デイトナ24時間レース
デイトナ24時間レース(デイトナにじゅうよじかんレース、24 Hours of Daytona)とは自動車の耐久レースの1つ。フロリダ州デイトナにあるデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開始以来毎年1月の最終週と2月の初頭に開催されている。ル・マン24時間レース、スパ・フランコルシャン24時間レースの2レースとあわせて「世界三大耐久レース」とも呼ばれる。
概要
フランスで行われるル・マン24時間レースの形式を踏襲しており、3人(2008年から4人のエントリーも可能)のドライバーがチームとして1台の車を走らせ、24時間という決められた時間内に最も長い距離を走行したチームが優勝となる[1]。ル・マンと異なるのは、公道を一切使わず専用のサーキットのみを用いる点である。高速オーバルコースというコース上の特性に加え、途中に組み込まれたテクニカルセクションが存在する事から、ストレートの長いル・マン・サルト・サーキットよりもマシンやドライバーにかかる負担も大きいレースである。バンクではマシンに上下方向でのGがかかることからサスペンションのセッティングにも苦心するレースでもある。
1962年に3時間のレースとして始まった。1964年には2,000kmレースに拡張されたが、1966年に現在の24時間レースになった[2]。当初は国際スポーツカー選手権に組み込まれていたが、1973年から1998年まではIMSAの一戦として組み込まれた。その後はグランダムの一戦として組み込まれている。
しかしその後コストの上昇に歯止めをかけるため、2002年シーズン終盤(2004年より本格導入)にグランダムがIMSA-WSCクラスに変わってデイトナプロトタイプという独自規格を導入したため、アメリカン・ルマン・シリーズ(ALMS)のLMPのスポーツカーと全く互換性が無くなってしまった。そのためLMPが出場できるALMSのセブリング12時間の知名度が上昇するのと相対的にこのレースの世界的地位が下がったとも言われる。
名称は数年ごとに変わっており、1991年以降はロレックスが冠スポンサーとして大会名に付いている。また、レースで勝利したチームに同社の高級腕時計が送られる。それ以前はペプシ(1978年~1983年)やサンバンク(1984年~1990年)が冠スポンサーだった。
1979年~1986年の7年連続はマツダ・サバンナRX-7がGTUクラスで、2008年と2010年は3ローターNAを搭載したマツダ・RX-8がGTクラスで優勝している。
1992年にはNISMOがR91CPで初出場。初の日本車の総合優勝と日本人ドライバーとして(長谷見昌弘、星野一義、鈴木利男)の優勝、レースラップ数更新(ただしレイアウト改修前の1982年の最長距離記録4443.334 kmの更新はならず)を果たした。
2006年、2007年とレクサス-ライレーが2連勝している。なお、SUPER GTに参戦している紫電は、レクサス-ライレーMK XIのモノコックをベースに製作した車両で、エンジンもデイトナプロト用の1UZ-FEを戸田レーシングが改良したものである。
歴代タイトルの一覧
脚注
- ↑ 通常のレースと異なり、決められた距離を最も速く走り抜いたドライバーが優勝となるわけではない。
- ↑ 1972年のみ6時間レースで、1974年はオイルショックにより中止。
- ↑ レース後に車両重量が不足していることが発見されたが、優勝は取り消されなかった。