ヒガラ
ヒガラ(日雀、学名:Periparus ater テンプレート:AU, 1758)は、スズメ目シジュウカラ科シジュウカラ属に分類される鳥類の一種。シノニムが、 Parus ater Linnaeus, 1758[1]。
分布
ユーラシア大陸の広範囲にかけてとアフリカ北部のアルジェリア、チュニジア、モロッコおよび日本、台湾に分布する[2][3]。
日本では亜種ヒガラ(学名:Periparus ater insularis)が北海道、本州、四国、九州(屋久島まで[4])に周年生息する(留鳥または漂鳥)[3][5]。
形態
スズメ(全長が約14 cm)よりも小さく[注釈 1]、全長が約11 cm[3][4][5][6]、翼開長が約17 cm[6][7]。日本のカラ類の中では最小の種[4][8]。上面は青味がかった灰色や黒褐色、下面は淡褐色の羽毛で覆われる。頭頂は黒い羽毛で被われ、羽毛が伸長する短い冠羽がある[3][6][5]。頬から後頸にかけて白い斑紋が入るが、喉から胸部にかけて黒い斑紋に分断され胸部の明色部とは繋がらない。翼の色彩は灰黒色。と中雨覆の先端(羽先)に白い斑紋が入り、静止時には2本ずつの白い筋模様(翼帯)に見える[注釈 2][6]。
卵は白い殻で覆われ淡紫色や赤褐色の斑点が入る。
生態
平地、山地、亜高山帯の針葉樹林に生息する[3][6]。冬季になると標高の低い場所へ移動する。秋季や冬季は群れを形成して生活し、コガラなどのシジュウカラ科の他種やキクイタダキなどと混群を形成することもある[3]。
食性は雑食で[9]、昆虫、クモ、果実、草木の種子[注釈 3][4]などを食べる[3][6]。樹木の枝先付近を動き回ることが多く[3][7]、樹上で採食を行う。木の幹の隙間に種子などの食物を貯蔵することもある[6]。
繁殖形態は卵生。繁殖期にはペアで縄張りを形成する。樹洞やキツツキの古巣[4]の中に苔類や獣毛、羽毛を敷いた巣に、日本では5-7月に1回に5-8個の卵を産む。メスのみが抱卵し、抱卵期間は14-18日。雛は孵化してから16-18日で巣立ち、巣立ちしてから約2週間で独立する。オスはシジュウカラよりも速いテンポで『ツピン ツピン ツピン』と高木の上でさえずる[3][6]。 テンプレート:-
人間との関係
樹洞に巣を作るので巣箱を利用することもある[10]。北海道室蘭市の指定の鳥である[11]。
分類
- Periparus ater britannicus (テンプレート:AU & テンプレート:AU, 1871) - グレートブリテン島とアイルランド島北東部に分布する。
- Periparus ater hibernicus (テンプレート:AU, 1910) - アイルランド島の北東部以外に分布する。
- Periparus ater ater Linnaeus, 1758 - スカンジナビア半島、ヨーロッパ北東部から、シベリア、カムチャッカ半島、日本の北部、大韓民国、中国北東部、モンゴル国北東部にかけて分布する。
- Periparus ater abietum (テンプレート:AU, 1831) - ヨーロッパ西部・中部・南東部とアナトリア半島に分布する。
- Periparus ater vieirae (テンプレート:AU, 1906) - イベリア半島に分布する。
- Periparus ater sardus (テンプレート:AU, 1903) - コルシカ島とサルデーニャに分布する。
- Periparus ater atlas (テンプレート:AU, 1901) - モロッコに分布する。
- Periparus ater ledouci (テンプレート:AU, 1845) - アルジェリア北部とチュニジアに分布する。
- Periparus ater cypriotes (テンプレート:AU, 1888) - キプロスに分布する。
- Periparus ater moltchanovi (テンプレート:AU, 1903) - クリミア半島南部に分布する。
- Periparus ater michalowskii (テンプレート:AU, 1879) - コーカサスの南西部以外と南コーカサス中部・東部に分布する。
- Periparus ater derjugini (テンプレート:AU & テンプレート:AU, 1903) - トルコ北東部とコーカサス南西部に分布する。
- Periparus ater eckodedicatus (テンプレート:AU & テンプレート:AU, 2006) - 中国西部に分布する。
- Periparus ater gaddi (テンプレート:AU, 1911) - アゼルバイジャン南東部とイラン北部に分布する。
- Periparus ater chorassanicus (Zarudny & テンプレート:AU, 1911) - トルクメニスタン南西部とイラン北東部に分布する。
- Periparus ater phaeonotus (テンプレート:AU, 1873) - イラン南西部に分布する。
- Periparus ater rufipectus (テンプレート:AU, 1873) - カザフスタン南東部と中国北西部に分布する。
- Periparus ater martensi (テンプレート:AU, 1998) - ネパール中部のガンガク川流域に分布する。
- Periparus ater melanolophus (テンプレート:AU, 1831) - アフガニスタン東部とパキスタン北西部からヒマラヤ山脈北西部にかけて分布する。
- Periparus ater aemodius (テンプレート:AU, 1845) - ヒマラヤ山脈東部からブータン北部にかけて分布する。
- Periparus ater pekinensis (テンプレート:AU, 1868) - 中国の中央東部に分布する。
- Periparus ater insularis (テンプレート:AU, 1902) - ヒガラ、千島列島南部と日本に分布する。
- Periparus ater kuatunensis (テンプレート:AU, 1923) - 中国南東部に分布する。
- Periparus ater ptilosus (テンプレート:AU, 1912) - 台湾に分布する。
種の保全状況評価
国際自然保護連合(IUCN)により、2010年からレッドリストの軽度懸念(LC)の指定を受けている[12]。
日本では以下の都道府県でレッドリストの指定を受けている[13]。
脚注
注釈
出典
参考文献
- テンプレート:Cite book
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- テンプレート:Cite book
- テンプレート:Cite book
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関連項目
テンプレート:Commons&cat テンプレート:Sister
外部リンク
- The IUCN Red List of Threatened Species
- BirdLife International 2009. Parus ater. In: IUCN 2009. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2009.2.テンプレート:Bird-stub
- BirdLife International 2009. Parus ater. In: IUCN 2009. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2009.2.テンプレート:Bird-stub
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