女流王位戦
女流王位戦(じょりゅうおういせん)は、新聞三社連合[注 1]、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)が主催する[1]将棋の女流タイトル戦。1990年度創設。5月(4月の場合あり)から6月にかけて挑戦手合制の五番勝負が行われ[注 2]、その勝者には女流王位のタイトル称号が与えられる。
目次
しくみ
予選、挑戦者決定リーグ(12名が紅白2つの組に分かれて戦う)、紅白各組の優勝者同士の挑戦者決定戦によって女流王位への挑戦者を決定する[注 3]。挑戦者決定戦の勝者と女流王位が五番勝負を戦い、3勝したほうが新たな女流王位となる。
女流王位と挑戦者には王位戦への参加資格(予選から)が与えられる。ただし女流王位ないし挑戦者が王位戦への参加資格がない場合には、次点の女流棋士として挑戦者決定戦の敗者が代わって出場する[2][注 4]。
予選
女流王位とシード者を除く全ての女流棋士が参加する。アマチュア枠はない。
トーナメント方式による予選通過者は6名で、通過者は挑戦者決定リーグに参加する。女流2級の者が予選を通過(リーグ入り)した場合は女流1級に昇級する。
持ち時間は各2時間。
挑戦者決定リーグ
予選通過者6名とシード者(前期の残留者)6名の計12名が、紅組・白組の2グループに6名ずつ分かれて総当たりのリーグ戦を行う。各組には通過者とシード者が3名ずつ振り分けられる。各組の優勝者が挑戦者決定戦に進出する。2名以上が同率トップの成績で並んだ場合、第23期まではプレーオフを行う規定だったが、第24期から順位優先方式になった(同順位・同成績なら直接対決の勝者が優先される)[3]。
紅白各組の上位3名(女流王位が防衛に失敗した場合はここに含まれる)は、次期のシード者となり予選が免除される(リーグ残留)。あらかじめシード者には前期の成績により1位から3位、予選通過者には同順位の4位が与えられており、勝数が並んだ場合は事前の順位が高いほうが上位となる[注 5]。予選通過者2名以上が勝率で並んで次期シード者が3名に決定できない場合は残留決定戦が行われる。
女流1級の者がリーグ残留を決めた場合は女流初段に昇段する。
持ち時間は各3時間。
挑戦者決定戦
紅白リーグの勝者同士が対局し、その勝者が女流王位への挑戦者となる。
持ち時間は各3時間。
女流王位戦五番勝負
女流王位と挑戦者が五番勝負を戦い、その勝者が新たな女流王位となる。
持ち時間は各4時間[注 6]。
クィーン王位
女流王位を通算5期獲得した女流棋士はクィーン王位の永世称号が与えられる。2009年現在、クィーン王位の資格を持つ女流棋士は清水市代のみ。
歴代五番勝負
年は五番勝負が行われた時点。網掛けの対局者が勝者。○●は女流王位から見た勝敗、千は千日手。
期 | 開催年 | 決勝進出者 | 勝敗 | 決勝進出者 |
---|---|---|---|---|
1 | 1990年 | 中井広恵 | ○○○ | 林葉直子 |
期 | 開催年 | 女流王位 | 勝敗 | 挑戦者 |
2 | 1991年 | 中井広恵 | ○○○ | 植村真理 |
3 | 1992年 | 中井広恵 | ○○○ | 林葉直子 |
4 | 1993年 | 中井広恵 | ●○●● | 清水市代 |
5 | 1994年 | 清水市代 | ○○○ | 中井広恵 |
6 | 1995年 | 清水市代 | ○○○ | 矢内理絵子 |
7 | 1996年 | 清水市代 | ○○●○ | 石橋幸緒 |
8 | 1997年 | 清水市代 | ○●●○● | 矢内理絵子 |
9 | 1998年 | 矢内理絵子 | ○●●● | 清水市代 |
10 | 1999年 | 清水市代 | ○○●○ | 碓井涼子 |
11 | 2000年 | 清水市代 | ○○○ | 碓井涼子 |
12 | 2001年 | 清水市代 | ●●○○○ | 中井広恵 |
13 | 2002年 | 清水市代 | ○○○ | 石橋幸緒 |
14 | 2003年 | 清水市代 | ●○○○ | 中井広恵 |
15 | 2004年 | 清水市代 | ○○○ | 矢内理絵子 |
16 | 2005年 | 清水市代 | ○●○○ | 中井広恵 |
17 | 2006年 | 清水市代 | ○○●○ | 石橋幸緒 |
18 | 2007年 | 清水市代 | ●○●○● | 石橋幸緒 |
19 | 2008年 | 石橋幸緒 | ○○●●○ | 清水市代 |
20 | 2009年 | 石橋幸緒 | ○●●○● | 清水市代 |
21 | 2010年 | 清水市代 | ●●○● | 甲斐智美 |
22 | 2011年 | 甲斐智美 | ○○●●○ | 清水市代 |
23 | 2012年 | 甲斐智美 | ●●● | 里見香奈 |
24 | 2013年 | 里見香奈 | ●○●○● | 甲斐智美 |
25 | 2014年 | 甲斐智美 | 千●○○○ | 清水市代 |
第1期女流王位戦
第1期女流王位戦は1989年11月に当時の女流棋士全19名を紅組10名・白組9名に分けた予選リーグにより開幕した。各組の優勝者(中井 - 林葉)による五番勝負は1990年4月 - 6月の予定で行われ、同年5月18日に3連勝で中井が第1期女流王位となった。
第4期(1993年度)からは、トーナメントによる予選を行いリーグ出場者を決定する現行の方式となっている。
脚注
出典
外部リンク
引用エラー: 「注」という名前のグループの
<ref>
タグがありますが、対応する <references group="注"/>
タグが見つからない、または閉じる </ref>
タグがありません