海老名市
テンプレート:Infobox 海老名市(えびなし)は、神奈川県の中央に位置する市。旧高座郡。2008年8月1日から景観行政団体となった。
東京から50km(鉄道で約1時間)及び横浜から20kmの圏内にあり、相模国分寺跡等を有する歴史の街である。
日本の高速道路のサービスエリアでは有数の規模を持つ海老名サービスエリアがあることで知られる。また、海老名駅の近くには日本初のシネコン(マルチプレックスシネマ)とされるワーナー・マイカル・シネマズの一号店(2013年7月よりイオンシネマに改称)が1993年に開業した。さらに、2002年4月19日には同駅の近くに複合型商業施設『ViNA WALK』がオープン。今後はJR海老名駅周辺の再開発も行われる(詳細は「海老名駅#今後の再開発計画」を参照)。
近年、横浜・東京のベッドタウンとして注目を集めている。同時に市内には多くの田園地帯を抱えていて、伝統的な農業緑地と都市住宅が共存している市でもある。
目次
地理
- 神奈川県のほぼ中央に位置し、市域は南北に長い。相模川の左岸に位置し、西部は広大な平地(相模平野)が広がるが、河岸段丘の地形から東部は高台(相模原台地)となっている。北部・西部は鉄道路線が交錯しており、南部は東名高速道路が通過している。
- 北緯:35度28分38秒~35度23分59秒
- 東経:139度26分11秒~139度22分09秒
- 東西:6150メートル、南北8700メートル
- 海抜:11~84メートル
- 面積:26.48平方キロメートル
気候
横浜、小田原、三浦などに対して、内陸に位置するため、気温の日較差が大きい。
沿革
- 縄文時代より肥沃な耕地であったことが知られていて、国分には「瓢箪山塚」上今泉には「秋葉山塚」上郷には「有鹿の岡」などの前方後円墳や円墳がある。
- 天智天皇3年(664年)5月には、市内西部にある相模国の最古クラスの有鹿神社で祭礼を行った記録が残っている。
- 奈良時代には相模国の国分寺が置かれていた。
- 平安時代中期より台頭してきた海老名氏がこの地域を所領する。海老名氏は村上源氏の血統で武蔵七党のうち横山党に属する(諸説ある)。
- 海老名氏の庇護を受けた有鹿神社が鎌倉時代の永徳元年(1381年)に神社界の最高位である『正一位』を朝廷より賜る。
- 元弘3年(1333年)鎌倉幕府の討幕運動により、北関東より攻めてきた新田義貞軍により、海老名一帯は兵火の災いを受け、多くの社寺が壊滅。
- 永享10年(1438年)に永享の乱があり、鎌倉公方の足利持氏が宝樹寺(通称は海老名道場。廃寺のため現存せず)に本陣を置き、幕府軍と戦い敗走した。これによって海老名氏は滅亡し、海老名は再度兵火を蒙り衰微した。それ以降、上杉氏、後北条氏の庇護を受けるが、直接海老名地域が有力者の本拠地になることは無くなった。
- 戦国時代末期、中新田に徳川家康家臣高木清秀が移り住む。
- かつて大山街道(あるいは大山道)として大山阿夫利神社への参詣者が通る街道が敷かれていた。このルートは東海道の矢倉沢往還とも併称される「青山通り大山道」であり、現在は市内を通る神奈川県道40号横浜厚木線(旧国道246号線)として機能している。また「柏尾通り大山道」は、もう1つのルートとして現在の神奈川県道22号横浜伊勢原線を形成する形で市内を通っている。これらの古道を中心として幕府領(天領)が置かれていたことやその空隙を縫って諸藩の飛地領が配されていた。
- 1684年4月27日-領主に直訴を企てた庄屋鈴木三太夫が捕らえられ、子ども共々処刑される。
- 大政奉還されるまでの知行権が及んでいた各地域。
- 1889年 4月1日 - 高座郡 上郷村、河原口村、中新田村、上今泉村、下今泉村、国分村、望地村、柏ヶ谷村、大谷村 が合併し海老名村となる。また、杉久保村、上河内村、中河内村、本郷村、社家村、中野村、門沢橋村、今里村 が合併し有馬村となる。
- 1906年 - 現在の県立中央農業高校開校
- 1916年 - 河原口に電灯がつく。
- 1918年 - 海老名村庁舎(現温故館)完成。
- 1921年 3月3日 - 相模国分寺跡が国の史跡に指定される。
- 1926年 - 神中鉄道(現相模鉄道)開通。厚木駅(現厚木本屋)、相模国分駅(現信号所)設置。相模鉄道(現JR相模線)開通。厚木駅共用使用、社家駅設置。
- 1927年 - 小田原急行鉄道(現小田急電鉄)開通。海老名国分駅(現廃止)、河原口駅(現厚木駅)設置。
- 1931年 - 門沢橋駅設置。
- 1940年 12月20日 - 海老名町制施行。
- 1941年 - 海老名駅設置。
- 1955年 7月20日 - 海老名町、有馬村合併。
- 1956年 12月1日 - 県営水道による給水開始。
- 1966年 11月5日 - 旧町役場庁舎完成。
- 1971年 11月1日 - 海老名市制施行。
- 1973年 - 小田急・相鉄海老名駅現在位置に移設。
- 1975年 - さがみ野駅、かしわ台駅設置(大塚本町駅廃止、かしわ台駅東口となる)。
- 1979年 4月1日 - 県立海老名高校開校。
- 1983年 4月5日 - 県立有馬高校開校。
- 1987年3月21日 - 国鉄(現JR)相模線海老名駅開業。
- 1989年 - 市役所・消防本部移転。
- 1993年 - ワーナー・マイカル・シネマズ海老名(現イオンシネマ海老名) オープン。日本初のシネコン(マルチプレックスシネマ)とされている。
- 1995年 - 海老名プライムタワー オープン。
- 2001年 5月1日 - 座間警察署の管轄区域から分割され、海老名警察署開設。
- 2002年 4月19日 - 海老名駅前に複合型商業施設『ViNA WALK』オープン。
- 2010年 2月27日 - 神奈川県内初の首都圏中央連絡自動車道(圏央道)海老名IC - 海老名JCT間 開通。
人口
行政
1971年(昭和46年)11月1日、海老名町から海老名市へ神奈川県下16番目として市制化に移行。
国の行政機関
県の行政機関
広域行政機関
市の行政機関
司法
- 横浜地方裁判所(管轄地:海老名市・横浜市・鎌倉市・藤沢市・茅ケ崎市・大和市・綾瀬市・寒川町)
- 横浜家庭裁判所(管轄地:海老名市・横浜市・鎌倉市・藤沢市・茅ケ崎市・大和市・綾瀬市・寒川町)
- 藤沢簡易裁判所(管轄地:海老名市・藤沢市・茅ケ崎市・大和市・綾瀬市・寒川町)
立法
市政
- 市章 - 1950年(昭和25年)12月22日に海老名町章として制定
- 市の木(つげ) - 1972年(昭和47年)11月1日制定
- 市の花(さつき) - 1972年(昭和47年)11月1日制定
- 市の鳥(カワラヒワ) - 1991年(平成3年)11月1日制定、市制施行(移行)20周年記念
村長
- 大貫松五郎(初代)
町長
- 志村真一(初代)
- 井上近次(第2代)
- 渡辺正吉(第3代)
- 田野口静吉(第4,5代)
- 坂田勇雄(第6代)
- 武藤文雄(第7代)
市長
海老名市議会
市議会議長
議長 | 副議長 | |
---|---|---|
第25代 | 飯田英榮 | 橘川芳夫 |
第26代 | 橘川芳夫 | 高橋進 |
第27代 | 高橋進 | 重田保明 |
第28代 | 今井和雄 | 鈴木守 |
第29代 | 鈴木守 | 矢野眸 |
第30代 | 森田完一 | 白神多恵子 |
第31代 | 市川敏彦 | 坂本俊六 |
第32代 | 倉橋正美 | 福地茂 |
議会構成
海老名市市議会の議席定数は24議席である。なお海老名市議会議員の現任期満了日は平成23年11月13日である。
2006年5月時点における会派構成は次の通りである。
- 新政海クラブ
- 市政クラブ
- 日本共産党
- 公明党
- 神奈川ネットワーク運動
- 無会派 (市民の党)
県政
神奈川県議会議員
海老名市から選出される神奈川県議会議員の定数は1議席である。2007年5月現在はおさだ進治(1期目)が務める。
国政
衆議院
海老名市は、周辺の綾瀬市、大和市、座間市から構成される神奈川13区が選挙区となる。
下記は2012年に実施された第46回衆議院議員選挙の選挙結果である。
候補者氏名 | 得票数 | 所属会派 | 当落 |
---|---|---|---|
甘利明 | 111,733 | 自由民主党 | 当選 |
菅原直敏 | 50,826 | みんなの党 | |
太田祐介 | 43,754 | 日本維新の会 | |
橘秀徳 | 38,637 | 民主党 | |
宮応勝幸 | 15,131 | 日本共産党 |
参議院
海老名市は参議院 南関東ブロック・神奈川選挙区に属する。
なお、当選挙区の参議院選挙比例代表区選出議員についての詳細は、神奈川県選挙区を参照のこと。
第21回参議院議員選挙選出議員
第21回参議院議員選挙選出議員の任期満了日は2013年(平成25年)7月28日である。
第20回参議院議員選挙選出議員
第20回参議院議員選挙選出議員の任期満了日は2010年(平成22年)7月25日である。
2005年補欠選挙選出議員
2005年補欠選挙選出議員の任期満了日は2007年(平成19年)7月28日である。
- 川口順子 (自由民主党)
第19回参議院議員選挙選出議員
第19回参議院議員選挙選出議員の任期満了日は2007年(平成19年)7月28日である。
- 小林温 (自由民主党)
- 松あきら (公明党)
財政
平成18年度決算統計
- 標準財政規模 227億0521万円
- 財政力指数 単年度1.216 平均1.160 (神奈川県市町村平均 1.05)
- 実質公債費比率 7.7% (神奈川県市町村平均19.5%)
- 経常収支比率 81.3% (神奈川県市町村平均 88.9%)
- 市町村税の総額 208億9965万2千円
地方債残高
- 地方債現在高 226億7491万8千円
- 下水道事業特別会計 157億1300万円
- 国民健康保険事業特別会計 3900万円
職員数
- 人口1,000人当たり職員数6.23人 (神奈川県市町村平均6.59)
- 一般職員 610名 教育公務員 16名 消防職員 148名
経済
産業
- 商業
- ViNA WALK
- TOHOシネマズ海老名
- イオン海老名店
- イオンシネマ海老名
- ショッパーズプラザ海老名(ダイエー海老名店)
- コジマNEW海老名店
- ヤマダ電機テックランド海老名店
- 島忠海老名店
- くろがねや海老名下今泉店
- フードワン海老名店
- ケーヨーD2海老名店
- オートバックス海老名
- かしわ台スクエア
- ゆめみ処おふろの王様(旧ゆめみ処ここち湯) 海老名店
- マルエツさがみ野店
- 相鉄ローゼン海老名店、かしわ台店、さがみ野店、杉久保店
- 農業
- いちご(いちご狩りも楽しめる)
- 温室トマト・温室キュウリ
- カーネーション
- バラ(青い薔薇も栽培)
- スイートピー
- 洋蘭(コチョウラン・カトレア)
- 稲作・畑作
- JAさがみ海老名グリーンセンター (海老名市大谷。JAによる農産物直売所)
- 本社を置く主な企業
- アツギ株式会社(パンティストッキングなどの製造・販売)
- 株式会社パブコ(三菱ふそうトラックバス系)
- 株式会社オウルテック
- 泉橋酒造(日本酒:いづみ橋)
- 自動車部品工業株式会社(いすゞ自動車系)
- ビアメカニクス株式会社
- 芝浦プレシジョン (旧東芝精器)
- ※富士コカ・コーラボトリング(株)は2005年にコカ・コーラセントラルジャパンに吸収合併され、本社は横浜市となる。工場施設などは残存。
- 工場のある主な企業
- リコーテクノロジーセンター (以前は日立製作所のパソコン開発拠点であった。横浜市戸塚区に移転)
- 雪印メグミルク 厚木マーガリン工場 (海老名市中新田)
- 雪印メグミルク 海老名工場(海老名市中新田、旧雪印乳業厚木工場)
- 富士ゼロックス 海老名事業所
- 神戸屋 海老名工場
- アートコーヒー 厚木工場(海老名市中新田)
- 株式会社タイトー 海老名開発センター
- 日立オートモティブシステムズ株式会社 相模事業所(旧トキコ 相模工場)
姉妹都市・提携都市
国内
また、白石市と提携している登別市(北海道)とも2010年に災害援助協定、2011年にトライアングル交流を開始した。
地域
区分
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教育
小中学校はすべて海老名市立。以下五十音順。
小学校
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中学校
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- 有馬中学校
- 今泉中学校
- 海西中学校
- 柏ヶ谷中学校
高等学校
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学校教育以外の教育訓練施設
図書館
- 海老名市立中央図書館
- 海老名市立有馬図書館
海老名市では、「海老名市奨学金条例」に基づく給付型奨学金制度がある。 主に、高等学校・専修学校高等課程を対象としている。
交通
鉄道
- 中心となる駅 : 海老名駅
- 小田急電鉄
- 相模鉄道
- 東日本旅客鉄道 (JR東日本)
- また、東海道新幹線が新横浜駅 - 小田原駅間で約760メートルにわたって海老名市本郷(藤沢市との境界付近)を通過している。
路線バス
リムジンバス
- 海老名駅東口 - 羽田空港(神奈川中央交通、相鉄バス、京浜急行バス)
深夜急行バス
道路
- 高速道路
- 一般国道
- 国道246号
- 国道468号 (首都圏中央連絡自動車道)
- 都道府県道
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事・宗教
- 相模国分寺跡(国の史跡・全国の国分寺の中で最初に国の史跡に登録された)
- 有鹿神社
- 海老名の大ケヤキ
- 有馬のハルニレ(ナンジャモンジャの木)※神奈川の名木100選
- 高座海軍工廠跡(敷地の主要部は現在の座間市)
- 常在寺
- 秋葉山古墳群(国の史跡)
- 海老名城(海老名氏館跡)
- 龍峰寺
- 温故館(旧海老名村役場・市立郷土資料館)
- 横須賀水道みち
文化
- 海老名プレミアム映画祭
- 大谷歌舞伎 -(海老名市指定重要無形文化財 昭和50年指定)
- ささら踊り -(神奈川県指定無形民俗文化財 平成20年指定)
公園
- 神奈川県立相模三川公園
- 海老名中央公園
- 海老名運動公園
- 海老名市北部公園体育館
- 河畔公園
- 今里庭球場
- 下今泉庭球場
- 中野多目的広場
レジャー
注意:バーベキューをするには、事前に市または、海老名運動公園に申請が必要。
観光
- ぐるり一周いちご島
祭事
- 海老名市消防出初式(1月)
- はつはるまつり(2月)
- 緑化まつり(4月)
- 親子凧揚げ大会(4月)
- 海老名市民まつり(7月)
- ナイトウォークラリー(7月)
- 海老名市消防団操法大会(7月)
- 科学フェスティバル (8月)
- えびな“彩”festa
- ふれあいスポーツ交流大会
- 産業まつり(11月)
宗教施設
- ものみの塔聖書冊子協会日本支部
その他
出身の有名人
- 飯島久代(スポーツ指導者、お笑いつぼみの会)
- 井上滉稀(子役)
- 海老名氏(平安末期、鎌倉期の武家)
- 大島正健(日本人宗教家・教育者・言語学者)
- 上小牧忠道(長野放送アナウンサー)
- 雉子牟田明子(元プロテニス選手)
- 雉子牟田直子(元プロテニス選手)
- 北浜健介(将棋棋士)
- きたやまようこ(絵本作家)
- 鈴木拓(お笑いタレント、ドランクドラゴン)
- 原口真英 - プロバスケットボール選手(bjリーグ・ライジング福岡所属)
- マーチン角屋(漫画家)
- 水野良樹(ミュージシャン、いきものがかり)- 出生地は静岡県浜松市
- 山下穂尊(ミュージシャン、いきものがかり)
- 武藤与志則(俳優・声優)
- 林愛夏(女優)
- 山本淳(埼玉西武ライオンズ→日立製作所投手)
- 横山道哉(横浜ベイスターズ投手→2010年よりスコアラー)
- 朱里(女子プロレスラー、格闘家。SMASH所属)
ゆかりのある人物
その他
- 海老名には、海老名市民の歌「わがまち海老名」がある。
- 海老名市は県内でも人口増加率の高い市で、増加率は川崎市に次いでいる。(これは横浜市よりも高い数値となっている)これは、小田急・相鉄・JR相模線の3鉄道が乗り入れする便の良さが影響していると考えられる。更に相鉄線のJR線・東急線乗入計画(相模鉄道内「相鉄の今後」を参照)が実現すれば、都心からのアクセスが更に容易になり、人口増加がより活発になる可能性もある。
- 2000年に入り、駅前開発が加速してるのも一因と考えられる。(厚木市に有った丸井が海老名に進出した事も一因)
- 伝統的な地域共同体である農村の姿を残しながら、駅周辺では都市開発が急速に進むユニークな市である(海老名駅から徒歩10分程の市役所周辺のすぐ脇に水田地帯が広がる事が象徴的といえる)。県内の農業が衰退しつつある中で、県央地区では特異と言える程、農業意欲が高い。この特性を生かし、市や小学校が農業体験などのイベントを企画する事も多い。
- ボランティア消防・防災組織である海老名市消防団は、15分団228名の定員と規定され、実員数で214名(平成18年)の団員を有している。全分団にポンプ自動車と可搬ポンプを装備しており、県内では人員・装備ともかなり充実した消防団だといえる。
関連項目
外部リンク
- 行政
- 観光