併して神東郡田原村、八千種・大貫の2箇村で神東郡八千種村となる。
- 1894年(明治27年)7月26日 - 播但鉄道が開通し、福崎村に福崎駅が置かれる。
- 1896年(明治29年) 4月1日 - 神東郡・神西郡の合併で神崎郡の所属となり、市川の東岸の田原地区に郡役所が置かれて郡の中心となった。
- 1925年(大正14年)12月1日 - 1894年(明治27年)の鉄道駅設置により徐々に地域の中心となった福崎村に町制が施行され、福崎町(川西地区)となる。
- 1956年(昭和31年)5月3日 - 田原村・八千種村・旧福崎町(川西地区)の1町2村の合併により成立、現在に至る。
福崎村制と新・福崎町制
- 1957年(昭和32年)7月10日 - 町章を制定する。[3] [4][1]
- 1969年(昭和44年)7月4日 - 交通安全の町を制定する。[1]
- 1972年(昭和47年)12月 - 町木・町鼻を制定する。[1]
- 1975年(昭和50年)12月11日 - 差別を許さない明るい町宣言をする。[1]
- 1985年(昭和60年)11月22日 - 町民憲章を制定する。[1]
- 1986年(昭和61年)9月22日 - 恒久平和の町を宣言する。[1]
- 1987年(昭和62年)7月21日 - 町歌を制定する。[1]
- 1994年(平成6年)3月25日 - 政治・社会運動を標榜する寄付強要行為を拒否する町を宣言する。[1]
地域
大字
田原地区
郵便番号 | 大字名 |
---|---|
679-2203 | 南田原 |
679-2204 | 西田原 |
679-2205 | 東田原 |
福崎地区
- 旧・福崎町の範囲である。
郵便番号 | 大字名 |
---|---|
679-2211 | 山崎 |
679-2212 | 福田 |
679-2213 | 馬田 |
679-2214 | 福崎新 |
679-2215 | 西治 |
679-2216 | 高橋 |
679-2217 | 高岡 |
679-2218 | 田口 |
八千種地区
- 旧・八千種村の範囲である。
郵便番号 | 大字名 |
---|---|
679-2201 | 大貫 |
679-2202 | 八千種 |
施設
官公庁
- 福崎町役場[5]:南田原3116番地の1
- 兵庫県福崎庁舎:西田原1994-4
- (庁舎内所在機関):福崎農業改良普及センター・福崎土木事務所・但馬高原林道建設事務所播磨林道建設事業所
- 兵庫県中播磨県民センター中播磨健康福祉事務所(福崎保健所):西田原235
- 兵庫県警察福崎警察署:福崎新376番地の3 (管轄区域:神崎郡)
- 兵庫県警察本部交通部高速道路交通警察隊福崎分駐隊:西田原2023(管轄区域:中国縦貫自動車道-滝野社IC~岡山県境 鳥取自動車道-佐用JCT~岡山県境 播但連絡道路-全線)
- 姫路市消防局中播消防署:福崎新404-2(香寺町及び夢前町が姫路市と合併したため、神崎郡と旧飾磨郡夢前町で設立した中播消防事務組合本部が解散され所属の中播消防署は姫路市消防局へ組入れとなった。なお管轄区域に変更なし)
- 兵庫県道路公社播但連絡道路管理事務所:西田原字東水田1949
消防団
- 福崎町消防団は、昭和31年の町村合併により誕生。現在、1本部32分団600名
- 組織構成
- 東部支部7分団
- 中部支部12分団
- 西部支部13分団 計32分団
- 装備
- 消防ポンプ車3台
- 小型動力ポンプ付積載車29台
- 可搬式ポンプ6台
文化施設
- 福崎町エルデホール:福田116-2
- 福崎町文化センター:福田176
- 福崎町立図書館:西治360
- 福崎町青少年野外活動センター:田口700番地1
- 八千種自然活用村(春日山キャンプ場・春日ふれあい会館)
体育施設
- 第1体育館(球技室、体育室、トレーニング室、卓球室):福田176-1
- 第2体育館(球技室):福田1094-48
- 第1グランド(照明設備8基):西田原845
- 第2グランド(照明設備4基):西田原1274
- スポーツ公園(ソフトボール場(照明設備6基)、ゲートボール場、テニスコート(照明設備8基)):福田1094-48
行政
役場
- 福崎町役場:南田原3116番地の1
町長・副町長・町課
市町村合併の経緯
2004年11月5日、福崎町・香寺町法定合併協議会が設置され、福崎町長が会長に就任。4回にわたり合併協議会が開かれた。2005年1月16日に香寺町で「香寺町の合併についての意思を問う住民投票」が行われ、その結果、「姫路市と合併する」が「福崎町と合併する」を上回った。香寺町長より住民の意思を尊重し福崎町・香寺町法定合併協議会を脱退する旨の申し出があり、協議会はその存続の意義を失った。両町長の協議により2005年2月3日をもって合併協議会を廃止することとし、両町の臨時議会において合併協議会廃止の議案が提出されて可決されたため、当協議会は廃止(解散)することになった(なお、2006年(平成18年)3月27日、香寺町は姫路市と合併した)。
町章
議会
町政の重要案件(条例・予算・決算など)を審議し、意志決定をする町の議決機関。議員定数は法律により人口で決まっており福崎町は26人となる。定数を減少する条例により現在の定数は18人。議員の任期は4年。議会は毎年4回(3月・6月・9月・12月)の定例会が開かれるほか、必要に応じて臨時会が開かれる。
- 総務文教常任委員会
- 民生常任委員会
- 産業建設常任委員会
- 議会運営委員会
- 議会広報編集委員会
産業
産業人口
2000年国勢調査によると、産業別人口比率は
立地企業
- 福伸電機株式会社
- 千寿製薬株式会社 福崎工場
- グローリープロダクツ株式会社 福崎工場
- ウシオ精工株式会社
- 住商鋼板加工株式会社 福崎工場
- エーモン工業株式会社
- IDEC株式会社 福崎事業所
- 株式会社マンダム 福崎工場
- 凸版印刷株式会社 福崎工場
- サンライズ工業株式会社・福崎事務所HP
教育
大学・短期大学
- 私立
高等学校
- 公立
中学校
- 公立
小学校
- 公立
幼稚園
- 公立
- 福崎町立田原幼稚園
- 福崎町立八千種幼稚園
- 福崎町立福崎幼稚園
- 福崎町立高岡幼稚園
学校教育以外の施設
- 研修施設
- 中小企業大学校関西校
- 保育所
- 公立
- 福崎町立田原保育所
- 福崎町立八千種保育所
- 福崎町立福崎保育所
- 福崎町立福崎南保育所
- 福崎町立高岡保育所
- 私立
- サルビア保育園
- 姫学保育園
放送
放送局名 | デジタル放送 | アナログ放送 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
リモコンキーID | チャンネル | 空中線電力 | ERP | チャンネル | 空中線電力 | ERP | |||
映像 | 音声 | 映像 | 音声 | ||||||
NHK神戸総合 | 1 | 22 | 3W | 14W | 30 | 30W | 7.5W | 145W | 36W |
NHK大阪教育 | 2 | 13 | 27 | ||||||
サンテレビ | 3 | 26 | 15W | 39 | 37W | ||||
毎日放送 | 4 | 16 | 33 | ||||||
朝日放送 | 6 | 15 | 35 | ||||||
関西テレビ | 8 | 17 | 37 | ||||||
読売テレビ | 10 | 14 | 48 |
※姫路局からの受信や共同受信によって視聴している世帯もある。
交通
- 古来より東西を結ぶ西国街道と南北を結ぶ生野への街道が交差する交通の要衝であった。現在も南北にJR播但線と播但連絡道路や国道312号線、東西に中国自動車道と県道三木宍粟線などの交通動脈が貫き、交通・物流などの要衝となっている。
鉄道路線
路線バス
高速バス
道路
- 一般国道 国道312号
名所・旧跡・観光スポット
- 七種の滝 - 雄滝(落差72m)をはじめ雌滝など48滝が連なる景勝。兵庫県の県下八景、兵庫県観光百選、近畿観光100景に選ばれている。滝つぼの傍に七種神社がある。鳥居の扁額には「八大龍王 八龍破地大神」とあり、七種山山中には四十八滝と言われるほどの滝があって水神、降雨の神が祭られるのに相応しい。なお、『播磨国風土記』「神前の郡 高岡の里」の条に、「奈具佐山 檜が生える。その名の由来は不明である。」とある。
- つなぎ岩 - 七種の滝の後ろにそびえる七種山の山頂を行き越えた所にある奇岩。岩の節理に添った巾5メートルの削離(割れ目)が高さ15mの途中で止まり、岩の底部で岩盤につながっているといった奇観を呈している。平安時代のはじめ、弘法大師が巡錫されこの岩の上で護摩の秘法を修練されたと伝えられている。
- 福崎町立神崎郡歴史民俗資料館 - 1886年(明治19年)竣工の西洋館。この建物は、神東・神西郡役所として、神東郡西田原村辻川(現 西田原の辻川区)に建設された。建設費は当時の金額で2,029円14銭、施工は姫路の中島林平。1896年(明治29年)には神崎郡役所と改称され、1926年(大正15年)に廃止されるまで、郡役所として使用された。その後は、県の地方出先機関の事務所などに用いられていたが、老朽化によりいったんは建物の取り壊しと跡地売却の方針が決まった。しかし、地元文化団体などの保存運動のなかで福崎町に譲渡され、1982年(昭和57年)3月、国・県および神崎郡内各町の助成を得て現在地に移築・復元し、同年10月には福崎町立神崎郡歴史民俗資料館として開館した。その後、1987年(昭和62年)3月、県重要文化財の指定を受けた。
- 柳田國男生家 - 柳田國男自ら「日本一小さい家」といった生家(県指定の文化財)。側には柳田國男・松岡家顕彰会記念館と前述の福崎町立神崎郡歴史民俗資料館がある。
- 三木家住宅 - 柳田國男が一時期預けられた三木家住宅(県指定の文化財)は姫路藩辻川組大庄屋の屋敷である。
- 鈴の森神社 - 柳田國男など松岡家ゆかりの神社。ヤマモモの大木が福崎町天然記念物になっている。
- 旧辻川郵便局
- 神積寺 - 991年創建、播磨天台六山の一つ。神積寺の本尊木造薬師如来坐像は国指定の重要文化財。同寺の石造五重塔と阿弥陀種子板碑はともに鎌倉中期の作品で、県指定の文化財である。
- 金剛城寺 - 播磨西国三十三箇所第12番、新西国三十三ヶ所第30番。推古天皇の頃、三論宗の高麗の僧「恵潅法師」により滋岡寺として開基され、慶長6年台肪明党上人により寺号を七種山金剛城寺と改称された。真言宗の名刹。
- 應聖寺 - 沙羅双樹の花の寺。江戸初期に造られたという名勝「應聖寺庭園」がある。天台宗比叡山延暦寺を本山として、今から1300余年前の白雉年間に天竺の高僧「法道仙人」によって開基されたと伝えられている。
- 日光寺山 - 645年、法道による開基と伝える。大化元年、法道仙人の開基で真言宗、御室派の中本山である。天武天皇の勅願寺、霊元天皇の御猶子の隠居所として栄えた。
- 妙法寺 - 福崎町山崎にある日蓮宗妙顕寺派末の寺院。
- 熊野神社 - 伊邪那美命を祀る神社として崇められている。創建年代は定かではない。1875年(明治8年)に郷社となる。秋祭りには、御輿渡御と12台の豪華屋台の練り込み、浄舞や浦安の舞の奉納がある。
- 二之宮神社 - 祭神は大国主命の御子「建石敷命」。『播磨国風土記』や『国内神名帳』には、本郡の鎮守で郡名起源の宮、本郡開拓の祖神、人心又開拓の偉業をなす神と記されている。―――神前と号(なづ)くる所以は、伊和の大神の御子・建石敷命(たていわしきのみこと)、山使ひの村の神前山に在す。すなはち、神在すに因りて名と為す。故れ、神前の郡といふ。(『播磨国風土記』より)
- 岩尾神社 - 東田原の岩尾神社の本殿は桃山時代の建造で、石橋と鳥居は江戸初期のもの(県指定の文化財)。
- 恵美須神社 - 毎年2月11日(建国記念の日)に例大祭があり、福引きや餅撒きなどが催される。
出身者
- 松岡鼎- 医師、政治家。父は松岡操、松岡5兄弟の長兄。
- 井上通泰(松岡泰蔵) - 国文学者、歌人、医師。松岡操の3男。
- 柳田國男 - 民俗学者。文化勲章受章。松岡操の6男。
- 松岡静雄 - 海軍大佐、言語学者、民族学者。松岡操の7男。
- 松岡映丘(輝夫) - 日本画家。松岡操の8男。
- 牛尾啓三 - 彫刻家
- 長谷川善雄 - 詩人、翻訳家
- 岸上大作 - 歌人
- 吉識雅夫 - 船舶工学の権威。昭和5年に東京帝国大学工学部船舶工学科を卒業し、講師、助教授を経て昭和19年には東京帝国大学教授。研究の中で造船における電気溶接技術並びに船体構造技術があり大型タンカーが造られるようになった。