島根大学
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テンプレート:Infobox 島根大学(しまねだいがく、テンプレート:Lang-en)は、島根県松江市西川津町1060に本部を置く日本の国立大学である。1949年に設置された。大学の略称は島大(しまだい)。
目次
概観
大学全体
2003年10月1日に旧島根大学と旧島根医科大学が統合した。法文学部、教育学部、医学部、総合理工学部、生物資源科学部 の5学部からなる。2004年には、島根県、鳥取県両県(山陰地方)で活躍する法曹の養成を目指し大学院法務研究科(法科大学院)を設置したが、2015年に募集停止することを発表。複数の法科大学院による「広域連合法科大学院」の設置を目指すとしている[1]。国公立大学での募集停止は初となる。尚、卒業生組織として、5学部などの同窓会の緩やかな連合会としての島根大学同窓会連合会がある。
学部生:5,352名、大学院生:705名(連合農学研究科を除く)、計6,057名(2007年5月現在) [2]。
憲章
- 豊かな人間性と高度な専門性を身につけた、自ら主体的に学ぶ人材の養成
- 特色ある地域課題に立脚した国際的水準の研究推進
- 地域問題の解決に向けた社会貢献活動の推進
- アジアをはじめとする諸外国との交流の推進
- 学問の自由と人権の尊重、社会の信頼に応える大学運営
沿革
- 1949年(昭和24年) 松江高等学校・島根師範学校・島根青年師範学校を母体として島根大学が発足。
- 旧制松江高等学校を母体とする文理学部と島根師範学校及び島根青年師範学校を母体とする教育学部の二学部を設置。
- 旧・島根師範学校女子部のあった浜田市に教育学部浜田分校、旧・島根青年師範学校のあった出雲市に教育学部出雲分教場を設置。
- 松江市に島根大学教育学部附属中学校・島根大学教育学部附属小学校設置。
- 1950年(昭和25年) 島根大学教育学部出雲分教場を廃止。
- 1952年(昭和27年) 島根大学教育学部浜田分校を廃止。
- 1955年(昭和30年) 島根大学教育学部附属幼稚園を設置。
- 1965年(昭和40年) 県立島根農科大学を国に移管し、農学部を設置。
- 1973年(昭和48年) 島根大学文理学部隠岐臨海実験所を開設。
- 1975年(昭和50年) 島根医科大学を設置(現医学部)。
- 1978年(昭和53年) 文理学部を改組し、法文学部・理学部を設置。
- 1979年(昭和54年) 島根医科大学医学部附属病院(現島根大学医学部附属病院)設置。
- 1982年(昭和57年) セントラル・ワシントン大学、ケント州立大学と大学間交流協定締結。
- 1986年(昭和61年) カリフォルニア大学デイビス校と大学間交流協定締結。
- 1989年(平成元年) 後期3年のみの博士課程の独立研究科として、鳥取大学大学院農学研究科、島根大学大学院生物資源科学研究科、山口大学大学院農学研究科の修士課程の講座と附属施設を母体として、鳥取大学大学院連合農学研究科を設立。
- 1992年(平成4年) 汽水域研究センターを設置。
- 1993年(平成5年) アーカンソー大学と大学間交流協定締結。
- 1995年(平成7年) 理学部と農学部を改組し、工学系分野を融合した総合理工学部・生物資源科学部を設置。
- 2003年(平成15年) 島根大学と旧島根医科大学が統合。
- 2004年(平成16年) 国立大学法人となる。大学院法務研究科(法科大学院)を設置。教育学部が、鳥取大学教育地域科学部と再編。教育職員免許取得を卒業要件としない生涯学習課程と生活環境福祉課程の定員計100名を鳥取大に移動する一方、鳥取大の教員養成課程の定員70 名を島根大に移動させ、教員養成に特化。
- 2005年(平成17年) 島根大学・寧夏大学国際共同研究所設置。
- 2008年(平成20年) 独立行政法人・宇宙航空研究開発機構(JAXA)と宇宙教育に関する連携協定締結。
- 2009年(平成21年) 国登録文化財「旧奥谷宿舎(旧制松江高等学校外国人宿舎)」の修復完成。
- 2013年(平成25年) 6月24日、雲南市勤労青少年ホームに「サテライトキャンパス雲南」を開設[3]。
基礎データ
所在地
象徴
学歌
- 「島根大学歌」
教育および研究
学部
- 教育学部
- 学校教育課程
- Ⅰ類
- 初等教育開発専攻
- 特別支援教育専攻
- 言語教育専攻
- 国語教育コース
- 英語教育コース
- 共生社会教育専攻
- 数理基礎教育専攻
- 自然環境教育専攻
- 人間生活環境教育専攻
- Ⅱ類
- 健康・スポーツ教育専攻
- 音楽教育専攻
- 美術教育専攻
- 注:上記の「主専攻」の選択時期は、Ⅰ類(一般入試、AO入試で入学)は1年後期開始直前。Ⅰ類でも「推薦入試Ⅰ」で入学した場合と、Ⅱ類は入学時に専攻が決まっている
- 注:上記の「主専攻」以外に「副専攻」も選択。主専攻との組み合わせや定員により、選択できない場合もある。
- 副専攻:初等教育開発専攻、臨床心理特別副専攻、特別支援教育専攻、言語教育専攻(国語教育コース、英語教育コース、書道コース)、共生社会教育専攻、数理基礎教育専攻、自然環境教育専攻、人間生活環境教育専攻、健康・スポーツ教育専攻、音楽教育専攻、美術教育専攻
- 注:講座は、「初等教育開発」、「心理・発達臨床」、「言語文化教育」、「共生社会教育」、「数理基礎教育」、「自然環境教育」、「人間生活環境教育」、「健康・スポーツ教育」、「芸術表現教育」がある。
- Ⅰ類
- 学校教育課程
- 総合理工学部
- 物質科学科
- 物理分野
- 物理系コース
- 化学分野
- 機能材料化学コース
- 基礎化学コース
- 注:2年次にコースに分かれる
- 物理分野
- 地球資源環境学科
- 数理・情報システム学科
- 数理分野
- 数理構造コース
- 数理解析コース
- 注:2年次にコースに分かれる
- 情報分野
- 情報システムコース
- 情報工学コース
- 注:3年次にコースに分かれる
- 数理分野
- 機械・電気電子工学科
- Aコース(制御、力学、機械計測)
- Bコース(エネルギー、情報通信、電子計測)
- Cコース(電子デバイス・材料・物性)
- 注:3年次にコースに分かれる
- 建築・生産設計工学科
- 材料工学コース
- 材料プロセス工学コース
- 機械加工システム学コース
- 注:2年後期にコースに分かれる
- 理工特別コース(学部共通教育コース)
- 物質科学科
- 生物資源科学部(2012年、生物科学科、生態環境科学科、生命工学科、農業生産学科、地域開発科学科を改組)
大学院
- 教育学研究科(修士課程)
- 教育実践開発専攻
- 学習開発コース
- 発達臨床コース
- 臨床心理コース
- 教育内容開発専攻
- 健康系教育コース
- 芸術系教育コース
- 美術教育分野
- 音楽教育分野
- 生活系教育コース
- 家政教育分野
- 技術教育分野
- 言語系教育コース
- 英語教育分野
- 国語教育分野
- 自然系教育コース
- 社会系教育コース
- 数理系教育コース
- 教育実践開発専攻
- 医学系研究科
- 博士課程
- 研究者育成コース
- 高度臨床医育成コース
- 腫瘍専門医育成コース
- 修士課程
- 医科学専攻
- 総合医科学コース
- がん専門薬剤師養成コース
- 地域医療支援コーディネータ養成コース
- 医療シミュレータ教育指導者養成コース
- 看護学専攻
- 看護援助学コース
- 看護管理学コース
- 母子看護学コース
- 成人看護学コース
- 地域在宅看護学コース
- 高齢者看護学コース
- 老人看護CNSコース
- 医科学専攻
- 博士課程
- 総合理工学研究科
- 博士前期課程
- 総合理工学専攻(2012年、物質科学専攻、地球資源環境学専攻、数理・情報システム学専攻、電子制御システム工学専攻、材料プロセス工学専攻を改組)
- 理工・医連携コース
- 物理・材料科学コース
- 物質化学コース
- 地球資源環境学コース
- 数理科学コース
- 情報システム学コース
- 機械・電気電子工学コース
- 建築・生産設計工学コース
- 総合理工学専攻(2012年、物質科学専攻、地球資源環境学専攻、数理・情報システム学専攻、電子制御システム工学専攻、材料プロセス工学専攻を改組)
- 博士後期課程
- マテリアル創成工学専攻
- 講座:マテリアル開発工学、マテリアル循環プロセス学
- 電子機能システム工学専攻
- 講座:電子情報システム工学、電子機能集積工学
- 2014年度からの構成
- 総合理工学専攻
- 地球科学・地球環境コース
- 数理機能物質創成科学コース
- 理工学際創成コース
- 機械電子情報工学コース
- 総合理工学専攻
- マテリアル創成工学専攻
- 博士前期課程
- 生物資源科学研究科(修士課程)
- 生物生命科学専攻
- 課題研究コース
- 学術研究コース
- 地域産業人育成コース
- 農林生産科学専攻
- 課題研究コース
- 学術研究コース
- 地域産業人育成コース
- 環境資源科学専攻
- 課題研究コース
- 学術研究コース
- 地域産業人育成コース
- 生物生命科学専攻
- 連合農学研究科(博士課程、設置校は鳥取大)
- 生物生産科学専攻
- 連合講座:農業生産学、森林資源学、経済・経営学
- 生物環境科学専攻
- 連合講座:生産環境工学、環境科学
- 生物資源科学専攻
- 連合講座:生物機能科学、資源利用化学
- 国際乾燥地科学専攻
- 連合講座:国際乾燥地科学
- 生物生産科学専攻
附属機関
全学
- 附属図書館(出雲市に医学分館)
- 学内共同教育研究施設等
- 保健管理センター
- 生涯教育推進センター
- 産学連携センター
- 地域産業共同研究部門
- 地域医学共同研究部門
- 連携企画推進部門
- 知的財産創活部門
- 教育開発センター
- キャリアセンター
- 総合情報処理センター
- 総合科学研究支援センター
- 遺伝子機能解析部門(松江キャンパス)
- RI実験施設(松江キャンパス)
- 実験動物部門(出雲キャンパス)
- 生体情報・RI実験部門 (出雲キャンパス)
- 物質機能分析部門(松江キャンパス)
- 遺伝子機能解析部門(松江キャンパス)
- 評価室
- 入学センター
- 国際交流センター
- 汽水域研究センター
- 外国語教育センター
- ミュージアム
- 戦略的研究推進センター
- 男女共同参画推進室
- 島根大学・寧夏大学国際共同研究所
- 学内共同利用施設
- RI実験施設
- サテライトオフィス
- 広島オフィス
学部
- 法文学部
- 山陰研究センター
- 教育学部
- 附属教育支援センター
- 附属教師教育研究センター
- 附属FD戦略センター
- 島根大学教育学部附属小学校
- 島根大学教育学部附属中学校
- 島根大学教育学部附属幼稚園
- 医学部
- 島根大学医学部附属病院
- 情報ネットワークセンター
- 生物資源科学部
- 附属生物資源教育研究センター
大学関係者と組織
大学関係者一覧
施設
キャンパス
寮
- 島根大学学生寮(松江キャンパスから徒歩で約10分のところに位置する)
- A棟(男子・女子・留学生共用。収容定員168人、個室)
- B棟(男子・女子・留学生共用。収容定員91人、個室)
- C棟(男子・女子・留学生共用。収容定員59人、個室)
その他の施設
- 生物資源科学部附属生物資源教育研究センター海洋生物科学部門臨海実験所(隠岐の島町)
- 生物資源科学部附属生物資源教育研究センター森林科学部門三瓶演習林(大田市三瓶山)
- 生物資源科学部神西附属農場(出雲市神西沖町)
- 汽水域研究センター中海分室(松江市八束町)
- 国登録文化財・島根大学旧奥谷宿舎(旧制松江高等学校外国人宿舎)(松江市奥谷町)
このほかの島根大学の関連施設としては、松江市天神町商店街の中に「白潟サロン」(研究発表、展示、学習会などに使われる交流スペース)がある。
イベント
松江キャンパス
- 淞風祭 - 学園祭
- 2009年度の淞風祭は新型インフルエンザの影響により開催中止となった[4]。
出雲キャンパス
- くえびこ祭 - 学園祭
アクセス
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- 出雲キャンパス([[[:テンプレート:座標URL]]35_20_52.8_N_132_45_18.5_E_type:edu_region:JP&title=%E5%B3%B6%E6%A0%B9%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E5%87%BA%E9%9B%B2%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%B9 地図])
学生生活
サークル・同好会
- 松江キャンパス
- 硬式野球部
- サッカー部
- 山岳部
- 水泳部
- 柔道部
- 剣道部
- 空手道部
- バレーボール部
- バスケットボール部
- バドミントン部
- 不昧流茶道部
- 弓道部
- 月ノ輪熊研究同好会
- 放送サークル
- 古武道団体 拳雲塾
- 出雲キャンパス
- サッカー部
- ラグビー部
社会との関わり
「天皇小論文入試」事件
1994年、島根大学法文学部が大学入試において、和田英夫 『昭和天皇と日本国憲法』、樋口陽一 『もういちど憲法を読む』、久野収 『「天皇崇拝」の意識構造』の3つの課題文をもとに、昭和天皇の戦争責任に関する出題を行った。これに対して、右翼団体が全国から殺到し、街宣車を繰り出して大学側に抗議を申し入れるという事態となり、広く社会の注目を集めた[5][6]。
脚注
テンプレート:脚注ヘルプ 注釈 テンプレート:Reflist 出典 テンプレート:Reflist
関連項目
公式サイト
テンプレート:ウィキ座標2段度分秒- ↑ 島根大学大学院法務研究科(山陰法科大学院)の組織見直しについて(国立大学法人 島根大学)
- ↑ テンプレート:PDFlink 島根大学広報・広聴委員会、13-14頁。
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ 大学祭「淞風祭09」(松江キャンパス)の中止について(国立大学法人 島根大学)
- ↑ 稲口仁 「島根大学『天皇小論文』入試は思想調査か」 『週刊金曜日』 第33号 1994.7.8
- ↑ 和仁廉夫 「島根大『天皇小論文入試』事件とは何だったのか?」 『歴史教科書とナショナリズム ― 歪曲の系譜』 (社会評論社、2001年) ISBN 4784507701