川端香男里

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

川端 香男里(かわばた かおり、男性、1933年12月24日 - )は、日本のロシア文学者、東京大学文学部名誉教授

経歴

東京生まれ。英文学者山本政喜の三男。元の姓は山本。美術史の若桑みどりは実妹である。東京都立新宿高等学校、東京大学教養学部教養学科フランス分科卒業、同大学院人文科学研究科比較文学比較文化専攻進学。1960年よりパリ大学に留学。1963年北海道大学文学部講師、1965年よりカレル大学モスクワ大学に留学。1967年8月川端康成の養女政子と結婚、モスクワの日本大使館で式を挙げ、10月14日国際文化会館で披露宴をあげた。1971年東京大学教養学部講師、1973年新設された文学部ロシア語ロシア文学専修課程の助教授となり、のち教授。1994年定年退官後、中部大学国際関係学部教授、2000年川村学園女子大学教授、のち副学長、2009年定年退任。元・NHKラジオ「ロシア語講座 応用編」講師。

現在は、川端康成記念会理事長を務めている。

著書

単著

  • 『ユートピアの幻想』(潮新書、1971年、講談社学術文庫 1993年)
  • 『薔薇と十字架 ロシア文学の世界』(青土社 1981年)
  • トルストイ』〈人類の知的遺産52〉(講談社 1982年)
  • 『ロシア文学史』 〈岩波全書〉(岩波書店 1986年)
  • 『ロシア その民族とこころ』(悠思社 1991年、講談社学術文庫 1998年)

編著

  • 『現代ロシア幻想小説』(白水社 1971年)
  • 『世界幻想文学大系(34)ロシア神秘小説集』(国書刊行会 1984年)
  • 『ロシア文学史』(東京大学出版会 1986年)
  • 『神秘主義 ヨーロッパ精神の底流』(せりか書房 1988年)
  • 大泉黒石 ロシア文学史』(講談社学術文庫 1989年)校訂・解説

共編著

訳書

  • チェーホフ桜の園』(講談社:世界文学全集、1968年、新版1975年)
  • アレクサンドル・プーシキン大尉の娘・戯曲 モーツァルトとサリエーリ・石の客』 (講談社:世界文学全集、1969年、新版1979年)
  • E・ザミャーチン『われら』(講談社、1970年、講談社文庫、1975年/岩波文庫 1992年)
  • ロナルド・ヒングリー『19世紀ロシアの作家と社会』(平凡社:世界大学選書 1971年/中公文庫 1984年)
  • 『プーシキン全集(5) 評論・歴史・紀行』 米川哲夫共訳(河出書房新社、1973年)。他に訳は、第2・6巻に収録。
  • アンドレイ・ベールイ 『魂の遍歴』〈20世紀のロシア小説〉(白水社、1973年)
  • ボリス・ピリニャーク『機械と狼』 工藤正広共訳 (白水社、1973年/未知谷 2010年)
  • ミハイル・バフチンフランソワ・ラブレーの作品と中世・ルネッサンスの民衆文化』(せりか書房 1974年、新版1988年)
  • ピエール・パスカル 『ドストエフスキイ』 〈作家と人間叢書〉(ヨルダン社、1975年)
  • チェーホフ『ワーニャ伯父さん』 (講談社:世界文学全集、1975年)
  • ベールイ『ペテルブルグ』(講談社:世界文学全集、1977年、講談社文芸文庫 上下巻 2000年)
  • ベールイ『銀の鳩』 (講談社 1977年)
  • ドストエフスキー『ドストエフスキー全集(17・18・19) 作家の日記』(新潮社 1979-80年)
  • 『ミハイル・バフチン著作集(7) 叙事詩と小説』(訳者代表、新時代社 1982年)
  • ロシア・アヴァンギャルド芸術 理論と批評 1902-34年』(J・E・ボウルト編、望月哲男・西中村浩共訳、岩波書店 1988年)
  • カテリーナ・クラーク、マイケル・ホルクイスト『ミハイール・バフチーンの世界』 鈴木晶共訳(せりか書房 1990年)
  • アーロン・グレーヴィチ『中世文化のカテゴリー』 栗原成郎共訳(岩波書店 1992年、新版1999年)
  • カサノーヴァ 『「イコザメロン」 ユートピア旅行記叢書(14) 奇想と転倒のユートピア』(岩波書店 1997年)
  • アレクサンドル・セルゲーエヴィチ・プーシキン 『大尉の娘』(未知谷 2013年)
テンプレート:Normdaten