プロメーテウス

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テンプレート:Greek mythology プロメーテウステンプレート:El, テンプレート:La)は、ギリシア神話に登場する男で、ティーターンの1神である。エピメーテウスの兄である。ゼウスの反対を押し切り、天界のを盗んで人類に与えた存在として知られる。

その名は、テンプレート:La(先に、前に)+ テンプレート:La(考える者)と分解でき、「先見の明を持つ者」「熟慮する者」の意である。一説によると、プロメーテウスが人間を創造した[1]

長音を省略してプロメテウスとも呼ぶ。

プロメテウスの火

プロメーテウスはゼウスの命令に背きながらも、人類が幸せになると信じて火を与えた。人類は火を基盤とした文明技術など多くの恩恵を受けたが、同時にゼウスの予言通り、その火を使って武器を作り戦争を始めるに至った。現在に至るまで、火は人類の進化や文明の発達に大きな役割を果たしているが、ひとつ間違えれば、すべてを焼き尽くす恐ろしい火になってしまう。

このことからプロメテウスの火とは、原子力など、人間の力では制御できないほど強大でリスクの大きい科学技術の暗喩としてしばしば用いられる。

神話

アポロドーロスの『ギリシア神話』によるとイーアペトスアシアーの子。アイスキュロスの『縛られたプロメテウス』によると女神テミスの子。ヘーシオドスの『神統記』によるとイーアペトスとクリュメネーの子である。

アトラースの弟であり、エピメーテウスメノイティオスの兄、デウカリオーンの父である。ティーターン神族の子であるため、広義のティーターンに含まれる。

ティーターノマキアーの際にオリュンポス神族に勝てないことを見越してオリュンポス側に付き、その結果戦後も自由を得たが、彼らの言いなりにはなっておらず、密かに同胞の仇討ちを画策していた。

ゼウスが傲慢になった古い人間を大洪水で滅ぼし、新しい人間と神を区別しようと考えた際、彼はその役割を自分に任せて欲しいと懇願し了承を得た。プロメーテウスは大きなを殺して二つに分け、一方は肉と内臓を食べられない皮に隠して胃袋に入れ、もう一方は骨の周りに脂身を巻きつけて美味しそうに見せた。そして彼はゼウスを呼ぶと、どちらかを神々の取り分として選ぶよう求めた。プロメーテウスはゼウスが美味しそうに見える脂身に巻かれた骨を選び、人間の取り分が美味しくて栄養のある肉や内臓になるように計画していた。だが、ゼウスはプロメーテウスの考えを見抜き、不死の神々にふさわしい腐る事のない骨を選んだ(このくだりには異説があり、ゼウスは騙されて脂身に包まれた骨を選んでしまい、怒って人類に死を与え、人類から火を取り上げたとする)。この時から人間は、肉や内臓のように死ねばすぐに腐ってなくなってしまう運命を持つようになった。

プロメテウスの火

ゼウスはさらに人類から火を取り上げたが、プロメーテウスは、自然界の猛威や寒さに怯える人類を哀れみ、人類は火があれば、暖をとることもでき、調理も出来ると考え、ヘーパイストスの作業場の炉の中にオオウイキョウen)を入れて点火し、それを地上に持って来て人類に「」を渡した。火を使えるようになった人類は、そこから生まれる文明をも手に入れた一方、製鉄の発展などにより兵器を用いた争いの原因ともなった。

その行いに怒ったゼウスは、権力の神クラトスと暴力の神ビアーに命じてプロメーテウスをカウカーソス山の山頂に張り付けにさせ、生きながらにして毎日肝臓ハゲタカについばまれる責め苦を強いた。プロメーテウスは不死であるため、彼の肝臓は夜中に再生し、のちにヘーラクレースにより解放されるまで半永久的な拷問が行われていた。

「ゼウスがテティスと結婚すると父より優れた子が生まれ、ウーラノスクロノスに、クロノスがゼウスに追われたように、ゼウスも追われることとなる」という情報を知っており、それを教える事を交換条件として解放されたという説もあるが、逆にプロメーテウスは横暴なゼウスに屈しないがために、たとえそれが交換条件になろうとも教えなかったと言われている。現に、テティスの情報を教えたのはプローテウスと言われており、何らかの形で混同したとされる。

プロメーテウスの不死は、ケイローンがゼウスに頼んでプロメーテウスに譲ったものとされるが、これはヘーラクレースによる解放後とされており、明らかに時期が合わない。上述の骨と肉の二者択一の説話において、ゼウスが永遠の命の象徴である骨を選択した時に、不死を得たと考えるのが妥当であろう。

後日譚

プロメーテウスが人間に火を与えた神話の後日譚がパンドーラーの神話で描かれている。

系図

テンプレート:アイオロスの系図

出典

テンプレート:Reflist

関連項目

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  • アポロドーロス『ギリシア神話』第1巻VII:1