丸久
- 丸久(まるきゅう)は山口県防府市に本拠を置くスーパーマーケットチェーン。本項で詳述。
- 丸久(まるきゅう)は過去に山形市にて営業していた日本の百貨店。現在は起業支援のための施設などが入居する「ナナビーンズ」。
- 丸久(まるひさ)は徳島県鳴門市に本社を置く、子供服・婦人服をはじめとする衣料品の製造販売業者。
株式会社丸久(まるきゅう)は、スーパーマーケットのチェーンストアを展開する企業。山口県防府市に本部を置く。
目次
概要
1954年(昭和29年)に、9つの食品・雑貨問屋が合同で「防府専門大店」として創業。現在は山口県を中心にスーパーマーケットの「マルキュウ」「アルク」「サンマート」とショッピングセンター「アトラス」を展開する。「丸久」の屋号は、当時屋号に「丸」を付けるのが流行していた[注釈 1]ことと、9つの問屋の合同にちなみ「九」を「久」に読み替えたものである。
1980年代、バブル期に広島県、福岡県など山口県外に積極的に出店する。さらにGMSへの展開を目指し、家電販売「丸久家電プラザ」、書籍販売「BOOKS09」(山口市と旧小郡町と宇部市では「BOOKS21」)、コンビニエンスストア「パコール」など新規業態への展開や、外食事業にも進出。また、防府読売マラソンのスポンサー、台湾に台湾丸久として進出するなど会社の規模は拡大させていった。丸久ブランドを冠したプライベートブランドの開発にも取り組んだ。
しかし、バブル崩壊に伴い売上高が減少し、多くの事業から撤退。1992年(平成4年)10月にはコンビニエンス部門の営業権をローソンに譲渡し、1996年には「Let's 09」(宇部市)「アトラス美祢」(美祢市)「アトラス長門」(長門市)といった大型店を閉鎖(アトラスの2店舗はフジに営業譲渡)し、書籍部門も1999年(平成11年)に明屋書店などに営業譲渡(明屋書店は子会社「山口明屋書店」を設立して承継)した。県外の店舗もこの時期にほとんど閉店しており、保有していた女子陸上競技部はファーストリテイリングに移譲している(現・ユニクロ陸上競技部)。
一時は経営悪化で破綻がささやかれたが、食品スーパーに特化することで奇跡的な復活劇を遂げ、経済誌などで賞賛された。なお、丸久厚狭店(山陽小野田市)は経営不振時にダイエーに売却、ダイエー厚狭店として運営されていたものが1999年のダイエーの経営不振に伴う撤退により丸久が再取得した珍しい例である。
近年では、大手コンビニエンスストアや丸和、サンリブ、イズミ、イオンなど周辺地域の同一業態資本による出店攻勢を見据え、一部の店舗について郊外型大規模店舗 (SSM)「アルク」(ARUK=「MARUKYU」の中4文字を取ったもの[1])へのリニューアルを進めている。また、県北部や旧町村部をはじめとする一部地域では小規模食品スーパー「サンマート」(かつては子会社による運営であった)による出店となっており、「マルキュウ」としての店舗数は減少傾向にある。
2005年(平成17年)10月11日にイズミと業務・資本提携で基本合意し[2]、資材調達や物流拠点の共同化のほか、丸久の「マルキュウポイントカード」とイズミの「ゆめカード」との間でポイントサービスの相互互換などを行っている[3][4]。
なお、山口県外の店舗は、長らく広島県大竹市(「マルキュウ」2店舗)、島根県吉賀町(「サンマート」1店舗)の3店舗のみであったが、2008年(平成20年)11月19日にアルク廿日市店(広島県廿日市市)を出店して[5]バブル期以来の県外への新規出店を行うなど、以後も徐々にではあるが広島・福岡両県への進出を行っている。
経営機構
監査役設置会社の組織形態を採用している[6]。取締役会のもとに経営会議、経営改革委員会、予算委員会、コンプライアンス委員会が設置されており、それぞれ毎月1回の開催を原則としている[7]。
経営陣
沿革
- 1954年(昭和29年)
- 1984年(昭和59年)10月 - 広島証券取引所に上場[8]。
- 1985年(昭和60年)10月 - 大阪証券取引所市場第二部に上場[8]。
- 1986年(昭和61年)8月 - 自社カードシステムである「マルキュウポイントカード」を導入[8]。
- 1987年(昭和62年) - パコールに資本参加し、コンビニエンスストア事業に進出[9]。
- 1988年(昭和63年)1月 - 株式会社くらしげ(現・株式会社サンマート)と資本業務提携を締結[8]。
- 1989年(平成元年)9月 - 加工流通センター(現・株式会社四季彩)を設置[8]。
- 1992年(平成4年)
- 9月 - POSシステムを導入。
- 10月 - コンビニエンスストア「パコール」の営業権をローソンに譲渡。
- 1996年(平成8年) - 8月に宇部市中央町で営業していた大型商業施設「Let's 09」を閉鎖したほか、「アトラス美祢」(美祢市)「アトラス長門」(長門市)をフジに譲渡。
- 1998年(平成10年)
- 11月 - 周南市に新営業戦略店舗として「アルク秋月店」を開設。
- 12月 - オール日本スーパーマーケット協会に加盟。
- 1999年(平成11年) - 書籍販売「BOOKS09」および「BOOKS21」を明屋書店などに譲渡。
- 2000年(平成12年)3月 - 東京証券取引所市場第二部に上場。
- 2005年(平成17年)10月 - 株式会社イズミと業務資本提携で基本合意[2]。
- 2006年(平成18年)11月 - マルキュウポイントカードとゆめカードのポイント相互乗入れを開始[4]。
- 2008年(平成20年)
- 2009年(平成21年)3月 - アルクブランドとしては福岡県初の店舗となる「アルク小倉東店」を北九州市小倉南区に開設。
- 2010年(平成22年)9月1日 - 子会社の株式会社ピクロスおよび株式会社かいたを吸収合併し、株式会社丸久に統合[11]。
- 2012年(平成24年)3月1日 - 子会社の株式会社サンマートを吸収合併し、株式会社丸久に統合[12]。
店舗の展開
店舗分布の詳細については公式サイト内店舗一覧を参照のこと。
- アルク(大規模食品スーパー[5]) - 32店舗
- マルキュウ(中規模総合スーパー) - 24店舗
- サンマート(小規模食品スーパー) - 17店舗
- ピクロス(小規模食品スーパー) - 6店舗
- アトラス(ショッピングセンター) - 1箇所
関連企業
- 株式会社丸久保険サービス
- 株式会社四季彩 - 丸久グループのスーパーマーケット等で惣菜、弁当等の製造、販売を行っている。
- 株式会社仁保庵
丸久グループ提供番組
現在
- FM AQUA - 『デイリーサンマート』(月~金9:30頃。長門市内に2店舗を展開する「サンマート」の買得情報)
- FMわっしょい - 『マルキュウ・アルク・サンマートフレッシュニュース』(毎日9:55 - 10:00)
過去
- KRYテレビ - 『マルキュウ サンデー劇場』(日曜11:00 - 11:30。2011年3月の廃止時点では『ONE PIECE』を放送していた。該当番組は月曜深夜に移行のうえ放送続行)
- KRYラジオ - 『丸久アワー奥様なんでも大学』(月曜 - 金曜 10:00 - 10:30)
脚注
注釈
出典
参考文献
外部リンク
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タグがありません- ↑ アルクの特徴 - 丸久公式サイト内
- ↑ 2.0 2.1 浜岡謙治(2005年10月14日). “イズミと丸久、業務・資本提携で合意 物流や商品調達を共同化”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社)
- ↑ テンプレート:Cite press release
- ↑ 4.0 4.1 テンプレート:PDFlink
- ↑ 5.0 5.1 5.2 “丸久、広島県に初出店「アルク廿日市店」オープン”. 日本食糧新聞 (日本食糧新聞社). (2008年12月1日)
- ↑ テンプレート:PDFlink
- ↑ 【0909】マルキュウ・IR情報 経営情報 コーポレート・ガバナンス
- ↑ 8.0 8.1 8.2 8.3 8.4 8.5 8.6 『山口県企業要覧』
- ↑ “ダイエーCVS、山口県のパコールを吸収、今期中ローソンへ切替え”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (1992年11月11日)
- ↑ “丸久、ピクロスを子会社化へ 5月1日付で”. 日本食糧新聞 (日本食糧新聞社). (2008年3月26日)
- ↑ “丸久、SM子会社2社を吸収合併へ”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (2010年4月14日)
- ↑ テンプレート:Cite press release