三菱・ディアマンテ
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ディアマンテ(Diamante )は、三菱自動車工業が日本国外で製造・販売している上級乗用車である。2005年まで日本でも製造・販売されていた。
目次
歴代モデル
初代(1990年-1997年)
- 1989年の第28回東京モーターショーに参考出品され1990年5月にギャランΣ/エテルナΣハードトップの実質的な後継車として発売された。
- 当時、このクラスの上級セダンはFRの駆動方式を採用するのが定番であったが、ディアマンテはFFの駆動方式を採用。また、発売当初より4WDの設定があり、当時の上級セダンでは珍しかった(後にはFFのみの設定となった)。
- BMW風の若々しくスポーティでスタイリッシュなスタイルの3ナンバー専用ボディーに、マルチビジョンや三菱インテリジェントコックピットシステム、電子制御サスペンションに4WS等のハイテク装備を多数採用、排気量2.0Lから4.0Lまでの自動車税の見直しに合わせ、税区分に合致する3種類のV6エンジン(3.0L、2.5L、2.0L)を投入し、比較的低い価格帯でFF以外に4WDも選べると言う選択肢の広さもあり、ユーザーの好評を得て1990年-1991年日本カー・オブ・ザ・イヤーも獲得する。
- 初代ディアマンテをベースに開発されたセダン「シグマ」は事実上の姉妹車であり、GTO/3代目デボネアはこの型のディアマンテをベースに作られており、韓国・現代自動車の3代目ソナタとマルシャーもこの世代のディアマンテのプラットフォームを用いている。
- なお、ハードトップのフルモデルチェンジ後もステーションワゴンはそのまま1997年まで継続生産された。
歴史
- [1990年]]8月
- 車種追加。「30V 4WD」発売。
- [1990年]]9月
- 車種追加。「30R-S」発売。
- [1990年]]11月
- 特装車「速度感応式スポイラー付」発売。
- [1991年]]6月
- 特別限定車「COTY受賞記念車」発売。
- マイナーチェンジ(安全対策他)。
- 「25V-SE 4WD」追加。「30V」廃止。「30R-SE」、「30R-S」にSRSエアバッグ採用。全車ハイマウントストップランプ標準化。
- 特別限定車「25V LIMITED」発売。
- 特別限定車「25E-SE」発売。
- マイナーチェンジ。
- フロントバンパーのデザイン、フォグランプ(プロジェクタータイプ)、リヤコンビランプのデザイン変更。エアコンの代替フロン化、2.0LエンジンをSOHC24バルブ、145馬力の6A12型に置き換え、ATのファジィ制御化などが主な変更点。「25V-S」、「25E 4WD」を追加。
- 特別仕様車「25V-S LIMITED」発売。
- マグナワゴンの後継としてディアマンテワゴンを追加。本車種も豪州アデレードのオーストラリア三菱で生産される輸入車となった。本来の型式はF07Wであるが、車検証上の型式はK45とされた。
- フロントセクションは日本向けにディアマンテと同じスタイルに変更された。リヤサスペンションはカーゴスペースへの張り出しと荷重を考慮し、5リンク式を採用した。エンジンはディアマンテと異なり、マグナワゴンの上級仕様であるベラーダと同じV6・3.0LのSOHC(エンジン型式は6G72。車検証上の型式はY7)を搭載していた。しかし、340万円以上という価格設定ゆえ、国内での販売台数は芳しくなかった。
- 特別限定車「25E LIMITED」発売。
- マイナーチェンジ。
- フロントのボディカラー同色グリル、マルチリフレクターのヘッドランプを変更。廉価グレードのEシリーズをベースに「エスパーダ」シリーズを発売。コストダウンのための設計変更という意味合いが大きく、パトカー用を除きMT車の設定が廃止された他、装備品や内装を中心とした見直しが行われる。
- ワゴンをマイナーチェンジ。マルチパラボラ型ヘッドランプや新デザインのリヤガーニッシュなどを採用して商品力をアップさせるとともに、約340万円という価格設定を見直し、本革シートやAVシステム、サンルーフなどを省いて価格を約90万円引き下げた「30V」を追加した。なお、従来のベースグレードは「30R-SE」とグレード名を変え、運転席SRSエアバッグとABSが追加された。
基本グレード
- ディアマンテ
グレード | 製造年 | エンジン型式 | エンジン | 排気量 | 最大出力 | 最大トルク | 変速機 | 駆動方式 | 燃費 | 価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
20E | 1990年05月-1992年09月 | 6G71 | V型6気筒SOHC12バルブ | 1,998cc | 125ps/5,500rpm | 17.5kg・m/3,500rpm | 5MT | FF | 10.4km/l | 1,998,000円 |
4AT | 9.3km/l | 2,095,000円 | ||||||||
1992年10月-1994年12月 | 6A12 | V型6気筒SOHC24バルブ | 1,998cc | 145ps/6,000rpm | 18.5kg・m/4,500rpm | 5MT | 12.0km/l | 2,182,000円 | ||
4AT | 10.4km/l | 2,279,000円 | ||||||||
25E | 1990年05月-1994年12月 | 6G73 | V型6気筒DOHC24バルブ | 2,497cc | 175ps/6,000rpm | 22.6kg・m/4,500rpm | 5MT | FF | 9.8km/l | 2,355,000円 |
4AT | 9.7km/l | 2,452,000円 | ||||||||
25V | 9.7km/l | 2,758,000円 | ||||||||
4WD | 8.8km/l | 2,981,000円 | ||||||||
25V-SE | FF | 9.2km/l | 3,050,000円 | |||||||
30R | 6G72 | V型6気筒DOHC24バルブ | 2,972cc | 210ps/6,000rpm | 27.5kg・m/3,000rpm | 4AT | FF | 8.8km/l | 3,206,000円 | |
4WD | 8.4km/l | 3,611,000円 | ||||||||
30R-SE | FF | 8.8km/l | 3,914,000円 | |||||||
4WD | 8.4km/l | 4,319,000円 |
- ディアマンテワゴン
グレード | 製造年 | エンジン型式 | エンジン | 排気量 | 最大出力 | 最大トルク | 変速機 | 駆動方式 | 燃費 | 価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ベースグレード | 1993年03月-1994年10月 | 6G72 | V型6気筒SOHC12バルブ | 2,972cc | 165ps/5,400rpm | 25.6kg・m/3,200rpm | 4AT | FF | ??km/l | 3,450,000円 |
30V | 1994年11月-1997年10月 | 2,490,000円 | ||||||||
30R-SE | 3,380,000円 |
2代目(1995年-2005年)
- 1995年1月にモデルチェンジ。イメージ的には初代のキープコンセプトだがフロントノーズが逆スラントからやや垂直になりテールランプもL型になった。初代同様に駆動方式もFF/4WDを設定。衝突安全ボディー「RISE」を採用し安全性を高めた。
- MIVEC機構を搭載した270psの6G72エンジンを積んだ30M/30M-SE、DOHC24バルブ230ps・6G72型を搭載する30R/30R-SE。2.5LにはDOHC24バルブ200ps・6G73型の25V/25V-SE。省燃費MVV仕様SOHC24バルブ175ps・6G73型レギュラーガソリン仕様の25S/25Eのあわせて2種類4タイプのエンジンがラインナップされていた。初代にあった2.0L・6A12型エンジン仕様は廃止。
- ハイテク装備と安全装備はより洗練されGPSカーナビゲーションは音声ガイドが付き、連動レーザーレーダークルーズコントロール、ハイコントラストメーター、マニュアルモード付き5速ATなどが導入され、バブル崩壊後に登場した車種の中では充実度が高かった。
- ワゴンについては1997年10月(オーストラリアは4月)にモデルチェンジされた。当初はベースモデルともいえる「ES」とナルディ製ステアリング&シフトノブ、本革シート、ハイコントラストメーターなどを追加した「LS」の2グレード体制であった。エンジンは初代のワゴンと同じV6・3000のSOHCエンジンでリヤサスも5リンク式であった。但し、オートマチックは4速からシーケンシャルモードつきの5速に変更されている。
- なお、この初期型の5速ATには不具合が多く報告されており、注意が必要である。
- 後年にLクラスのステーションワゴンの中心がFRか4WD車になったことで、FFのLクラスワゴンは売れにくく、輸入車であることの不安感やエンジンが3Lのみの設定で売り上げは芳しくなく、同時にステーションワゴンの販売需要が下がったこともあり1999年10月にグレードをESのみに整理した後、2001年3月に輸入を終了した。
- このモデルのプラットフォームは現代自動車と傘下の起亜自動車で幅広く利用され、グレンジャー(XG型(ヒュンダイXG))、ソナタ(EF型)、サンタフェ(SM型)、トラジェ、オプティマのベースとなった。
- 強化サスペンション/スタビライザーを装備した特別仕様車、Deporte/30M Deporteは希少となっている。
歴史
- 1995年1月
- 販売開始。
- 1997年8月
- マイナーチェンジ。
- 3.0LのGDIのみとなる。外装の変更点は下部ダクト付フロントバンパー、インナーメッシュのボディ同色アウターグリル、分割式テールランプ。中期型と呼ばれる。
- この時シグマパトカーの後継としてパトカー仕様が設定される。台数は少なく埼玉県警・静岡県警・長崎県警などでしか配備されておらず製造期間も2年弱と短く、リコール隠しもあったために通常よりも早く姿を消した。耐久性を考慮してこのモデルにはGDIエンジンは搭載されていない。
- 1999年9月
- マイナーチェンジ。
- GDIを積んで2.5Lが復活。テールランプがS150型マジェスタ風の縦型に変更された。
- 2001年
- 日本国外仕様のみマイナーチェンジ。フロントグリルの形状が変更された。
- 2002年10月
- 自動車排出ガス規制強化の煽りをうけ3L/2.5Lエンジンから旧型の2.5L SOHC・6A13型エンジンにFF駆動、4ATのみとなり廉価版のEspadaと上級志向の25V-SEの2グレードへ整理。ナルディ製ウッドコンビステアリング&シフトノブが標準装備され、外装面ではヘッドライトインナーとグリルがクロームメッキ化される等リフレッシュされるものの、売りであったハイテク装備の殆どは消滅というコストダウンが見受けられる。後期型と呼ばれる。
- 日本国外仕様のみマイナーチェンジ。
- ブーレイ顔が採用された。
- 2004年11月
- マイナーチェンジ。
- エアコンパネルがランサー等と共通のダイヤル式へ変更され、また不祥事等によりナルディ製のステアリングを使えなくなったため、三菱純正品へ変更。グレード名を25Vと25V-SEの2つへと整理。
- 国内での生産と販売を終了。
基本グレード
- ディアマンテ
グレード | 製造年 | エンジン型式 | エンジン | 排気量 | 最大出力 | 最大トルク | 変速機 | 駆動方式 | 燃費 | 価格 |
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25E | 1995年01月- | 6G73 | V型6気筒SOHC24バルブ | 2,497cc | 175ps/5,500rpm | 23.0kg・m/4,500rpm | 4AT | FF | 11.2km/l | 2,294,000円 |
25VtypeS | 1995年01月-1996年01月 | V型6気筒DOHC24バルブ | 200ps/6,000rpm | 24.5kg・m/5,000rpm | 5AT | 9.8km/l | 2,526,000円 | |||
25V | 1995年01月- | 2,646,000円 | ||||||||
25S | 1995年01月- | 6G73 | V型6気筒SOHC24バルブ | 2,497cc | 175ps/5,500rpm | 23.0kg・m/4,500rpm | 4AT | FF | 11.2km/l | 2,546,000円 |
1995年01月- | 4WD | 10.0km/l | 2,846,000円 | |||||||
25V-SE | 1995年01月- | 6G73 | V型6気筒DOHC24バルブ | 2,497cc | 200ps/6,000rpm | 24.5kg・m/5,000rpm | 5AT | FF | 9.8km/l | 2,998,000円 |
1995年01月- | 4WD | 8.9km/l | 3,248,000円 | |||||||
30M | 1995年01月- | 6G72(MIVEC) | V型6気筒DOHC24バルブ | 2,972cc | 270ps/7,000rpm | 30.7kg・m/4,500rpm | 5AT | FF | 9.2km/l | 3,178,000円 |
30R | 1995年01月- | 6G72 | V型6気筒DOHC24バルブ | 2,972cc | 230ps/6,000rpm | 29.2kg・m/5,000rpm | 5AT | FF | 9.4km/l | 3,298,000円 |
4WD | 8.5km/l | 3,578,000円 | ||||||||
30M-SE | 1995年01月- | 6G72(MIVEC) | V型6気筒DOHC24バルブ | 2,972cc | 270ps/7,000rpm | 30.7kg・m/4,500rpm | 5AT | FF | 9.2km/l | 3,862,000円 |
30R-SE | 1995年01月- | 6G72 | V型6気筒DOHC24バルブ | 2,972cc | 230ps/6,000rpm | 29.2kg・m/5,000rpm | 5AT | FF | 9.4km/l | 3,868,000円 |
4WD | 8.5km/l | 4,408,000円 |
- ディアマンテワゴン
グレード | 製造年 | エンジン型式 | エンジン | 排気量 | 最大出力 | 最大トルク | 変速機 | 駆動方式 | 燃費 | 価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ES | 1997年10月-2001年10月 | 6G72 | V型6気筒SOHC24バルブ | 2,972cc | 200ps/5,500rpm | 28.0kg・m/4,500rpm | 5AT | FF | 8.6km/l | 2,625,000円 |
LS | 1997年10月-2000年11月 | 3,248,000円 |
- Mitsubishi-Diamante-2nd 1999-rear.jpg
日本仕様 後期型(1999年9月-2005年)リア
- 2002-2003 Mitsubishi Diamante.jpg
日本国外仕様 2001年-2003年
- 04-Mitsubishi-Diamante.jpg
日本国外仕様 2003年-2005年
- 1996-1999 Mitsubishi TE-TF Magna Altera LS station wagon 02.jpg
ワゴン(豪州仕様)
車名の由来
ダイヤモンドを意味するスペイン語。三菱グループの社章・スリーダイヤに由来する。