新鋭王座決定戦競走
新鋭王座決定戦競走(しんえいおうざけっていせんきょうそう)は、かつて存在した若手選手を対象とした競艇のGI競走である。
概要
新鋭王座決定戦競走は、若手の優秀選手育成強化と競走の活性化を図り、併せて競艇の話題を提供し、若年ファンの拡大を図ることを目的として、リーグ戦競走とともに新設された。登録7年未満の選手46名が参加した[1]第1回大会は、1986年(昭和61年)12月12日から17日までの6日間にわたり、府中市の主催により平和島競艇場にて開催され、初代王座には山室展弘選手が輝いた[2]。
過去には性別の制約はなく、女子選手もこの大会に出場していたが、制度改正などにより女子選手は女子リーグ戦に参加するため、当該競走の出場資格が得られず、男子選手のみで競われるという現状となっている。新鋭王座決定戦の優勝者や上位入賞者の大半はSG・GIといったビッグレースにも顔を出すようになるため、トップレーサーの登竜門といわれる。なお、優勝者には当該年度の総理大臣杯競走への出場資格が与えられる。
この大会は度重なるルール変更が行われており、現在の制度については出場資格を参照のこと。
2006年、第20回記念大会からは共同通信社から社杯が授与される事になり、タイトルが「共同通信社杯 新鋭王座決定戦」となる。
2012年(平成24年)、第27回大会より開催時期が1月から9月に変更される。
新鋭王座は2013年9月の桐生で終了して(第1回記念大会のオープニングレース・大会第1日目の第1レースから最終回となった第28回大会の大会最終日の最終レース・決勝戦まで行なわれたレースの数は2016レースに上った)、年齢30歳未満の勝率上位選手による「ヤングダービー(プレミアムGⅠ)」を新設。
ヤングダービーへの移行
この新鋭王座決定戦も30年余り開催して、所定の目標を達成したと考え、今後は30歳未満の選手による若手選手育成と、迫力のあるレースの提供をめざし、新鋭王座戦を発展廃止し、2014年から「ヤングダービー競走」を施行する[3](新設競走が加えられるのは2012年の賞金女王決定戦競走以来、2年ぶり13レース目)。又、新鋭王がヤングダービーに名前を変えた事で次の全日本選手権競走のボートレースダービーと共にファン等からは2大ダービーやダブルダービー等と言われる事が有る。
イースタン・ウェスタンヤング
このヤングダービーの事実上のトライアルとして、7月に共に近畿の競艇場としてある大阪の住之江・兵庫の尼崎の両競艇場を境界線として、住之江より東に属する都道府県(桐生、戸田、江戸川、平和島、多摩川、浜名湖、蒲郡、常滑、津、三国、びわこ、住之江)を「イースタンヤング」、尼崎より西に属する県(尼崎、丸亀、鳴門、児島、宮島、徳山、下関、若松、芦屋、福岡、唐津、大村)を「ウェスタンヤング」としてそれぞれ1節、GⅢ開催する。出場できるのはそれぞれの地区ごとに30歳未満でかつ過去半年間の級別審査期間勝率上位者(出走回数70走以上)とし、優勝者が本戦・ヤングダービーへの優先出場権を得る。
ヤングダービー本戦
本戦は9月にプレミアムGⅠで開催する。出場資格は9月1日現在においての30歳未満とし、過去1年間(7月1日を起算日とし、翌年6月30日まで)の勝率上位選手、及び前年度の優勝選手(2013年の新鋭王座決定戦優勝者・篠崎仁志については、ヤングダービーが「新設大会と同じ扱い」となるため優先出場権は与えられず。また、新制度下における新鋭リーグ戦優勝者に対する優先出場権もない。[1])、及び上述のイースタン・ウェスタンヤングの優勝選手に出場権を与える。
出場資格
ヤングダービー競走
(2014年創設時のルール)
開催年の9月1日現在で30歳未満(性別問わず)の選手が対象である。
選考期間は開催前年の7月1日から開催年の6月末日まで。
- 優先出場権獲得者
- 前年度優勝者
- イースタン・ウェスタンヤングの優勝者(各1名、重複の場合は予備から繰り上がり)
- 選考期間内における勝率が上位の選手。
- 勝率が並んだ場合は着順点上位者から順に選出
※級別は問わない。
- 勝率が並んだ場合は着順点上位者から順に選出
- 選出除外
参考、旧・新鋭王座決定戦
(2013年の廃止時点でのルール)
デビュー6年目未満の選手が対象であった。
選考期間は開催前年の7月1日から開催年の6月末日まで。
- 優先出場
- 選考期間内における勝率が上位の選手。
- 勝率が並んだ場合は着順点上位者から順に選出
※級別は問わないが、新鋭リーグ戦の参加有無は問われる。
- 勝率が並んだ場合は着順点上位者から順に選出
- 選出除外
賞金
優勝賞金は1000万円(副賞金含む)
スタート事故の罰則
フライングや出遅れをした選手には厳しい罰則が課せられている[5]。
罰則適用のレース名 | 出場資格 | 罰則の内容 |
---|---|---|
新鋭王座決定戦 優勝戦 | 各準優勝戦上位2名 | フライング休み終了後、当該事故1回につき 6ヶ月間プレミアムGI・GI・GII競走の選出除外 |
新鋭王座決定戦 準優勝戦 | 予選1位~18位 | フライング休み終了後、当該事故1回につき 3ヶ月間プレミアムGI・GI・GII競走の選出除外 |
歴史
1992年、第6回大会(浜名湖)では日高逸子が出場した。なお、第4回大会でも佐藤幸子が選出されたが、出産のため出場辞退した[6]。
2001年(平成13年)、第15回大会より前年度優勝者は新人王と同じ意義で、出場資格が与えられない(勝ち抜け制度)ことになった[7]が、2012年(平成24年)、第27回大会より前年度優勝者は「優先出場者」として出場できるように見直された。
2012年(平成24年)、第27回大会より優先出場選手であっても選考期間内に事故率が0.40以上であれば選出除外となる。以前は免除されていた。
新鋭王座決定戦の記録
最多優勝選手
選手名 | 当時の住所 | 1回目 | 2回目 |
---|---|---|---|
市川哲也(3499) | 広島県 | 1996年(平成8年) 第10回 下関競艇場 |
1998年(平成10年) 第12回 宮島競艇場 |
長岡茂一(3227) | 東京都 | 1991年(平成3年) 第5回 徳山競艇場 |
1992年(平成4年) 第6回 浜名湖競艇場 |
連覇達成選手
選手名 | 当時の住所 | 基点制覇 | 2連覇 |
---|---|---|---|
長岡茂一(3227) | 東京都 | 1991年(平成3年) 第5回 徳山競艇場 |
1992年(平成4年) 第6回 浜名湖競艇場 |
最年少での優勝選手
達成年齢 | 選手名 | 当時の住所 | 開催年 | 大会回数 | 優勝戦日 | 開催場 |
---|---|---|---|---|---|---|
24歳3ヶ月 | 原田幸哉(3779) | 愛知県 | 2000年(平成12年) | 第14回 | 1月30日 | びわこ競艇場 |
歴代優勝者
新鋭王座決定戦(1986年~2000年)
1992年の第6回大会より、ピットでの並び順が現状のルール(1枠有利)に統一された。それまでは各競艇場の選択であった。
第1回大会の平和島は1枠有利の並び順、第2回大会から第5回大会の多摩川・尼崎・蒲郡・徳山は6枠有利の並び順であった。
優勝者の中で太字表示されている選手はSG制覇経験者
回数 | 開催年 | 優勝戦日 | 開催場 | 優勝者 | 当時 | ||||
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枠番 | コース | 決まり手 | 選手名 | 年齢 | 住所 | ||||
第1回 | 1986年(昭和61年) | 12月17日 | 平和島競艇場 | 1枠 | 3コース | まくり | 山室展弘(3070) | 25歳 | 岡山県 |
第2回 | 1987年(昭和62年) | 12月15日 | 多摩川競艇場 | 3枠 | 4コース | つけまい | 今村豊(2992) | 26歳 | 山口県 |
第3回 | 1989年(平成元年) | 1月30日 | 尼崎競艇場 | 3枠 | 2コース | 差し | 西島義則(3024) | 27歳 | 広島県 |
第4回 | 1990年(平成2年) | 1月23日 | 蒲郡競艇場 | 4枠 | 4コース | 2M差し | 山崎昭生(3064) | 30歳 | 香川県 |
第5回 | 1991年(平成3年) | 1月17日 | 徳山競艇場 | 1枠 | 4コース | まくり | 長岡茂一(3227) | 25歳 | 東京都 |
第6回 | 1992年(平成4年) | 1月29日 | 浜名湖競艇場 | 3枠 | 3コース | 恵まれ | 26歳 | ||
第7回 | 1993年(平成5年) | 2月2日 | 尼崎競艇場 | 2枠 | 3コース | 恵まれ | 新美恵一(3331) | 24歳 | 愛知県 |
第8回 | 1994年(平成6年) | 1月26日 | 常滑競艇場 | 2枠 | 1コース | 逃げ | 上瀧和則(3307) | 25歳 | 佐賀県 |
第9回 | 1995年(平成7年) | 1月25日 | 丸亀競艇場 | 6枠 | 5コース | まくり差し | 烏野賢太(3304) | 27歳 | 徳島県 |
第10回 | 1996年(平成8年) | 1月29日 | 下関競艇場 | 1枠 | 1コース | 逃げ | 市川哲也(3499) | 27歳 | 広島県 |
第11回 | 1997年(平成9年) | 2月3日 | 尼崎競艇場 | 5枠 | 3コース | まくり差し | 服部幸男(3422) | 26歳 | 静岡県 |
第12回 | 1998年(平成10年) | 1月25日 | 宮島競艇場 | 3枠 | 4コース | まくり差し | 市川哲也(3499) | 29歳 | 広島県 |
第13回 | 1999年(平成11年) | 1月31日 | 住之江競艇場 | 6枠 | 6コース | まくり差し | 平池仁志(3553) | 27歳 | 香川県 |
第14回 | 2000年(平成12年) | 1月30日 | びわこ競艇場 | 3枠 | 4コース | 恵まれ | 原田幸哉(3779) | 24歳 | 愛知県 |
新鋭王座決定戦(2001年~2013年)
回数 | 開催年 | 優勝戦日 | 開催場 | 優勝者 | 当時 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
枠番 | コース | 決まり手 | 選手名 | 年齢 | 住所 | ||||
第15回 | 2001年(平成13年) | 1月28日 | 浜名湖競艇場 | 5枠 | 5コース | まくり | 伊藤誠二(3713) | 26歳 | 愛知県 |
第16回 | 2002年(平成14年) | 1月20日 | 津競艇場 | 1枠 | 1コース | 逃げ | 瓜生正義(3783) | 25歳 | 福岡県 |
第17回 | 2003年(平成15年) | 2月2日 | 丸亀競艇場 | 1枠 | 1コース | 逃げ | 田村隆信(4028) | 24歳 | 徳島県 |
第18回 | 2004年(平成16年) | 2月1日 | 徳山競艇場 | 1枠 | 1コース | 逃げ | 蜷川哲平(3902) | 26歳 | 東京都 |
第19回 | 2005年(平成17年) | 1月30日 | 宮島競艇場 | 2枠 | 2コース | 差し | 秋山直之(3996) | 25歳 | 群馬県 |
第20回 | 2006年(平成18年) | 1月29日 | 唐津競艇場 | 2枠 | 2コース | 差し | 中野次郎(4075) | 24歳 | 神奈川県 |
第21回 | 2007年(平成19年) | 1月28日 | 大村競艇場 | 5枠 | 6コース | 抜き | 石野貴之(4168) | 24歳 | 大阪府 |
第22回 | 2008年(平成20年) | 1月27日 | 丸亀競艇場 | 1枠 | 1コース | 逃げ | 山口剛(4205) | 25歳 | 広島県 |
第23回 | 2009年(平成21年) | 1月25日 | びわこ競艇場 | 3枠 | 4コース | まくり差し | 松下一也(4207) | 25歳 | 静岡県 |
第24回 | 2010年(平成22年) | 1月24日 | 浜名湖競艇場 | 3枠 | 3コース | 抜き | 毒島誠(4238) | 26歳 | 群馬県 |
第25回 | 2011年(平成23年) | 1月30日 | 宮島競艇場 | 2枠 | 2コース | 差し | 山田哲也(4297) | 28歳 | 千葉県 |
第26回 | 2012年(平成24年)冬 | 1月29日 | 芦屋競艇場 | 4枠 | 4コース | まくり | 松尾昂明(4424) | 26歳 | 福岡県 |
第27回 | 2012年(平成24年)秋 | 9月30日 | 徳山競艇場 | 2枠 | 2コース | 恵まれ | 茅原悠紀(4418) | 25歳 | 岡山県 |
第28回(最終回) | 2013年(平成25年) | 9月23日 | 桐生競艇場★ | 1枠 | 1コース | 逃げ | 篠崎仁志(4477) | 25歳 | 福岡県 |
開催予定
ヤングダービー競走
イースタンヤング競走
- 第1回大会 2014年7月25日~30日 蒲郡競艇場 ナイター開催
ウェスタンヤング競走
- 第1回大会 2014年7月25日~30日 大村競艇場
ルーキーシリーズ
テンプレート:競艇の競走 ルーキーシリーズ(るーきーしりーず)は、若手選手を対象とした競艇のGⅢ競走として長らく開催されたが、2014年度からの番組改正[3]の実施に伴い、一般競走に変更される。これに伴い2014年に「新鋭リーグ戦」から名称変更されている。[3]
概要
新鋭リーグ戦競走は、若手の優秀選手育成強化と競走の活性化を図り、併せて競艇の話題を提供し、若年ファンの拡大を図ることを目的として、新鋭王座決定戦競走とともに新設された。[8]
年間20戦前後が全国各地の競艇場で開催される[9]。一部開催されない競艇場もある。
出場資格
デビュー6年目未満かつ新鋭王座決定戦競走に優勝していない選手
性別の制約はないが、女子選手は女子リーグに参加するため出場していない。
歴史
2006年、第20回大会から基準改定により新鋭リーグ戦に最低1節は出走しないと出場権は得られないが、全体勝率による成績上位者となった。以前は新鋭リーグ戦の戦績上位の選手が新鋭王座決定戦の出場権を得られた。
2011年度より、新鋭リーグ戦競走の準優勝戦と優勝戦でスタート事故を起こすと、選出除外となる罰則が追加された[10]。2014年度に「ルーキーシリーズ」に変更
脚注
外部リンク
テンプレート:Navbox- ↑ 第1回新鋭王座決定戦競走開催(昭和61年12月)
- ↑ 新鋭王座決定戦競走
- ↑ 3.0 3.1 3.2 < BOAT RACE通信 Vol.11>平成26年度よりグレード競走を見直し 新しい取り組みをスタート!(2013年7月2日 同7月9日閲覧)
- ↑ 正式には「選手、審判員及び検査員褒賞懲戒規程に基づき出場停止処分を受けたため」である
- ↑ BOAT RACE オフィシャル WEB SG、GIおよびGII競走開催要綱の一部改正について
- ↑ BOAT RACE オフィシャル WEB 新鋭王座決定戦トピックス 女子選手の出場
- ↑ BOAT RACE オフィシャル WEB 新鋭王座決定戦トピックス
- ↑ 第1回新鋭王座決定戦競走開催(昭和61年12月)
- ↑ BOAT RACE オフィシャル WEB 用語辞典 新鋭リーグ戦
- ↑ 正式には「GIII競走開催要項第9条第1項に基づく出場資格の喪失期間」