シュラスコ
シュハスコ[1]、シュラスコ(テンプレート:Lang-pt-short)は、鉄串に牛肉や豚肉、鶏肉を刺し通し、荒塩(岩塩)をふって、炭火でじっくり焼いたブラジルをはじめとする南アメリカの肉料理である。スペイン語圏では「チュラスコ」又は「アサード」と呼ばれ、アルゼンチン、ウルグアイ、ボリビアなどでも供される肉料理でもある。
食文化
シュラスコを供するレストランを「シュハスカリア」(churrascaria) と呼ぶ。牛を中心とした肉(中には鶏のハツなども含まれる)の様々な部位を串刺しし、ギャルソン(もしくはシュハスケイロ、牧童の格好をしている場合はガウーショ)と呼ばれる男性ウエイターが串ごと客席に運び、目の前で食べたい量を切り分けるという供し方が特徴。ウエイターが持ってくる串は肉類だけではなく、エビやパイナップル、焼きバナナなどもある。パイナップルは酵素が肉類の消化によいとされており、理にかなっているといえる。
シュハスカリアの中には食べ放題(Rodizio、ホジージオ)で供される店もあり、サラダバーなども併設している。テーブルにはバナナやファリーニャ(キャッサバ粉のフライ)、米飯、パンに加え「食べ残し用の皿」も置かれる。加えてひっきりなしにウエイターが様々な部位の肉を持ってきて聞いてくる為、大食漢でもない限りある程度自分の腹具合と相談しながら食べることになる。
なお、ブラジルのシュハスカリアでは基本的に時間制限はなく、昼に来て夕方に帰る客なども多い。またブラジルでは牛肉に関しては充実しており、非常に贅沢である。日本のように「もったいない」という考えはない。したがって食べ損ねて冷たくなった肉も皿ごと取り替えてくれる。また、Bem Passado(ベン・パッサード、英語で言うウェルダン)、Mal Passado(マウ・パッサード、レア)などの焼き加減や、脂身の多い少ないなど、肉の好みが人によって違うので、客はみなその希望を言えばその通りにしてくれる。
基本的に必要以上の肉がまわってきた場合はその都度断ればいいのだが、シュハスカリアではそういった手間を省く為に表裏に緑色・赤色で塗った金属片や木片、またはカードを置いてあることがある。緑色を上にすると「肉を持ってきて欲しい」というウエイターに対する意思表示(サイン)になり、逆に赤色を上にすると「いらない」という意思表示になる。
ただし、サインを赤を上にした場合、日本ではサービス提供のすべてを断り、食事は完全に終了したと見なされる。したがって、自分が望む肉の種類や肉質などが来ない場合は延々と待たずに、遠慮なくギャルソンや店員に言えばよい。なお「シュラスコ」はもともとバーベキューの意味であり、ブラジルの一般家庭で行う時も同様に呼ばれる。
もともとはブラジル南部のガウーショたちが行う料理法であったが、1970年代からブラジル都市部のレストランでも供されるようになったとされる。
ブラジル国外への広がり
中国
中華人民共和国の大都市にも21世紀になって「巴西烤肉」(ブラジル焼き肉、バーシー・カオロウ)の名でシュラスコを売り物にしたレストランが多く開業しているが、串に刺す素材は、牛肉などの他にソーセージなどにも広がり、併せて中華料理のバイキングを出すなど、ローカル化も見られる。
日本
日本にも1990年代に多くのシュラスコを売り物にしたブラジル料理、肉料理のレストランがオープンした。一時期、バブル崩壊とともに減少したが、近年では本国内各地でまた増えつつある。
- キ・ボン — 東京都台東区。アスレタが経営。
- コパ東京 — 東京都板橋区。
- トゥッカーノ — 東京都渋谷区渋谷
- バッカーナ — 東京都渋谷区、東京都中央区、大阪府大阪市、石川県金沢市、愛知県名古屋市。
- バルバッコア — 東京都千代田区、東京都渋谷区。ブラジル・サンパウロ市に本店がある。
- プリマベーラ — 群馬県大泉町。
- ラッサドール — 大阪府大阪市。
これらの他、静岡県浜松市や神奈川県川崎市など、日系ブラジル人が多い地域では、日系ブラジル人などのブラジル出身者によるシュハスカリアも多い。
主な肉の種類
食品 | 名前 | 備考 |
---|---|---|
牛肉 | ピカンヤ[2] | ランプ肉 |
牛肉 | アゥカットラ[3] | サーロイン |
牛肉 | クッピン[4] | コブ肉 |
牛肉 | ピカンヤ・ヌ・アーリュ[5] | ガーリックステーキ |
牛肉 | コステーラ[6]、クッシュテーラ | リブ・あばら骨周辺 |
豚肉 | ロンボ[7]、ロンブ | ロイン |
豚肉 | コステーラ[8]、クッシュテーラ | リブ |
豚肉 | リングィッサ[9] | ソーセージ |
鶏肉 | フランゴ[10]、フラング | 手羽元 |
鶏肉 | コラサン[11] | ハツ・心臓 |
パイナップル | アバカシ[12] | |
エビ | カマラン[13] |
脚注
- 元の位置に戻る ↑ ブラジルポルトガル語での発音。
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