文理学部

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文理学部(ぶんりがくぶ)は、人文科学社会科学自然科学の各領域を対象に教育研究を行う大学学部の1つである。

英語では本来「faculty of philosophy」と表現され[1]文学部理学部を併せたものではなく寧ろ後になって両者が分かれ出たものである[2]

日本ではかつて高等師範学校旧制高等学校の流れを汲む形で、北は弘前大学から南は琉球大学まで地方の国公立大学を中心に存在した[3]。しかし1970年代以降、教育学部や文学部(人文学部法文学部法経学部経済学部)、理学部(理工学部工学部)などに相次いで分化・改組されていった[4]
現在、旧制日本大学高等師範部の流れを組む日本大学しか文理学部は設置されていない[5]
一方、教養学部教養部を改組した学部(ex.総合科学部)において、文理学部同様の伝統的な特徴を見出す事ができる。

  1. ちなみに日本で唯一現存している日大文理学部では「College of Humanities and Sciences」が使われているが、以前には(東京女子大学など)「College of Arts and Sciences」という呼称も使われていた。
  2. 現代でも Ph.D. という博士学位があるのは、このような伝統に基づいている。
  3. ちなみに東京教育大学(現筑波大学)の前身の一つである東京文理科大学広島大学の前身の一つである広島文理科大学が戦前に旧制大学として存在したが、これらは高等師範学校卒業生を対象とした大学としての位置づけであった。但し両大学とも学制改革以降は、文学部・理学部・教育学部と個別分野ごとに学部を設置している。
  4. 埼玉大学は文理学部から教養学部と経済学部と理工学部が発足し、後に理工学部が理学部と工学部に分化。佐賀大学は文理学部から経済学部と理工学部が発足。弘前大学は文理学部から人文学部と理学部が、島根大学は文理学部から法文学部と理学部が発足し、それぞれ理学部から改組される形で理工学部と総合理工学部が誕生している。
  5. 東京女子大学にも2008年まで文理学部が存在した。

関連項目