や座

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や座(矢座、Sagitta)は、トレミーの48星座の1つ。

や座は全天でみなみじゅうじ座こうま座についで3番目に小さいが、トレミーの48星座には含まれている。しかし、この星座が占有する南北の角度は最も小さい。つまり、矢の形なので、形が横に長く、小さくまとまっている。北天の星座になるが、南極近くでない限り、南半球でもだいたいどの地方でも見ることができる。や座は、北から時計回りにこぎつね座ヘルクレス座わし座いるか座の順に囲まれる。

主な天体

恒星

テンプレート:See also

  • α星:シャム(Sham)は、スペクトル分類はG1IIで、視等級4.37等の黄色巨星。距離610光年。
  • β星:4.37等。

α星とβ星で矢の矢羽の部分を形作る。

  • γ星:や座で最も明るい恒星。温度の低い巨星でスペクトル型M0III、視等級3.47等。距離は170光年。
  • δ星:スペクトル型 M2II + A0V、視等級3.82等。
  • ε星:恐らく4つの恒星から成る二重星。合成スペクトルG8III、視等級5.66等。

γ星とδ星とε星で、矢を表す。

  • η星:視等級5.1等、スペクトル型K2III。ヒアデス運動星団に属している。
  • FG星:非常にユニークな変光星。1800年代終わりは14等の青白い星だったがその後徐々に増光し、1967年には10等まで明るくなり色も黄色くなり、以降9~10等で小さな変動をしていた。スペクトルや色の変化から、FG SgeはHR図上をセファイド変光帯に向かって左から右へと移動していたことが分かっている。その後1.5~2等暗くなり、現在はオレンジ色に輝いている。

星団・星雲・銀河

その他

由来と歴史

最初、「や」はα星Shamを示していたが、のちに、星座として認識されるようになったテンプレート:要出典

ヨハン・バイエルは、バイエル符号をその星座の明るい恒星から順に名付けているが、や座では明るさの順になっていない。明るさの順になっていない星座には他にいて座がある。

神話

や座には明るい星がないが、多くの文明で矢として認識された。この星座を矢と見たのは、ペルシア人、ヘブライ人、ギリシア人、ローマ人などで、それらの文明に由来する様々な物語がある。近くにあるヘルクレス座やわし座がこの星座に関連すると考えられた。

偽エラトステネスは、アポロンキュクロープスを撃ち殺した矢であるとした。キュクロープスの作った雷撃の矢で、アポロンの息子アスクレピオスゼウスに撃ち殺されたことを恨んでのことである[1]

ヒュギーヌスは、毎日鷲(わし座)に肝臓をついばまれているプロメーテウスを見たヘーラクレース(ヘルクレス座)が、鷲を殺した矢であるとした[1]

ゲルマニクスは、ゼウスをガニュメーデースに夢中にさせた、愛の神エロースの矢であるとした[1]。エロースの矢は、当たった者を恋の虜にさせる力があるという。

出典

  1. 1.0 1.1 1.2 テンプレート:Cite web

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