三菱・ランサー

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ランサーLANCER )は、三菱自動車工業生産している自動車の名称である。なお、日本国内においてはスポーツセダンランサーエボリューション、および商用モデルのランサーカーゴを除くオリジナルのランサーは2009年8月まで生産されていた(2010年5月をもって販売終了)。本項では、ランサーシリーズの基本形となるセダンを中心に記述する。

概要

派生モデルとしてハッチバッククーペランサーセレステ1975年 - 1981年)や世界ラリー選手権のベース車として開発されたランサーエボリューション(1992年 - )等が存在する。

歴史

初代(1973年-1979年[1]

初代ランサーバンの詳細についてはランサーカーゴの項を参照 テンプレート:Infobox 自動車のスペック表

1973年2月
初代発売。駆動方式はFR。登場時のボディタイプは4ドアセダンと2ドアセダンの2種類のみ。エンジンは1,200cc(OHVネプチューン・4G42)、1,400cc(SOHC、サターン・4G33)、1,600cc(SOHC、サターン・4G32)を用意。グレードは1200STD(2ドア)、1200EL(2/4ドア)、1200/1400GL(2/4ドア)、1400SL(2/4ドア)、1600GSL(2ドア)。フロントエンブレムは「槍騎兵」から取った車名に合わせて、とスリーダイヤモンドをあしらったものが採用された。
1973年9月
ラリー競技車両ベースとなる、ホットモデルの2ドア1600GSRを追加。三国ソレックス製ツインキャブを用いた1,600cc(SOHC、サターン・4G32)エンジンを搭載する。これによって1600GSLは4ドア化。4ドア1400GLオートマチック、2/4ドア1400SL-5(5速MT)を追加。既存モデルはリアガーニッシュの追加。5ドアライトバン追加(この型のバンはマイナーチェンジ・排出ガス対策を行い1985年2月まで継続生産)。
1974年10月
マイナーチェンジ。セダンのリヤのテールランプは縦型からアルファベットのL字型に変更。このモデルのみ、リアのナンバープレートがテールランプ中央からバンパーの下に変更されたスタイルとなる。
1975年2月
クーペバージョンのセレステが追加される。
1975年11月
51年排出ガス規制適合。これによりボンネットに「MCA」(Mitsubishi Clean Air)のマークが付く。
1976年11月
マイナーチェンジ。フロントグリルのデザイン変更に伴い、一部グレードでフォグランプを廃止。フロントサイドターンシグナルランプは横型から縦型に、テールランプはL字型から横型にそれぞれ変更。リアのナンバープレートもテールランプ中央に戻される。これに伴いバンを除く1,200ccモデルのエンジンがSOHCの4G36(サターン)に換装され、セダンモデルの2ドア「1200STD」が一旦廃止。2ドア/4ドア「1200EL」が155SR13ラジアルタイヤ・AMラジオ・サイドプロテクションモールなどを標準装備したお買い得グレードの2ドア/4ドア「1200ポピュレール」に差し替えとなる。
1977年7月
1,400cc、およびバンを除く1,200ccのエンジンがそれぞれ「オリオンエンジン」(前者がG12B、後者がG11B。いずれもSOHC)に換装され、更に1600GSRを除く1,600ccがサイレントシャフト付のG32B(SOHC、サターン80)に換装。これに伴い1600GSR以外全車53年排出ガス規制適合および「MCA-JET」に対応。これに伴い2ドア/4ドア「1200ポピュレール」は155SR13ラジアルタイヤから5.60-13バイアスタイヤに格下げとなり、2ドア「1200STD」が復活。
1978年3月
4ドア1600はバンパー大型化に伴いフロントグリルのフォグランプが復活。4ドア「GLエクストラ」追加。三菱ディーラーがカープラザ設立、従来の店舗がギャラン店となったため、ランサーはギャラン店専売車種となる。


2代目(1979年-1987年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 ランサーEXはランサーの名称変更版であるが、メディアでは2代目として紹介されるため、本稿ではランサーEXを2代目として扱う。 イタリア人デザイナーアルド・セッサーノスタイリングに関与しており、ターボエンジン搭載モデルのランサーターボは特にランタボという愛称で親しまれた。現在は中東アフリカブルネイ仕様等に使用される。 アジアの一部地域(クウェートなど)では日本名ギャランフォルティスのモデルが「ランサーEX」という名称で販売されている[1]。 ハイパワーFR車という条件からドリフト走行に使用されるケースもある。

1979年3月
フルモデルチェンジ。ボディサイズが先代より大きくなり、車名もランサーEXとなる。4ドアセダンのみの設定。
搭載エンジンは1200/1400/1600/1800 SOHCと1800 SOHCターボ/輸出仕様のみ2000 SOHCターボ。駆動方式は初代を継承してFR。初代モデルの曲線を多用する構成に対し、直線を基調へと変わった。デビュー当初は「ミニ・ギャランΣ、ミニ・エテルナΣ」とも呼ばれた。ギャランΣ/Λ、エテルナΣ/Λ用のものを縮小化した[[プラットフォーム (自動車)|プラットフォームが用いられていた。エンジンは当初、1,600 cc(サターン80、G32B)と1,400 cc(オリオンエンジン、G12B)の2タイプが用意。サスペンション形式はフロントが旧モデルと同じストラット式だがリアはリーフリジッドから4リンクコイル式リジッドへと変更された。トランスミッションは4速及び5速MTで、1,600 cc車のみに3速のATを設定。またブレーキも全車サーボ付のフロントディスクが標準で付き、最上級グレードには4輪ディスクが奢られた。
1980年2月
1,800 cc(シリウス80、G62B)が追加。5速MTと3速ATが用意され、同時に1,400 ccにも3速ATが追加された。
1981年4月
欧州向けとして2,000 cc のターボモデルを販売。ECIが装着され、更にターボで武装された4G63型エンジンは170馬力を発生させた。日本では排出ガス規制の問題があって正規販売されなかったが、53台が並行輸入車という形で日本に入ってきた記録が残っている。
1981年5月
リアガーニッシュ追加、テールランプのデザイン変更のマイナーチェンジ。初代モデルの生産終了から2年ぶりに1,200 cc(オリオンエンジン、G11B)が復活。
1981年11月
1800ターボ(G62型ターボエンジン)が追加。5速MTのみの設定でトランスミッションや足回り関係がすべて強化されている。俗に「ランタボ」と呼ばれるモデルであるが、この当時インタークーラーは付いていない。また、従来の1800モデルはカタログ落ちとなる。
1982年8月
WRC世界ラリー選手権1000湖ラリーにて、ランサーEX2000ターボラリーカーがペンティ・アイリッカラのドライブにより3位入賞、ランサーEX2000ターボラリーカーは電子制御燃料噴射装置を初めてWRCに持ち込んだ車だった。同年、後継車のトレディアが登場するが、販売台数の関係により販売は継続した。
1983年11月
マイナーチェンジ。フロントグリル変更、ECIシステムを一新し、1800GSRターボおよび1800GTターボに搭載されるエンジンを空冷式インタークーラー付きに変更。ステアリングギヤレシオの変更などの他、足回り、ブレーキ系統が更に強化され、ボディのスポット溶接点数も増やされたヨーロッパ向けシャシーを採用。ターボ車はバンパ一体式大型エアダムドアミラー等、EC仕様の2000ターボ(当時の日本の排出ガス基準により、日本国外への輸出車専用だった)に準じた外観となる。また、新たに1800GSLターボを追加。このグレードでは電動リモコンフェンダーミラー、AM/FMカセットステレオ、オレンジ色のストライプが入ったサイドプロテクトモールなどが標準装備となり、エンジンはインタークーラ無しターボで、トランスミッションは5速MTと3速AT車から選択可能。これに伴い1,200 cc モデルが再び廃止された。
1987年10月
ランサーフィオーレに吸収される形で国内販売中止。


ランサーフィオーレ

ランサーフィオーレは、ランサーEXのFF版として登場したミラージュの派生車種である。ランサーシリーズは、FFのランサーフィオーレとFRのランサーEXの2車種が同時期に販売され、車種体系が混乱していたこともあり、ランサーフィオーレの販売台数は伸び悩んだ。便宜上、ランサーフィオーレについても本稿で扱う。メディアによってはランサーフィオーレが3代目・4代目と紹介されることもあり、以降、2世代ずつずれることもあるので、それも追記する。

初代(1982年-1983年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表

1982年2月
1978年に発売された初代ミラージュをベースに3BOX化した車である。同時発売されたミラージュサルーンとはグリルなど細部を除いて共通である。初代のエンジンラインナップは1,200ccと1,400cc。
1982年8月
1,400ccターボ車追加。

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2代目(1983年-1988年[2]

初代ランサーワゴンの詳細についてはランサーワゴンの項を参照。
2代目ランサーバンの詳細についてはランサーカーゴの項を参照。 テンプレート:Infobox 自動車のスペック表

1983年10月
ミラージュと同時にモデルチェンジ。先代に続き、ミラージュサルーンとはグリルやガーニッシュ類などの細部のみ違う姉妹車。2代目のエンジンラインナップは1,300cc、1,500cc、1,600ccターボ、1,800ccディーゼルがある。上級グレードではデジタルメーターも選択できた。
1985年
派生車としてランサーワゴンランサーバンが発売。
1988年
ミラージュの姉妹車である5ドアハッチバックの新型ランサーが発売され、ランサーフィオーレは生産中止となった。


3代目(1988年-1991年)

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1988年6月
3代目発売。名前がランサーに戻る(1978年以来10年ぶり)が、この代からミラージュと姉妹車となる。このモデルではエテルナと同じく5ドアセダンと呼ばれるハッチバックとなる[3](いわばミラージュの5ドアセダン版)。これにより、ギャラン店から小型4ドアセダンのラインナップが一旦消滅した。同時期のエテルナとは異なり、日本では4ドアセダンは設定されなかった[4]。この型ではフラッグシップモデルとして1.6Lターボ+4WDの「GSR」が設定された。スタイル的には同時期のギャランの縮小版ともいうべきであることからこのクラスのセダンとしては異例なほど高めの全高であった。
ワゴンおよびバンについては、ランサーフィオーレをマイナーチェンジし、特に商用バンについては次期4代目と併売されていた。
1989年9月
マイナーチェンジ。1,300cc、1,500ccモデルがそれぞれSOHCヘッドのまま12バルブ(1気筒あたり3バルブ)化される。
1990年10月
マイナーチェンジ。1.5Lにお買い得価格の「エリナ」を追加。SR1.6DOHCに4WD+4速ATが新登場。


4代目(1991年-1995年)

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1991年10月
4代目発売。先代に引き続いてミラージュとのコンポーネントの共有化が行われている。ただ、同じコンポーネントを持つミラージュとデザインの差別化が多めに図られており、一見しただけでは違う車に見えるほどである。
ワゴン・バンはランサー(フィオーレ)バンと併売される形でリベロが発売され、乗用ワゴン車から一旦ランサーの名が途絶えた。
スタイル的には平凡であったが、エンジンは当時世界最小となる1.6LのV6 DOHC24バルブエンジン (「ランサー6」ROYAL/MX-LIMITED/MX-SALOON) や、1.6LのMIVEC/MIVEC-MDエンジン (MR)、1.5LのSOHC12バルブMVVリーンバーンエンジン (MVV/MVV-SALOON)、1.8Lターボエンジン (GSR/RS) など、下は1.3L SOHC12バルブから上は2Lディーゼルターボ(当初は1.8Lディーゼルターボ)まで各種を揃えていた。
このモデルから、GSR/RSをベースにしたスポーツカー、ランサーエボリューション (エボI~エボIII) が設定されるようになる。
教習車仕様もギャランの代替等でラインナップされていた[5]。教習車仕様は、普通自動車の教習車基準である全長を4,400mm以上に合わせる必要があったため、輸出仕様同様にバンパーを大型化し全長を伸ばした。
なお、教習車仕様は「ランサー」の名はつかず「三菱教習車」という名がついている。


5代目(1995年-2000年)

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1995年10月
5代目発売。バブル崩壊によるコストダウンのためミラージュセダンとほとんど共有化され、両車の違いといえばグリルやトランク類のみとなった。エンジンは1.6LのV6 DOHCエンジンが1.8L V6 SOHCへ変更された以外、ほぼ同様の設定。MIVECエンジン搭載車は注文生産で気筒休止機構を搭載したMIVEC-MD仕様も設定されていた。先代と比べて外見がスポーティーになり、またINVECS-IIを搭載するにあたり、エンジン、トランスミッション搭載位置を4代目までとは逆にした。4代目と同様に教習車仕様とランエボ(エボIVからエボVI TME)も設定。
1997年8月
マイナーチェンジで後期型へ移行。外見上はヘッドライトの形状、テールレンズの配色が変更された。これに伴い1.5L SOHC MVVエンジンが廃止。
インド、中国等の一部の地域では現在でも生産されている。
  • インド:この5代目のほかに6代目(日本でいう第3期)が「セディア・スポーツ」として現地生産・販売されており、ランエボⅩも含めるとインドでは5/6/7代目のランサーが併売されていたが、2012年6月に「ランサー」、翌年2013年には「セディアスポーツ」の生産とランエボⅩの輸入販売がそれぞれ打ち切られたことによりモデル廃止となる。
  • 中国:三菱ブランドからいわゆるブーレイ顔に変更したモデルと、東南汽車ブランドから後期型をベースにした外観のリオンセル、ビッグマイナーチェンジモデルといえるV3菱悦が2008年に販売されている。東南汽車のホームページには三菱ブランド車、東南ブランド車の両方が掲載されており、ランサー及びV3菱悦に関してはリアに東南汽車の漢字エンブレムが、リオンセルには英字(SOUEAST)エンブレムが装着されている。また、V3菱悦には三菱自動車と現地企業による合弁会社であるハルピン東安汽車発動機製造(通称:東安三菱)の1.5L DOHC MIVECエンジンが搭載されている。


6代目(2000年-2010年)

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2000年5月
6代目発売。同時にミラージュセダンを統合[6]。カープラザ店でも扱うようになった関係から「ランサーセディア」という名前で発売された。エンジンは1.5L DOHC16バルブGDI (4G15、ネット100馬力) および1.8L DOHC16バルブGDI (4G93、ネット125馬力) を搭載。
フルモデルチェンジに伴い、ランエボについても2001年2月発売のエボVIIから、ベース車両をこのモデルに移行。
2000年11月
ランサーセディアワゴン発売。入れ替わりにリベロワゴン廃止。
2001年5月
一部改良。営業車需要対策として、セダンの「MX」と「MX-E」を非GDIのSOHCエンジンに替え価格を下げ、5MTを用意。
2003年1月
リベロカーゴの後継としてランサーカーゴ発売。
2003年2月
マイナーチェンジ。「セディア」のサブネームが消え単なる「ランサー」に回帰する[7]。エンジンは自動車排出ガス規制強化の影響を受け1.5L DOHC16バルブGDIが廃止される。セダンの「1.5 MXツーリング」もエンジンがSOHC16バルブ(4G15、ネット90馬力)に格下げとなり、タイヤとホイールのサイズも195/55R15 84Vラジアルタイヤ+15インチアルミホイールから185/65R14 86Sラジアルタイヤ+14インチアルミホイールにそれぞれサイズダウン。デザインは当時のデザイナーであるオリビエ・ブーレイによる富士山型のフロントグリル(いわゆるブーレイ顔)を採用。ランエボ系を除き全てヘッドライトが2灯式となる。最廉価グレードとして追加された「MX-E ビジネスパッケージ」にはキーレスはもちろんセンタードアロック(集中ドアロック)すら装着されず、MX-E系では何故かオーディオが2DINから2DINのオーディオやカーナビゲーションの取り付けが大穴を開けない限り不可能な1DIN+1DINになり、これらのグレードはモデル末期まで販売されたため快適装備を重視するこのクラスのセダンとしては非常に珍しい仕様でもあった。
2003年12月
ランサーカーゴの一部改良に合わせて、教習車仕様の車名が「三菱教習車」から「ランサー教習車」に変更された。そのため「LANCER」のメッキエンブレムが付くようになった。
2004年1月
「ラリーアート」追加。(既にワゴン「T-ツーリング」に搭載されていた1.8L DOHC16バルブGDI ICターボエンジン(4G93、ネット165馬力)を搭載)
2005年1月
再度マイナーチェンジが実施され、「ラリーアート」以外のフロントフェイスがブーレイ顔からオーソドックスなものに変更される。日本国外向けは引き続きブーレイ顔を継続。モデル末期のギャランの代替ユーザーを取り込むべく、新たに2L SOHC16バルブエンジン(4G94、ネット120馬力)が設定された。これに伴いセダンに限り1.8L DOHC16バルブGDIエンジン(4G93)はラリーアートに搭載されているICターボモデル以外は全て廃止。
2005年12月
マイナーチェンジ。ラリーアートもブーレイ顔を廃止。
2007年6月
日本国内向けワゴン全グレードおよび日本国内向けセダンの1.8 ラリーアート、2.0 エクシード ナビ、1.5 MXツーリングの生産終了。
  • 日本を含む一部の国[8]では、ギャランフォルティス発売後もしばらくの間、6代目ランサーが継続販売される。2007年6月以降より、ランサーエボリューションを除く6代目ランサーは依然として法人を中心とした5ナンバー乗用車の需要があるため1,500ccSOHC16バルブエンジン(ネット90馬力)を搭載するセダンの「MX-E」シリーズ(「MX-E ナビ」、「MX-E」[9]、「MX-E ビジネスパッケージ」)と1,800ccSOHC16バルブ(4G93)LPGエンジンを搭載する教習車仕様の2タイプに整理され、外見上では「MX-E ビジネスパッケージ」以外の「MX-E」もコスト削減のためドアサッシュ部分が車体色と同一になり、チープな外見となった。なお、同じくコスト削減に伴いステアリングはコルトと同型の3本スポークタイプへ変更されている。
  • 本車種の派生車種であるランサーエボリューションXについてはギャランフォルティスがベースとなり、1,500ccモデルのみとなったランサーセダンは、2,000ccクラス(C/Dセグメントクラス)セダンのギャランフォルティスとの棲み分けを図った。
2008年6月
一部改良。「MX-E ナビ」廃止。シート生地変更。
2009年8月10日
販売台数減少、および大衆向け小型実用セダン市場不振などの理由で車種整理の対象となり、日本国内向けセダンの生産を終了。以降は在庫分のみの販売となる。
2010年5月
日本国内向けランサーセダン販売終了。同社の5ナンバーサイズのセダンが消滅し、日本国内向けのオリジナル・ランサーとしては6代37年の歴史に幕を降ろした。後継車はなくギャランフォルティスに統合される。ただし日本国内向けランサーのブランド自体は、現在も販売中のランサーエボリューションX(2011年1月現在)、並びにランサーカーゴ(2011年1月現在日産・ADのOEM)により継続されている。
2013年6月
新型ミラージュをベースとする4ドアセダン「アトラージュ」がタイにて発表(同年7月に発売開始)されたが、日本市場での発売は全く予定されていない。


7代目(日本名・ギャランフォルティス)(2007年-)

日本版の7代目ランサー(ギャランフォルティス)についてはギャランフォルティスを参照 テンプレート:Infobox 自動車のスペック表

2007年1月
北米国際オートショーで市販モデルが世界初公開された。プラットフォームアウトランダーと共有し、外寸は先代からさらに拡大されて全長4,570mm×全幅1,760mm×全高1,490mm、(CセグメントDセグメントの中間)ホイールベース2,635mmとなり、3ナンバーサイズとなる。デザインは欧州および日本のスタジオが担当し、2005年に相次いで公開されたショーモデル「コンセプトスポーツバック」(フランクフルトモーターショー)および「コンセプトX」(東京モーターショー)の流れをくむ。パワートレーンはアルミシリンダーブロックを採用した新開発の4B11 2.0L DOHC MIVECエンジンに6速マニュアルモード付きCVTが組み合わせられる(北米仕様車)。なお北米向け車種にCVTが搭載されるのは今回が初めてとなる。また、北米国際オートショーではエボリューションの先行プロトタイプとなるPrototype-Xも併せて公開された。
車内のスイッチでFF(前輪駆動)/4WD-AUTO(四輪駆動)/4WD-LOCK(四輪駆動センターデフロック)の切り替えが可能な電子制御4WDはグランディスデリカD:5、アウトランダー、ジープ・コンパスジープ・パトリオットにも搭載されている。
2007年3月19日
北米地域より販売開始。
2007年4月26日
三菱自動車は同年秋に発売する新型セダン(=北米で発表された新型ランサーの標準仕様)の日本国内仕様の車名を「ギャランフォルティス」 (GALANT FORTIS) にすると発表した。[10]つまり、2005年に販売を終了した8代目以来国内では名前が途絶えていた「ギャラン」の名前が約1年半ぶりに復活する[11]。尚、6代目ランサーの標準モデルは、ギャランフォルティスが発売された後も併売することでモデル間の住み分けを行っていたが、日本国内での6代目ランサーの生産終了に伴い、同社におけるCセグメント及びDセグメントクラスのセダンをカバーする事となる。
2007年8月23日
日本国内でギャランフォルティスが発売。エンジンは北米仕様のランサー同様4B11 2.0L DOHC MIVECエンジンが全グレードに搭載されミッションは6速マニュアルモード付きCVTが全グレードに、5速MTが「SPORT」系グレードの2WD車に設定される。当初はベーシック系の「EXCEED」とスポーティー系の「SPORT」のみの販売で同年10月下旬にはラグジュアリー系の「SUPER EXCEED」が追加販売される。
2007年9月15日
台湾で「ランサーフォルティス」として販売開始。台湾仕様車には独自の前後デザインが与えられている。エンジンは2.0L DOHC MIVECエンジン(エンジン型式が書かれていないため他地域と同様のものかは不明)が全車に搭載される。トランスミッションは6速マニュアルモード付きCVTのみの設定となり、マニュアルは設定されていない。
2007年10月1日
ランサーエボリューションX発売。
2008年1月14日
北米国際オートショーで、2.4Lの追加設定(09モデル)および2.0Lターボ搭載のRALLIARTを発表。RALLIARTはかつて存在したギャラン・VR-4の後継車種とも言うべきグレードで、VR-4やランサーエボリューションXのような過激さはないものの、バランスの良い走りが魅力である。トランスミッションは、ランサーエボリューションXでも採用された6速デュアルクラッチトランスミッションTwin Clutch SST」が搭載される。RALLIARTは2008年7月9日に日本国内で販売を開始。
2008年5月3日
台湾にてランサーフォルティスに1.8Lモデルが追加され、同時に「ランサー・イオ(LANCER iO)」が発売。ランサーフォルティスのスポーティモデルで、90年代後半から販売されていた「ヴィラージュ・イオ」(VIRAGE iO)の後継車となる。エンジンはランサーフォルティスと同じく4B11 2.0L DOHC MIVECエンジンが搭載され、主に外装、内装を中心に手を加えられている。ランサー・イオの外装、内装を纏った特別仕様車がギャランフォルティスにも設定された(ただし、先述の1.8Lモデルのみ)
2008年9月
パリモーターショーにて5ドアハッチバックが「ランサースポーツバック」の車名で世界初公開された。「コンセプトスポーツバック」を市販化したモデルである。また、RALLIARTグレードも同時にデビューした。
2008年12月2日
5ドアハッチバックが日本国内で「ギャランフォルティススポーツバック」として発売開始される。
2010年11月10日
マレーシアのプロトンが、ランサーの姉妹車であるプロトン・インスピラを発売。
2012年2月17日
台湾仕様をマイナーチェンジ。「ランサーiO」についてはフロントならびにリヤを他国スポーツ(ラリーアート)仕様同様の形状に大幅刷新。


車名の由来

  • ランサー…英語でランス(騎槍)を持った騎士、つまり「槍騎兵」という意味。
  • EX…英語のEXCEED(卓越する)の略語。
  • フィオーレ…イタリア語で「花」という意味。
  • セディア (CEDIA) …Century(世紀)とDiamondの合成語。
  • エボリューション…英語で「発展」という意味。

ランサーとWRC

テンプレート:See also

1992年にデビューしたランサーエボリューションはランサーGSRおよびRSのバリエーションであり正式にはGSR及びRSエボリューションだった。これは当時のWRCホモロゲーションに合致するグループAのラリーカーを作成するために必要な措置で、この状況はエボVI TMEまで続いたが、エボVIIからは独立した車種のランサーエボリューションとして発売され、そのグレードとしてGSR・RSおよびGTが設定された。WRカーに移行した当初の2001年~2002年まではランサーエボリューションWRCを名乗ったが、ホモロゲーションの制約などから通常のランサーをベースモデルとして2004年にランサーWRC04をデビューさせた。2007年現在、三菱自動車工業の経営方針でWRC参戦はカスタマーサポートのみであるが、近い将来に予想されるWRC改革に伴うホモロゲーション変更に際してエボXベースの新WRカーで復帰が期待されている。 テンプレート:-

脚注

テンプレート:Reflist

関連項目

テンプレート:Sister

外部リンク

テンプレート:Car-stub

テンプレート:自動車テンプレート:三菱車種年表
  1. バンは1985年まで。
  2. バン、ワゴンは1992年まで。
  3. 5ドアセダン需要が根強い欧州市場への対応と基幹車種の姉妹車は5ドアセダンとする当時の三菱の方針から
  4. 同時期に生産していた4ドアセダンのミラージュの輸出用でランサーを名乗っていた
  5. ギャランがボディの大型化により3ナンバー化されたため。
  6. ミラージュのハッチバックとクーペのアスティは廃止。
  7. ギャラン店とカープラザ店が統合され「セディア」を名乗る必要がなくなったため。
  8. 主に東南アジアなどの発展途上国および新興国
  9. なお、標準仕様の「MX-E」に限りFFのみCVT仕様のほか、5速MT仕様も設定。
  10. [2] 「三菱自動車プレスリリース」
  11. ただし、北米における9代目ギャランとはまったく別物であり、さらに日本以外の国ではランサーのまま発売されるため、ギャランのフルモデルチェンジや後継車種ではない。