宇都宮清原球場

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テンプレート:野球場情報ボックス 宇都宮清原球場(うつのみや・きよはらきゅうじょう)は、栃木県宇都宮市の清原中央公園内にある野球場。施設は宇都宮市が所有し、宇都宮市体育文化振興公社が指定管理者として運営管理を行っている。

歴史

1988年5月、宇都宮市東郊の宇都宮清原工業団地にある清原中央公園内(「'84とちぎ博」会場跡地)に竣工。フィールドは全面人工芝で、横浜スタジアム古代ローマコロッセオをモデルに設計されている。開場以来、中学野球の県大会、関東大会や高校野球大学野球社会人野球などアマチュア野球公式戦が行われている。アマチュア第1号本塁打は、当時宇都宮学園高等学校(現:文星芸術大学附属高等学校)3年生であった真中満(のちに日本大学を経て東京ヤクルトスワローズに入団、現在はヤクルトの二軍監督)が放っている。

また、プロ野球も公式戦やオープン戦が不定期ながら開催されており、過去には横浜大洋ホエールズ日本ハムファイターズなどが主催公式戦を開催した事があるが、公式戦は1997年から2007年まで開催されていなかった。但し、オープン戦については読売ジャイアンツ(巨人)が3年に1回のペースで主催試合を開催している(詳細は後述)。

2008年4月22日、12年ぶりの一軍公式戦として巨人対横浜戦が1試合開催された。巨人が宇都宮で主催公式戦を開催するのは1956年7月26日に現在の東武鉄道南宇都宮駅近くに所在した宇都宮常設球場で行われた対大洋ホエールズ戦以来、52年ぶりのことであった。巨人は翌2009年6月16日にも当球場で初のセ・パ交流戦となる対埼玉西武ライオンズ戦を1試合開催した。

しかし、2011年3月11日に発生した東日本大震災の影響で設備の一部が損壊し、数か月にわたる復旧工事が必要となった。このため6月29日に予定されていた巨人対ヤクルト戦は中止となった。この試合は郡山総合運動場開成山野球場、当球場、東京ドームでの3連戦として編成されたもので、当球場での開催分は郡山での開催に振り替えられた[1][2]

また、第93回全国高校野球選手権栃木大会も当球場での開催が不可能となり、決勝戦は県営球場で行われた。清原球場の代替球場として、鹿沼市営球場で1・2回戦が行われた。

外野席のスタンド上段には広告スペースが設けられている。開場当初はほぼ埋まっていたものの、プロ野球の開催数の減少などもあって広告数は激減した。

2012年5月8日巨人DeNA5回戦が開催された。巨人主催の対DeNA戦は2008年4月22日以来4年ぶりで、巨人主催の宇都宮での試合も3年ぶりに開催された。また、このカードは4月25日熊本で予定されていた試合が雨天中止になった為、地方での公式戦は2戦目となる。[3]
2014年度にも読売ジャイアンツ対広島東洋カープ戦の開催が予定されている。[1]

2012年、東日本大震災による施設復旧工事に合わせ、1塁側観客席に車いす用のエレベーター、スロープを新設、また、これに伴って減少する観客席数確保のために、エキサイティングシートが新設された。またこの工期にあわせ、スコアボードのカウント表示機を(上から)SBOの順番から、BSOの順番に変更された。

エピソード

  • 千葉マリンスタジアム(現:QVCマリンフィールド)が完成する以前、県内政財界を中心にロッテオリオンズを宇都宮に誘致し本拠地を川崎球場から当球場に移転する構想があった。しかし、当時県知事を務めていた渡辺文雄[4]が「巨人戦以外は誘致しない」と頑なに反対したため、この構想は立ち消えとなった。なお、巨人は当球場で概ね3年おきにオープン戦を行ってはいるが、2007年まで公式戦を開催したことは過去に一度もなかった。また、巨人在籍時の清原和博が当球場でのオープン戦に出場したこともなかった。(栃木県総合運動公園野球場においては西武時代の1987年に巨人とのオープン戦で出場している。)
  • 開場以来、磁気反転式のスコアボードを使用していた。得点表示部がデジタル時計のような7セグメント式のものだったが、近年はメンテナンスが行き届かず故障が相次いでいた。このことはかねてから県内でも問題視されていたが、遂に2005年のシーズンには選手名表示など一部の表示機能が停止してしまった。同年夏の高校野球県大会までに改修が間に合わず、当球場では点数とボールカウントしか表示出来ない状態で試合が進められた。同年冬から改装工事に着手、2006年2月に工事が完了し、2006年3月のオープン戦・読売ジャイアンツ対広島東洋カープで新しいスコアボードの供用を開始した。なお新しいスコアボードはLED式となり、県内の球場としては初めて得点表示部に安打数と失策数が表示できるようになった。
  • 全国高等学校野球選手権栃木大会の決勝戦は当球場で開催されることが多い。過去、決勝戦は主に栃木県総合運動公園野球場で行っていたが、2000年代初めから当球場を使ってる(先述の震災被害時、2012年除く。13年は栃木県総合運動公園野球場の予定であったが電光掲示板の不具合により当球場に変更)ただし、開会式は当球場で行われることはあまりない。
  • 2008年の第33回関東中学校軟式野球大会では開会式や決勝戦の会場として使用された。
  • 映画版の『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(もしドラ)の撮影にも使われた(震災前)。

施設概要

  • 両翼:97.6m、中堅:122m
  • フィールド:全面透水性人工芝
  • 収容人員:30,000人(内野:座席(エキサイティングシートが2012年4月より供用開始)、外野:芝生席)
  • スコアボード:LED式(チーム名・選手名部分はフリーボード兼用)
    • ※開場~2005年:磁気反転式
  • 照明設備:6基
  • ダックアウト等:更衣室・シャワー室・ボールボーイ室など。
  • バックネット裏:本部室・放送室・特別観覧席(車いす対応)など。

 グラウンドは全面透水性人工芝である(但しアンツーカーを除く)。フルカラーLED式の電光掲示板や収容観衆約30,000人の客席、シャワー室など、プロ野球地方球場戦や日米野球を招致するなど十分の設備を持ち合わせる。ブルペンは、西武ドームのようにグラウンドから出入りする形態で1,3塁側それぞれダックアウト奥のポール寄りにあり、2人の投手が投球練習できるようになっており、ダックアウトと電話連絡を取ることができる。またブルペンのさらにポール寄りには、練習用ネットなどを収納するスペースがあったが、上記(歴史欄)のような経緯により、エキサイティングシートが1,3塁側それぞれに48席、計96席がこのスペースに新設される。エキサイティングシートとは、東京ドームなどに見られる、選手(グラウンド)と同じ目線で試合を観戦できるように設置された観客席の呼称であり、球場によってその呼称はさまざまである。

交通施設

  • 当球場を含む清原中央公園の周囲は宇都宮市道が走る。当球場の駐車場は隣接する清原体育館脇に100台程度の駐車場があるものの、体育館やテニスコートなどと共用のため、高校野球などのイベント開催時には選手や役員の駐車場となることが多く、一般来場客には「グリーンベルト」と呼ばれる東側道路の路肩芝生帯が臨時の駐車スペースとして充てられるが、ここは正式な駐車場ではない。このグリーンベルトは「清原中央通り」という工業団地を南北に縦貫する道路沿いにあるため、車での来場客が多いほど、当球場から遠いところへ駐車しなくてはいけなくなることがある。
  • バス停留所
宇都宮清原体育館付近に『地区市民センター前』(JRバス関東
三塁内野席側に『清原球場』(JRバス関東(「地区市民センター前」より下り方向へ1つ先)・東野バス)
外野席バックスクリーン後方に『清原中央公園』(JRバス関東、「清原球場」より下り方向へ1つ先)[5]

交通アクセス

  • JR宇都宮駅西口バスターミナルより下記系統で「清原球場」(JRバスのみ、「清原地区市民センター」又は「清原中央公園」も利用可能)下車目の前。
    • 3番線よりJRバス関東「清原中央公園経由清原台団地」行、「産業創造プラザ」行、「芳賀バスターミナル」行、ほか(JRバス関東のダイヤ改正により、「清原球場」は経路に含まないが「清原中央公園」を含むなどの路線あり)
    • 14番線より東野交通バス「清原球場」行
  • プロ野球開催時は宇都宮駅などから臨時バス運行あり

清原中央公園停留所に停車するバスの本数はそこそこあるのだが、上り方面の終バスが早いため、本数も多く比較的遅い時間までバスを利用できる「鐺山停留所」まで歩くという手段もある(球場から停留所までの距離は約2キロほど。徒歩で約20分ほど。)。

備考

  • 清原工業団地には当球場とは別に、南公園にも「清原南野球場」があるが、こちらは軟式野球ソフトボールの専用球場である。

関連項目

脚註

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外部リンク

  • 6月29日のヤクルト戦(宇都宮)は中止 GIANTSニュース 2011年4月11日付(Yomiuri GIANTS公式サイト)
  • 未定だった10月の試合時間決定 スポーツ報知 2011年4月11日閲覧
  • 4月26日鹿児島で同じカードが開催されている。
  • 俳優の[[渡辺文雄 (俳優)|]]とは別人
  • 宇都宮市内バス路線マップ 宇都宮市