ゴールドマン・サックス
ゴールドマン・サックス(The Goldman Sachs Group, Inc., テンプレート:Nyse)は、アメリカの金融グループであり、世界最大級の投資銀行である。歴史は古くドイツ出身のユダヤ系のマーカス・ゴールドマンによって1869年に設立された。
モルガン・スタンレーやJPモルガン、メリルリンチ等とともに、投資銀行業務の幅広い分野においてリーグテーブル上位に位置する名門投資銀行と言われている。
概要
取引業務(株式、債券、通貨などの金融資産や不動産の売買、資金の貸付)、投資銀行業務、富裕層へのプライベート・バンキング、保険業務を主としている。
ニューヨーク(ウォール街)、シカゴ、フランクフルト、ロンドン、東京(六本木)、香港、サンパウロといった主要な金融都市に拠点を置く。現在のCEOはロイド・C・ブランクファイン、前CEOは第74代米国財務長官のヘンリー・ポールソン。在日法人の代表取締役社長は持田昌典。
2008年に大きな問題となったサブプライムローン問題においては、他の金融機関と比較して相対的に、被害を受けていない金融機関の一つである。但し、財務内容は急速に悪化する情勢は否定できず。金融危機対策として、連邦準備制度理事会の支援と管理が受けやすい銀行持ち株会社に急遽移行することが決まった。
風土・報酬水準
社員の平均ボーナスが6500万円を超えるという報道でも有名な会社。ただし、2008年度のボーナスはサブプライムローンの影響を受け大幅に減少するなど、年によるばらつきが極めて大きい。
テナント経営をしたり、レストランを開いたりと、副業をする社員も多い。実際に社長の持田昌典も、レストランを所有している。
また、新卒採用もあるが、日本の場合、基本的に外資系金融機関は中途採用が主流で、MBA採用を除くと、大手邦銀・大手証券、若しくは他の外資系金融機関等で秀でた業績を有した者のみを取る、中途採用がメインストリームとなっている。
フロント部門(バック・ミドルオフィスを除く)の報酬水準は、年による変動があるものの他の外資系金融機関同様基本的に米国水準、若しくは世界水準である。一般にアナリスト(新卒~3年目)で1500~2000万前半、アソシエイト(4年~7、8年目)で1000万後半~4000万、VP(8年目以降~)で3000万~1億円程度、MDで5,6000万~10数億円程度とされる(括弧内の年数は社会人としての実務経験年数。MDでもグローバルレベルでの経営層やトップトレーダは50億円を超えることもある。)テンプレート:要出典。2004年度には、生え抜きの30代の日本人社員が、 所得税額3億6763万円・推定所得10億円以上で高額納税者番付全国74位に入った。
通常、職位が上がるにつれ高度な対人折衝能力(e.g. 大手企業社長や取締役への助言業務)が要求される投資銀行サイドでは、海外名門大学でのMBA取得者や弁護士・会計士資格取得後数年間の実務経験を積んでからアソシエイトになるバンカーが多いため、マーケットサイドのバンカーよりは平均年齢は数年高い。逆に、短期売買が主体で瞬時の的確な判断能力が要求されるトレーダー・ディーラー等マーケットサイドでは若くしてVP、MDクラスになるバンカーがいる一方、30歳前半でリタイアするバンカーも多く、退職年齢も早くなる傾向がある。
また、ゴールドマンサックスの社員が転職先として好む、大手外資系PEファンドの給与水準はこの水準に成功報酬を加えた金額となる。一般に投資ファンドは弁護士事務所同様、投資銀行ほど職位が細かく分かれていないケースが多く、アソシエイト(投資銀行のVP層~)とディレクター(10数年目以降~)、パートナー(シニア層)で構成されるところが多い。アソシエイトとパートナーのみのファンドもある。
世界のゴールドマンサックス
日本における活動
日本においては、GSJH(ゴールドマン・サックス・ジャパン・ホールディングス有限会社)の金融持株会社の下に置かれている
- GSJCL(ゴールドマン・サックス証券株式会社)
- GSAMC(ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社)
- GSRJL(ゴールドマン・サックス・リアルティ・ジャパン有限会社)
の3つの会社から構成されている。
2003年に、ダイエーから新浦安オリエンタルホテル(浦安市)、神戸メリケンパークオリエンタルホテル(神戸市)、なんばオリエンタルホテル(大阪市)、ホテルセントラーザ博多(福岡市)の4つのホテルを買収した。また、三井住友フィナンシャルグループの優先株を保有している。カバードワラントとして、eワラントを販売し、株のワラントのみならず、為替、金や原油先物のワラントも開発した。
エヌ・ティ・ティ・ドコモの海外におけるIPOをサポートしている。また、リップルウッド・ホールディングスの日本長期信用銀行(現新生銀行)の買収をサポートした。
通信関連では、イー・アクセスやイー・モバイルにも出資し、現イー・モバイル社長としてエリック・ガンを派遣している。他にも、経営不振のゴルフ場を次々に買収し、アコーディア・ゴルフとして再編。日本最大級のゴルフ場運営業者となっている。
大阪にあるユニバーサル・スタジオ・ジャパンの運営会社である、ユー・エス・ジェイに投資している。これについては、米国本社100%出資の有限会社クレインホールディングスを通して出資している。[1]
出身者
アメリカ
- ヘンリー・H・ファウラー(元アメリカ合衆国財務長官)
- ロバート・ゼーリック(元アメリカ合衆国国務次官)
- ヘンリー・ポールソン(前アメリカ合衆国財務長官)
- ロバート・ルービン(元アメリカ合衆国財務長官)
- ジョン・コーザイン(アメリカ合衆国ニュージャージー州知事)
- ジム・クレイマー(CNBCのパーソナリティで、投資家)
日本
- 松本大(元社長、マネックスグループ代表取締役社長CEO)主にデリバティブを担当
- 江原伸好(米国本社日本人初のゼネラルパートナー、ユニゾンキャピタル代表取締役パートナー)
- 木曽健一(元ユニゾンキャピタルパートナー、2009年10月27日自殺)
- 鈴木晃(味の素創業者・鈴木三郎助の玄孫、元日本テレビアナウンサー米森麻美の夫、父は当時GSJCL名誉会長)
- 山崎養世(元ゴールドマン・サックス投信社長)
- 森生明(西村あさひ法律事務所経営顧問)
- 横手真一(福田康夫の甥でフリーアナウンサー千野志麻の夫)
- 田原邦男(現在は馬主)
- 木村正明(元ゴールドマン・サックス証券執行役員、ファジアーノ岡山スポーツクラブ代表取締役)
- 中村清高(元ゴールドマン・サックス東京におけるECMのヘッド)現在、株式会社いい生活代表取締役社長
- 小澤ふみ子2004年に日本で生まれ育った女性としては初めてのパートナー。当時、日本支店では最年少の29歳
- 中西武志(カーボンフリーコンサルティング代表取締役CEO)
脚注
- ↑ 株式会社ユー・エス・ジェイ 第15期有価証券報告書「関係会社の状況」
関連項目
- PEファンド
- 六本木ヒルズ
- BRICs
- eワラント
- NEXT11
- スターバックス - 六本木ヒルズ森タワーに社員専用店舗がある
- 星野リゾート
- ゴールドマン・ショック
参考文献
- 『ゴールドマン・サックス―世界最強の投資銀行』早川書房
外部リンク
- ゴールドマン・サックステンプレート:En icon
- ゴールドマン・サックス証券 テンプレート:Ja icon
- ゴールドマン・サックスはいかにして危ないモーゲージ債を売りぬけたか 動画 日本語字幕付 (デモクラシーナウ!ジャパン 2009.11.04)