山武市
山武市(さんむし)は、千葉県東部の市。2006年3月27日に成東町・山武町・蓮沼村・松尾町の4町村が合併して誕生した。
地理
千葉県の北東部に位置し、県庁所在地の千葉市や成田国際空港まで約10~30km, 東京都心部から約70kmの距離にある。日本有数の砂浜海岸である九十九里浜の中央から南側にかけ、約8kmにわたって太平洋に面する。
- 河川
隣接する自治体
歴史
沿革
- 2006年(平成18年)3月27日 - 山武郡成東町・山武町・蓮沼村・松尾町が合併し山武市が発足。
- 2006年(平成18年)10月1日 - 市章を制定する。
- 2011年(平成23年)3月11日 - 沿岸部に東北地方太平洋沖地震による津波が襲い、死者1名と重症者2名の人的被害が出た。海岸の防砂林を超えた津波による浸水被害のほかに、河川を逆流した津波が田畑に流れ込むなどの被害が出た。また、地震動により43棟が全壊し、438棟が半壊した(2012年2月1日現在、千葉県:東日本大震災について)。
合併までの経緯と市名
合併以前は山武郡・山武町とも読みは「さんぶ」であったが、現在の山武市の読みは「さんむ」である。山武中央合併協議会によると「さんむ」の方が古い歴史的な読み方であり、1975年あたりから何時の間にか「さんぶ」に変わってしまったので、重い歴史を持った「さんむ」の方が新しい市に相応しいためであるという。
- 九十九里市
当初はこの4町村と東金市、九十九里町が合併して九十九里市(くじゅうくりし)が誕生する予定だったが、東金市の住民投票により白紙となり、結局、東金市と九十九里町を除いた4町村が合併することになった。
- 太平洋市
当初は合併後の新市名を太平洋市にする予定であった。古谷淳・松尾町長(当時)は「決してパシフィック・オーシャンの意味ではない。大きな希望を持った平和な市と理解してほしい」[1]と釈明したが、「一自治体が『太平洋』を名乗るべきではない」という趣旨の抗議が相次いだため、住民アンケートを行って現在の市名に変更された。
行政区域変遷
- 変遷の年表
山武市市域の変遷(年表) | ||
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年 | 月日 | 現山武市市域に関連する行政区域変遷 |
1889年(明治22年) | 4月1日 | 町村制施行により、以下の町村が発足。 |
1897年(明治30年) | 4月1日 | 武射郡、山辺郡が統合して山武郡が成立。 |
1898年(明治31年) | 8月31日 | 松尾村が町制施行して松尾町となる。 |
1953年(昭和28年) | 4月10日 | 公平村の一部(姫島)が成東町に編入。 |
1954年(昭和29年) | 4月1日 | 源村の一部(下布田、植草、雨坪、武勝)が日向村に編入。 |
10月1日 | 成東町・大富村・南郷村が合併し、成東町が発足。 | |
10月31日 | 日向村大木の一部が印旛郡八街町(現八街市)に編入。 | |
1955年(昭和30年) | 1月1日 | 日向村・睦岡村が合併し、山武町が発足。 |
2月1日 | 松尾町・大平村・豊岡村が合併し、松尾町が発足。 | |
3月31日 | 鳴浜村の一部(白幡、本須賀)が成東町に編入。 | |
7月1日 | 成東町・緑海村が合併し、改めて成東町が発足。 | |
1956年(昭和31年) | 4月1日 | 山武町木原・沖渡の一部が印旛郡八街町(現八街市)に編入。 |
2006年(平成18年) | 3月27日 | 山武町・成東町・松尾町・蓮沼村が合併し、山武市が発足。 |
人口
行政
市長
役所
- 山武市役所(旧成東町役場)
- (本庁舎)
- 山武市殿台296番地
- (本庁舎)
- 山武支所(さんぶの森交流センターあららぎ館内)
- 山武市埴谷1884番地1
- 蓮沼支所(旧蓮沼村役場)
- 山武市蓮沼ハの4832番地1
- 松尾支所(旧松尾町役場)
- 山武市松尾町松尾40番地2
警察
- 山武警察署(旧成東警察署。山武市、芝山町、横芝光町を管轄。)
消防
- 山武郡市広域行政組合消防本部
- 東消防署
- 山武分署
- 東消防署
経済
産業
農林業・観光業を主産業とする。特に林業は『山武杉』で知られるが、近年は過疎による後継者不足に悩んでいる。また、その山武杉などを加工して作られる「組子細工」は、主に障子や欄間などの建具に施される技法で、それを施された建具を「上総建具」と呼ぶ。これらは宝暦年間に普及し始めた山武杉の台頭によってより盛んになり、伝統工芸品として房総の魅力500選に選ばれるなど、評価されている。
昭和初期までは漁業も盛んで旧蓮沼村地区は栗山川漁港を利用していたが、最近は衰退した。
市内の企業
- ちばフラワーバス本社
- 帝国石油千葉鉱業所
- アルバック千葉研究所
- パラマウントベッド千葉工場・松尾工場
- 日本ブレーキ工業千葉事業所
- BMW JAPAN松尾新車整備センター(プジョー・ジャポン、フィアットオートジャパンなども受託。)
- 守屋酒造
- 寒菊銘醸
- 花の友
- 梅一輪酒造
- 読売センター成東
地域
教育
高等学校
中学校
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小学校
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幼稚園
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図書館
- 成東図書館
- さんぶの森図書館
- 松尾図書館
文化施設
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スポーツ施設
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地区
合併などの経緯から、
- 成東地域
- 山武地域
- 松尾地域
- 蓮沼地域
に分かれている。
地域 | 大字・町名 |
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旧成東町 | 成東・姫島・島・殿台・津辺・市場・親田・川崎・板附・和田・湯坂・野掘・真行寺・嶋戸・新泉・富田・寺崎・早船・柴原・上横地・下横地・草深・五木田・小泉・富口・富田幸谷・白幡・本須賀・木戸・小松・松ケ谷・井之内 |
旧山武町 | 麻生新田・板川・板中新田・沖渡・実門・戸田・中津田・埴谷・美杉野・横田・雨坪・植草・大木・木原・椎崎・下布田・日向台・武勝・森・矢部・西湯坂 |
旧松尾町 | 山室・引越・谷津・古和・小川・上大蔵・下大蔵・金尾・蕪木・八田・猿尾・五反田・祝田・水深・本水深・田越・大堤・松尾・富士見台・広根・下野・折戸・下之郷・借毛本郷・高富・本柏・木刀・武野里 |
旧蓮沼村 | 蓮沼イ・蓮沼ロ・蓮沼ハ・蓮沼ニ・蓮沼ホ・蓮沼平 |
住所表記
各地域ごとに住所表記が異なる。
- 成東・山武地域
- 例) 山武郡成東町成東→山武市成東
- 例) 山武郡山武町埴谷→山武市埴谷
- 松尾地域
- 松尾地域の地区に関しては、大字の前に松尾町をつける。
- 例) 山武郡松尾町山室→山武市松尾町山室
- 蓮沼地域
- 例) 山武郡蓮沼村イ→山武市蓮沼イ
交通
鉄道
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)
- テンプレート:Color 総武本線 : 日向駅 - 成東駅 - 松尾駅
- テンプレート:Color 東金線 : 成東駅
高速バス
東京ルート
- 【シーサイドライナー】東京駅 - 成東 1時間40分(ちばフラワーバス)
千葉ルート
- 【フラワーライナー】千葉駅 - 成東 50分(ちばフラワーバス)
- 成東車庫 - 成東高校 - 東金商高入口 - 東金駅入口⇔都町球場入口 - 中央三丁目 - 中央二丁目 - 千葉駅
路線バス
- 千葉線
- 海岸線
- 八街線
- 芝山ふれあいバス
- 蓮沼循環
道路
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
名所・旧跡
- 歴史民俗資料館(伊藤左千夫の生家に隣接)と伊藤左千夫の生家(千葉県指定史跡、房総の魅力500選)
- 成東・東金食虫植物群落(国の天然記念物、房総の魅力500選)
- 成東町のクマガイソウ、石塚の森(千葉県指定天然記念物、房総の魅力500選)
- 不動院長勝寺(石塚の森中腹にある朱塗り懸崖造りの寺院、行基により開基されたとされる、浪切不動)
- 山室姫塚古墳・大堤権現塚古墳(千葉県指定史跡)、蕪木古墳群(房総の魅力500選)、駄ノ塚古墳
- 九十九里教会(1887年に建てられた教会、ヘボンゆかりの教会として知られる、国の登録有形文化財)
- 真光寺(延暦8年に征東大将軍紀古佐美が建立した寺院)
- 妙宣寺(「鍋かむり上人」こと日親の生地)
- 長光寺(妙宣寺とともに、枝垂桜で有名)
- 大宮神社(大同2年創祀と伝える古社、旧郷社)
- 五所神社(本殿は千葉県指定有形文化財、旧郷社)
- 白幡八幡神社(石橋山の戦いに敗れ房総に逃れた源頼朝が、その後鎌倉を目指した際に白旗を献納した八幡神社)
観光スポット
- 成東城址公園
- 成東海岸(小松海水浴場、白幡・井之内海水浴場、本須賀海水浴場)
- 蓮沼海岸(殿下海水浴場、中下海水浴場、南浜海水浴場)
- 蓮沼海浜公園(宿泊施設、プール、テニス場、公園施設などを伴ったリゾート、房総の魅力500選に選定)
- いちご狩り - 成東地域の国道126号沿いを「ストロベリーロード」と称しており、この付近には約20件のいちご農家がある。
出身有名人
- 安井理民(鉄道創設者)
- 伊藤左千夫(アララギ派歌人)
- 蕨真一郎(アララギ派歌人)
- 麻生磯次(国文学者)
- 中村勝広(プロ野球選手・監督)
- 鈴木孝政(元プロ野球選手)
- 麻生久美子(女優)
- 鹿島千穂(フリーアナウンサー)
- 小高憲一(建築家)
- 川島正行(競馬調教師)
- 鉞り鉄五郎(元力士)
脚注
参考文献
外部リンク
- 行政
- 観光
- ↑ 新市の名称「太平洋市」に…千葉県の4町村合併、読売新聞社、2005年1月31日。(インターネット・アーカイブのミラー)