三岐鉄道
テンプレート:Infobox 三岐鉄道株式会社(さんぎてつどう)は、三重県北部で三岐線と北勢線の鉄道2路線を運営するほか、路線バス・貸切バス事業などを行っている鉄道会社である。
目次
概要
社名は、かつて三重県と岐阜県(関ケ原)を結ぶことを目的としていたことに由来する。鉄道事業はかねてよりセメント輸送が主力であったが、現在では地域住民や行楽の足として旅客輸送の比重も上がって来ている。
奈良県と三重県の私鉄は近畿日本鉄道(近鉄)の力が大変強く、三重県の私鉄は一時、三岐以外はすべて近鉄の経営下だった時代があったが、三岐鉄道は戦時中の統合の際も鉱山関係(小野田セメント)の企業であったため近鉄への合併をまぬがれている[1]。現在でも三岐鉄道の筆頭株主は小野田セメントの後継企業である太平洋セメント株式会社である。営業路線は長らく三岐線および近鉄連絡線のみであったが、2003年(平成15年)に近鉄から北勢線を譲受し運行している。
2001年(平成13年)には開業70周年を記念して三岐線西藤原駅に蒸気機関車のテーマパーク「ウィステリア鉄道」を、2003年(平成15年)には同線丹生川駅に「貨物鉄道博物館」を開館し、ボランティアと共に貴重な鉄道車両の保存も行っている。
歴史
- 1928年(昭和3年)9月20日 会社設立。
- 1931年(昭和6年)7月23日 三岐線 富田 - 東藤原間が開業。
- 1932年(昭和7年)12月23日 三岐線 東藤原 - 西藤原間が開業。
- 1952年(昭和27年)11月24日 本社を四日市市高砂町から現在地に移転。
- 1954年(昭和29年)11月1日 乗合バス営業開始。
- 1956年(昭和31年)12月20日 貸切バス営業開始。
- 1964年(昭和39年)10月26日 三岐開発株式会社を設立。
- 1968年(昭和43年)8月28日 三岐観光サービス株式会社を設立。
- 1970年(昭和45年)6月25日 近鉄連絡線 三岐朝明 - 近鉄富田間が開業。
- 1972年(昭和47年)7月1日 三岐開発株式会社を合併。
- 1974年(昭和49年)7月24日 直営ガソリンスタンド「あかつき給油所」開業。
- 1975年(昭和50年)10月22日 東名阪自動車道御在所サービスエリア下り線に「三岐レストラン」開業。
- 1980年(昭和55年)10月1日 鈴鹿国定公園宇賀渓の国民宿舎「登竜荘」を大安町より譲り受け営業開始。
- 2001年(平成13年)7月23日 「ウィステリア鉄道」オープン。
- 2003年(平成15年)4月1日 近畿日本鉄道から北勢線(西桑名 - 阿下喜間)を譲り受け営業開始。
- 2003年(平成15年)9月15日 「貨物鉄道博物館」が開館。
- 2008年(平成20年)4月1日 三岐観光サービス株式会社を合併。
鉄道事業
路線
車両
北勢線の経営体移行が比較的近年であり、軌間など車両規格がまったく異なることもあって、三岐線・北勢線の両路線の間に車両の互換性はまったくない。共通点は形式記号と車体塗装だけである。
各線の車両については以下を参照。
運賃
テンプレート:Main2 大人普通旅客運賃(小児半額・10円未満切り上げ)。2014年4月1日改定[2]。三岐線・北勢線共通。
キロ程 | 運賃(円) | キロ程 | 運賃(円) |
---|---|---|---|
初乗り1 - 4km | 170 | 14 - 15 | 390 |
5 | 180 | 16 - 17 | 430 |
6 | 200 | 18 - 19 | 450 |
7 | 230 | 20 - 21 | 470 |
8 - 9 | 270 | 22 - 23 | 490 |
10 - 11 | 310 | 24 - 25 | 500 |
12 - 13 | 350 | 26 - 27 | 520 |
- 近鉄名古屋線を介して前後の三岐鉄道線の運賃通算は行わない。
- (例)三岐線 - 近鉄富田駅 - 近鉄名古屋線 - 桑名駅 - 徒歩 - 西桑名駅 - 北勢線を連続乗車する場合、接続駅で打ち切り計算となる。
- 「三岐鉄道1日乗り放題パス」は三岐線・北勢線とも乗車できるが、両線の間の運賃は別に必要である[3]。
- 定期券は通常の通勤定期・通学定期のほかに学校の学期に合わせた学期定期を発売している。
バス事業
長らく日野自動車製のみであったが、2004年1月にいすゞ自動車製が導入された。
現行路線
一般路線
山之一色線
- JR四日市駅前 - 近鉄四日市駅前 - みたき総合病院前 - 坂部が丘 - 大沢台 - あかつき台 - 八千代台二丁目 - あさけが丘一丁目 - 山城駅前
- JR四日市駅前 - 近鉄四日市駅前 - みたき総合病院前 - 坂部が丘 - 大沢台 - あかつき台 - 暁学園前駅前
- JR四日市駅前 - 近鉄四日市駅前 - みたき総合病院前 - 坂部が丘 - 四日市大学・看護医療大学前 - あかつき台 - 八千代台二丁目 - あさけが丘一丁目 - 山城駅前
- JR四日市駅前 - 近鉄四日市駅前 - 末永 - 坂部が丘 - 大沢台 - あかつき台 - 八千代台二丁目 - あさけが丘一丁目 - 山城駅前
- 近鉄四日市駅前 → 末永 → 坂部が丘 → 大沢台 → あかつき台 → 八千代台二丁目 → あさけが丘一丁目
- JR四日市駅前 - 近鉄四日市駅前 - (直行) - 四日市大学・看護医療大学前
平日昼間はJR四日市駅前 - みたき総合病院前 - 大沢台 - 山城駅前とJR四日市駅前 - みたき総合病院前 - 四日市大学・看護医療大学前 - 山城駅前が主体で合わせて30分毎の運転。土休日昼間はJR四日市駅前 - みたき総合病院前 - 大沢台 - 山城駅前が主体で30 - 60分毎の運転。
暁学園駅前行は平日のみ1日1往復。四日市大学・看護医療大学前行直行は平日の朝下り・夕上りのみ。
金曜下りのみ深夜バスあり(近鉄四日市駅前→あさけが丘一丁目)。
2010年(平成22年)3月31日までは「JR四日市駅前 - 近鉄四日市駅前 - みたき総合病院前 - 坂部が丘 - あかつき台 - 四日市大学・看護医療大学前」の系統が存在。
2010年(平成22年)4月1日からは「JR四日市駅前 - 近鉄四日市駅前 - みたき総合病院前 - 坂部が丘 - 四日市大学・看護医療大学前 - あかつき台 - 八千代台二丁目 - あさけが丘一丁目 - 山城駅前」の系統が新設された。
四日市大学線
- JR富田駅前 - 近鉄富田駅前 - 四日市大学・看護医療大学前 - 東芝正門前
- JR富田駅前 - 近鉄富田駅前 - 四日市大学・看護医療大学前
- JR富田駅前 - 近鉄富田駅前 -(直行)- 東芝正門前
休日運休。2010年(平成22年)4月1日から東芝正門前まで延長及び東芝正門前行きの直行バスの運転が開始された。
桑名西高校線
- 暁学園前駅前 - 桑名西高校前
学校休校日運休。
イオンモール東員線
受託路線
詳細は以下の各記事を参照。
- 四日市市自主運行バス
- 山城・富洲原線: 山城駅前 - 伊坂台三丁目 - 北永台 - 近鉄富田駅 - 天ヵ須賀2丁目
- 東員町コミュニティバス「東員町オレンジバス」
- 東部線
- 東西線
- いなべ市コミュニティバス「アイバス」
- 員弁西線
- 員弁東線
廃止・撤退路線
- 宇賀渓線: 大安駅前 - 宇賀渓キャンプ村 ※休止
- 三里いなべ線: 三里駅前 - いなべ総合学園 ※いなべ市コミュニティバス員弁西線に統合
その他の事業
- 高速道路施設運営事業
- 東名阪自動車道御在所サービスエリア下り線の運営
- 卸売・小売事業
- 石油販売事業
- ガソリンスタンド(コスモ石油あかつき給油所、東名阪自動車道四日市東インターチェンジ付近にある)の運営。
- LPガスの卸売。
- 不動産事業
- 不動産の分譲、賃貸、売買仲介、鑑定・評価、宅地造成など。
- 旅行代理店業
- 三岐観光サービス株式会社の事業を引き継ぎ2008年4月発足。富田・大安に営業所を運営。
関係会社
- 三岐観光サービス株式会社(2008年3月31日解散)
- 北勢線施設整備株式会社
- 近畿日本鉄道 - 資本面での関係はないが、近鉄富田駅で列車の接続ダイヤがとられる、近鉄の時刻表に三岐の列車ダイヤが掲載されるなど、営業面での協力関係は存在する。
脚注
関連項目
- 日本の鉄道事業者一覧
- 四日市大学 - 地元四日市市にある大学であり、三岐線・暁学園前駅が最寄り駅となっている。近年は、同大学の総合政策学部や経済学部の授業の一環として、鉄道を盛り上げるイベントを共同で実施している。