津軽海峡・冬景色
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「津軽海峡・冬景色」(つがるかいきょう ふゆげしき)は、日本の演歌歌手石川さゆりの歌。この楽曲は石川15作目のシングルとして、1977年(昭和52年)1月1日に日本コロムビアより発売された。
作詞は阿久悠、作曲・編曲は三木たかし(新録音版の編曲は今泉敏郎)。
歌詞
当時の東北地方などへの東京側の始発駅となることが多かった上野駅から夜行列車に乗り、雪の青森駅で降りて、ボーディング・ブリッジで北海道に向かう連絡船へと乗り継いで行く描写がある。東京と北海道との間の交通手段は1970年代初頭までは鉄道・連絡船の乗り継ぎと航空機利用が拮抗していたが、この頃から航空機転移が顕著になってきた。作詞当時、東京から青森への特急・急行列車は青函連絡船への接続を前提にダイヤが組まれており東北本線経由の「はくつる」、常磐線経由「ゆうづる」などの夜行列車が多数運転されていた。これについては東北本線優等列車沿革を参照。
歌詞は函館への到着までは描写せず、船上での女の心情を吐露させて終わる。
歌のタイトルの「津軽海峡」の後に中黒(「・」)を入れた理由を阿久自身は覚えておらず、後には「津軽海峡冬景色」という1つの象徴語なので中黒は不要だと考えるようになったという[1][2]。
カバー・トリビュート
- 1979年にバンドネオン奏者、ホセ・リベルテーラがカバー。(アルバム『タンゴ・ミーツ・ジャパン』)
- 2007年(平成19年)1月18日にはバンダイナムコゲームスのゲーム『THE IDOLM@STER』のオフィシャルグッズとして、ネット通販限定で販売されたカバー曲CD『Your Song』にキャラクターの1人「萩原雪歩(落合祐里香)」のカバー曲として収録された(2007年10月3日発売の「MASTER ARTIST 09」に再収録)。
- 2009年(平成21年)に、あがた森魚がカバーした(アルバム『歌鬼2~阿久悠 vs. フォーク~』収録)。
- 2011年(平成23年)に、アンジェラ・アキがカバーした(アルバム『WHITE』収録)。こちらはアンジェラが出演するユニクロのCMでも歌われている。
- 2011年(平成23年)に、山崎まさよしがカバーした(アルバム『Concert at SUNTORY HALL』収録)。映像ソフト化もされている。
- 2013年(平成25年)に、岩佐美咲がカバーした(シングル「もしも私が空に住んでいたら」収録)。
紅白歌合戦
- 石川はNHK『NHK紅白歌合戦』で、1977年(第28回)、1982年(第33回)、1993年(第44回)、2000年(第51回)、2007年(第58回)、2009年(第60回)、2011年(第62回)、2013年(第64回)と8回歌唱している。1993年、2007年、2011年と3回紅組トリで歌唱し、紅組における同一曲でのトリ回数では最多記録である(白組を含めたものでは北島三郎の「まつり」の4回に次ぐ2位)。また、同一曲8回歌唱というのは、同じく石川の「天城越え」、中村美律子の「河内おとこ節」と並んで最多歌唱記録である。
- 上述にもあるが、2007年の『第58回NHK紅白歌合戦』では阿久の追悼として、石川が紅組トリで同曲を歌唱した(白組トリおよび大トリも同じく阿久が作詞の「契り」を、五木ひろしが歌った)。また、2009年の『第60回NHK紅白歌合戦』でも三木を追悼し同曲を歌唱した。
- 2010年の『第61回NHK紅白歌合戦』の曲順発表の際にチーフプロデューサーの井上啓輔は「演歌も1年を象徴するヒット曲が生まれるならトリ起用も考えていく」と今後は基本的にポップス歌手をトリに起用する方針であるとも取れる内容のコメント[3][4]をしていたが、翌年の第62回の紅組トリには懐メロである本曲を歌う石川が起用された。
- 2005年(平成17年)にNHKが実施した「スキウタ〜紅白みんなでアンケート〜」では、紅組39位にランクインされた。
その他
- 本曲は、元々1976年に発売された『365日恋もよう』というLPレコード(アルバム)に収録された1曲だった。
- 本曲が歌われた当時は、上野発青森行きの夜行列車は「八甲田」、「十和田」、「津軽」、「ゆうづる」、「あけぼの」、「はくつる」などが存在したが、2014年3月15日ダイヤ改正をもって「あけぼの」を最後に全廃となった。現在、定期上野発の夜行列車は、上野・札幌間の「北斗星」のみとなった。
- 1995年(平成7年)7月には青森市の青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸横、1996年(平成8年)7月には竜飛岬と、歌詞に登場するゆかりの地にそれぞれ歌碑が建立されている[1]。
- カラオケチェーン・ビッグエコーやJOYSOUNDでこの曲をリクエストすると石川本人も出演するPVの中で、青函連絡船現役時代の風景を一瞬であるが見ることができる。
- マツダスタジアムの広島東洋カープ戦で、相手ピッチャーが降りる時にオフコースの「さよなら」と交互に流れる。
脚注
関連項目
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