王位戦
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テンプレート:Otheruseslist 王位戦(おういせん)は、ブロック紙3社連合(北海道新聞社・中日新聞社(中日新聞・東京新聞)・西日本新聞社)と神戸新聞社・徳島新聞社主催の将棋の棋戦。毎年7月から9月にかけて行われる。「王位戦七番勝負」の勝者は王位と呼ばれ、タイトル保持者となる。
1960年に「三社杯B級選抜トーナメント」が発展解消されて4番目のタイトルとなった。
目次
方式
予選・挑戦者決定リーグ・挑戦者決定戦によって挑戦者を決定する。王位と挑戦者は王位戦七番勝負を戦う。
持ち時間は、予選・挑戦者決定リーグ・挑戦者決定戦が各4時間。七番勝負は持ち時間8時間の2日制で、1日目の終わりには封じ手を行う。
予選
- シードの4名(および王位在位者)を除く全棋士および女流棋士2名(女流王位在位者および女流王位戦挑戦者)が参加するトーナメント戦である。
- トーナメント表は8つの山に分かれ、それぞれの山を勝ち抜いた計8名が挑戦者決定リーグに進出する。
他の棋戦では、タイトルホルダーやA級棋士は下位予選が免除される場合が多いが、王位戦ではこのような上位棋士シードが一切無く[1]、前年度からのシード4名(および王位在位者)以外のすべての棋士が、予選2回戦までには登場する。そのため、予選段階での番狂わせが他棋戦より起こり易いという特徴がある。
挑戦者決定リーグ
- シード4名(前期七番勝負の敗者および前期の各リーグでの成績が2位以上の者)と予選を勝ち抜いた8名の合計12名が、紅白2つのリーグに6名ずつ振り分けられ、総当たり戦を行う。
- シード4名は、各リーグ表の1位、2位とする。紅組リーグ表の1位は前期七番勝負の敗者とし、白組リーグ表1位は前期挑戦者決定戦の敗者とする[2]。
- 各リーグの優勝者は、挑戦者決定戦に進む。優勝者および成績2位の者はリーグ残留となり、次期のシード権を得る。成績が3~6位の者はリーグ陥落となる。
- 複数名がトップの成績で勝敗同数となった場合、リーグ表順位が違う者同士であるか否かを問わず、また、何名が並んだかにかかわらず、同星で並んだ者全員によるプレーオフを行う[3]。
- リーグからの陥落については、同じ勝敗数であってもリーグ表で上位の者が優先的に残留する。リーグ表3位同士が陥落のボーダーラインに並んだ場合は、残留決定戦が行われる。
- 例外として、リーグ表3位の者が1位・2位の者と勝敗数トップで並び、かつプレーオフで勝ち残って挑戦者決定戦に進んだ場合は、リーグ表の順位に関わらず残留となり、次期リーグ表で1位と扱われる[4]。
挑戦者決定戦
紅白それぞれのリーグの優勝者同士で1局だけ指し、その勝者が挑戦者となる。
王位戦七番勝負
王位と挑戦者決定戦の勝者が七番勝負を行う。七番勝負は全国各地(おもに主催各誌の掲載エリア)の旅館や料亭などで行われる。
過去の方式
- 第17期までは、予選通過枠が6名、挑戦者決定リーグが10名(5名を2組に振り分け)で実施された。
永世王位
永世称号である永世王位は、王位を通算十期もしくは連続五期以上保持した棋士に与えられる。2008年1月現在、永世王位は大山康晴・中原誠、永世王位の資格を持つ棋士は羽生善治。
歴代七番勝負
年は七番勝負が実施された時点。○●は王位から見た勝敗、千は千日手、持は持将棋。網掛けの対局者が勝者。
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記録
脚注
- ↑ 厳密に言えば、1回戦から指すのが、フリークラス、新四段などの下位の棋士や女流棋士だということはある。
- ↑ シードと予選通過者に順位差がついたのは第27期より。挑戦者決定戦進出者ともう1人の残留者に順位差がついたのは第37期より。
- ↑ 3人以上の場合のプレーオフは、トーナメント形式となる。たとえば、3勝2敗が5名、0勝5敗が1名の場合、5人によるトーナメント戦になる。
- ↑ 第46期リーグの結果および第47期リーグの編成を参照。第46期の挑戦者決定リーグ紅組においては、リーグ表1位・2位および3位の2名が3勝2敗で並んでおり、4人でのプレーオフが組まれた。このときプレーオフで勝ち残った先崎学(リーグ表3位)は次期リーグ残留・次期リーグ表1位となった。ただしもう一人の残留者は、プレーオフ1回戦で勝って2回戦で負けた渡辺明ではなく、今期リーグ表1位の谷川浩司(次期はリーグ表2位)となった。
関連項目
- 日本将棋連盟
- 女流王位戦 - 同主催者による女流棋士の棋戦。王位戦同様6人×2組のリーグ戦によって挑戦者を決定する。女流王位・女流王位挑戦者は王位戦予選への出場資格を得る(上述)。
- 天元戦 - 同主催者による囲碁の棋戦。