仙台 - 石巻・女川線

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仙台 - 石巻・女川線

仙台 - 石巻・女川線(せんだい - いしのまき・おながわせん)は、宮城県仙台市石巻市及び女川町を結ぶ、ミヤコーバスが運行する高速バス(特急バス)である。東北地方太平洋沖地震東日本大震災)発生後は通常運行を休止し、臨時バスを運行している(参照)。

概要

1950年(昭和25年)6月、石巻~仙台間に仙北鉄道が急行バスの運行を始めたのが本区間の都市間輸送のはしりである。その後、宮城バス時代にかけて女川日水前 - 渡波駅前 - 石巻駅前 - 国道45号矢本 - 松島案内所 - 本塩釜駅前) - 仙台駅前 - 北仙台間の急行バスに拡張されたが、松島海岸付近の渋滞激化等で定時性が保てなくなり、また国鉄仙石線特別快速・快速列車の充実化もあって松島案内所(松島病院)~塩釜営業所間の断絶をもって、県内民営1社の宮城交通に大同対等合併後の1970年代半ば頃に仙台直通の急行バスは姿を消した。

本路線の直接の前身は、石巻駅前 - 運転免許センター - 県庁市役所前 - 仙台駅前の特急バスであり、国道45号から当時の仙台松島道路松島北出入口~利府中IC)を経由していたが、主眼は宮城県運転免許センター通いの旅客の便を図ることであり、更に仙台市内へ向かうには遠回りであったため、利用的にはふるわなかった(1992年度旅客実績:約14,000人/年・1日2往復、乗車率17.4%)。1993年の石巻運転免許センター開設で役割を終え、路線休止。本格的な都市間バスとして生まれ変わるには、1998年3月20日の三陸自動車道石巻河南IC延伸まで待たねばならなかった。

※運転免許センター経由の特急バス開設は、仙台 - 気仙沼線(佐沼・津谷経由)に次ぐものであった。

三陸自動車道の石巻河南IC延伸が実現後の1998年8月1日、仙台 - 石巻線特急バスが運行を開始した。仙台 - 山形線(対仙山線)や仙台 - 福島線(対新幹線東北本線)同様にJR仙石線と競合する路線である。しかし、前述の2路線と異なるのは、高速道区間が石巻河南IC~利府中ICと短区間であり、宮城県道8号仙台松島線(通称「利府街道」)~仙台市道北四番丁岩切線(途中に仙山線新石巻街道踏切がある)など一般道路を走行する割合が高く、しかも時間帯によっては利府町内・国道4号山崎立体等にて渋滞する道路であるため、定時性はあまり保たれていなかった。その上、仙石線が快速・普通合わせて毎時2本であるが、高速バスは1日12往復(おおむね毎時1本)であったため、仙石線のほうが利用者が多い。仙台市内では仙石線と直接競合する仙台駅周辺へ向かう乗客よりも、JR線が通っていない県庁市役所前など官庁街・一番町などの商店街へ行く乗客を主なターゲットにしており(このため2008年3月31日までは県庁市役所前先回りとなっていた)、石巻市内でも中心市街地以外にも住宅街や郊外の商業地域である中里(石巻営業所)や蛇田(蛇田歩道橋・イオン石巻)地区を経由し、こまめに乗客を拾っている。

2007年4月には、石巻河南ICすぐ脇に開店したイオン石巻ショッピングセンターにバス停を新たに開設した。同時に、石巻営業所 - 広渕(旧河南町)間在来路線の立ち寄り、石巻赤十字病院石巻西高校・大街道方面ローカル路線の新設等も実施し、このSCを核とした誘客の工夫・利便性の向上等の培養策が打たれている。

2008年4月1日より、渋滞の激しい利府街道経由から、比較的定時性の保ちやすい仙台東部道路仙台東IC~新寺通経由(仙台駅前先回り)に経路変更を行っている(これにより、石巻地区~県庁市役所前など仙台市内中心部間の所要時間が延びることとなった)。また、一部便については、宮城県水産会館の仙台市青葉区からの移転に合わせて石巻専修大学への延長乗り入れが開始された。

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震東日本大震災)以降は、通常系統での運行を休止。臨時バスとして運行している(詳細は別項参照)。

運行会社

運行開始当初は宮城交通が運行していたが、地域分社化に伴って宮交石巻バスの担当となった。さらに、2007年1月1日に分離子会社の事業再編が行われ、ミヤコーバス(旧:宮交気仙沼バス)に事業譲渡された。また2008年4月1日より仙台を早朝に出発する便が設定され、吉岡営業所が担当することとなった。2010年4月1日より石巻発5時台の始発便を増便(それまでの始発便に比べて約1時間繰り上げ)したことにより、仙台発の既設始発便も石巻営業所での運行が可能になった。このため再び全便石巻営業所の担当に戻っていた。
仙台では宮城交通北根車庫に入庫する。

運行経路

現在(※東日本大震災発生まで)

仙台 - (蛇田経由) - 石巻・女川系統

県庁市役所前 - (国道48号勾当台通) - 商工会議所前 - (国道4号東二番丁通り) - (青葉通り) - 仙台駅前さくら野百貨店前33番のりば) - (駅前通り) - (広瀬通り) - (愛宕上杉通り) - (新寺通り) - (宮城県道137号荒浜原町線) - (宮城県道23号仙台塩釜線) - (仙台東IC) - (仙台東部道路) - (三陸自動車道) - (石巻河南IC) - (宮城県道16号石巻鹿島台大衡線) - イオン石巻 - (国道108号) - (宮城県道16号石巻鹿島台大衡線) - 蛇田歩道橋 - (石巻バイパス) - (国道398号) - (宮城県道6号石巻停車場線) - 石巻駅前 - (宮城県道6号石巻停車場線) - 千石町(下り)/中央三丁目(上り) - (宮城県道33号石巻河北線) - 石巻営業所 - (石巻バイパス) - (牧山トンネル) - (国道398号) - 渡波駅前※ - (国道398号) - 女川海岸※ - 女川車庫前※

仙台 - (蛇田経由) - 石巻専修大学系統

県庁市役所前 - 商工会議所前 - 仙台駅前(さくら野百貨店前33番のりば) - (仙台東IC) - (仙台東部道路) - (三陸自動車道) - (石巻河南IC) - イオン石巻 - 蛇田歩道橋 - 石巻駅前 - 千石町(下り)/中央三丁目(上り) - 石巻営業所 - 宮城県水産会館 - 石巻専修大学

※土曜日・休日は全便石巻営業所発着となる。
仙台 - (矢本経由) - 石巻系統

県庁市役所前 - 商工会議所前 - 仙台駅前(さくら野百貨店前33番のりば) - (仙台東IC) - (仙台東部道路) - (三陸自動車道) - (矢本IC) - 矢本(東松島市コミュニティセンター前) - (国道45号) - 大街道新橋 - (石巻バイパス) - 石巻駅前 - 千石町(下り)/中央三丁目(上り) - 石巻営業所

2008年3月31日まで

仙台駅前 - 商工会議所前 - 県庁市役所前 - (利府中IC) - (三陸自動車道) - (矢本・石巻方面 ※現行経路と同じ)

運行回数

  • 1日17往復(2010年10月1日より東日本大震災発生まで)。

運賃

  • 仙台 - 矢本間:大人片道700円、回数券(2枚綴り)1,300円(10枚綴り)6,000円。
  • 仙台 - 石巻間:大人片道800円、回数券(2枚綴り)1,500円(10枚綴り)7,000円。
  • 仙台 - 渡波間:大人片道900円、回数券(2枚綴り)1,700円。
  • 仙台 - 女川間:大人片道1,000円、回数券(2枚綴り)1,900円。
    • 回数券は有効期限あり(2013年12月1日以降に発売のものは2015年3月31日まで有効)。
    • 定期券の設定はない。

歴史

  • 1998年8月1日 - 運行開始(1日4往復)。
  • 2002年3月25日 - 1日7往復に増便、うち1往復を女川発着とする。
  • 2004年10月1日 - 1日9往復に増便(石巻8・石巻経由女川1)。
  • 2005年
    • 3月16日 - 1日10往復に増便(石巻9・石巻経由女川1)。
    • 9月1日 - 仙台駅前の発着場所が広瀬通宮城交通総合案内所前から青葉通さくら野百貨店前(仙台駅前33番ポール)に変更。
  • 2006年10月1日 - 矢本停車便2往復新設により、1日12往復となる(蛇田経由石巻9・蛇田〜石巻経由女川1・矢本経由石巻2)。
  • 2007年
    • 1月1日 - 宮交石巻バスが分離子会社の事業再編に伴ってミヤコーバス(旧:宮交気仙沼バス)へ事業譲渡されたことに伴い、同社に運行事業者を変更。
    • 4月1日 - 蛇田歩道橋経由便にて、「イオン石巻」停留所を新設。
  • 2008年4月1日 - 石巻専修大学発着便を2往復新設、計1日14往復に増便。運行経路を利府中IC経由から仙台東IC・仙台東部道路経由に変更、それに伴い仙台市内の停車順序が変更(県庁市役所前始発・終着)となる。また吉岡営業所担当便が設定される。
  • 2009年
  • 2010年
    • 4月1日 - 1往復増便、計1日16往復となる。
    • 10月1日 - 1往復増便、計1日17往復となる。
  • 2011年3月11日 - 東北地方太平洋沖地震発生。以降通常運行便は当分の間運休(以降は別項を参照のこと)。

輸送実績

年度 運行日数 運行便数 年間輸送人員 1日平均人員 1便平均人員
2002(平成14)年度 365 5,079 76,413 209.4 15.0
2003(平成15)年度 365 5,143 85,202 233.4 16.6
2004(平成16)年度 365 5,870 88,910 243.6 15.1
2005(平成17)年度 365 7,310 112,853 309.2 15.4
2006(平成18)年度 365 8,028 127,255 348.6 15.9
2007(平成19)年度 366 8,764 140,134 382.9 16.0

東日本大震災に伴う臨時バス

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一時期宮城交通(本体)も運行を担当していた

2011年3月11日に発生した東日本大震災により、特に競合する仙石線が大津波により甚大な被害を受けた。当路線も高速道路の通行規制等の影響により震災後数日間は運休したが、同年3月19日には臨時便として運行を再開。その後は仙石線の全線復旧への見通しが全く立たない中、石巻と仙台を直結する数少ない公共交通機関としての地位を確立。急増した需要に応えるため、数度におよぶ増便を経て、2013年4月現在はほぼ震災前の倍の回数で運行している。

また、それに伴い、本来の担当であるミヤコーバス石巻営業所の他、ミヤコーバス吉岡営業所ミヤコーバス築館営業所も運行を担当している(吉岡営業所担当は復活)。一時期宮城交通仙台北営業所も運行を担当していた。

運行系統

※主要停留所のみ記載。特記なき場合は通常便と同じ停留所に停車。

仙台 - (蛇田経由) - 石巻・女川系統

県庁市役所前 - 商工会議所前 - 仙台駅前 - イオンモール石巻 - 蛇田歩道橋 - 石巻駅前 - 石巻営業所 - 渡波駅前※ - 浦宿※ - 女川運動公園前※

※石巻営業所~女川運動公園前間は1日1往復のみの運行(石巻営業所で5分休憩)。
※渡波駅前は国道398号線上の停留所を使用。浦宿・女川運動公園はミヤコーバス女川線と共用。
仙台 - (蛇田経由) - 石巻専修大学系統

県庁市役所前 - 仙台駅前 - イオンモール石巻 - 蛇田歩道橋 - 石巻駅前 - 石巻営業所 - 石巻専修大学

※土曜日・休日は全便石巻営業所発着となる。
※全便ミヤコーバス石巻営業所が運行する。
仙台 - (直行) - 石巻専修大学系統

県庁市役所前 → 商工会議所前 → 仙台駅前 -(途中無停車)→ 石巻専修大学

※1日1便のみの運行(土曜日・休日と石巻専修大学休校期間中は運休)
※ミヤコーバス吉岡営業所が運行する。
仙台 - (矢本経由) - 石巻系統

県庁市役所前 - 仙台駅前 - 矢本 - 大街道新橋 - 石巻駅前 - 石巻営業所

※全便ミヤコーバス石巻営業所が運行する。

歴史

  • 2011年(平成23年)
    • 3月11日 - 東北地方太平洋沖地震に伴う津波によって、石巻市街地や女川町内が被害を受け、通常運行を休止。
    • 3月19日 - 仙台駅前 - 石巻(石巻消防本部に隣接する大橋臨時発着場)間において、途中無停車の臨時バスを1日4往復で運行開始。運行経路は、本震及び同年4月7日余震による利府JCT以南の三陸道・仙台東部道路の通行止あるいは通行規制により、同日から4月10日まで、下記・矢本臨時バスも含め東北自動車道仙台宮城IC富谷JCT仙台北部道路利府JCT~三陸自動車道経由で当線は運行された。
    • 3月26日 - 仙台駅前 - 矢本間(途中無停車)臨時バスを1日2往復で運行開始(同年4月10日まで運行)。
    • 3月28日 - 仙台駅前 - 石巻間(途中無停車)臨時バスを1日9往復に増便。
    • 4月1日 - 仙台駅前 - 石巻間(途中無停車)臨時バスを1日22往復に増便。
    • 4月11日 - 仙台駅前 - 石巻駅前間臨時バスを1日24往復に増便。途中イオン石巻、蛇田歩道橋(16.5往復) / 矢本、大街道新橋(7.5往復、うち朝の仙台行2本は大街道新橋始発)に停車。蛇田経由のうち5往復は石巻専修大学発着(土曜・日曜・祝日を除く)。なお、石巻駅前以降女川方面は運行休止、また、石巻駅前~石巻専修大学間の途中停留所も休止となる。
    • 7月4日 - 仙台駅前 - 石巻駅前 - 石巻専修大学間臨時バスを1日27.5往復に増便。石巻専修大学発着便(平日のみ)を1日6往復に増便。
    • 7月21日 - 仙台駅前 - 石巻駅前 - 石巻専修大学間臨時バスが平日と土休日の2本建てダイヤとなる。平日は6往復増の1日33.5往復、土休日は4往復増の1日31.5往復となる。石巻専修大学発着便(平日のみ)は1日7往復に増便。
    • 8月22日 - 仙台駅前 - 石巻駅前 - 石巻専修大学間臨時バスの上り大街道新橋始発便のうち、平日の1便を除く全便を石巻駅前発に変更。運行回数は変わらず。
    • 10月28日 - 石巻駅前 - 石巻営業所 - 女川間の運行を再開(途中停留所も運用再開)。なお、女川町内の停留所は浦宿、女川運動公園前となる。平日下り35本・上り37本、土休日下り33本・上り35本に増便。
  • 2012年(平成24年)
    • 3月17日 - 県庁市役所前・商工会議所前(仙台市内)の乗降扱いを再開。これにより震災前とほぼ同一ルートに復旧(女川町内の一部を除く)。平日の下り1本が石巻専修大学直行便となる(大学休校期間中は運休)。トータルでは平日1日33往復、土休日1日31.5往復に減便。ミヤコーバスの単独運行に戻る。
    • 7月15日 - 停留所名変更(社名変更のため):イオン石巻→イオンモール石巻
    • 7月21日 - 平日1日34往復、土休日1日32往復に増便。増便分は築館営業所が担当(仙台 - 高清水線の間合い)。
  • 2013年(平成25年)
    • 4月1日 - 平日に2往復増便、1日36往復となる。
    • 12月1日 - この日発売の回数券より有効期限を設定(2015年3月31日まで、適宜更新)。仙台 - 矢本間10枚回数券の価格を改定、仙台 - 渡波・女川間の10枚回数券の設定を廃止(価格等詳細については#運賃節を参照のこと)。
  • 2014年(平成26年)
    • 3月21日 - 土休日に2往復増便、1日34往復となる。

使用車両画像

関連項目

外部リンク